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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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あぁ、ありがとう。仕事の方頑張ってくれ。

(寛大に接してくれた門番の男に頭を下げ、夜鷹殿の歩調に合わせる)
(どこか遠い目をしていた夜鷹殿も、ギリアス殿とニコ殿の言葉によって、しかと前を見据えている)
(良い事だ。3人のやり取りを眺めながら、頷く)

あぁ、平和で穏やかな日常を過ごしているのだろうな。
明るくなるとともに働き、暗くなるとともに休み………
……普通の、良い生活だな。

(羨ましい、という感情が仄かに広がる)
(今でこそ特異運命点座標として人並みの生活が送れるからいいものの、金を得るために戦い、生き残るために金を使うのが傭兵の常だった)
(自らが当たり前のように明日も生きていけると信じて疑わない彼らの目は、周りの木々よりも眩しい)

君もここに住んでみたらどうだろうか。
皆優しそうだ。

(そう問いかけながら、ひと際大きい樹の前まで着く)
(一歩前に出て、扉をノックした)

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