PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Fairy Ring

妖怪と訪問者

「前にルチアは私を招待してくれたんだから今度は私が招待する番よね!」

この小屋の主、オデットはそう言って彼女をここへ招待した。
部屋を綺麗にして、飲み物も用意して、後は彼女を待つだけなのに……
ふと思い立った妖精は『お菓子を忘れた!』と友人の妖精も連れて出かけてしまったのだ。
お茶会の、招待客のくる直前に。

あとに残されたのは事情を中途半端に理解している(そして自分には関係ないと思っていた)鏡面妖怪だけ。


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ルチア・アフラニア
水月・鏡禍

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何かあわただしく出ていっちゃいましたけど……いいんでしょうか……
(入口の扉を見やり、でも自分には関係ないかと手元の本に視線を戻した)
(静寂のなか、唐突に入口が2度ノックされた)
……?はい、今開けます。
(ノックの音にほんのり嫌な予感を抱きながら本を閉じて扉を開ける)
招待ありがとう、オデット。来たわよ。……って、あら。どちら様かしら。(少年を一瞥して紡がれた言葉からは警戒感が滲んでいた)
あぁ……やっぱり……
(来客じゃないか!と出かけてしまった妖精に思いながらも言葉を探して)
僕は水月鏡禍といいます。この家に居候させてもらっている身で……オデットさんならつい先ほど『お菓子忘れた!』と言いながら買いに出かけてしまったんです。
(立たせたままにするのも悪いから、と室内へ椅子を勧めながら)
ふうん……初めて聞いたわ。まあいいけれど。(部屋を見回して、荒らされていないのを確認。盗人の類ではなさそうだとは思いつつ、警戒は解かない)
そんなに警戒しないでくださいよ……といっても無理ですよね。
(困ったように頬を軽くかいて)
よっぽど寄り道しないと思いますし、すぐ帰ってくると思いますから、どうぞ座ってお待ちください。居づらければ僕はどこかに引っ込みますから。
(言いながら机の上に置いた本を手に取った)
ま、いいわ。あなた貧弱そうだし、襲われても返り討ちにできそうだもの。むしろ見えないほうが面ど……もといややこしそうだし、ここに居てくれた方がありがたいわ。
ひ、貧弱……いえ、その通りなので何も返す言葉がないのですけど……
(混沌にいる年月=肉体を得てからの年月なので貧弱なのは良くよくわかっているのだが、ばっさり言われるとくるものがある)
なら、ここにいることにしますね。といっても、僕がここにいるかは……どうでしょう。
(本を持ったまま見やるのは部屋にかけられている鏡。そこに少女の姿は映っても、自分の姿は映っていない)
私も人のこと言えた立場じゃないけれどもね。とはいえ、身を護るくらいはできるから、ほんと変なことしてきたら潰すから。
あら、「我思う、故に我在り」よ。
うわ、物騒な……
(完全に素の声。最近の女性は強いなぁと思いながら)
っとそれ何処かで読んだことがあります。面白い言葉を知ってるんですね。
物騒とはなによ。か弱い乙女の護身手段よ。(いけしゃあしゃあと言う)
何かの本で読んだのよ。けだし名言でしょ?
あ、はい、そうですね。
(あ、この人さすがオデットさんの友人だ、と思った顔をする)
そうですね。ということはあなたも本を読まれるんですか。
微妙な反応ね。まあいいわ。(肩をすくめた)
本を読むもなにも、読書は私の趣味よ。こっちの本は私の全く知らない内容のものも多いし助かるわ。
よく似たようなことを言われる方を知ってますので。
……ああ、そうなんですか。この家の妖精の方々は全然本を読まれないのでそれだけで嬉しくなります。
他の世界から持ち込まれたものもありますし、読むものにも困りませんよね。
オデットのこと? 言いそうではあるわよね。(納得したように頷いた)
まあ、あれよ。妖精には本は必要ないんじゃないかしらね……。
ご名答です。絶対か弱くないと思うんですけどね。
(と、本人の前で言おうものなら魔法が飛んできかねないので絶対言わないが)
確かに彼女たちを見ていると無縁そうには思います……。
そうそうあなたはどのような本を好まれるんですか?
良ければお話うかがいたいです。
それ、本人の前で言ったら駄目よ? 言わないとは思うけれど(関係性あるいはヒエラルキーをそれとなく察した)
あら、本の話に食いつくなんて珍しい人もいたものね。そうねえ……割と何でも読むけれど、人の営みによって生まれたもの、と言うと迂遠かしら。人文学の本が多いわね。
言ったら鏡を割られかねないので絶対言いません。(即答)
僕も本を読むのは好きなので、つい……。
人文学というと哲学とかでしょうか、難しい内容を好まれるんですね。
ま、そうよね。(鏡が本体なのか、とふと思った)
人文といっても色々よ。ストア派の哲学書も嫌いではないけれど、歴史や神話なんかも好きよ?
そうなんですね。思っていたより幅が広くて驚きました。
歴史は見る側ですが、神話ですか……あまり詳しくはないですが、神が神たるために必要な話と認識しています。
各地でいろんなものがあるんですよね。この程度の知識で申し訳ないですけど。
まあね、色々あるってわけよ。これでもアテナイ帰りだからね、わりと教育は受けてるのよ。……あ、アテナイって言ってもわからないわよね。私の世界だと最高峰の学術都市なんだけど……。
神話も色々と読んではいるけど、あれも昔の話よ。私にとって、神は一人しかいないもの。
アテナイは存じ上げませんが、あなたを見ているととても現代的で豊かな世界だったのだろうなと思います。
神は一人、なるほど。あなたはその神を信じているかお会いしたことがあるんですね。
さて、物質的な豊かさだけでいえばこっちの世界や、他の旅人たちの世界の方が豊かなんじゃないかしらね。私の世界は……いろいろな意味で、瀬戸際だったから。
神――主はお会いできるようなものではないわ。そうね……どういうものかは、これを読めば分かるんじゃないかしら。(鞄から分厚い本を取り出した)
おや、てっきり女性のあなたが勉学できる環境にあったようなので豊かか現代的な世界だったのかと思ったのですが……お気を悪くされたのでしたら申し訳ありません。
その本は、神について書かれているもの、ですね?なかなかの厚みですが持ち歩いていらっしゃるとは驚きました。大変信心深い方なんですね。
別に、気にしてはないわよ? 絶対的にはともかく、時代の基準からすれば、相対的に豊かだったのも間違いないのうだろうし……。
そうねえ……この本は、父なる神が天地を創造されてから、子なる救世主が人の罪を濯ぐに至るまでを書いたものね。もともと私の持ち物ではなかったのだけれど、こっちの市場で見つけて。厚いっていっても、私からすれば薄いくらいなのよね。興味あるなら貸すけれど。
それならよかったです。
(安心したように微笑んでから申し出には首を振って)
いいえ、興味はありますが遠慮します。あなたのように信心深い方から借り受けるのは申し訳ないですから。
素敵なその心をどうか、大切にしてほしいのです。信じる心は人間の特権で、それによって存在できるもの達がいるのですから。……僕も含めて。
あら、そう? ならいいけど、少し残念よね。この世界で少しでも布教できるかと思ったのに。気が変わったら、オデットにでもいつでも言ってちょうだいな。
あら、そんな言い方だと、貴方自分が人間ではないみたいじゃない。(と、首を傾げた)
すみません、お気持ちは大変うれしかったんですけど……(ちらっと再び鏡に目をやってから)
ふふ、鏡に姿が映らないのは吸血鬼か、あるいはこの世ならざるものか、少なくとも人間ではないですよ。
……っと謎かけみたいに言うと少し意地悪ですね。僕は僕のいた世界では妖怪と呼ばれる存在なんです。人間を驚かしたり怖がらせたり恐れさせたり、そういった感情を糧に生きてきていたんですよ。
あら、ほんと。鏡に映らないなんて、面白いわね? (吸血鬼の伝承は彼女の時代の欧州にはまだ存在しないのであった)
なるほど、よくはわからないけれど、信仰を糧に生きる神々に近い存在だってことはわかったわ。
僕は元々鏡の中の住人なので、そんな僕が鏡から出てきたら鏡には何も残らないんです。
鏡に映っているあなたとここにいるあなたは別なんですから。
(これもわかりにくかったかな?と思いつつ)
そうですね。神々とは違って信仰というほどではないですが『いる』と思われていないと存在できませんでしたから。
(そして元の世界ではもうほとんど忘れられていたのだけど……というのは蛇足になりそうなので口を噤んでおく)
鏡の……ねえ。不思議なこともあるものね。鏡写しの世界の中は、こちらと同じ……というと語弊があるわね。やっぱり、ひとつの世界として成り立っているものなのかしら? (首を傾げて、悩むように)
まあ、似たようなものじゃない。信仰を忘れ去られた神々が悪魔へと貶められ、ついには存在を否定されて消えていくようなものなのでしょう。
……驚きました、あなたは本当に……いえ、なんでもないです。
(かぶりを振ってから)
そうですね。といっても鏡に映る範囲だけの世界でしたのでこちらで言う世界とは少し違って……箱庭みたいなのが分かるのでしたらそちらを想像していただけるとわかりやすいかもです。力がある頃は鏡から鏡を渡っていろんな景色を見てきたんです。

似たようなもの、と言われるとは思いませんでした。あなたの唯一の神の存在を貶してしまうかと恐れていたのですが。
それにしても本当に聡明なお方ですね。
何かしら。……いえ、別に莫迦にされているわけではなさそうだから良いのだけれど。
箱庭……なるほど。本当に鏡像なのね。境界みたいな……。興味深いわ。(思案するように)
私にとっては唯一の神だけれど、他の人にとってはそうとは限らないし、何よりその程度で主が怒りを覚えられるとは思わないわ。何せ、世界全ての人の原罪を背負って磔にされた方なのだもの。
あぁ、すみません。あまりにも素直に受け入れてくださるので驚いてしまったんです。
そんなに興味を持たれるのでしたら一緒に行けたらよかったのですけどね。もし僕のいた世界に戻れるのでしたら見せて差し上げたいです。

なるほど、僕はあなたが珍しいぐらいに寛容な方だと思っていたのですが違ったのかもしれません。そもそもあなたの信ずる神が寛容な方なのですね。
世界全ての人、そのスケールの大きさを尊敬せざるを得ません。
世界を渡ることができるなら、それもまた……。といっても、私は自分の世界に戻るのでしょうけれど。あ、待って。もしかしたら戻らないかも。(どうせ、戻ったところで天涯孤独なのだし、とは心の中にしまっておいた)
さて、私から見た主は寛容な方だけれど……他の旅人から聞いた話だと、血で血を洗う戦いを行ったりもしているらしいから、私の捉え方が特異なだけかもしれないわね?(忍び笑うように)
おや、戻られる予定がないのですか?
(少し気になったが踏み込むのもためらわれて)
どうでしょう?僕のいた世界にいた神でもよい面と悪い面が別々に伝わっていたりすることもあったので見方の一側面でしかないと思うんです。それに、僕はその寛容な考え方、好きですよ。
あら、それはそうよ。だって、こっちの世界の方が暮らしやすいもの。ローマでないのは差し引いたとしてもね。(きっぱりと)
一側面、確かにそういう考え方はできるわね。
そういうものですか……
でも確かに今のままから元の世界に帰るのは僕も少し惜しいかもしれません。匂いも感触もこちらにきて知りましたから。
(鏡の中では感じないものも多かったんです、と続けて)
どちらにしても僕には好きな考え方なので……というと少し推しすぎでしょうか。
あ、そっか。鏡の向こうだとそういうものはないものね。自由にあちらとこちらを行き来できれば言うことはないのだけれど。(ため息を吐いた)
別に推されたっていいけれど、そんなにおだてても何も出ないわよ?(と、少しおどけて)
それこそ鏡の中に入って不思議の世界に迷い込む女の子みたいに、ですか?
自由に行き来できるのならそれは幸せなんでしょうけど……少なくとも僕には過ぎたものだと思います。だって僕は妖怪なんですから。
(にこりと笑って見せる)
おだててるつもりは……本心なんですよ。
その話は他の旅人から聞いたような、きいていないような。マッドハッターの話よね。
別に人間だから、妖怪だからって、過ぎたものだなんて言うのはよくないわよ。だって、実際にここで生きているのだから……ね?
あと……本心でそんなこと言われたら、少し困っちゃうわね。
はい、そうです。初めの方に読んだ物語なんですが鏡が関係するからか不思議と記憶に残ってるんです。
そういわれると……困ってしまいますね。そもそも人のような幸せを感じること自体あり得ないことだったので。
っと、ごめんなさい。あなたを困らせるつもりはなかったんです。
(小さく首を横に振った)
鏡の関わる物語といえば、私が知っていたのは怪物退治くらいしかなかったから、何とも想像力が豊かな人もいたものだと感心したものね。
こんな事を言うともっと困ってしまうかもしれないけれど、あえて言うなら……今はこうして人の形を得ているのだから、人のような幸せを求めてみてもいいんじゃないかしらね?
ああ、いいわよ。別に他意があるわけでもなさそうだし。
怪物退治……鏡で石化の視線を跳ね返して相手を石化させて勝った、という話があったと思いますがそれでしょうか。
人は想像力豊かでなければ、そうでないと僕みたいな存在は生まれませんからね。

人のような幸せ、ですか……(困ったような笑みを浮かべて)
求めようにもどういったのがそれに当たるのかわからないんです。誰かと共になって家族となって幸せそうな姿はいくつも見てきたのですが、それを目指したらいいのか。
とりあえずは幸せだと思うものは甘受するだけでいいのか、と。
あら、詳しいのね。女神アテーナーから盾を借り受けた英雄ペルセーウスが、石化の視線を持つメドウーサを退治した時のお話。なかなか血なまぐさい話ではあるけれどね。

別に、人としての幸せなんてお手本があるわけでもなし……。やりたいことをやりたいようにやってみればいいんじゃない? 無責任かもしれないけど、そのくらいしか言えないものね。
ふふふ、本を読めるようになってその辺りの話は一通り調べて読みましたから。
血なまぐさいかどうかはともかく、知恵を使って挑んだのはすごいなと思いながら読んでいましたよ。その時の鏡の中に僕がいなくてよかったなとは思いましたけど。

やりたいこと……とりあえずは今しかできないことがしたいですね。
自由に本を読むのも食べるのも今だけですから。
ところで人としての幸せのお手本にあなたを見ていてはダメなのですか?
鏡の中に貴方がいたら、一緒に石になっていたかもしれないわね?(くすり、と笑って)
私を手本に? うーん……止めはしないけれど、私より他の人の方がいいんじゃないかしら。
当然のように鏡の中で一生を終えるとは思ってたのですが、石化で終えるのは嫌ですね。
(完全なる苦笑い)
どうしてですか?あなたは人間……ですよね。だったら問題あるようには思えないのですけど。
この家の住人は妖精ですから人間ではないですしね。
誰にも知られることなく、石になって死ぬなんてぞっとしないわよね。(同じく、苦笑を浮かべた)
確かに私は人間だけれど、人さまのお手本になるか……と言われれば、ちょっと、ねえ?(あいまいな顔)

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