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“日々流幻”の東屋

>自由帳に書き込む

――東屋の片隅にひっそりと置かれた、小さな机案。

その上には、どこかに飛んでいかないよう紐で繋がれた、一冊の和綴じの帳面と万年筆が置かれています。
机案の引き出しを開けるとそこには、鉛筆や色鉛筆、カラーペンや絵の具なんかも用意されているようです。

「自由帳」と書かれた、その帳面の表紙を開くと、そこにはこう書かれていました。

『この東屋に来てくれた貴方へ。
来てくれてどうもありがとう。よければ、貴方が来てくれた「証」として、
何でもいいからここに書いていってくれると嬉しいな。』

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(ふと立ち寄って机の上の帳面に目を留める。ぱらりと表紙を捲って)

自由。何でも。
そう言われると、すぐには思いつかないけど……そうね……。

(色鉛筆を使って、ページ一杯に「満開の桜の木」の絵を描く。
 色使いのせいか、花全体がぼんやりと淡く光っているように見える)

私の証。僕の証。
……気に入ってくれるだろうか。(呟いて、再びどこかへと歩き去って行った)

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