PandoraPartyProject

ギルドスレッド

酒場『燃える石』

【個別】(仮)

酒場『燃える石』の片隅に人気のない空間がある。
丁度柱の影にあり、スペースの都合で置かれたテーブルの大きさは中途半端でどうにも寛ぎ難い。椅子の数も3つと中途半端。賑わいから外れた離れ小島のような空間だ。
今、そこに男がいる。二日酔いには迎え酒とばかりにグラスを引っ掴み、痛む頭を抱えて突っ伏す愚か者が。

(グドルフ・ボイデル【p3p000694】様、プラック・クラケーン【p3p006804】様とのRP専用スレッドです。)

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あ"ぁ"〜〜〜〜〜〜〜〜っ、くそっ。
気持ち悪ぃ……頭痛ぇ……。つーか全身が痛ぇ……。
(背後から静かに歩み寄り、声をかける)

やっぱり居やがったな、キドーよお。
迎え酒たあ懲りねえな、おめえも。

(テーブルに見覚えのある革袋を放った後、自身も向かいの席に着いた)
(燃える石の食事をトレイに乗せて2人に歩み寄り)

えっと、話の途中にすみません、相席…良いっすかね?
なんか、何処も席が埋まってるみたいなんすよ

(知り合い同士の空間へ割って入る事が申し訳無いといった様子で2人へ声をかける)
(頭を抱えた腕の下から上目遣いで睨め付けた後、革袋に視線を落とした。)

うるっせぇな。頭に響くだろ。
……ケッ。よくもまあ、ノコノコと顔出しやがったもんだよ。

(自嘲するような薄笑い。そして、プラックの方は見ぬままに右手を上げて手招いた。)
つれないねェ。『忘れモン』を届けに来てやったってえのによ。
まま、昨日のこたあ水に長そうじゃあねえか。

(歩み寄ってきた青年に顔を向け)

……あん? 坊主、見ねえ顔だなあ。
このおれたちに声掛けるたあ、良い度胸してるねェ。面白え、来いよ。
つか、それ何持ってんだ。まさかここのマスターが作ったメシじゃねえだろうな?
お二人共、あざっす
それじゃ遠慮なく座らせて頂きます


(軽い会釈。そしてテーブルへ食事を置き。残った椅子に腰掛けて)


そのマスターが作った飯っすね
まぁ、その、根性鍛錬というか意地で食う事にしてんすよ
っと、そうだ、おっさ…おじさんは、はじめまして
俺はプラックって言います、よろしくお願いします
俺ぁよ、持ってけっつったんだよ。耳クソ詰まってんのか、クソジジイ。
それに俺はまだ許した訳じゃ……クソッ。

(頭が痛むのか、顔をしかめて言葉を切った。或いは新顔の青年の手前、余計な事を言いそうになったのを誤魔化したのか。)

あぁ?まだそんなことやってんのかよ、プラックよぅ。
食生活の積み重ねは侮れねぇぞ。内蔵系の病はな、怖いぞ。へへっ。
ゲハハッ、こんなんじゃ昨日の酒代にもなりゃあしねえよ。
……おっと。

(こちらもそれを察したか。ともかく青年の持つ食事に注視し)

オイオイ〜、マジか坊主おい。
見える地雷を踏みに行くたあ、勇気あるねェ。しっかし、自分(てめえ)を追い込むのもいいが……追い込むにはちと毒が強すぎねえか?

(ドン、と胸元を叩き)

オウ、おれぁグドルフ。
グドルフ・ボイデルさまだ。名前くれえは聞いたことあるだろう?
もし無えなら、今日は覚えて帰りな。ゲハハハッ!
いやぁ、確かに病気になるとかは怖いですし
マジ、耐性を付けるには毒が強過ぎなんすけど…
こいつを平気でたらふく食ったって奴に負けるのも癪で…
って、え?グドルフさんっすか…?

(考える様なもしくは思い出す様に蛸髭へ触れ)

ああ、アンタが噂の山賊っすね!
聞いた事ありますよ!
確か…色々と偉業を残してるって方っすよね?
へへへへ……こりゃあケッサクだな。するてぇと何だよ。意地でこんな劇物食い続けてるって?こりゃあいい。そのたらふく食ったってヤツもお前も、なかなかトんでやがるぜ。
いいね!俺ぁ好きだぜそういうの。へぇっへへへへ……へへへ、いっ!つつつつ……。

(しかめ面から破顔一笑。が、当然ながら二日酔いの頭に響いてすぐにしかめ面へと逆戻りだ。)

……ええい、クソッタレ。
あんだって?この小汚えオッサンが偉業を成し遂げただあ?噂話に尾ひれ背びれがついて別の魚になっちまったみてえだな。
いいか!騙されんじゃあねえぞプラック。幾らか事実が混ざってても、コイツは飲んだくれのロクデナシだ、ケッ。
コレを意地だけで食うか……いやあ、世界は広いねえ……。
おれぁこんなん食うくらいなら、霞でも食ってるわ……。

(満足気に頷き、ふんと鼻を鳴らす)

そうそうそう、それだよ。
おれさまも、名が売れてきたようだな。

(──が、キドーに貶されると同時に眉を顰め、なんだとお、と喧嘩腰に叫び)

オイ!
噂話でも、幾らかでもねえ、事実だろうがあ!
あん? さては、おれさまの活躍や武勇伝に嫉妬してやがるな? 見苦しいったらねえなあ!

(と、プラックの方に向き直り)

オウ坊主、コイツは誰にでも噛みつくピラニアみてえなもんだぞ。真に受けるなマジで。
俺も人伝なんで、ソイツが本当にたらふく食ったのかは半信半疑なんすけどねー
まぁ、此処に良く来てたのは事実みたいなんで、嘘にせよ、あの馬鹿に勝てるならやってやろうってなもんで…

(目の前で始まる喧嘩にキョトンとした顔をする、しかし、すぐさま)

くっ…ふふっ…かかっ

(2人のやり取りを見て楽しげに笑い)

いや、2人共、すっげー仲が良いんすね
こんな仲が良さそうな喧嘩、はじめて見ましたよ
見てるこっちが楽しくなるつーか、なんというか
だからよぉ……頭に響くつってんだろクソジジイが!バカみてぇデケェ声出してんじゃ……!!
……いっ、つつつつ……。
(はじめは声を抑えて。が、感情の昂りを抑えきれずに、おわりに近づくほど徐々に語気が荒くなっていった。そうして結局、痛む頭を抱えるハメになった。)

あ゛ーーーーっ……くそっ。
誰かてめえになんか嫉妬するかよっ。見栄張って強がって、そのくせバカみてぇな無茶な酒の喰らい方して女々しいったらありゃしねえっての……。オクトの野郎の事、忘れろっつったのテメーだろうがよ……。

(一度は昂ぶった感情が言葉と共に風船が萎むように萎えてゆく。慌てて誤魔化すように鼻を啜り、プラックをじろりと睨みつけた。)

プラックもてめー、バカ言ってんじゃねーぞ。
こんなんどこが仲がいいってんだ。せいぜい腐れ縁ってやつよ。
ヘッ。おれを見やがれ、二日酔いなんざで苦しんでるのが、酒弱ェ証拠さ。
こんな所でもおれさまにゃあ敵わねえ。大人しく負けを認めな。

(勝ち誇ったように、あごをしゃくりあげ)

やめろ──あの時ゃあ、クチが滑っただけだ。

(ギロ、とキドーを睨めつける。"部外者"の前だぞ、と言いたげに)
ははっ、くかかっ、やっぱり仲が良いじゃない…す、か…

(父の名を聞くと苦虫を噛み潰した様な顔をする)

──オクト…さんと仲が良かったんすね。もう少し話を聞いても良いっすか?気に…なるんで

(恐る恐る口に出す。少なくとも彼らにとっては良い話題では無いと知っていたから。)
(──実の所、"山賊グドルフ"の噂は偉業によって知った訳では無かった。父の友人だったという話を聞いて、会わなければ。と、三賊が集まっていた場所へ相席に来たのだ。)
(頭を抱えた腕の下からグドルフを睨め返す。
そして口を歪め、尖った歯牙を剥き出して何やら言い返しかけて……口を噤んだ。)

……チッ。
んなもん、聞いてどーすんだよ。

(視線を移して、今度はプラックを無遠慮に睨み付ける。その眼差しにはどこか困惑するような色が混ざっていた。
この笑い方は……誰かによく似ている。)
……。

(逡巡する。その顔から、表情が消える──)

──今更、アイツの話をする気にはならねえよ。
他所当たりな、坊主。

(青年の顎から生える、あの触手のような髭。目の前の彼は間違いなくまず海種であり──"アイツ"の関係者である事は間違いない、と考える。
率いていた海賊団の下っ端か? それとも──。僅かな逡巡の間に顎鬚を撫ぜ付け、舌打ち一つ。
青年が何者であろうと、関係ない。どこで『三賊』を嗅ぎつけたかは分からないが──腹の内を探られるのは得策ではないと。そう、判断した)
聞いてどーすっか、ですか。
それは、その……

(何をするか答えを出そうとした最中、グドルフの返事を耳にして)

……そうっすよね、すみません、他所を当たり…

(この結果は当然だ、父と親しければ親しい人物である程、部外者へ語ろうなどとは思わない。ならば素直に引き下がろう。誰かの為に父を知って殴ろうなんて思い上がりも甚だしかった)
(──いや、違う。"誰かの為"なんかでは無い、"知りたい"も"殴りたい"というのも自身の身勝手だ。其処へ父の事で、恐らく…傷を負っている2人を巻き込むのならば、通すべき筋が有った筈だ、ならば今、自分がすべき事は…)

(話を止め、調子を整える様に深呼吸を行い)

──すみません、改めて自己紹介させてください。
俺はプラック、プラック・クラケーン 。蛸髭の…息子です。

俺は父を、糞親父をメタくそにブン殴ろうと思ってます。
でも、ただブン殴るだけじゃ駄目だと思って…
糞親父の事を知って、糞親父に迷惑かけられた人達の想いも仲が良かった人達の想いも知って。
其処で始めて、俺はアイツをブン殴れる。
そう思って、話を聞きに来させて頂きました…!

もう一度、お願いします、糞親父の事、教えて頂いてよろしいでしょうか…!

(そう言って深々と頭を下げた)
(赤い瞳が揺らぐ。不快感を噛み締めるように口元を歪め、しかし眉尻は困惑するように下を向く。複数の感情が入り乱れ、表情に反映されて次々に移り変わる。それは正に筆舌に尽くし難く。)

……ガキ。あのヤローのガキかよ。へっ、そうかい。道理で……

'(似ている筈だ。そう、言いかけた言葉を呑み込む。まるで親戚のジジイにでもなったようではないか。そんな歳でもなければ柄でも無い。
それに、それにだ。ヤツはそこそこいいトシだったし、いい加減な所があった。ガキの一人や二人居てもおかしくはない。何も特別な事など無い。いちいち感傷に浸るような事でもない。
そうだ。俺たちは賊だ。ならず者だ。こんなこと、こんな程度の……)

あんの、クソ野郎!!

(気が付けば両の拳をテーブルに叩きつけていた。見栄張って意地張って、抑え込もうとしていた感情が溢れ出す。
止めんなよ。そう言うようにグドルフを睨み付けたのは最後の理性か。)

ああ、ああ、教えてやるよ。お望み通りにな。
『仲が良かった人達』?そうだな。確かにな。ヤツの言葉を借りて言えば『ダチ公』ってえ奴だよ。へっ!随分なお言葉だよなあ?ダチ公と言う割にゃあ何もナシ、音沙汰もなく手切れになったんだ。
たがよ、相手は、ヤツを『呼んだ』ヤローは兄弟だったってえ話だ。それなら仕方ねえ。ムカつくし納得は出来ねえが、理解は出来た。それなのに何だよ!テメェは息子だってんのにアイツの事を教えろだって?しかも、最初は無関係装って、そんで頭まで下げて。そんなのおかしいだろうがよ!ええ!?

(虚空を睨む。グドルフでもプラックでもなく、ここに居ない男へ向けて。)

プラックよう、お前の親父はロクでなしのクソヤローだ。
……そうか。
お前があいつの……。

(馬鹿な。と思った。それと同時に、やはりか。そうも思った。色々な感情が綯交ぜになった、一言。嫁が居るとは到底思えなかったが、あれも海の男。港街-おか-に女が居ても不思議ではない、が。
息子-ガキ-を置き去りにしてでも、『絶望の青』に行きたかったのか? それが、お前の思う『自由』だったのか? なあ──。そう呼びかけたかった男は、今は何処とも知れぬ海の上だ)

……そうだな。どうしようもねえ男だったよ。
殴り合って、飲んで、暴れて、肩組み合って。
そんで飽きたらポイ捨てだぜ。とんでもねえ自己中野郎さ。

(キドーが拳を叩きつける。テーブルの上のグラスが跳ねる。彼の赤い眼が爛々と光っている。嗚呼、全部教えてやるつもりか。
──息巻く彼を止める事などできないと、グドルフは既に知っている)

ガキをほっぽって、あいつは思うままに生きてたわけか。
おれらとバカやってる時も。酒飲んでクダ巻いてるときも。
──『魔種』になり果てた時も。

それが自由ってか? 笑える話じゃねえか。
……後々になって、こんな事実が分かっちまうとはねえ。
(吐き出される怒号、その発言を静かに聞き入り咀嚼する様に噛み締める)
………先ずは1つ、糞親父がすみませんでした。
知っての通りアイツはろくでなしっす。
ダチにすら、何も伝えずに去ってくだなんてやりそうな事だし、擁護のしようがねぇ…
お袋の話でも俺の覚えてる限りでも呑んで、笑って、馬鹿みてぇな事して…ひたすらに自由でした。


(一呼吸、間を置いてから自身の中の感情と考えに整理をつける為に髪をぐしゃぐしゃに掻いて)
アイツを擁護したくはねぇし
慰めになるかは分かんねぇ、分かんねぇけど…
糞親父は…その、ダチだからこそ、迷惑をかけたく無かったんだと…思います。お袋ならそう言うでしょう。
(真一文字に結んだ口元の奥で歯軋りキリキリ音を鳴らして、まだまだ浴びせ足りない怒声を噛み殺す。
プラックの言葉を聞きながらそうやって堪え、そして彼の言葉が途切れたタイミングでグラスを引っ掴んでひと息に飲み干した。)

はあぁ……。
……クソッタレがよ!!ああ、ああ、全く、ロクでもねえ親父だよ。話せば話すほど、聞けば聞くほど腹が立つ!
どーやら、お前のお袋さんは随分とあのタコ助に惚れてるらしいな。恋は盲目、アバタもエクボ。そうでもなけりゃあ、息子にあんな野郎の事をわざわざ話すもんか。
ああ、くだらねぇ……、くだらねぇ……。なんで何も知らねーお前に謝られた上に、遠回し極まりない惚気を見せつけられなきゃあならねえんだ。

(尖った耳の先端が一旦上を向いて、そしてくたりと萎れるように下を向いた。それに合わせるように、子柄な身体も背もたれに沈んだ。)

おい、お前、プラック。
アイツをブン殴るっつったな。俺にも一枚噛ませろよ。ブン殴る程度で済ませられる気がしねえがよ!
キドーの言う通り、ガキのお前にアタマ下げられる事の方がイラつくぜ。
勘違いすんじゃねえ。謝らせるなら坊主、おめえじゃなく、オクト本人だ。

……『三賊』を組んだ時、おれらはこの先、一蓮托生のつもりだった。
誰かひとりがやらかそうが、責任も不始末も、三人で肩代わりしあう。
責任の所在を押し付けあう事はあった。言い合いも殴り合いもしたよ。
それでもな、最後は『そういう』やり方をしてきた。だからこそ良かったんだ。
だがな、奴はそのやらかしを、奴自身が背負って行っちまった。
その瞬間、『三賊』は終わったってワケだ。

──これで、思う存分殴る理由になるかい。坊主?
三賊っつうチームをブチ壊した罪を思い知らせてやれるくらいによお。

(プラックの母という女は、よほど目が悪いらしい。あんな男を■せる女だ。正直、馬鹿にしている。そう鼻で笑う)

(──■か。下らねえな。俺が世界で一番、嫌いな言葉だよ)

で。ブン殴って、そのあとはどうするんだ。全裸に剥いて土下座でもさせるか? 
坊主、おめえが決めろよ。
(3人は本当に仲良くやっていたのだろう、此処まで吐き出された怒声や態度を見ていて、嫌という程分かる、分かってしまう。正直言って羨ましいくらいに。ただ、少し…本気で怒ってくれるダチが居た事には頬が緩んでしまうくらいには誇らしく、嬉しくも有った。)
…本ッ当、ロクデナシだな、糞親父。

んで、その後はどうすっか…すか?
おかげ様で殴る理由も増えましたし、何してたかも分かりましたからね。
——当然。
全裸に剥いて土下座させて、簀巻きでお袋の所連れてって、其処でも死ぬ程に謝らせて。
んでもって、2人…いえ、三賊にも頭下げさせて、一生分ってくらいに奢らせまくりますよ。
んで、最後にゃ、ただいまって言わせます。
(その後。最後。目の前の男が発するそれらの単語に強い違和感を感じた。
何事にも終わりはある。それは当然の事だ。しかしどうやら、キドーの中で予想し設定しているラインとは大きくズレているようだった。キドーには奴と、反転したオクト・クラケーンと対決した後の展望がどうしても見えてこなかった。プラックが言う様な未来が訪れるとは思えなかった。思いたかった。だが、無理だった。
覆せなかった『前例』のせいか。それともあの場に駆け付ける事も出来なかったせいか。三賊だのと言ってつるんでいた以上の繋がりも無かったせいか。結局はその程度と言うことか。)

ふん、くだらねえな。

(忌々しい。)

まあ、いいさ。勝手にしろ。
やりたきゃやれよ。

(やれるもんならな。)

(吐き出しかけた言葉を理性で止め、なんとか酒で流し込む。それでも棘のあるぶっきらぼうな態度になってしまったのが何とも情けない。
本来ならもっと言うべきことはある筈だ。より良い結果はキドーも望む所である筈だ。だって、俺は、俺達は三賊で……

ああ、そうか。それ以上に嫉妬しているだ。ロクでなしのくせに、無責任にほっぽり出したくせに、こんなにも想われ望まれるオクトという男に。)
……。

(まっすぐな青年が若さゆえに熱っぽく語る夢物語。重い重い現実を知らぬ子供の理想論。切捨てるのは簡単だ。しかし──)

ハッ……若いねェ、坊主。だが、嫌いじゃねェよ。
夢を夢で終わらせたくないと思わなくなっちまった時が、大人になったって事なのかもしれねえ。
だが、海賊っつうのは、視線の先に『浪漫(ゆめ)』がねえとなあ……。

(そんなものが叶う訳無いと誰かに笑われても、見下されても、ひたむきに何かを追おうとした姿は、立ち止まってしまった己にはひどく眩しく見えたものだ)

オクトもそういう男だったよ。いいトシこいて、夢だなんだ、自由がどうだ。
キドー。ちったあ見習っておけよ。
その下らねえと吐き捨てたこの坊主の熱さ、スレちまったおめえには足りねえモンだ。
そうすりゃあ、もうちっと可愛げが出てモテるかもしれねえぜ? オイ。

(目の前でいじけているゴブリンに発破をかけるように肩を強めに叩く)
うっす、やりたい様にやらせて貰います!
海賊だとか、大人だとか、夢だとかはわっかんねーけど
少なくとも俺はそうしてーんで!
お二人はどうしたい…
(ゴブリンの肩を叩く山賊を見て、先程までの感情の吐露や険悪な雰囲気を思い返してその先は野暮だな、と)
…ふっ、なんでもねっす。

まぁ、ただ、親父も同じだっつーのを聞くとなんかこう複雑なんすけどね、ムカつくよーな、嫌なよーな…嬉しいよーな
(最後の一言を誤魔化す様に食事を一口飲み込む)
まっず……(燃える石の料理って事を忘れてた)
(肩を叩かれ、赤い目を丸くする。)
おっ……。
い、いじけてねーし!可愛げなんていらねェーし!俺ぁもう十分モテてんだよ!!あーもう困るわイケゴブはつれーわ!!予約二週間空いてないわー!!
だいたい俺だって多少の夢や目標ぐらいは……(言いかけて、口をつぐむ。あるにはあるが、目の前の、
特に山賊には言いたくない。気恥ずかしい。そんな感情に負けた。と、同時にこれが差かと思い知らされた。)
クソッ。

(血が巡って赤く、いや青くなった顔を隠すようにガシガシと自らモヒカンをかき乱す。いつもなら決してやらない行為だ。)
複雑だあ?んだよ、もっと言ってやろうか。同じだ!そっくりだよ、全くてめえら親子はよお!ムカつくぜ!!
……。
……へっ。腹壊すなよ、クソガキ。
ハイハイ、そういう嘘は聞き飽きてんだよ。

(コイツにも多少なりとも『見据えた未来』があるのか、と言いたげな顔をする。それ以上聞き出すようなことはしなかった。言いよどんだ彼の夢。それがどんなものかはわからないが──笑う事はあっても、きっと馬鹿にする事は無いはずだから。本人が口にするまで、待ってやることにした)

しかし、たまたま二日酔いのまま迎え酒してるバカが居て、たまたまクソマズいメシを喰いに来たバカが居て、たまたまそいつらを茶化しに来たバカが居た。こんな事はめったにねえことだ。
──あいつが居なくなってからは、互いに避けてたんだ。あいつの話をする事自体を。
当事者になり得なかった俺らは、そうするしか出来なかった。

ボウズ──ある意味じゃ感謝してるぜ。こうやってジックリ腹割って話せたのは、おめえのお蔭さ。偶然かもしれねえがな。
指標は決まった。やりてえ事もな。後は──奴に会うだけだ。
そうだろ?

おそらく、必ず会う事になる。
いや──奴の方から『誘って来る』。そんな気さえ覚えるくれえには──奴との付き合いがあったつもりだ。

(ガタン、と席を立つ)

さて……ちょいと話し込みすぎちまったな。
もうこんな時間だ。これから仕事に行かにゃあならねえ。
やれやれ、人気者は辛いねェ。息つく暇もねェ程に大忙しだぜえ!

……んじゃ。また会おうぜ。

(後ろ手をあげながら、出口に向かって肩を切って歩いていった)
(キドーの様子を軽く笑いつつ、似てるという言葉に反射的に反応して)
似てねっーすから!似てねー!
時計の針が何回回っても似てねー!!
大体、腹なら多少は鍛えられてますよっ!
なんてったって、此処の常連すからね!!

(一呼吸、ジュースを一気飲みにして先輩相手に何を子供みたいに必死になってるんだと冷静になる、落ち着く間にグドルフの話を聞いて)

くかかっ、バカってヒデェな、事実っすけど
俺も話せたおかげでやりてぇ事は決まりました、嫌いだけど、憧れでも有ったんで…蛸髭を継ごうかと。
んで、有名になりゃ、グドルフさんの言う通りに誘って来るでしょうからね…
つー訳で、ありがとうございました!
んじゃ、どっかでまた会いましょう、グドルフさん!
っても、聴こえてねーか…(去る背中を眺めながら)

キドーさんはどうします?帰ります?

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