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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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ふっ……はっはっは。意外と演技派だな。
ほらギリアス殿。蜻蛉が嫌がっているぞ。

(夜鷹殿の代弁に思わず笑いつつ)
(声なき者の声が聞こえるというのも、なかなか楽しそうだな、と心に浮かび)

だが確かに……あまり聞こえすぎると、人と会話をするにも大変そうだな。

(ニコ殿の言葉に、それはそれで大変なのかと思い直し)
(そう考えると自身の贈り物は、非常に安定したものだなと朧げに考え)
(深緑の入り口に、手をかけ、中を覗く)
(自然と文明が一体化した、幻想的な雰囲気)
(同じ国でこうも違うものかと、心に感動を覚え)

君の行きたいところに行き、見たいものを見るといい。
我々はそれに付き従おう。

(自然の声を聴き続けているであろう彼女の耳に届くよう、はっきりと伝え)
(その後ろへと足を進めた)

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