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シナリオ詳細

輝け! 夏の鉄帝野球!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●野球で勝つために
 野球をご存じだろうか。
 基本的には9人の戦士を集めてボールをバットで引っ叩いて飛ばす球技である。
 バウンドせずに取られたらアウト、バウンドしたら塁に到達する前にボールを持って捕まえればアウト。
 3人アウトで攻守が交代してゲームは全部で9回制。大体そんな感じである。
 正確にいえば色々違うのだろうが、鉄帝の脳筋大王たちにはそれ以上は無理である。無茶を言うんじゃない、泣いてる子もいるんですよ! ほら、そこに理解できなくてルールブック食べちゃった子もいるでしょ!
 まあ、そんなわけで鉄帝にも合うように「鉄帝野球」というものが独自に開発されたりしたのである。
 ルール1:殺さない。
 ルール2:ボールそっちのけで殴り合いをしない。
 ルール3:ぶっ殺す魔球とかを開発しない。投げない。
 ルール4:ゴングがなくても止まれ。
 大体こんな感じである。血の気が多すぎる。
 さて、こんな感じの鉄帝野球。プロチームが幾つもあってこの時期、スチールグラードドームでの試合が行われたりしている。
 しかしながら……その栄えある……あるかな……どうだろう……とにかく優勝決定戦においてチーム「グラップラーズ」の選手が皆、謎の腹痛で倒れてしまったのだ。
 相手はラフプレイで有名なゴーレムアーム。このままでは連中の不戦勝ということになってしまう。
 救いは無いのか? いや、ある。剛力無双の戦士たちは、そこにいる……!

●野球の時間
「えー、というわけで鉄帝野球です」
 【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
 そう、鉄帝野球である。鉄帝の住人ならたぶん知っている、ルール無用の荒ぶるスポーツである。
 しかし、その大暴れなゲーム内容から鉄帝ではそれなりに人気でスチールグラードにもドームのある、そんなスポーツでもある。
 名物の「ぶっ殺さない魔球」などは毎回歓声が上がる程度にはどのチームも磨き上げている。
 ゴングがあれば止まるし、ボールを気にしながら殴り合ったりもする。
 よし、鉄帝だ。さておいて。
 鉄帝を襲った一連の事件により鉄帝野球も中止になっていたが、今年の決勝戦も無事にスチールグラードで開催されることになったわけだ。
 今年はグラップラーズVSゴーレムアーム。
 比較的クリーンなファイトをするグラップラーズに対し、ゴーレムアームは手段を選ばないことで有名だ。
 そんなグラップラーズの選手が全員謎の腹痛で倒れてしまった現在、代わりの選手を急遽集める必要があるのだ。
「2軍や3軍ではいけない理由がそこにありまして。どうもゴーレムアームは『野球ゴーレム』なるものを今回導入してきたみたいです」
 どっかの研究所がスポンサーになって投入してきたのだろうが、グラップラーズの放ったスパイによるとジェットエンジンで空を飛ぶ「ジェット魔球」や伸びる鉄球腕でロングレンジの守備を行う「ロングレンジアーム」などのかなり攻撃的な鉄帝野球の準備をしてきているようである。
「アイツ等……ウチのチームに去年グラップルバスターで仕留められたのをきっと根に持ってるんです! まさかゴーレムを投入してくるなんて……!」
 なんかグラップラーズのクリーンファイトぶりもかなり怪しいが、グラップラーズの監督の男泣きは本物だ。
 つまり、チーサを入れて9人。なんとかやらなければならない……!
 スチールグラードの空に放て、ホームラン……!

GMコメント

鉄帝野球です。
難しいルールは無いのでボールを打って塁を走って守備して……な感じです。
脳筋でも出来るように整備された鉄帝野球ですから。

ルールは「殺さない」です。よし、簡単ですね。
ダーティファイトのゴーレムアーム相手に本物のラフファイトってやつを見せつけてやろうぜ!
……違ったかな? まあ、そんな感じです。
思いっきりプレイングで遊びに来てください。

なお、チーサも人数合わせに居ます。役には立ちません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 輝け! 夏の鉄帝野球!完了
  • 決戦、スチールグラード(鉄帝野球)
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月13日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
岩倉・鈴音(p3p006119)
バアルぺオルの魔人
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
小金井・正純(p3p008000)
ただの女
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者
メイ・カヴァッツァ(p3p010703)
ひだまりのまもりびと

サポートNPC一覧(1人)

チーサ・ナコック(p3n000201)
旅するグルメ辞典

リプレイ

●プレイボール!
「ほぉぅ、鉄帝野球か。これぞ、正に血沸き肉躍る球技! 私の中の野生の血が目覚めていくぞ!」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)のそんな声がスチールグラードドームに響き渡る。
 形はどうあれ、帝都のドームで優勝決定戦。これに沸き立たない者はそんなにいない。
 そう、今日は鉄帝野球の決勝戦。グラップラーズVSゴーレムアームである。
 しかしグラップラーズは全員イレギュラーズで揃えてゴーレムアームがゴーレムで揃えてくるあたり、どっちもチーム力で勝負していない。いいのだろうか。いいのである。
「よっしゃ、前だけ向いて打ち勝ち野球ゴーレムにスチールグラードの土集めさせろ!それが青春なんだ! 2番ファースト、岩倉クン♪ でございま~。ゴーレムどもに繋ぐ野球てもんをみせてくれるわ」
 『タコ助の母』岩倉・鈴音(p3p006119)の言う繋ぐ野球とはいかなるものか。『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)の言葉にそのヒントは見えるのだろうか……?
 何やら審判団のところに行っている千尋は何を話そうとしているのだろう?
「鉄帝野球、ね……思い出すぜ、ガキの頃に近所の団地で遊んだ”暴力野球”をよ……何でもアリだってんなら、遠慮しないでいいよな?」
 おっと、何やら物騒なことを呟いている。
「まずやる事は審判の買収。いろんなとこに顔利く奴に貸しがあるもんでね、そのツテで情報と資金を調達するぜ」
 そう、新田の借りを返してもらう時が来たのだ。
「なぁ審判さん、あんたんとこのお子さん、病気で大変なんだろう? 今ちょうどここに善意の寄付金があるんだが……」
「おい、お前そんなあからさまに……」
「いやなに、善意だよ、善意。ただ俺達が負けるようならこの善意も消えちまうかも知れねえな」
 なんとダイレクトに脅迫も混ぜている。どっちが悪役だったか忘れかけてくる。しかし鉄帝野球ならOKだ。
 それだけではない、千尋はついでにいざというときに火事に見せかけられるようにグラウンドを下見するフリをして要所にガソリンを撒いてもいた。とんでもない逸材もいたものである。
「野球知らなくてもぉ、なんとかなりまぁす! 鉄帝野球だから!! いくわよアカツキ!! この燃えた球場を創り出したアンタの力を見せてもらうわ!!」
「妾、火の玉ストレート(物理)が投げれると聞いて参戦!! ということでアカツキ・アマギ参上したのじゃ」
 『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)と『焔雀護』アカツキ・アマギ(p3p008034)もやる気はバリバリだ。殺さないのがルールだが大丈夫だろうか?
「野球のことはよく分からんが……火とか炎とか名のつくものは大体得意じゃぞ? 要するに、じゃ。相手を殺さずに白球で火達磨にしてやればいいんじゃろ? わはは、そういうのなら大得意じゃ! 任せておくが良い!!」
 なんと鉄帝野球の適性がアカツキは相当高い。大丈夫そうだ。ほんとかな?
「言っても野球でしょ? そんなまさか死ぬなんてまさかそんなことあるわけ無いわよねぇ? おっと新聞が風に流れて」
 コルネリアの顔面に流れぶつかってきたのは「過激化する鉄帝野球……死亡防止の対策は」という見出しだ。
「フッ」
 コルネリアは見なかったことにした。さておいて。
「ワイバーンの骨と硬い実で似たような遊びしてたことはあったけど、これが「野球」ってやつなのね」
 『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)もすんごい帰りたい顔をしている『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)を捕まえながら叫ぶ。
「好きな球団は再現性ナゴヤの竜の球団、好きなタイプは強肩外野手――殺さなきゃいい、わかりやすくて最高よ! チーサ、勝利のシャンパンファイトの用意しておきなさい!」
「なんか控え選手もいるし私いらなくないですか?」
「いるよ!」
 『明けの明星』小金井・正純(p3p008000)の連れてきた岩倉詩音のことを言っているようだが、それはそれ。これはこれだ。
「っていうか正純もメイもやけに張り切ってるし約一名火の玉(物理)ストレート投げそうな人がいるけど……まぁ死ななきゃヨシよね!」
 さて、その正純だが……どうやらやる気が目に見えるほどのようでコルネリアも頼りになりそうな目で見ている。
「正純とメイがなんか何時もと変わって凄い燃えてるけど、どうしたの? 野球にそんな思い入れが? あ、燃えてるのは物理的にじゃなくて概念ね?」
「これでも私、野球には一家言も二家言もありますので、鉄帝野球とはいえ、やる以上クリーンに、真剣にやらせて頂きます。相手がゴーレムというのであれば手加減は必要ありませんね。ふふ、腕が鳴ります。義手ですし」
 おっと、どうやら真っ当な野球の目をしていたようだ。
「やきうのじかんだぁぁぁぁぁ!!! ……はっ。メイ、いま一瞬何かに取り憑かれたかのように。こわいです……」
 『ひだまりのまもりびと』メイ(p3p010703)も野球に魂を捧げたような顔をしていた。
「やきうですね。メイ、こー見えてもそれなりにジャンプ力とか体の柔らかさとかパンチ力とかあるですよ? ねこ系精霊種ですし。え? 関係ない? 気にしたらダメですぅ」
 ダメらしい。さておき、円陣も組んで気合もバッチリだ。正純も今日の作戦をメンバーに説明していく。
「打順は以下の通りです」
1(左)たまき
2(一)岩倉
3(捕)伊達
4(中)鈴花
5(右)小金井
6(二)コルネリア
7(三)チーサ
8(投)アカツキ
9(遊)メイ
「素早いたまきさん、小技の使える岩倉さんで早々にチャンスを作り、伊達さん、鈴花さん、私のクリンナップでビッグイニングを作る。下位打線は火力こそ落ちますが、それでもゴーレム相手なら遅れは取らないでしょう。コルネリアさんはバットに当てる力はありますし、チーサさんは頑張ってる。アカツキさんは投球に集中して頂いて、メイさんでさらにチャンスメイク。完璧ですね」
 メガネクイッとする正純だが、チーサへのフォローが「がんばってる」な辺りが中々冷静に精々ヒットしか打てねえなこいつと分析できている。
 1回表、攻撃はゴーレムアーム。さあ、試合開始だ……!

●やっつけろ!
「8番ピッチャー妾! 打つ方はほどほどに、投げる方に全力集中じゃ!」
 アカツキはハイセンスの五感を駆使してよく燃えそうな部分を見極めて相手に全力投球の方針だ。
 そんなアカツキにキャッチャーの千尋も魔球を要求する。
「アカツキちゃん!今こそ焼き討ちの知識を活かした火の玉ストレートを!」
「内角攻め……と見せかけておーーっと手が滑ったついでに火までついちゃったのじゃー!! 死ねぇ!!!!」
「ブッコロサナイ打法……」
 おっと、両者ともに……いや、アカツキは死ねって言った!
 燃える打球が敵のゴーレムの頭部に命中し火をばらまく……!
「ごほん、今のはちょっとしたトラブルじゃ。審判よ、ノーカンで良いかのう? 次はもうちょっと火加減を工夫するからなっ? なっ?? ほれキャッチャーもとい千尋よ、お主も擁護するのじゃ。……千尋? も、燃えとる……ミディアムレアじゃな……」
「いいってことよ……」
 なんかいきなり協議になったが、試合続行である。千尋の説得が効いたのかもしれない。あとボールも獲ったし。
 そんな千尋、内角スレスレなんてチャチな事は言わねえ。顔面スレスレをリードしている。燃えることも辞さない覚悟、男である。
「鉄帝民のくせにビビってんのか?」
 そんな挑発も忘れない、物理的に燃える男千尋。今日一番身体を張っている。
「勢いでセカンド選んだけど、これボール来たらとってどっかに投げればいいのよね? メイ。教えて! メーーーイ!!」
 おっとコルネリア、鉄帝野球ですらギリギリである。大丈夫だろうかコルネリア=フライフォーゲル(34歳)。
「コルネリアさん! メイがグラブトスしたら、ボールをぴゃーっとファーストに投げたりしてくださいね」
「分かったわ! ところでファーストってどっちかしら!」
「え。コルネリアさんやきう知らない? んーとんーと。ま、何とかなるです! 死人が出なければだいじょぶです!」
 不安だらけだが大丈夫。鉄帝野球だからね。
「そもそもボール燃えてるし……。アカツキさんがすっごーく生き生きとボール燃やしてますし。火の玉ストレートって本当に火の玉になるですね……なんて感心してたら打球が。ボテボテのゴロだし余裕なので……あぁぁ、ねこさんだめです!それは玩具じゃないです!!! それにまだ熱いですからぁぁぁ!!」
 メイのギフト「ねこさんはいつもそばに」が発動して、ねこさんが球を転がしていってしまう。
「メイのギフト、これは戦闘じゃなくて玉遊びと勘違いして発動したですね? まぁかわいいからいいかな?」
 まあランナーが出ちゃうので問題ではあるのだが、ファーストには鈴音がいる。
「ファーストは一番ぶつかり合うところだ。つまりどすこい!」
 思わず光ってゴーレムが怯んだところに渾身のタッチアウトをする鈴音。ボールもねこさんから回収しているので何も問題はない。
(やってみたいのは隠し球だな。さて、機会が来るか……)
「どんな打球だろうと、複数行動全力ダッシュでキャッチしてやるからな? ヘイヘイ、バッチコーイ!! 私こそがフェンス際の妖精だというところを見せてくれる……!」
 レフトの汰磨羈もいつでも打球に対応できる準備は出来ている。
「尊い犠牲があった気もするがそのお陰か段々火加減が掴めてきた気がするのう。生かさず殺さずの魔球……火の玉ストレートの完成じゃ! 多分!! レアからウェルダンまでご要望にお応えする火加減じゃぞ、任せるが良いわ!」
 アカツキが物騒なことを言っているが、それが鉄帝野球なので問題はない。
「何? ゴーレムは燃えづらい?? ははぁん、ファイヤー幻想種の最終奥義を繰り出すときが来たようじゃな? いつの間にか仕込まれてたガソリンに向かって火の玉シューッ!と見せかけて……今じゃ! 鈴花&コルネリアよ作戦名【マグマの滝壺】の発動じゃ、火をつけぇい!!」
 さておいて。消火活動の後、始まるのはグラップラーアームの攻撃である。
「さて、まずは私がお相手しよう」
 1番打者は鞘に納めたままの妖刀『愛染童子餓慈郎』を構えた汰磨羈だ。
「なに、そんなモノだと危険? 安心しろ、鞘がすっぽ抜けたりしないよう、確りと固定してあるからな。ふふふ……見ろ、餓慈郎の魂も『野球でいっぱい遊べる』と打ち震えているぞ!」
 大丈夫だろうか。大丈夫なのだろう、たぶん。
「さぁ、いくぞ餓慈郎。必殺打法で余すことなくKOだ!!」
 そんなわけで汰磨羈はこの日の為に編み出した打法で敵ピッチャーの球を迎え撃つ。
「打法その1:究極・不殺ビーム打法! まずは初手でインパクトを与え、イニシアティブを取る。これは、その為の技だ。行くぞ!」
 そう、説明しよう! 究極・不殺ビーム打法とは相手がボールをリリースする瞬間、そのボール目掛けて殲光砲魔神(武器効果で【不殺】付き)をぶっ放す打法である!
「死ねェ!!」
 おっと死ねと言った。これはいけない。気合が漏れただけである。たぶん。
 とにかくボールが消えてしまったのでピッチャーも交代しつつ第2球である。
「打法その2:至高・クロスファイヤースプラッシュ打法!」
 説明しよう! 至高・クロスファイヤースプラッシュ打法とは高EXAを駆使し、スプラッシュ2の桜花破天を連打する事で瞬時に無数の打撃をボールに加え、かっ飛ばす打法である!
「ファイヤァー!!」
 しかし勿論威力880の攻撃にボールは耐えられない! ボールが消し飛んでしまったので第3球である!
「打法その3:超級・白旺圏連続ビーム打法!」
 説明しよう! 超級・白旺圏連続ビーム打法とはバッターボックスに入る際に絶界・白旺圏を付与し、携行品・付与込みEXA90の暴力でやたらめったらと殲光砲魔神をぶっ放す打法である!
「流れ弾が守備に当たる? 知らんな、死ななければセーフだ!」
 セーフらしい。どうかな……。
「おや。偶然にも、ファーストとセカンドとショートとサードが倒れてるな? 今だ!!」
 さあ、2番は鈴音。ギフト「モアブの娘さん達」によってどこからかチアガール姿の日に焼けた褐色ギャル集団が現れ、後方で応援の為の踊りや技をおこなっているが……それに後押しされる形でバットを短く持ってセンター返しをきめていく。
 繋ぐ野球を心がけ、走者がいたら進塁させるための命中クリティカルバントやゴーレムの虚をついてセーフティスクイズで撹乱し、積極的に次の塁を目指していこうというのが。1番打者とは打って変わって堅実である。
 さあ、続くは3番の千尋だ。なんか包帯グルグル巻きである。
「ぶちかましてやりなさい千尋、アンタがホームランを打てばアタシの怪我の手術もきっと上手く行くハズなんだから! ね、そうですよね鈴花の地元のダチコーで集められたおっちゃんの中に居たお医者さん! ねぇ!」
 コルネリアのなんかこう、アレな声援も響いている。
「悪球打ちの伊達と呼ばれたこの俺よ。自身への危険球はスタンドに送ってみせるぜ!」
 相手が変化球を投げるなら変化する前にバットを投げてボールにぶつけるつもりだ。
 ルールにやっちゃいけないとは書いてないし。何ならわざとじゃないから相手にぶつかっても問題ない。そういうことらしい。
 ルールに書いてないなら仕方ない。そんな千尋は特に問題もなくヒットを打ち……なんと大型の魔導バイクMariaで走塁開始する。
「ルールに使ってはいけないとは書いてないし。はーいスライディング!」
 おっとひき逃げアタックである。殺してないので問題ない。
「待てよ。鈴花ちゃんとか正純さんとか美人さん揃いだと思ってたらよく考えたら俺黒一点じゃん。やべー、これ完全にあれじゃん、誰かが俺に惚れる流れじゃん? フフッ、いいんだぜ? あ、コルネリア・フライフォーゲルさんは別に……」
「おいコラア!」
 コルネリアの怒りの結果千尋がどうなったかはさておき、次は4番鈴花である。
「っしゃあ来なさい地元のダチコーのおっちゃん達! 思いっきりヤジ飛ばしてもらうわよ、しかもとびっきりのネタをねえ!」
 しかし相手はゴーレムだ。この場に居ない本来のゴーレムアームの選手たちの変な噂が開陳されてしまったが……さておいて。
 自打席ではバットをスタンドに向け予告ホームランの構えだ。
「これはねえ! 火の玉ストレートで星になった千尋の弔い合戦よ! 誰よそんな酷いことしたの! 人でなし! 許せないわ!」
 まだ星になっていない。元気に輝いている。あとやったのはアカツキである。さておいて。
 一本足で構え、厳しいコースは振らずに見る作戦だ。まさに狙いはホームラン。
「甘い球を見切って、全力攻撃黒顎魔王スイングよ! オラァ!!」
 カキーンと響いた……なんだかすごく野球っぽい……そっか野球だっけ……打球の後、出るは正純だ。その構えは構えは神主打法。
「かつて異世界には北の侍と呼ばれた男がいたと聞きます。甘い球は逃しません……ふふ、完璧です。負ける気がしません。エラー? うっ、頭が。いえ、ちょっと推しがめちゃくちゃなミスをして負けた記憶が蘇りまして。いえ、今は関係ない話です」
 そんなこんなで打順はコルネリア。相手のゴーレムがそろそろボロボロになってきたので、この辺りがラストだろうか?
「打つ時は確か鈴花からアドバイスをあんちょこ書いてもらったのがあったはず……えぇと、困ったら身体でぶつかりに行け……なるほど、そういう方法もあるのねぇ〜」
 おっと、それはデッドボールの手法っぽい気がするが大丈夫だろうか?
「早速使う時が来たようね、なんか増える魔球とか使ってきて、一気にストライクとやらを取られる危険がある……今こそ鈴花のアドバイスを活かす時!! 身体をバットにすることで一発ホームランぶちかましてやろうじゃない!!」
 ズドン、と。コルネリアの脇腹にボールが命中してコルネリアが三回転半する。
「うおおおおおおしぬ!いてぇ!!! 助けてパンドラ、PPPを使用して生き残ります! PPPを使用させてくださいお願いしますから!! え、できない? そんなぁ」
「出塁よコルネリア!」
「今!?」
 鈴花の無慈悲な指示が飛んだりもしたが……そんなこんなでグラップルアームの勝利が決まり、千尋がヒーローインタビューに出ていた。
「ヒーローインタビュー、ヒーローインタビュー! 身体を張ってチームを勝利に導いた男、俺です!」
「よしお祝いじゃな!」
「痛い痛い! シャンパンが沁みる! もう野球はこりごりだよぉ~~~~~!!!!!」
 翌日、千尋がなんかスチールグラードの新聞に載ったりもしたらしいけれども。
 そんなこんなで、無事に優勝をきめたのであった。

成否

成功

MVP

伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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