PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Wiegenlied

【?】Gespenst

【ハックルベリーと霧の国】

ここはどこ?
きみは答えた。
――地上に浮き出た霧の国さ!

ニヴルヘイムより愛を込めて。
お菓子と招待状は忘れずに。
さあさあみなさま、お手を拝借。
きみも立派な”おばけ”の一員だ!


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

1:1RP。
おまねきしたひとだけ。

【おばけのせんせい】
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p000371

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(レガド・イルシオン某所。来る収穫祭――”FairyTail Of Phantom”に向けて華やぐ街は、何処も彼処も色めきだっていた)
(街灯は色硝子を施され煌めいて、家々の軒先には魔女の花飾りが揺れている)
(街の至る所に飾られた南瓜を刳り貫いて造られたランタンが、蝋燭のともしびを宿してゆらゆらと仄かなひかりを放っていた)
(影は雑踏を掻い潜り石畳を駆け抜け、路地裏に飛び込み――人目から逃れるように、”ひみつきち”の扉を三度叩いた)

……せんせい。いる?

(持ち主をなくした掘建小屋。其処は影の仮宿のうちのひとつだった)
(家具らしい家具もなく雨風を凌げる程度にしかならない所ではあったが、”おばけ”には相応しい拠点になるだろう)
(影は黒鉄の少年を招いて、世界中を賑わす”おばけのおまつり”について指南してもらうことにした――と云うのが、事のあらましである)
(待ち合わせの時刻には少し早い。少年からの返答が無ければ、扉に其の儘手を掛ける心算で)
(ふと。かすかな布と鉄のこすれる音)
(向こうのほうから黒っぽい影が走ってくる)
(見るとどうやらそれは黒い鉄のこどもで)

(もともとが真っ黒いこどもは)
(夜色のマントを被っていっそう真っ暗色)
(マントから覗く目の色だけがぴかぴか光っているように見える)

……! 夜鷹サン。
良かった。迷子にも遅刻にもならなかった。
おじゃまします。おばけのきょうしつ、おまねきありがとうゴザイマス。
なりきりおばけセット、たっくさん、準備してきたんだよ。
(銀食器が重なり合うような微かな音を拾った耳が、フードの下でぴくりと跳ねる)
(音のする方へと振り向けば、まるで自分と鏡写しの闇色が此方へと駆けてくるではないか)

あ。

(常の賑やかな足音が聞こえなかったものだから、不思議そうに首を傾いだのも束の間)
(どうやら、”ばっちり”のタイミングだったらしい)
(好奇と歓喜を黄水晶に宿して見凝めてくる少年の視線がこそばゆくて、自身のフードの裾を抑え乍ら)

私も、遅刻じゃなかったみたい。
……なりきりおばけせっと?

(とは何ぞや、と視線で問う。見れば少年は大きな荷物を背負っているではないか)
(説明は無粋。見る方が早かろうと、建て付けの悪い扉を軋ませながら開き、お先にどうぞと少年を促した)

こちらこそ。
ありがとうございます、おばけのせんせい。
(窓すら無い室内は昼間だと云うのに薄暗い)
(あるのは机と椅子が一組。小さな棚に、寝袋。其れから、幾つものランプ)

……椅子、よかったら。

(ひとつしか無い粗野な木の椅子。一応、客人を、”せんせい”をもてなしている心算)

すこし、待って。明るくする。

(言うと影は棚から取り出した火口箱から細長い蝋燭へ火を移す)
(そうして、色とりどりのガラス片を埋め込んだランプたちをひとりずつ順々に灯していった)
(赤、青、黄色、花、星。全てを灯せば、其れ等は万華鏡のような輝きで以って。けれど、磨り硝子で覆われたともしびは、仄かなあたたかさを宿して)
(”おばけ”には似合いのあかりではなかろうかと思って。こっそり買い集めたのだと声を潜めて囁く影は、最後のランプにあかりを灯すと、少年の反応を伺うようにそろりと振り返り)
(ちょうどいいタイミング、と、嬉しそうに駆け寄って)

なりきりおばけせっとは、あのね。
(大荷物へ向かう視線に気がつけば、とっても楽しいものばかりです!と、勿体ぶった様子で笑い)
(譲ってもらった扉の先へ、お招きへの感謝を再度つぶやくとササッと素早く入り込んだ)

せんせい?
ボク、せんせいになるのは初めてデス。
ええと、それでは、夜鷹サンはボクのひとりめの “せいと” ということですね。
フフフ、どうぞよろしくね。
(どこかこ照れくさいその呼び名に、ほんのすこし吃驚した様子と、嬉しそうにはにかんで)
あっ。椅子。ありがとうございます。
(椅子にちょこんと座り込み、そわそわわくわく)
(ひともす様子の手際の良さをじっと見つめつつ)
(ひとつ、ひとつ、灯っていくあかりのにぎやかなこと!部屋があかるくなるたびこどもの表情もあかるくなって、鉄の肌も万華鏡のような光をあつめてぴかぴかしている)

すっっごく! 綺麗だねえ。
おばけのあかり。こんなに綺麗だったら、こわいものなんてへっちゃらそうだ。
夜鷹サン、素晴らしいもの、集めるのがお上手サンなのですね。すごいや。すごいや。
(”とってもたのしいものばかり”)
(”たのしいこと”を知らぬ影は其の言の葉の意味するものを理解するには到れずに、首を傾いで居たけれど)
(きらきらと輝く少年の瞳を見れば、自然と胸の辺りがそわそわと浮き立った)

私も、”せいと”になるのははじめて。
だから、……あなたがはじめての、せんせい。

(素早く潜り込んでいく少年に続いて、影もまた小屋の中へと足を進め、ぱたんと静かに扉を閉めた)
(――なにしろ、”おばけ”は密やかな存在なのだと云う。”わるだくみ”の相談を誰かに見られたら、たいへん!)
(眩しすぎない程度に明るくなった室内を、少年はいたく気に入ってくれたようだ)
(ほっと胸を撫で下ろし乍ら。手放しで贈られる賛辞が気恥ずかしくて、もじもじと小さく身を縮め乍ら少年の側の床に腰を下ろし)

街じゅうが、いろんな色で飾られていたから。
それで……おばけは、きれいなものがすきなのかなって思って。

(喜んでくれてよかったと、小さく呟いて。今度は影が少年の手元をそわそわと気にしだす)
(おばけのひみつどうぐ。其のおひろめを今か今かと待ち侘びて)

……えと。その。

(不意に、こそこそと内緒話のように声を潜め)

あの、あのね。
……おばけは、お菓子がすきって。ほんとう?

(お菓子目当てだなんて、意地汚いと思われてしまうだろうか)
(羞恥にほんのりと目元を染め乍ら。いちばんに気になっていた事を”せんせい”へと問うた)
そうですか、そうですか。へへ、へ。
それでは、せんせいとせいと、はじめまして同士なんですネ。
ナルホド!街中、キレイだもんね。すてきな洞察眼だなあ。こんなにきれいだから、おばけもきっときっと大好きデスネ!
(しばらくにこにこきらきら灯りを眺めていたものの、ハッと)
(ひとりだけ椅子に座っているのはあれだぞ、と、あなたはお椅子に!と、かたくなである)

(内緒話の様子には、なにごとかなと耳をそばだてながら)
(じんわりと楽しいきもちがひろがるものだから、いっそう笑みは深まるばかり)
ほんとうデスヨ!
おばけはいろいろいるようなので、勿論味覚は様々でしょうが、今の頃に見られるおばけは、総じて甘党と決まっているのデス。
そのかわり、悪戯好きが多いのです。だから、悪戯されないようにお菓子をあげるんですね。

(ソコデ!と、大荷物をさかさまにして、出てきたのは)
(さまざまなおばけの仮面、悪魔のようなツノのカチューシャ、なにかの魔法の杖や、すこし禍々しいようすの使い魔のぬいぐるみ、それからそれから、カラフルなお菓子もたくさん)
(つぶらなひとみのヘビのぬいぐるみをソッと手渡しながら)

これは仮装の支度のためのものでね
ボクたちおばけじゃない人々も、おばけに化ければお菓子を貰えるのではないだろうか、と。コレが、勉強と研究の結果デス!
(はじめましてのおばけの授業)
(学の無い影には学舎の在り方を理解するには至れなかったけれど)
(浮き立つ胸も、喜びに綻ぶ少年の表情も、悪い気はしなかった)

……それなら、ふたりで。

(行儀悪く、床に。作法知らずもおばけの特権だと言わんばかりに首を傾いで見せ乍ら)

(ほんとう!)
(少年の力強い肯定に、表情こそ明らさまに変わりはしないものの、ぱっと頬が喜色に色付いた)

じゃあ、……じゃあ。
”おばけ”になれば、お菓子をもらえる?

(勿論自分たちもまた、おばけたちに悪戯されないようにお菓子を用意しなければならないだろうけれど)
(問いに対する答えは少年が荷物を広げる事に依って明らかになった)



(どさどさどさ)
(色とりどりのジェリービーンズ。南瓜のクッキー、いたずらおばけのマシュマロ。キャンディケインを一振りすれば、其処に広がるのはおばけの魔法のひとかけら)
これも、おかし?
……これは、服?

(魔女のローブに吸血鬼の外套。手渡されたヘビのぬいぐるみを目の高さまで掲げて、上から下からまじまじ見つめ)

すごい。
せんせいの計画は、かんぺきだ。

(聞けば件の三日間は、”悪戯の度を超える悪さ”を、誰もする事が出来ないのだと云う)
(街中が、世界中が”おばけのいたずら”に包まれる。其れならば。そう、)

……わたしが、紛れても。こわがられない、かな。
(ことばと様子に、ニッコリ笑って頷くと、ガシャンと床に座り込んで膝を崩し)
(ぴかぴか光るおばけやコウモリたちのおもちゃを取り出し、荷物はこれで最後、と、光るそれらも手渡した)

モチロン!おばけでなくとも呪文があれば、お菓子がもらえる素敵な夜です。
そこへおばけとして参加をするなら、きっときっと、素晴らしいことになるのデショウ。
ソコデ、コレは、お菓子。コチラは、お洋服。
コレさえあれば、準備は完璧も同然ですヨ。
(荷物を眺める楽しそうな様子に、いっそうニコニコと嬉しそうに得意げな顔をして)
(抑えることの出来ない笑い声も、フフフ!ともらし)
(ぽつりと聞こえたことばには、大きく大きく頷いた)

ええ、ええ。怖がられることなど、おそらくひとつもありませんとも。
おばけのいたずらは、何にでもなれるのですって。
何にでもって、あれもこれもと欲張りすぎて、少し想像が付かないけれど、その日だけは、思うこと、それだけで良いというのですから。
つまり……ええと、楽しみな気持ちが一番の材料ということデスネ。
ね、こんなに楽しいことって、ありますか? とってもトッテモ楽しみですねえ。
(あれも、これもと手渡されていくうちに、気付けば両手がいっぱいになっていた)
(ぴかぴか、ちかちか。光を蓄えた蛍石が、おばけのお腹の中で淡い光を湛えている)
(ランプの灯りに透かしてみれば、其れは虹の煌めきにも似て)

……そうか。
私たちだけじゃなくて、みんなが”おばけ”なら。
お菓子を持っていないと、おばけにいたずらされちゃう。

(おばけたちはそう、口々に不思議な呪文を唱えるのだ)
(其の呪文を聞いた者は、誰もがお菓子を捧げずにはいられなくなってしまうという!)
怖がられない……。

(其れはあまいあまいお菓子よりも、華やぐ街並みよりも、何よりも)
(影にとってもっとも嬉しい”まほう”のちからだった)

思うこと、願うこと。それだけで、どんな自分にでもなれる。
どんな自分でも、……その三日間だけは、こわがられることもない。
……たのしみ。すごく。

(力強い少年の同意に、影は今度こそ)
(愛おしげにおばけの衣装を胸に抱いて。頬をばら色に染め乍ら、嬉しそうにはにかみ微笑んだ)

……かみさまは、ねがいごとをしてもしらんぷりなのに。
おばけがおねがいを叶えてくれるなんて。なんだか、ふしぎ。
(両手にきらきらいっぱいの、せいとさんの様子に、満足げにニッコリ笑い)
(そうか、のことばには、然り、と、重々しく先生めいた仕草で頷いた)

そうです。ソウデス。おばけだけれど、こわくないし、こわがられないよ。
それに、これらお菓子も、いうなればヒッサツワザです。使えば相手はニコニコになる、とても強いワザなのです。
あなたも、どうぞ使ってくださいネ。
トリック・オア・トリートと、唱えること、唱え返すこと、忘れずに。さすればおばけは、最強デス!

フッフッフ。夜鷹サン、楽しそうで良かった。
おばけの日には、とびきり楽しいおばけになってね、たくさんたくさん、楽しんできてくださいね。
(嬉しげに微笑む様子につられてますます嬉しい気持ち)
(どちらのおばけが気に入りですか? と、覗き込みながら)
(聞こえた呟きには、カシャンと神妙に頷いた)

それ、は。ホントウニ。
あのね、これは、ボクの仮説なのだけど。
おばけは、変身したい願いの気持ちと、それをつかみとるものの味方ということなのかも。
……お祈りより、力こそすべての場所で育ったから、そう思ってしまうのかも知れないのだけどネ。
(しかり、しかり)
(先生の荘厳な仕草に思わず姿勢を正して。きちんと理解していると、何度も頷き)

相手が笑顔になる、ひっさつわざ。

(砂糖菓子に込められた、魔法のちから。其れを引き出す為の、魔法のことば)
(何方も。何もかも。何とあたたかく、やさしい響きなのだろうか)

……うん。
せんせいも。たくさん、お菓子をあつめてきて。
そうしたら、きっと。
わたしと、”きょうそう”できるから。

(そうして、各々の戦果を見せ合おうと。首を傾け乍ら、お願いの形で以って持ち掛け)
(気に入りのおばけはどれだろう。問う声に、ええと、と指先を彷徨わせ)
(不思議の国に迷い込んだ。或いは、赤い頭巾がトレードマークの)
(影の選択肢は、何れも少女趣味に偏っているようだった)

掴み取るものの、みかた?

(より献身的な祈りを、信仰を捧げた者こそが救われる。そんな盲目的な者達に囲まれて育った影にとって、其のことのはは強い強い衝撃を齎した)
(数度瞬き、少年のことのはを噛み締めて。手袋に覆われた闇色のてのひらに視線を落とし、握ってはゆっくりと開いて)

強く願えば、認められる。かなえられる。
大人も子どもも、関係なくて。……どんなひとでも。

(血を吐くほど叫んでも、祈っても、呪っても、叶わなかったもの)
(其れが目の前にある。手を伸ばせば掴み取れる。実感は未だ薄い。けれど、)

……もっとはやく。おばけになりたかった、かも。
(生真面目に頷いてくれるせいとさんの様子に、楽しい気持ちとこそばゆい気持ちの両方がやってきて)
(ヒヒヒ、と変な声で笑うのだった)

(コホン! と咳払いで笑い声を誤魔化すと、たまご型チョコ―なかにおばけのミニチュアが入っている―を手渡し、食べましょう!とお誘いをした)

そう、そう。ヒッサツワザ。サイキョウ呪文ですよ。……え? 競争、デスカ?
うん! 受けて立ちマス!
楽しそうなコト、とってもとっても大好きです。まして、競争だなんて。
せんせいとせいとの威信をかけて、たくさんたくさん集めましょうネ。

(可愛らしいお願いに、ガッシャガッシャとガッツポーズを以てお返事をする)
(とにかく競争ごとのすきな鉄のこどもであった)
(迷う指先にあるおばけ候補たちに、ナルホドと頷きながら)
(気に入ってもらえるものがあって良かった、と、思っている)

あなたのおばけはおとぎ話の登場人物のようですネ。
コチラにあるのは、いうなればおばけの外身に過ぎません。
ココからさらにたっぷりの盛りつけをして、もっともっと素敵なおばけになるんデスヨ。

(味方のおばけ。なにげなくつげたことばだったものだから)
(思いがけず少し遠くを思い出すような、てのひらを見つめる様子に)
(いつもより丁寧にことばを考えるのだった)

もっとはやく。うん。そうかあ。そうかあ。
そう思うこと、あるよね。 ボクもあります。
えっと、アノネ!
逆に、今がまさに好機と、これからの未来に逃さなくて良かった、と、思うのはどうでしょう。
だからネ、好機を、おばけを、思い切り、掴んでね。なりたいおばけになりましょう。
せんせいもお手伝いしますヨ。
(歯を見せて笑う少年の姿が物珍しいのか、思わず目を丸くし乍らまじまじと)
(少年が不思議そうに首を傾げるなら、慌てて謝辞を添えつつに)

わたし、あんまり。
わらっているひとを、近くで見ることが、なかったから。

(旅の仲間が微笑み掛けてくれる事に慣れるのだって、未だだ)
(どうにも気恥ずかしくて。胸に湧く感情に、名が付けられない)
(此方からも返そうとしたいとは思っても、顔の筋肉が上手い事動いてくれないのだと、辿々しく)

……このたまごも、おかし?

(食べましょう、と明るい声が返れば、影は恐る恐る殻――もとい、銀紙をぺりぺりと剥がし始めた)
(鼻先を甘い香りが擽れば仄かに白い頬が喜びに色付き、いただきます、と小さく零して)

せんせいは、おばけのせんせいだから。
私よりもきっと、上手にお菓子を集める事が出来てしまうと思うけれど。
……私も、せんせいが驚くくらい。たくさん、たくさん集めてくる。
(影は学が無い。絵本の類を与えられた事は無かったし、年の近い子どもと遊ぶ機会も与えられる事は無かった)
(――故に、純粋な憧れを抱いたのだ。少女らの情景を始めて目にした幼子のように)

自分で、もっと?

(化ける事が出来るだろうか)
(否、上手くやる)
(普段だって出来ている。勘のいい人間には気付かれてしまうのだが――女に化ける事だって、難しい事では無い筈だ)
(此の時点では、未だ。影は、”上手くやれるか、怖がられないか否か”と云う事に重心を抱いているようだった)

……いまが、好機……。

(なりたいおばけに。なりたい自分になる為の)
(躊躇いがちに。けれど、確りと。小さく頷くと、手にした甘い卵を齧った)
(”せんせい”から受ける教えに。口いっぱいに広がるカカオの香りに、蕩ける甘みに。影はほんの少し顔を綻ばせ)

せんせいにも、なりたいすがたは、ある?

(不意に問う。彼にも所謂、変身願望のようなものはあるのだろうかと)

わらったひとが、少なかったの?
それは、なかなか、厳しい土地だったのデスネ。
うん、うん。どうしても最初は難しいこと、あります。一度にいきなり全部は、難しいからね。
でも、頑張ってくださっているの、わかりますよ。
この隠れ家のランプだってそうデス。
あったかあかるい感じ、というのでしょうか。そんな気持ちになりますヨ!
(それに、あなたの旅の仲間たちなのだから、笑顔のお返しが難しいからと機嫌を損ねるようなことは、ないのでしょう? と)

フフフ! 競争ごととなると、俄然力が湧いてきます。
うん! たくさん、たくさん、お菓子集め、頑張りましょうネ。
お互いの、健闘を祈って。
(握手しましょう!と手を差し出しつつ、コチラは差し上げますと手渡してきたのはたまごチョコから出てきた『ちいさなお姫様のミニチュア』)
(おばけじゃないのでアタリなのでは、しかし自分には愛らしすぎますので!ということらしい)
好機。好機。デス!

(頑張る力に満ちた決意の表情を見て、なんともいえない嬉しい気持ち)
(頷く様子に合わせて、そうですソウデス! と、ガッシャンガッシャン頷いている)

(不意の問いかけには、キョトンとしながら。ムム…と考え込んでいる)

なりたいすがた、デスカ?
うーん、そうですねえ。なりたいもの。なりたいもの。
……そうだ! 空を飛べたら楽しいだろうなって思います。
最近いろいろなパーツをつけすぎて、身軽じゃなくなってしまった気がするんだ。
だから、おばけの夜にくらいは、身軽なおばけになりたいなあ。
うん。
みんな、目を吊り上げて眉を寄せてばかり。
”かみさま”にお祈りをしているときも、難しい顔をしていたし……。
みんなは、あまりしあわせじゃなかったのかも。

(尤も、影の居ない所では表情を和らげていたのかもしれないが)
(記憶に残っている彼等の姿は総じて恐ろしい姿だったのだと添えて)

……うん。
旅の仲間は、みんな、やさしくしてくれる。勿論、せんせいも。
私、みんなにおかえしがしたくて。喜んでもらいたくて。

(故に、自分も”おばけ”になることで。秘密の魔法にかけられて、常とは違う在り方で居られる気がするのだ)

……あく、しゅ?

(差し出されたちいさなくろいてのひらの意図が掴めず、ことんと首を傾いだのも束の間)
(自分の胸の高さ位まで掲げられた其れ。促すような視線に、恐る恐る自分も革手袋に覆われたてのひらを差し伸べて)
(叶うならば、そっと握り返す。空いた片手に落とされたブリキの姫君に、わあ、と感嘆を上げつつに)
じゃあ、……私からは、これ。

(卵の中から顔を出した”つるぎの兵隊”をくろがねのてのひらに導いて)
(ガシャンガシャンと賑やかに頷く少年の様子に、ふ、と微かな吐息を零して目を細め)

そら?

(翼を持たぬ身が一度は焦がれる、何者にも縛られぬ世界。其れが、空)
(黒鉄の少年が笑顔で告げる其の姿を思い描き乍ら、影は小さく頷きを返し)

それは、めいあん。
空を飛べたなら、せんせいはお菓子だけじゃなくて、ほしのかけらに手を届かせる事だってできてしまうかも。
月のまどろみ。星のうたごえ。
せんせいにも、彼等の声を聞く事ができるかも。

(もしもそうなったら、感想を教えて欲しいと。内緒話のように声を潜めて)

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