PandoraPartyProject

ギルドスレッド

潮騒の従者斡旋所

<HERO?>あなたはだあれ?<High or Low?>

あの色の花びらが舞う度に、
また時計の針が回りきったことを感じる。

次の一周は、今迄よりも賑やかに。
それは予感か確信か?
答えを目の前の相手に問うように、
彼女は小さく笑った。


【ルール】
・所謂ハイローです
・自分のダイス目が相手より高いか低いか当てましょう
・当てたら相手に質問できますが、外したら自分が質問される側に
・同じ値の場合は振り直しで、00は0扱い

・どなたでもご自由に

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まあご理解が早い。
それに100だなんて、そうそうお目にかかれませんことで。
(目を細め、手を叩きながら)

ふふ、幸運の女神様には私から感謝申し上げましょう。
それではまず私から姫様に質問をば。

姫様は、何か好きなもの……では漠然としていますね。
まずは好きな色にしましょうか。
好きな色とその理由を。
一色に限定されなくとも大丈夫ですよ?
色? そうね。わたしはやっぱり、紫が好きよ。
おじいさんが授けてくれた、この瞳の色。
アメジスト、という宝石を使っているのだそうよ。
(きらり、きらり。光が当たれば瞳の中で乱反射し、煌めきを生み出すことでしょう)
鏡に映ったこの瞳を見たとき。
自分のからだだけれど、とても綺麗なのだと思ったわ。

それと、金色も好きよ。
わたしの髪の色でもあるけれど。
あれは空に浮かぶ、お月さまの色でしょう。
夜空にまたたいて光るものは、みんな美しいわ。わたし、そういう色や輝きが好きよ。

このような答えで、満足したもらえるかしら。
(コテリと小首を傾げて)
ええと。確か次は、わたしがダイスを振るのだったわね。
(再び両手でダイスを抱えて、コロリと。)
6
紫ですか。気品があり、それでいて神秘的な良い色ですね。
目は口ほどに物を言うと申しますもの。鏡の中で一番雄弁な存在は瞳と相成りましょう。
それが紫水晶の瞳とあればもう間違いはなく。
(天板に両肘をつくと、混ぜればその色になる瞳で応えるように)

そうそう、水中から見上げる月も見事なもので。
陸で生活するようになってからもなお、色褪せぬ存在ですね。
月は自らのみならず夜の地上を美しく照らしてくれて、私も好きですよ。
とても充実したご回答で、大満足でございますわ。

(ダイス目を見つめて)
そうそう、次は姫様の番でして。
ですがこれは、少々私に女神様が微笑みすぎかもしれませんね。

ここは遠慮なく、ハイで。
87
ふふふ。連続して質問権を得ました。
これもゲームの常故、ご容赦くださいませ。

さて、次の質問は……そうですね。
聞けば姫様は色々なご依頼で大活躍のご様子で。
是非、今まで参加されたご依頼で印象的な、楽しかった思い出があれば教えてくださいますか?

それと、今のうちに私のダイスを振っておきますね。
52
水中から。ああ。レモラは、水の中を自由に泳げるものね。
そういえばわたし、泳ぐということをしたことがないわ。
わたしの瞳でも、水の中からのお月様は見られるかしら。
(未知なる体験に想いを馳せるのは、ちょっぴりばかりで済ませて)

レモラは女神様に愛されているのね。
きっと、レモラが素敵な従者として日々頑張っているからだわ。
(負けたところで、ころころと笑いを浮かべ。冒険の思い出を手繰り寄せてゆきます)
……そうね……楽しかった、というのとは違うかもしれないけれど。
とある村の誇りを、みんなで取り戻したのよ。
その村は、悪いひとに騙されて、焼き払われそうになっていて。
みんな絶望して、諦めようとしていたの。
依頼主の女のひとは、悪いひとに婚約者さんを殺されてしまっていて。
それなのに諦めようとしてる村のみんなを見て、「誇りを取り戻したい」と、依頼してきたわ。

だから、わたし達で戦ったわ。
武器を取って戦うのはもちろん。自分たちのいろんな力を活かして。
罠を作ったり。悪いひとたちのところに「スパイ」をしにいったひともいて。
わたしは……はぐるま王国の、姫君として。
「言葉」でみんなを奮い立たせることができないか、頑張ってみたの。
王族は、演説というものをするのでしょう。いろんな本で見たから。
それを真似して。わたしも、演説をして。
レモラのアドバイスの通りに、表情を変えたり、身振りをまじえたり……いろんなことを試してみたわ。

わたし以外にも、演説をしてくれたひとがいたおかげもあるけれど。
村のひと達は、演説を聞いて、立ち上がる決意をしてくれたみたい。
だから、わたし、知ったわ。
言葉というのは。本当に、ひとの心を動かせるのね。

(記憶に残っているままに。曖昧な点もあるけれど、自分なりに、先日の依頼において印象深かった一連の出来事を語ってみせました)

もちろん。
悪いひと達は、村のひと達の力も借りて、撃退することができたわ。
ええ、自由に泳げるのです。鮫ですからね。
(気軽に誘うより前に、相手の耐水性を想像しながら)

おや、それはそれは戯曲とも思える大冒険ではありませんか。
弱きを助け強きを挫くとは、まさに物語の主人公とも思える大活躍で。
(両手を合わせると感じ入るように、物語の続きを頷きながら促します)

ふふ、お一人ではなく仲間の方々と力を合わせたのですね。
ええ、ええ。それで良いのです。それが良いのです。
全部を全部お一人で済ませてしまうようでしたら、世の中から従者というお仕事もなくなってしまいますもの。

……私も、その姫様の演説を聞いてみたかったですね。
人の心を動かすには様々ございますが、恐らくはきっと、姫様の心からのお言葉だからこそ響いたのでしょう。
めでたしめでたしで、ハッピーエンドという結末を迎えられたのは、日頃からの努力の賜物に違いありません。
(楽しそうに、無意識かどうか耳ヒレを動かしながら従者は拍手を贈りました)
ええ、ええ。わたし一人では、きっと何もできなかったわ。
それぞれが持つ力を分け合ったからこそ、成功に導けたのね。
心からのことばを、わたしは紡げていたかしら。紡げていたなら嬉しいわ。
姫君らしい振る舞いを考えるのに精一杯だったから。
次はレモラのいる場所でも、高らかにことばを紡ぎあげてみたいわ。

(木箱の上に立ち、拍手に答えるようにスカートをつまんで一礼)
(少しはしたないけど、お許しくださいなとすぐに座り直して。)

それじゃあ、ゲームを続けましょうか。
難しい数字だわ。レモラは本当に、女神様に愛されているみたい。
じゃあ、今回はほんのちょっぴりの冒険心を加えて、「ハイ」にしてみようかしら。
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まあ……!
(なかなかどうして、大きな数字。)
この間の戦いの報酬かしら。女神様が、わたしにも微笑んでくれたみたい。

……じゃあ、そうね。
ねえ、レモラ。レモラの、「お母さん」って、どんなひとだったのかしら。
わたしにとっては、きっと親というのは、おじいさんだけだったから。
「お母さん」というのがどんなものか。とても気になるのよ。
だから、レモラにとってお母さんってどんなひとか。とても気になるわ。
では、次回の演目を楽しみに……むぅ。
これはこれは、密やかに期待したのですが女神様が姫様の方へ行ってしまわれたようで。

ではでは、ご期待に添えられるよう姿勢を正してお答えしましょう。
姫様に興味を頂いていただけるというのも、中々に緊張するものですね。
(椅子を引いて座り直せば、姿勢を正して質問を待つように)
(一拍、質問を受けてから、言葉の意味を確かめるように口の中で反芻してから)
おっと、予想していなかった方面の質問でございますね。
母親、私の母親ですか。そんな、大したお話ではないのですけれど……
なるほど確かに姫様にとって家庭事情というのは人一倍気になるものでありましょう。

ええと、通常の家庭は父と母と子供から成りますね。
それで私のいた家庭は父が長いこと家を空けている、実質的には母子家庭と呼ばれるもので。
母はそうですね、私より倍は大きくて。力があって、それでいて大らかでしたね。
お魚好しで、包容力があったような。いつだったか、鯨に間違えられて笑っていましたっけ。
うまく申し上げるのも難しいのですが……隣にいて安心できる方でした。
(照れ臭そうに、帽子を抑えて)

今もまだ、戻ってこない父……母にとっての旦那ですね。
それを探しに旅を続けているようですけれど、今頃どこで何をしていることやら。
ええ、ええ。わたしの知らない世界。わたしの知らない繋がり。
(レモラが語る「家族」のことを、お姫様は瞳を文字通りに輝かせて、熱心に聞き入っておりました。)
まあ。クジラは、サメのお母さんなのね?
レモラの倍もあるなら、わたしじゃ、見上げてもお顔が見れないかもしれないわ。
(くすくすと笑って)
(些かばかり歯車が狂って勘違いを生じさせるのは、平常運転となって参りましたけれど。)
……でも。レモラの顔を見てると、きっと、素敵なひとだったのね。
おかあさん。お母さん。ほかの誰にもできない、不思議な安らぎを与えるひと。
ありがとう、レモラ。その「特別」さが、わたしにも少しだけ、わかったような気がするわ。
(きりり。胸の中で、歯車の鳴る音。)
子供は、お父さんやお母さんに似るらしいけれど。
レモラは大きなお母さんとは違った、スマートな外見ね。
(「小さい」はよくないのだろうと、お姫様も学んでおります。)
そうなると、レモラはその、旅をしているお父さんに似ているのかしら。

そうそう。わたしも次のダイスを、振っておいた方がいいわね。
(からころ、からころ。)
99
ええと、鯨は鮫のお母さんでは無いのですけれども、ああええとそんな顔をしていましたか私。
(言葉を正そうとするやら顔を隠そうとするやら、やや忙しそうに)

ああ、思い返せば確かに不思議な、形容しがたい。
私の言葉足らずの説明でそこまでご理解いただけるとは、感服いたします。
そうですね、私の体型は母よりも父に似たのでしょう。
ですが、それはそれとして。私にはちゃんと鮫の血が流れているわけです。
(胸に手を当てると、従者は誇らしげに微笑みました)

はい、では次は私が宣言する版ですね。
……姫様、なにやら不思議な神様に微笑まれているようで。
なかなか見ることができない数字が続きますね。

ここは、遠慮なくローで。
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確実な勝利をものにするのもまた、できる従者の証です。

ふむ、では次の質問は……そうだ、そうですね。
姫様が新しく挑戦してみたいことがございましたら、何かひとつ教えてくださいませんか?

泳ぐのでも、踊るのでも。
ああ、同胞をお探しになるというのも良いですね。
もし何かございましたら、お手伝いぐらいはさせて頂こうかと。
鮫の血。海種のみんなは、きっとまた、他のみんなとも違った形態があるのね。
わたし、まだまだ勉強しなければいけないわ。
(まだ見ぬRemoraのお父さんお母さんに想いを馳せ、わずかばかりに目を細めて。)

女神様は、とても不思議な方なのね。
挑戦。それは……たくさんありすぎて、ひとつに絞るのが難しいわね。
踊るのも、泳ぐのも、歌うのも、戦うのも、それに勉学も……。
何もかもが新鮮なものだから、何でもやってみたいわ。

けれど、そうね。確かに中でも「泳ぐ」のは、一度も試したことがないから。
わたし、一度、泳ぎに行ってみたいわ。
(コクリ、コクリ。目の前に泳ぎのたいへんいい先生になりそうな人がいるから、というのもあるのでしょう。そんな答えを返してみせました)
泳ぐならば、それはもう。
手取り足取りお教えできるものと思いますよ。
(ピーンとヒレ耳をはって)

水中用のお召し物を揃えて頂いた方が良いかもしれませんから、
良い仕立屋を探しておく必要がありそうですね。
私も、古い衣服には水陸両用のものがありまして。

水中だと布の端が綺麗に舞うのです。
風に舞うよりもゆっくりと。
(手を布に見立てると、くねらせ波を表現して)

さて、次は姫さまの宣言の番でしたね。
私の方でダイスを振っておきましょう。
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ええ、ええ。レモラはきっと、泳ぎの達人だものね。
水中用のお洋服。水着、というのだったかしら。
わたしのからだに合う大きさのものが、あればいいのだけれど。
(お姫様にとっては、やはり一番の悩みどころです。)
布が、水の中で。
……「オト姫」という名前だったかしら。
この世界に来てから聞いたお話で知った、異国のお姫様のようで、神秘的だわ。
(自らもその布をまとい、透き通る水を泳いだならば、と。想像して、わずかに身を揺らして)

それじゃあ、ダイスね。
ここはきっと「ロー」と宣言するべきなのでしょう?
10
よかった。きちんと勝てたみたい。
(にこりと、どこかで見ているであろう女神様に微笑んでみせました。)

それじゃあ、また、わたしからの質問になるかしら。
……そうそう。レモラ。わたし、この間ね。
幻想の王様に……フォンデルマン三世閣下にお会いしたのよ。
とっても親しみやすくて、明るいお方だったわ。
(さすがに享楽的であるとか、暗愚といった面をたやすく理解できるほどは、お姫様の情緒も発達しておらず。表面的な印象ばかりに留まっているようです)
レモラも、日々いろんなひとに会っているのでしょう。
わたしの他に、お姫さまや王子さまや、王様、女王さま。
そういうひとに、会ったことは、なあい?
もし、レモラの知り合いにそういう方がいるなら。わたし、紹介してほしいわ。
貴い身分のひとについて、もっと、いろんなことを学びたいもの。
……質問というよりは、簡単なお願い、の方になるのかしら?
(言い終えたあとで気づいて、きょとんと。)
それは神秘的でございますとも。
異国の衣装も、いずれは領内で流通するようになると良いのですが。

おやおや、見事にしてやられてしまいました。
ふむ、王様に。お会いになったと。あの王様に。
(宙に向けて人差し指をくるくると回せば)
たしかに明るい方でいらっしゃいますね。
ふむ、上に立つものとして、人の長所を探すのもまた長所と言えるでしょう。

しかし、私がお会いした王族の方ですか。
従者ですので色々とお話しすることもございますが……ああ、最近は姫さまと同じような境遇の方が。
異世界からいらっしゃった王族の方が多いですね。

その中で姫さまにご紹介できるとなると……
う〝っ。
今一瞬脳裏に顔がよぎってしまいました。

王族で、それでいて特異運命座標な方が居るには居るのですが、どうにも王族なのは自称でありまして。
紹介すること自体はやぶさかではないのですが、どうにも姫さまに悪影響がありそうで。
話していて疲れるというか、消耗すると申しますか……
(額を抑えれば初めて見せる、苦々しい表情を浮かべて)

姫さまさえよろしければ、今度見かけた時に餌を与えて確保しておきますので。
とりあえず窓の外から眺めるところからにしておくのがよろしいかと思われますわ。
まあ……レモラには、やっぱりそういうお知り合いがいるのね!
(知人の顔の広さと。そして望んでいた奇遇とが合わさって、わずかに語尾が跳ね上がりました。)
異なる世界の、王族さん。
この世界に暮らす王族のひと達だって、お目通りの適わなかったひと、ということでしょう。
ええ、ええ。高貴な方なら、きっとお話していて体力を使ってしまうのも仕方ないことだわ。
王族であることを自称というなら、わたしだってそう。
はぐるま王国の姫君だなんて、この世界では、本来なんの意味も持たない肩書きだもの。
それなら余計に、わたし、そのひとに会ってみたいわ。
ぜひ、お願いするわね。
(Remoraの心中や、過去の出来事など露知らず。無邪気もとい無知な笑みを湛えたままで、お姫様はころころと笑みを浮かべるのでした。)

それじゃあ。今度はわたしが、ダイスを先に振る番だったわね。
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……。
(苦虫を噛み潰した顔を、一瞬で元に戻して)
う、承りました。
他ならぬ姫さまの頼みですからね……ええ、いずれは。

そして、なかなかに判断しづらいダイスで。
弱り目に祟り目とならぬよう、ここはひとつ慎重に……ハイでまいりましょうか。
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やりました!
(両手を握ると、嬉しそうに声をあげて)

ではなくて。
女神様が微笑んでくださったようですわ。

カエル王子のことはしばし頭から離すとして、
では姫様のご家族のことでもお伺いしましょうか。
(以前聞いた話を思い出しながら、従者はかつての姫様を思います)
姫様を生み出したのはお爺様であると。
そのお爺様が手がけられた、産み出された方々……
そう、姫様のご兄妹とも言える方々にはどういう方々がいたのかなと。
ご存知の範囲で良いので、教えていただいても?
(両手を合わせると、まるで素敵な光景を夢見るように)
ええ、ええ。
楽しみにしているわ。
でも、カエルの王子さまだなんて。本当にいろんなひとが、この世界にはいるのね。
(苦虫を噛み潰したような顔には気づきもせず。ついでに言葉を額面通りに受け取っておりました)

レモラは本当に、幸運の女神様に愛されているのね。
お姫様として。愛される方法だって、レモラから学び取らないと。

家族。かぞく?
(きりきり、きりきり。きりきり、きりきり)
……家族というのなら、きっと、おじいさんがそうだったのだろうけれど。
わたしは、はぐるま姫で。人形たちの住まうはぐるま王国の、お姫様で。
ヨハンナも。アンゼリカも。エンツィオも。バーゼーヤも。
(続けて、何人も、何人もの名が、滔々と、淀みなく語られてゆきました)
(懐かしむでもなく、ただ順番に数えて、確かめるように。)
みんな、わたしの王国の民で、臣下だったのだもの。
家族だとか兄妹だとか、そういうのは。きっとわたしには、いなかったわ。
だから、お母さんとか、お父さんとか。ひとの繋がりの有り様は、とっても気になるのよ。
(途中まで出てきた名前を指折り数えながら、ふと数えるのをやめて)

ふぅん。お爺様によって産み出された方々は数あれど、姫様にとってのご家族はお爺様だけだったのですね。
それらはあくまで、民で、住人で。
(視線を落とせば、ダイスを掌で転がしながら)

姫様、これは失礼いたしました。
つい私、自分の感覚で物事を考えてしまいまして。
同じ人の手で産み出されて、同じ家……王国に居たからには、家族のような方がいるのかと。
何をもって家族と捉えるかは、この世界の住人の中でも判断が分かれるもので。

先程私が申し上げた「血」をもって家族とするのか、
共同生活における「集合体」をもって家族とするのか。

姫様にとってもまた、家族に対するなんらかのイメージがあるのでしょうね。
それに、人の繋がりの有りようは家族に限られませんし……っと、今は私が質問側でしたね。
いけないいけない。
(指を立てて例えを指し示し終えると、頬杖をついて微笑みながら)

次は、私が振る番でしたか。
どうか、良い数字が出ますように。
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謝ることなんてないわ。
だってはぐるま王国には、「姫」しかいなかったのだから。
「王様」だとか「女王様」「王妃」「王子」……ぜんぶ、この世界に来てから知ったことばよ。

うまく言えなくて、不必要に難しく言ってしまっただけかもしれないけれど。
要するにわたしは、「家族」というものが何か、よくわかっていないの。
この世界で過ごすうちに、イメージというものも、作り上げてゆけるかしら。
(成長すれども、いまだ多くの虚ろを残すこころと瞳とくちびるは、ほのかな展望を語って)

……あら。この数字ならばやっぱり。
わたしは「ハイ」と宣言するべきなのかしら。
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まあ。
(すんでのところで下回った出目に驚きの声をあげました)
やっぱり、レモラは幸運の女神様に愛されているのね。
日頃から従者として、たくさんの人を助ける善行を重ねているからかしら。
それはきっと。
作り上げて行けるでしょうし、見つけられるものでしょう。必ず。
(深く頷きながら姫様の表情を見つめているところ、声に引っ張られるようにダイスへ視線を落として)

おや、これはこれは。
知らず識らず。なかなかどうして私も、愛されたものです。
人は……助けてますね。ええ、助けてからお話が始まりますもの。
まったくもって善行と言えましょう。

ではそうですね、私も簡単なお願いを致しましょうか。

失礼を承知でお尋ねしますが、姫様は文字をお書きになられたことは?
私の方でお手伝いいたしますので、もしよろしければ……
こちらのハンカチーフにサインを頂けませんか?
(鞄からひらひらと、白い布。それからペンとインク壺が並びます)

いえ、記念品というものです。
この世界では著名な方のお名前が入ったものを有り難がる風潮があるもので。
サイン。サインというのはつまり、わたしの名前を書けばいいのかしら。
(ペン、インク壺、それに布を順番に見やってゆき。ちいさな手を、伸ばします)
(ええ。とても小さな手を、です)
……練習をしたことはあるのだけれど。
この世界のペンは、基本的にわたしには大きいものだから。
わたしに合うペンは、それはそれで、文字が小さくなってしまうの。

文字や文法もまだまだ、練習中ではあるけれど。
ええ、名前ぐらいなら、きっと大丈夫。
……すこし、慎重に書かなければいけないでしょうけれど。
(木箱の上にいてはどうにもならないので。はしたないけれどと謝罪をはさんで)
(机の上へと移動、膝立ちになったお姫様が、両腕で「大きな」ペンを抱えてみせます。)
ええ、そうです。お名前をひとつ。
(やや心配そうに姫様を見つめながら、従者は書きやすいように布を広げて抑えます)
やっぱり、こちらの世界の調度品ではなかなかサイズが合いませんね。
小さな文字であれど、読めるようであれば問題ないのですけれども……お心遣い痛み入ります。

ああ、でもどうしましょう。
布を抑えるより、私も一緒にペンを支えた方が良いでしょうか。
ありがとう、レモラ。
でも大丈夫よ。普通の大きさのペンぐらい、扱ったことはあるわ。
(両手で持ったペンを持って、慎重に、慎重に)
(たいへん時間はかかりましたが、やがて幻想に膾炙している文字、ちょっぴり丸っこい書体にて、はぐるま姫の名が書き上げられました)

でも、本当にこんなものでいいのかしら。
名前を書けるようにだなんて、文字を学んで、一番最初に覚えた初歩の初歩なのに。
……あっ。
(こつんと脚が当たって、机の上に置いてあったダイスがコロコロと転がってゆきました。)
……転がしてしまったことだし、次はわたしの手番だったものね。
あれを、わたしの出目にしてしまおうかしら。
53
ふふ、ありがとうございます。
せっかく頂いたサイン、大切に致しますね。
(有効に使わせていただきます、と渡されたハンカチを両手でつまみ上げれば)
(嬉しそうに声を弾ませて)

ええ、こういうものでいいのです。こういうものだからいいのですとも。
上達した際はまたお願いするかもしれませんけれども。

(転がるダイスを眺めながら)
では、そのように致しましょう。

中々に難しい出目ですが……ではハイで。
21
む。そうそううまくはまいりませんね。
(自分のダイスに口を尖らせながら)

いえ、こうでもなければ。
運さえも思い通りにできると思うほど、私も自惚れてはおりませんもの。

さあ、では姫様のお言葉をお伺いしましょうか。
ええ、ええ。
そんなものでレモラの力になれるなら、わたし、いつだって書くわ。
(嬉しそうなレモラの様子を見れば、こちらもまた喜ぶべきなのだと、その表情を綻ばせました。)

偶然のダイスに、今回はわたしが助けられたみたい。
……じゃあ、そうね。
ねえ、レモラ。レモラは、お酒というのを、飲んだことはあるかしら?
わたし、この世界に来てから、初めて命を得たものだから。
自分がどういう年齢なのかも、よくわかってはいないの。
だから、飲んでいいのかよくないのかも、わからなくて。
お酒。飲んだら赤くなったり、青くなったりする、とっても不思議な飲み物なのでしょう。

……ええっと。つまりね。これは少し、変な質問なのだけれど。
ねえ、レモラ。レモラは、わたしがお酒を飲んでもいいって、思うかしら?
ふむ、お酒ですか。
それはもう、お気に入りのものがあるぐらいには。
飲むとですね、体の中から暖かくなったり、気持ちがすぅーっとなったりするのです。
姫様が仰る通り、肌が赤くなったり青くなったりも致しますね。
いわゆる、血液に作用するのだとか。

(思わぬ問いに、色の異なる双眸をそれぞれ丸くしながら)
姫様が、お酒を。
ふふ、ふふふっ。
(サインをもらったばかりのハンカチで口を抑えながら)
それはきっと、飲んでもよろしいものだと思いますよ。
だって姫様ご自身が年齢をわからない以上、他の誰だって年齢を理由に咎めることはできませんわ。
この世界にいらっしゃった以上、姫様は自由ですもの。
まあ、そうなのね。
基準をどこに置けばいいのかわからくて、もやもやしていたけれど。
レモラがそう言うのなら、きっと間違いないわ。
(屈託のない微笑み。眼前の「従者」さんのことを、お姫様はすっかり信頼しているようです。)
じゃあ、よかったら、今度レモラと一緒にお酒を飲んでみたいわ。
レモラは詳しそうだし。
慣れないうちに飲むのにいいお酒なんていうのも、教えてもらいたいもの。
……といっても、わたしに血液はないようだから、赤くなれるかわからないけれど。
ええ、そうです。
基準は、誰かに聞くのもいいでしょう。世間の流れに合わせても良いでしょう。
されど、最終的に採用するのはご自分の判断です。ご自分の中に持ててこその基準となります。
……姫様の基準にご活用いただき、恐悦至極にございますわ。
(歯を見せて笑えば、従者らしく一礼をして)

では、飲酒の際には是非お付き合いいたしましょう。
ふむ。では最初は甘いお酒が良いでしょうか。
果実酒などは飲みやすくてお勧めですね。
(頰を片手で抑えると)
肌はその、赤くならなくとも、雰囲気を味わえればそれで良いものですよ。
それと、お酒は味もそうですが雰囲気も味わうもので。

今日のように、どこかにお出かけ先で楽しむのもよろしいですね。
(そういえば、とダイスを転がして)
私の番でしたし、ついでに占ってみましょうか。
次の目を当てられましたら、私が一杯奢ることにしましょう。
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果実酒ね。覚えておくわ。
きっとジュースとはまた、違った味わいなのでしょうね。
ええ、ええ。とっても楽しみだわ。
(肝心の当人の判断は、どうやらすっかり決まっているようで)

雰囲気を味わう。なんだかとっても、雅やかね。
それじゃあ、わたし、レモラにいっぱいを奢ってもらうためにも……
ここは堅実に、「ロー」と言わせてもらうわね?
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ふふ。女神さまにありがとうを言わないと。
おかげで、はじめての一杯は、レモラにおごってもらえそうだもの。
(僅かに声を弾ませたあとで、少しだけ、問いの内容を考えるための間。)

ねえ、レモラ。
世の中のいろんなひとは、「夢」を抱いて生きるのでしょう。
夢は、生きる上での大きな力になるとも、わたし本で読んだわ。
レモラには、夢はある? レモラの夢って、なあに?
堅実に当てられてしまいましたね。
女神様も、きっとご馳走しなさいと仰っているのでしょう。

(ぴたりと、天板の継ぎ目をなぞる指を止めて)
夢。
ああ、そうですね。そうです。
夢を見て生きねば、長い航海において怠惰な生活に溺れてしまいます。
だからこそ、灯台……道標となる夢が必要となります。
そして、私にも夢があります。
あまり他の方にお話することもなく生きて来まして。
このように改めて明らかにするのはお恥ずかしいのですが……

私の夢は、決して体躯で判断されぬ、確固たる評価を得ることです。
数多の方の従者として活躍すれば、界隈に私の価値も響きましょう。
かつて私の体躯と非力とを嗤った者共にも。
(目の前の相手から視線を外せば、遠く空を眺めるように)

地位を表明するだけであれば、大富豪でも目指せば良いのでしょうけれども。
楽に稼ぐには地位が必要で、地位を手に入れるにはお金が必要で。
まるで、鶏と卵とどっちが先かと頭を悩ませる次第です。
そう。レモラの夢は、前に話してくれた理想の主人とも通じるものがあるわね。
見かけで判断されない。とっても、とっても大事なことなのね。
やっぱり、従者としては、ふたつは繋がるものなのかしら。
灯台を目指すレモラは、ええ、さしずめ夜の大海をひとり征く冒険船。
旅路の果てに、財宝を見つけることができたなら——。
(物語にでも影響されたか、ロマンティックを求むるような空想を広げてみせて)

けれども、それならば。
わたしがレモラを従者として活躍させることも
きっとレモラの夢に近づくための羅針盤になるのね。
ふさわしい主人になれるよう……わたし、頑張るわ。
そうですね。理想の主人たる方なれば、私を適切に評価いただけると。
ええ。
外見も確かに個性に資する重要な要素であるということは理解しているのですけれど、
Remoraという存在はそれだけではありませんもの。

とはいえ、私自身外見に惑わされることがあるのはお恥ずかしい話で。
(顔が良いというのは厄介な相手です、と一人ぼやくように)
何かこう……自らの例えを使われると照れてしまいますね。
まさに姫様とお話ししていると、灯台よりも明るい光に照らされているようで。
それに私、どうやら調子にのって喋りすぎてしまいました。
(従者は帽子を深く被り直すと、お酒を飲んだように赤くなりました)
夢の、羅針盤……ふさわしい主人に……ふふ、それは素晴らしいお話で。
主人にばかり頑張って頂くのでは従者失格ですもの、私もふさわしい従者たるよう尽力いたしますわ。
……楽しみにしております。
(平静を装いつつも、はにかむ表情を抑えられない様子で)
……おや、ようやく注文が届いたようですね。
キリも良いようですし、ゲームはここまでといたしましょうか。
ええ、ええ。綺麗なものにはつい見とれてしまうし。
大きなものには、つい圧倒されてしまう。
見た目は、どうしても最初に映ってしまうのだものね。
(だからこそ、惑わされてはならないのでしょう。学びを得たお姫様です)

……お酒を飲まなくても、赤くなってしまうことはあるのね。
レモラといると、ほんとうに、いろんな知識が増えてゆくわ。
(他意もなく、お姫様はただただ興味から、赤く染まる従者さんの頬に視線を注いで)
(それから自分の前にも、小さな食器と共に注文が届けられたのを見届けました。)

ええ、そうね。とっても楽しいゲームだったわ。
それじゃあ、乾杯……。……ということばは。
こんどいっしょにお酒を飲むときまで、とっておきましょうか。
お酒を飲まなくとも赤くなる。

ええ、そういうこともあります。日の当たり方によってそう見えることも。
(心なしか早口で、頰に手を当てて、困ったように微笑みながら)

楽しんでいただけて何よりです。私もとても楽しませていただきましたわ。
では……と、おっとっと。なるほど、それは良いアイディアで。
(その素敵な提案にウインクで答えれば)
ならば楽しみを新たにしつつ、いただきましょうか。
(静かに、主人と従者のグラスだけが音を立てたのでした)

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