PandoraPartyProject

ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

【RP】二階・白い部屋

その部屋は四方の壁から床まで真っ白で、窓も無いような部屋だった。

部屋の真ん中には引き出しも無い簡素な白いテーブルが一卓と同じく簡素な白い椅子が二脚。

辛うじて部屋の一角にある本棚と、そこに陳列されている本たちが、この世がまだまともな色彩を持っているのだと教えてくれる。

壁をよく観察するならば、隠れるように同色の扉が存在しているのがわかるだろう。そこが唯一の出入り口らしい。

ーー遠くで微かな悲鳴が聞こえた?なに、気にするほどの事では無い。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
(椅子の片方に、いつの間にかソレは腰掛けていた)
 白に這入る黒。黒に浮かぶ赤。
 覗き込むように、真面を侵蝕するゆっくりと。
ーーあァ、いらっしゃい。迷う事なく来れたかぃ?ヒヒヒヒヒ……。(す、と顎を上げてソレは笑う。少なくとも敵意は無く、歓迎をしているのだという雰囲気はある)
「迷ったぞ。貴様の色彩は我が身に融けぬ。ああ。随分と迷いに迷った。彷徨った。何でもない日には早過ぎる。もう少し気を抜いて咀嚼すべきだ。真っ白」
そいつは失礼。万色にして孤色、それが呼ばれ名のひとつでね。よくキミたちにお茶に呼ばれる時はこういう部屋だったから再現してみたのだが……まあここまで来てくれたお礼だ、いいお茶菓子を用意しているよ。(椅子を指差す。まあお座りよ、ってところだろう)
「茶菓子の用意。其処が目的だ。会話も楽しむべきだが、其方に舌を……舌も歯も無いな。礼も何も貴様は霊よりも不安定だろうが。兎角。大きさは如何に」
 自身の頭部を指で示す。足元まで流れる先端は。
(ごぼり、とソレの影が沸き立つ)

ヒヒヒ、然り然り。もちろん、エヴァーグリーンの旦那に言ってちょいと大きめに作ってはもらったがね、なに、追加もあるから気にする事はない。(ピザのLサイズくらいーー約直径35cmくらいの物体が入ってそうな箱を影の中から取り出した)
「素晴らしい。世界は30~300の器に創造され、人類の想像は其処に浸透するのだ。数多の肉に塗れて削られるホイップクリームの濁流。呑み込んだ甘味は小粒でも好い」
 がたりと座した痩身流々。隆々とは言い難いのだが。
「視るべきか。目玉も無いのだがな」
魅せるとも。視ずに食えだなんて、そんな興が削がれることは言わないさ。食は娯楽だからね。楽しい要素は多ければ多いほどいい。

(ソレが箱を開くとバターの香りがふわりと鼻をくすぐることだろう。中に入っていたのは大きな狐色のアップルパイだった。円盤状に形成されていて、りんごがパイ生地に包まれているタイプらしい)

さて、ホイップクリームこそ入っていないが味は保証するとも。

(どこからか取り出した小さなナイフを片手でくるりと回す。パイ生地にナイフを入れるとサクッと軽快な音を立ててパイが切り分けられ、中から甘く爽やかな芳香を漂わせながら黄金色のりんごが顔を見せた。ソレがテーブルの上を撫でるように手のひらをかざすと陶器製の平皿とフォークがセットで現れる。まずは一切れ、皿の上にアップルパイを乗せると白く細い指で客の前へ皿を押し出した)
「娯楽。何とも腹立たしい響きだが、胃袋は鳴くものだ」
 鼻も無いが嗅覚は在る。禁断の果実をたっぷりと使用した愛おしい円盤状。耳も無いが襞じみた器官で音色を聴こう。怪物の前に棄てられた人間。人間に捨てられた仔犬。何とも『食べる』のが勿体ない――否。消滅するかのように。宝石を頬張ろう。
(咀嚼が可能なら甘く砂糖で煮詰められながらもしゃりしゃりとした食感が、バターの優しい味を纏うパイ生地と合わさってあなたに早く次の一切れを、と誘惑してくるのは間違いない)

胃袋は鳴くし、猫も鳴くさ。ジェイル・エヴァーグリーンの旦那が作った「ジュエリー・フルーツ」……存分に楽しむといい。ヒヒヒヒヒ…!
いあいあと咀嚼する赤色の歪み。融かすように。蕩けるように。咀嚼音は奇妙の一言で歯が無くても『嚥下』容易。
(サクサクとアップルパイを切り分けながら)

お味はどうだぃ、可愛いモノガタリ。
 餌付けされる動物か。
 饒舌は甘味に殺戮されて、黙々と消費されるサックサク。
……ジョーンズの方に持って行った時もこうだったね。実はこのアップルパイ、ヤバげな薬が入っているんじゃあないかとそろそろ疑ってきたよ。貴族もよく買い求めるんだが、貴族達が世間話や腹黒いやりとりそっちのけでひたすらアップルパイを腹に収める光景というのはこれはこれで恐怖を誘うモノだね。

(餌付けさながら。新しい陶器の皿にアップルパイをまた一切れ乗っけて相手へと押し遣る。パイは上等な小麦を使っているのだろう。りんごとバターの味をしっかりと受け止めながら尚、食欲をそそる香ばしい香りを感じさせてくれる)
 頬張るのを止めて手を下ろす。
「何だ。奴も此れの虜なのか。世界には数多の呪いが存在し、愛すべき食物が大量だ。菓子も総ては仮死の為に投下された娯楽の糸で、地獄の亡者も手繰り寄せる。此処等で砂糖と蜂蜜と牛乳の上にホイップクリームを乗せた飲料が怖い」
 続けてさくりさくり。
そう、以前あのコとおしゃべりした時の手土産にね。菓子といえば竃の魔女が作った焼菓子も美味しいよ。ココアでも飲む?(くすくす)
「ああ。貴様が歩く南瓜頭に視得る。菓子を貰うのは我等『物語』だがな」
石炭の火は赫く暖かいからね、悪くない。天国からも地獄からもいい顔をされない点では似ているかもしれないが。それを望むコエがあるのなら、ニンゲンだろうとモノガタリそのものだろうと我(アタシ)は与えるとも。そういうモノだ。

(人差し指の先にはいつの間にやら引っ掛けられたカップ。そのカップをことりと相手の前へ置くと軽く指先で突いた。瞬きの間にカップには湯気を立てるココアが注がれている。ゆら、と湯気に紛れて白く浮かぶ物体はホイップクリームとマシュマロだろうか)
「ほう。天国でも地獄でも貴様は拒絶されるのか。天使とも悪魔とも再生とも死滅とも想像可能な外見が神を拒絶するのか。我等『物語』は最初から与えられたものだ。貴様も与えられた文字列だろう。商人様。Nyahahahahahahahahahahaha!!!」
 仰け反るような格好で温かな甘味を飲み干そう。咽喉を熱する茶色の香り。
「さて。甘味は此れで充分だ。話の種を増やすべきだ」
おや、おかわりが欲しければ望むままに。……与えられた、か。はてさて、それがどうも定かでは無くてね。ああ、商人というのはニンゲンが与えてくれた記号ではあるのだがーー本質がどうにも、どこにも、誰にも答えをはっきりとさせられない。一度、答えを得てみようと界から界へ渡り、深遠なるもの、崇高なるもの、それらに尋ねてみたりもしたが、終ぞわからなんだ。結局、「まァ、わからないならわからないでいいかー」って諦めた。ヒヒヒヒヒ!
「深淵も崇高も結局は世界の枠を侵蝕せず、可能だと理解しても最後は掌の上だ。佛に威張った猿の面だ。復讐が最終的に劇を沸かせ、滑稽な結末を晒すのと同等。判るだと。解るだと。踊る阿呆と覗き阿呆。何方も誰かの筆の色。諦めても好いのだ。諦めたのだ」
うン、結論、カミサマの類はそんなに物知りじゃないってなったね。だからミンナが観測したままでいいことにしたんだ。商人と呼ぶも、白薔薇の隠者と呼ぶも、名も無き悪魔と呼ぶも自由。我(アタシ)は我(アタシ)の気の赴くままに、かつ観測したモノが呼ぶモノとなる。我(アタシ)は読者で執筆者。その上、名も無きモブキャラで時に中ボスさ。
「随分と傲慢だな。驚きの一言だ。我等『物語』の復讐劇よりも酷い貌だ。好いだろう。総ては個の芯なのだ。誰にでも意思は存在する。意志に到達するのか否かは『読者』『執筆者』の気分次第。可笑しい。貴様は其方側だった筈。Nyahahahah!」
否、否、傲慢にあらず。強欲さ。其方側だし、此方側だよ。

ーーだって、その方が面白い。ヒヒヒヒヒ!!
「面白いか。面白いならば。嗤えば好い。結局は此方側の――何でも無い」
そうだよ。そして、其方側の、何でも無い。実に素晴らしい事じゃあないか。(くすくす…。ソレは嗤う、微笑う)
「此れは酷いな。実に無粋だ。冗長だ。俺が最も嫌いな人種だ。重ねて親近感を覚える。忌避されるべきだ。歩く破滅だと。真逆の極みだ。貴様」
 微笑みに続く嗤い。自嘲。
「で。世界は如何だ。其方側で此方側」
(ソレはトロリとした笑みを浮かべて)

我(アタシ)はキミ達が愛しいよ、モノガタリ。ニンゲンもね。世界?ピザ生地みたいなものかなァ。
「此れは此れは。我等『物語』も小さなものだ。サクリと食べられる」
至高の一品にするにはキミ達(トッピング)がいるだろぅ?
原料って意味ではそうだね、可愛い具材(モノガタリ)。
「Nyahaha――完敗だ。貴様の在り方には驚きと冗長が紡がれて、我が身には毒よりも恐ろしい所業だ。過去の己を想起させる。復讐に燃えた紙束を。好いだろう。具材だ。調味料は如何に。赤色と黒色ならば代用可能だが」

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM