ぎいごろ、ごろり、がたごとん。幽霊馬車は今日もゆく。 子どもたちは知っている。ごとごと馬車のおばけのうわさ。
森の小道、村のはずれ、田園のむこうに、裏通り。
――それから、墓場。
今夜もどこかを走ってる。

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褪せた黒色、奇妙な形のおんぼろ家馬車。
現れたり消えたりする幽霊馬が曳いていて、
屋根の上にはびっしり色んな植物が生えている。
銀の縁取り黒の扉は――……開けない方が良いかもね。
だって、中は見た目よりずっとずうっと広いのだもの。

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（「このおはなしについて」をいちど読んでみてくださいね。）