ははは、それじゃあその男はとんだ大間抜けっだったってわけだね（庭先で芝刈りをサボりながらビール缶を片手にやってきた隣人と談笑する）

ちょっとそこ、サボらないで頂戴！
ここの芝を刈ってサッパリさせようって言い出したのはフニクリではなくって？
私、これでも忙しいのだけれど！そこの貴方も何か言ってやって下さいまし！
（『芝刈りに戻れ』とフニクリへ言って欲しそうな目を、隣人に送る）

あー…酒盛りは終わった後の方が美味いと思うぞ？
俺？今日曜大工一区切りしたとこだから問題ない。

おっと、うるさいのが来ちゃた。悪いねカルロス。あぁ、土曜のパーティで、また。（缶ビールをゴミ箱に投げ入れて芝刈り機のエンジンを入れる）

おーいフニクリ、頼んでたアレはどうなったんだい？　ずいぶん待たされたから期待してるんだぜ？（柵へ身をもたれさせながら）

ヘイトム。今日の肉はなかなか絶品じゃないか。
ドケチのお前がこんな大盤振る舞いなんて一体全体どうしたってんだ。女房でも質に入れたか？ HAHAHAHA！！

ははぁん、さてはガレージの壁をぶっ壊したのがバレたのかい？だからベニヤ板じゃだめだって言ったんだよ

あらー、あのガレージはフニクリさまが壊したのですわねー。
早速通報しませんとー。（１１０番の狼煙を上げる）

おうおう、流石にそれを隠すのはいかんだろ。
弁護士呼ぶか？

待て待て待て。確かに私はガレージの壁をぶっ壊した。でも考えてもみてくれよ。そのガレージは誰のものだ？そう、その家の持ち主の私だよ。まぁたしかにこの家はみんなの共同出資で建てられたものだ。だからみんながガレージの損壊に嘴を差し込みたいって気持ちもわかる。でも、だ。それでもこの家の名目上の持ち主は私。私なんだ。つまり私がどんだけガレージをぶっ壊そうとそれは自分の持ち物を自分の責任で加工してるだけってことさ。困るぜ？警察の方もさ。そんなことで呼ばれて誰が刑事責任を負うっていうんだい。言うなれば料理をしてる最中にあいつは人参をぶった切った重罪人だって言うようなもんさ。おかしいだろ？私はおかしいって思うね。だからほら、一回その電話を置くんだ。いいね。そっとだ。もしもすでにコールしてしまったっていうんなら、電話口に向かって優しくこういうんだ。『ソーリー、この通報は間違いだったよ』ってね。それで万事解決じゃないか。オーケー、認めよう。ガレージで面白半分にチェーンソーを振り回して壁をぶった切ったのは私だ。でも過ぎたことじゃないか。物は壊れる、この世の絶対の戒律さ。なんなら経済ってのは物が壊れることで成り立ってるのさ。それがちょっと早まっただけ。こう考えてみよう、『これでガレージの壁をもっとクールに改造できる口実ができた』ってね。

…………ふーん、それで、この壊れたガレージの壁は最終的に誰が修理するのかしら？
トム？それとも、フニクリ？まさか、私ではありませんわよね？（指をボキボキ鳴らす）

流石だな柴山さん、ヴァレーリヤは何か言っているしフニクリは必至の弁明してるのにブレない

おいおい、ヴァレーリヤ。そんなに叩いたら今度は家の壁に大穴が空いちゃうぜ