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ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

【1:1】店の奥にて

たくさんの店が立ち並ぶサヨナキドリの奥深く。
あなたは迷い込んだのかもしれないし、何か目的があって此処にきたのかもしれない。

大事なのはちょうどその時、"ソレ"が居るということだ。

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おやま、気遣われちゃった。
ヒヒ…そうだねぇ、であればヴェルグリーズが無理強いをしない限りはもう少し見守るとしようか。

(紅茶でも淹れようかな、と指先の動きでクルクルとティーセットを浮かせてお茶を淹れ始める)
………………人外というのは皆このように突発的に行動するのかしら。

(はぁ、とため息をついた)

……申し遅れました。私は星穹、と申します。
そこの剣の相棒……ですが、今はそれどころではありませんわね。
武器商人さま、とお伺いしました。どうぞ宜しくお願いします。
(鑑賞体制に入った商人殿を横目に見つつ)
星穹殿にはもっと自分を大事にしてほしい、それだけなんだ。
星穹殿は俺にとって大事な人だから。
その人が俺が傷つかないようにと自分を切り売りしているのを聞かされて
何もせずにいられるわけないだろう。
言ったろう?ここはアタシの胎の中だと。
星穹キミがその男と交わす言葉を全て尽くしたなら、アタシはいつでも取引をすることができる。
故に言いたいことがなくなったのなら、『契約を望む』。そう口にすればいい。
過保護が過ぎるのでは? 私、貴方のパートナーではありますが妹ではありませんのよ。
それに、別に全て貴方のためではありません。これは私のためであって、そこに貴方がついてきただけです。貴方のせいにするつもりはありません。
……了解致しました。ではそのように。
それだけ、俺にとって星穹殿は大事な存在になりつつあるということだよ。
これまで何度も背中を預けて、分かったんだ、俺にとって唯一無二の盾はキミだと
そんな相手が身を削ろうとしているのを見ているだけなんて俺には出来ないよ
……早死する盾に唯一を託してはいけませんわ。
それに寿命を渡すわけでもないのです。何も問題は無いでしょう?
星穹殿は俺にとって短い間柄だと思っているみたいだけれど
俺にとっては関係を持った長短はどうでもいいことなんだよ
大事なのはどれだけ思いを込められたかということだけだ

そんなキミを大事にするのに全力を傾けるのはおかしいことかな?
キミの何が欠けても俺は傷つく。一生抱えていくような傷だね。
キミが腕を無くした時だって実は傷ついてたんだよ。分かってたかな。
おかしいです。……おかしいですわ。何度だって言わせて頂きますとも、おかしいですと。
いつか失うと解っているものを大切にする理由が解りません。
それならば貴方が此処から立ち去れば、私が何を失おうとも知らないことで済むのでは?
……あの依頼だって、貴方が受けなければ。私が義手を変色させていただけのことでしょうとも。
大切なものを大切にしない通りが俺には分からないな
だって、大切なんだから、大切にするよ。当然だろう?
いつか失うかどうかは重要じゃない。大事か、そうでないか、じゃないかな。

それはもう「知ってしまった」ことだろう。知らなかったもしもを考えてもしかたないさ。
今星穹殿はここで温感を対価に強さを得ようとしていて、俺はそのことを止めたくて割り込んだ。
それは星穹殿を大事に思うから温感を無くすことに対して納得ができない。
それがすべてなんじゃないかな。
温度感覚を失ったとて、生きていけます。
失うべきだとは言い切りませんが、失ったとしても生きていけます。左腕よりも、よっぽど。
これ以上何が気に入らないのですか。もう沢山温度は知っています。だから、もういいのです。
そうじゃないんだよ星穹殿、本質はきっと温感を失うことじゃない。
キミには今後の可能性や未来を惜しむことを知ってほしい
キミだって空と触れ合う温かさを好ましく思っていないわけじゃないだろう
一秒先の未来を惜しんでいる暇があったら、私はその時間で強くなりたいのです、ヴェルグリーズ。
今失くすか未来で失くすかの差異ではありませんか。
それとも、温感以外でなら納得していただけるのですか?
……それに、未来も可能性ももう惜しむだけ惜しみましたとも。
納得しないとも、キミが何かを失うならば、俺はそれに真っ向から抗う
キミが強くなりたいのなら時間を対価に強くなっていけばいい
これが俺の我儘だとして、それでも俺は引く気はないよ
貴方と私の残り時間は違いますからね。焦る気持ちも、伝わらないのでしょうね。
……であれば、此処までですわ。
『契約を望む』。……お願いしても?
(のんびり紅茶を嗜んでいたが、視線を2人へ寄越して)

──よかろ。“それをキミが望むなら”。

そういうわけで、ヴェルグリーズ。
“運が悪ければまた遭おう”。
(ぐるり。ヴェルグリーズは眩暈の様な感覚を覚えるだろう。……気が付いたら、サヨナキドリの外へ放り出されているはずだ。その後に中に入りこの場所を探そうとしても見つけ出す事は叶わない。何せ、この領域の主人がそれを望まぬのだから)
(星穹の目には空間が歪んで、ヴェルグリーズが飲み込まれた様に見える)
…………ごめんなさい、ヴェルグリーズ。
貴方の手のひら、少しくらい握っておけば良かったかしら。
はぁ……後悔しても遅いのでしょうね。我儘を言うくらいなら、ちゃんと突き放すべきだったかしら。
……兎も角。お手数を御掛けしました。
なに、此方としても悪くなかったよ。
アタシの査定も中々のモノのようだ。(けらり、けらり)
であれば此方へ、お嬢さん。──お手をどうぞ。は不要かな?
(冗談めかして手を差し出し)
あら、光栄ですこと。
……彼、本当に良いひとだから、嫌いにならないであげてくださいね。
貴方なら、私よりも永く彼を見ていられそうですし。

(そっと手を重ねて、笑って)
(ほっそりとした手でそっと彼女の手を握って)

それは無いよぉ?あのコは、アタシたちの護り刀だからね。ずーっと、ずーっと好きさ。
ま、あのコがアタシを嫌うかもしれないが。(くすくす)
あら、そんなこと有り得るかしら。
嫌われそうなのは私の方ですけれど……はぁ。
まァまァ、これで嫌うならそもそも割り込んでこないだろうさ。
さ、おいでおいで。制止はもう入らないだろうけど、のんびりしてたらキミに風邪を引かせてしまうからね。
(ゆるりと手を引いて)
……そうだといいけれど。彼に嫌われると、困ってしまいますわ。
(それについていって)
(恙無く魔術回路を弄り、整え、そして新しく組み込む)
(魔術回路が整備された影響で、修練と併せると以前よりも多少魔力の扱いがスムーズになるかもしれない)
……はい、お疲れ様ァ。(自身の手の中にあるアイスブルーの結晶を眺めながら。彼女から頂戴した対価だ)
……なるほど、それが私の感覚だったもの、ですかね。
案外……呆気ないものです。
アタシだからね。(ふふん。と自慢げに)
なんかお土産持ってく?お菓子好き?
お、お菓子……息子が喜びそうですので頂いて帰りましょうか。
そちらは普通に購入させて頂きますわ。
いいよいいよ、持ってお帰り。宣伝にもなるしね。(そういうと保冷された箱を2つお土産袋に入れて渡し)
……あらあら。では、すみません。頂いて帰らせて頂きますね。
ン、此処は色々あるからね。見るだけでも楽しいから今度は親子でおいで。
帰りは扉を出て真っ直ぐ歩けば出口に着くよぉ。
……ありがとうございます。
次は……穏やかに来れますように。では、また。
またねぇ。“運が悪ければまた遭おう”。
(手を振って見送る)
…おや。
(本を読んでいたが、サヨナキドリ内の気配に気がつくと指を鳴らして此処への道を開く)
(コンコンコンと控えめなノックがなされた)
おそらくここでいいと思うのだけれど…
ちょっと、そんなことを言って違ったらどうするのですか!
出会うべき時に出会うものです。……きっと、其処にいるでしょうから。
(くすくす)……鍵は空いているよ、入っておいで。
そうは言ってm…っと、大丈夫そうだ…失礼する(扉をがちゃりと開ける)

こんにちは商人殿、急な訪問で申し訳ない
今時間は大丈夫かな
もちろん。それで、力を合わせて戦いにでも来たかい?(どことなく楽しそうな雰囲気で)
……た、戦うとは。どうして武器を取る必要がありましょうか。
彼はともかくとして私は満足しておりますし、戦うくらいならば鍛錬したほうが良いかと。
今日の本題はそちらではなくて……。
そうだね、本題は昨日のお詫びになるよ。
取引の場に乱入するわ、その取引自体をダメにしかけるわ
非礼に非礼を重ねたにもほどがあるからね…

本当に申し訳なかった、これ、よければサヨナキドリの皆さんと食べてほしい
(手にした紙袋には「ねこ屋」と有名羊羹屋の名前が書かれている)
(少しテンションの下がった顔)

…なんだァ、討伐に来て対価を踏み倒しに来たんじゃないんだ。
ま、公正に成立した取引自体にこれ以上のケチを付けるんじゃあなければ何でもいいのだけど……。

(ありがとぉ、とお礼の品は貰う)
あら、踏み倒したほうが良かったのかしら……。
今のところ、何の不便もしておりませんので平気ですわ。買い直す必要があれば、買い直しますしね。
番を悲しませるような真似をするような方ではないでしょうし、互いに痛手を負うだけですわ。
それは望みませんので。

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