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商人ギルド・サヨナキドリ

白狐の部屋

とある眷属の部屋。

質素でやや殺風景な印象を受ける。

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私には父様が孤独から解放されることを望んでいるように見えるわ。叶わないと諦めていて、それでも望んでしまうから苦しんでいるように。
……ヒトリではあるが、孤独ではない。以前、あの方はそう仰っていましたっけ。あれは嘘だと?
誰をどれだけ愛しても、誰もが自分を置いて逝く。そんな世界の中で本当に孤独を抱かずにいられると思う?
……死を看取り続けることは、孤独なのでしょうか。
(ふるりと首を横に振り)
死を看取り続けることではなくて、安心して愛していられる存在がいないことが孤独なのだと私は思うわ。
では、やはりあの方は孤独ではないと思いますよ。(窓の外を見遣り)
ええ。少なくともあの方は…アレは、ニンゲンという概念を愛しておりますから。それこそありとあらゆる界の生き物が死に絶えるか……アレの心変わりでもなければ貴女の思う心配はないでしょう。
……そういうことじゃない。
(拗ねた口調で呟いて首から提げた金の懐中時計を弄ぶ。彼の言葉に矛盾はないが、言いたいことはそれではない。不器用すぎる自分では語言化することは難しいのだけれど。)
…………父様寂しがりやだから。
どこで誰と何をしてても、寂しがってる気がする。
いつも。ずっと。……そんな気がする。
……孤独ではないが、ヒトリではある。そういうことなのです。
…父様がずっと寂しいのは、ずっとヒトリなのは嫌なの。
…難しいかもしれませんよ?出来たとして、それこそヒトリでいたのと同じだけの時間がかかるかもしれません。
(青年に視線を向け、ふわりと微笑み)
…そうね。きっと難しいわ。とってもとっても。でもね、いいの。だって時間なら沢山あるもの。その為に父様の眷属になったのだもの。
……ええ。我ら眷属の身体は人間より遥かに多くの時を過ごせます。魂さえ、朽ちずにいれば。
……そう。魂さえ、枯れてしまわなければ。だからね、愉しい事を嬉しい事を、沢山沢山探すのよ。お砂糖もスパイスも、素敵なもの何もかも、いっぱいいっぱい集めるの。そうすればどれだけ哀しくたってずっと咲いていられるわ。きっといつまでも永遠に父様の傍にいられるわ。
…青薔薇の魔女。どうか、貴女自身に幸いがありますように。(つぃ、と人差し指を振ると白いテーブルとティーセットがどこからともなく出てくる)
………?(きょとんと不思議そうな顔をして)
兄様、私は幸せよ?幸せそうに見えない?
…私(わたくし)には少し判断が難しいです。
幸せは、難しいですから。(静かに暖かい紅茶を淹れながら)
(椅子に腰を下ろし、頬杖をつき)
…兄様にとっての幸せってなに?
私の幸せですか?……私の手の届く範囲の人々が、健やかに在れることでしょうか。(青年はルミエールに紅茶を差し出す。それからミルクと砂糖も)
…兄様自身は?(紅茶を受け取り、砂糖を入れて一口飲む。そうしてから新しいティーカップを手に取り、琥珀色に揺れる暖かな紅茶で満たして青年に差し出す。彼が自分にそうしてくれたように。)
私(わたくし)自身?それはまあ、亡霊風情とはいえ平穏無事であれればそれに越したことは無いと思いますが…(首を傾げ)
そうでしょうか?地味でささやかですが、多くの人が望むであろう幸せだと思うのですが。(特にあの自然災害がカタチを成したような主人に仕えているなら尚更、と付け加えて)
うん。でも父様に仕えている限り、兄様の願いは叶わないでしょ。父様に加えて今は私もいるし、尚更。
しかしあの方に仕えれば、より多くの人を守る機会がやってきます。何もせず死んでいるよりはずっとマシです。
屠る側に回る機会もふえてると思うけど。兄様が納得してるならいいのかな。(ぽんと軽く手を合わせばテーブルの上に茶菓子の山が現れる)
少なくとも、この世界の依頼におけるハイ・ルールは理解しております。どういう意図で作られたかも。裏を返せば、それに属さない無意味な殺戮は阻害の余地があるという事です。
うん。…「こんな世界で生きるぐらいなら死んだほうがマシ」そう思ってる人ってこの世界にもいるのかな。いるんだろうね。(幾つかの菓子を手にとって口にするわけでもなく積み上げる。
いるかもしれませんね。(温度の無い声で淹れてくれた紅茶へミルクを注ぎ、口にする)
こっちの世界でまた天使の真似事するのも悪くないかな…。(過去の記憶をぼんやりなぞる。元いた世界で「幸福な死を与える天使」などという生を憂う人々が生み出した偶像の真似事をしていたこと。何人かは生かしたまま帰し、何人かは望み通り命を奪った。今となっては懐かしい思い出。自らの手で積み上げた菓子を自らの手で崩し、また積み上げる。賽の河原の石積みの真似事。幼子と鬼の一人二役。)
食べ物で遊ばないように。(まるで母親のような注意をするその青年が、その場面を見たら訪問者を止めはじめるであろうことは想像に難くないだろう)
えー。別に粗末にしてないし粗末にしないよ?食べ物だってニンゲンだって、ただそこに在るだけより遊ばれた方が楽しいんじゃない?
弄ばれたい、なんて願望を抱くのは一部の変わり者くらいですよ。(嘆息して)
ヴォルペさんみたいな?(菓子を一つ手に取り口に運ぶ)
ああいうモノになってはいけませんよ。(自分も茶菓子をひとつ手にとってかじる)
鞭打たれて悦ぶなんて業が深いよね。
でも父様にされるのならちょっと愉しそう。
そもそもあの生き方は魂をすり潰す生き方ですから。あの方はもう、そうでもしないと生きられないのでしょうが。
似てません。(食い気味で否定が返される)
似てるよ?兄様の生き方も魂をすり潰す生き方だもん。
少なくとも、私(わたくし)は自らの死も望んではおりませんので。そこが違ってしまえば、大きく違いますよ。(心底、嫌そうに眉を顰める)
確かに真逆といえば真逆だけど…。兄様はヴォルペさんの何がそんなに嫌なの?
…(ちょっと考える仕草をして)……強いて言うなら。なにもかも諦めきったあの目でしょうか。とても、とても寒くて嫌にございます。
私(わたくし)の諦めの悪さは、貴女もご存知でしょうに。(青年はすんっ、と肩を竦めた)
うん。怖いぐらいに悪いね。でも兄様だって本当はわかっているんでしょ?誰をどれだけ救っても、永遠にキリがないんだってことぐらい。この世に生まれてきた以上、父様みたいに概念の様な存在でもない以上、みんないつかは死ぬんだって。ただの気休めにすぎないってことぐらい。

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