PandoraPartyProject

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真夏を二人で

登場人物一覧

クシィ(p3x000244)
大鴉を追うもの

(ひ~~~~やばいやばいどうしようでも今更引けないし数時間前の俺何考えてんの!?!?!? いやでもここで行かなかったら今年のコルボはもういないじゃん!! 来年のコルボと今年のコラボは違うんだよ!!!! 行くしかないよな!?!?!?!? 行くしかないんだけどさあ!!!!!!)
「おい」
「あーーーーーーッッッッッ!?!?!?!?」
 びっくう!! と体を跳ねさせると相手もまた肩を跳ね上げる。そんな彼の姿にクシィ(p3x000244)は頬を染めた。
「コ、コルボ!?」
(うわ、今びくってした!? したよね!?!? そういう反応するんだァ~~~~可愛いなんて言ったら殺されるかもしれないけどコルボがそんな反応してくれるn)
「全部声に出てるぞ」
「嘘っ!?」
「嘘だよ」
 ニタリと笑う彼に再びノックアウトされる。完全に遊ばれているが構わない。そんなコルボもイイ。むしろコルボに遊ばれるのは光栄なことなのでは!?
「で、テメェはわざわざ何しに来たんだ? ん?」
「え! あ、ええっとォ」
 自分からは言う気満々だったのに、コルボにいざ聞かれるともじもじとしてしまう。だって恋する乙女だもの。
「その、ほらあ……夏じゃん? 世の中はイベントが盛りだくさんなわけですよ。祭りとか……海とか!」
「へェ。それで?」
 にやにやと続きを促すコルボ。これは絶対にわかっている。確信犯だ。そして――クシィが言い出さない限り、彼から言い出すことはない。
「えっと」
「あの」
「~~~~っ、海に! 一緒に! 行くぞ!!」
「いいぜ」
「まあ毎年そう簡単にうまくいかないよな……って、ええ!?」
 いいの!? と勢いのままに聞けば、撤回されてェのかとどやされる。そんなわけはないとクシィはぶんぶん首を振った。
「で?」
「え?」
 しかし、続きを求める言葉にクシィはぽかんとコルボを見上げた。言いたかったことは言えたし――言い方はだいぶ乙女らしくなかったが――望んだ回答は得られたし、他になにかあったっけ。
 視線を受けたコルボは、クシィが本気で分かっていないと知るやいなや深いため息をついた。その様子にクシィはオロオロと動揺し始める。
(え!! なんだろう俺なにかしちゃった!?!? 何言えばいいんだ!?!?!? これでやっぱり海行くのやめるわって言われたらどうしようどうしようどうしよう……!!!!)
「おい」
「はい!!」
 ぴっと背筋が伸びる。ずいっと顔を近づけてきたコルボにどうドキドキしたらいいのかもうわからない。
「テメェ、水着はどうするつもりだ」
「は?」
「水着だよ、水着。海に行って砂浜で満足するつもりか?」
 その言葉にはっとする。海へ誘うことが頭の中で大部分を占めていたものだから、水着のことまで頭が回っていなかった。海まで行って砂浜でかけっこしたり砂遊びするのもそれはそれで良いが、やっぱり海に入りたい。もっと言うと水着のコルボが見たい!!
「コルボ! 水着買いに行こう!! いますぐ!!!!」
 がしっと腕を掴み――掴んでから掴んじゃった!!! と心で声を上げるが、ここで離そうものなら「行かねェのか?」と言われるに違いない。逃げられてしまうかもしれない。ここでコルボを逃してなるものか!
「気合い入ったじゃねェか。テメェがいいモン選んでくれるんだろうな?」
「ま、任せろよ!」
 おっとハードルが上がった。いいものでなければどうなってしまうのか。いや、コルボを一番よく知っているのはこの俺、いいものを選べないはずがない。むしろここで選ばせてもらえるのはいいことかもしれない。自分が好きな水着を着せて、あわよくば自分もそろいの水着を選んだっていい。
(そろいの水着でビーチに行って水を掛け合ったりビーチバレーしたり……はっ、日焼け止めの塗りあいとかもしちゃったり……!?!?!?)
 考え出すと妄想が止まらない。真夏のビーチデート計画にきゃーっとはしゃぎながらクシィはコルボを連れ、ショップへと駆け込んでいったのだった――。


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