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シナリオ詳細

初めての覇竜産カレーを作りたい

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●カレーとは
 カレー。その起源は非常に古く、諸説ある。
 よく言われているのは練達が起源であるという説。
 適切な配合で作られたカレー粉を使うことで、誰もが気軽に美味しいカレーを作ることが出来る。
 もう1つは、ラサが起源であるという説。
 各種のスパイスを使うことで、本格的な味を出すことが出来るという。
 他にも違いとしては、ご飯の代わりに薄く焼いたナンを使うこともある。
 色々と差はあるが、カレーであるという点では同じであり、むしろ要素を分割していけば根元が同じであることに気付くだろう。
 そこから枝分かれしていくカレーというものはかくも素晴らしいものであり、答えのない難解なクイズのようなものでもある。
 その土地に合わせたカレーが出来上がることも、今では珍しくないのだ。
 つまり、どういうことかというと。
 覇竜の材料100%でカレーを作りたいと考えた『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)の挑戦は、まさに覇竜におけるカレーの歴史の最初の第一歩を踏み出そうという、まさに食の偉業といえるのだ……!

●覇竜でカレーを作るには
「スパイスを探す必要があるな」
 ルカはそう呟き考えた。
 カレーに使えるスパイスはいくつもあるが、基本とされているのは主に3つ。
 クミン、コリアンダー、ターメリック。
 場合によってはレッドペッパー、カルダモン、ガラムマサラなどを使うこともあるが、まずカレーを作ろうというのであれば基本の3種を抑えることが重要であるとされている。
 つまりこの3種を見つけることが出来れば覇竜におけるカレーは完成するということだ。
「つーわけで、その辺が見つかりそうな場所はあるか?」
「うむ、あるぞ」
 『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)はルカにアッサリとそう答える。
「フリアノンから離れた岩山の上なんじゃがな。その手のスパイスの採れる花畑があるんじゃよ」
「ん、おう」
 植生がどうのこうのというツッコミは、ルカはするのをやめた。
 コリアンダーを吐き出すコリアンダーマンがいるとか言われなかっただけ大分マシなほうだ。
 覇竜だとそういう風な食材の採り方は充分有り得るので、かなりマシな方だろう。
「その花畑ではかなり香ばしい香りがするそうでのう。いいスパイスが採れるんじゃが……それだけ良い香りだとモンスターも出るからのう」
 毎度おなじみのデミワイバーンが出てくるので、追い払ってからスパイスの収穫をしなければならない。
 そうして無事にスパイスの収穫が出来たなら、フリアノンでカレー作りをすることも出来る。
 幸いにもパン生地の材料はあるし、なんだったら相賀が基本的なナンなどは作っておいてくれる。
 勿論、こだわりのものを作りたいのであれば自分で作ってもいい。
 ブタウシ鳥の肉や野菜など基本的な食材もある。
 そう、つまり此処で作ったカレーが「カレーとはなんぞや」という覇竜における答えにしてスタンダードになるのだ……!
 

GMコメント

覇竜初のカレーを作ろうぜってシナリオです。
さあ、皆さんはどのようなカレーを作るのでしょう?
なお、デミワイバーンはクソザコなので基本的に戦闘終了後くらいからリプレイが始まる可能性もございます。
そう、カレー作りにほぼ全力を注ぎこめるってわけですね。
レッツクッキング!

●スパイスの花畑
カレーに必要なスパイスが採れる花畑です。細かいことを気にするんじゃない、覇竜だぞ。

●デミワイバーン×3
途中にいるお邪魔要素です。
ワイバーンの中でも比較的小型種。
弱いわけではないが、デザストルに住むモンスターとしては比較的下位の実力。
火を吹くブレス攻撃、鋭い爪による攻撃を使用してきます。
分が悪いと感じたらすぐ逃げます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 初めての覇竜産カレーを作りたい完了
  • 覇竜のカレーは俺たちが定義する……!
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月12日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
もこねこ みーお(p3p009481)
ひだまり猫
メリッサ エンフィールド(p3p010291)
純真無垢
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者
月瑠(p3p010361)
未来を背負う者

リプレイ

●カレーの材料を集めよう
「普通の国なら、そんなスパイス全部同じところに生えてるわけがって言いたくもなろうというものだが。そこが覇竜領域となれば話は別になってくるな……ブルーベリーの木が走って移動したりするような所だし、ただ同じ場所に色々なスパイスが生えてるってだけならむしろ普通なような気さえしてくる」
 『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)が、そんな大分覇竜に染まったようなことを言う。
 実際ゲオルグの前には様々なスパイスの採れる花畑があり「普通そういうもんじゃないんじゃね?」という感じが満載の植生である。しかしゲオルグが納得しているように此処は覇竜なのだ。そんなもんである。
「しかし色んなスパイスが生えているせいか、なんともいい匂いが漂っているな、この花畑。でも、これだけ揃っていればあちこち探し回らなくて済むから料理をする者にとってはありがたいものだろう。必要な分だけ取るようにして次回以降も採取できるようにしておかなければな」
 そう、それは採取の基本だ。『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)も楽しそうに採取をしている。
「カレーと聞いちゃあ黙ってらんねぇな! てなわけでまずはスパイスの花畑! 覇竜にしては妥当な代物だな! 良いぞ! 俺も困惑せずに済む!」
 覇竜にしては妥当というワードが出てくるあたり、かなり慣れている。さておいて。
「さて、各種スパイスを集めないとな。ターメリックは別名ウコンで黄色の色付けに使われ、クミンとコリアンダーの組み合わせはいわゆるカレーの香りになるんでこの3種が基本って言われるわけだな。他にもカルダモン、コリアンダー、クローブ、ナツメグなんかも香り付けに使用される。辛さが欲しけりゃカエンペッパーやブラックペッパーを加えるといい……マジで全部あるなこの畑……」
 それはそれでいいのだが、カレーの国か何かにゴリョウには思えてくる。
「で、配合だがまず基本の配合を皆に教えとくぜ。俺が店で出してるカレーは自分なりにブレンドしてるんで今回はそれを教導だ。そこから増やしたい香りや辛さに応じて各自でスパイスを足し引きするといいぜ!」
 そう、基本はあっても正解は無い。だからこそゴリョウも基本だけを教えたのだ。
 『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)も、それをよく理解している。
「カレーに正解なんてものはねえ。家で母親が作ってくれるレトルトカレー、チェーン店で食べるカレー、個人経営の本場のカレー、スープカレーにドライカレー。好き嫌いはあっても優劣はねえ。そしてカレー好きならスパイスから作ってみたいと思うようになる。だから俺は今日はナンで食べるスパイスカレーを作るぜ!」
「ふん、カレーが好きなんて意外とお子様なのねルカ……ところで!! 今日はルカのカレーを食べられるんでしょ!? 最近の仕事の報酬全部でカレー代足りるかしらって思ったらこ、ここここ交換だなんて! 半端なもの食べさせるわけにはいかないわ、フリアノンの食糧番たる秦家の誇りにかけて! 覇竜の歴史に刻むカレーを作ってみせるわ!!」
 必要なものはもう決まっている。ルカは的確に収集していく。『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)も負けじとスパイスを収集しているが、仲が良くて結構なことだ。
「はーぁ、それにしても取り逃がしたのは残念だわ……まぁ次こそワイバーンカレーってことで!」
 鈴花はギフトのビストロ・アイズを発動させているが……注視するために手で丸を作ってじーっとスパイスを見て最高の組み合わせを考えている。その姿に決して何かコメントしてはならない。
 その近くでは『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)も楽しそうにスパイスを集めている。
「カレー! ニルはカレーが好きです。大きなお鍋から取り分けて、みんなで食べるのも人によって入れる具や大きさが全然違うのもみなさまでわいわい作れるのも、とってもとってもニルは好きです!」
 そう、だからこそニルは花畑でゴリョウのアドバイスも受けながらスパイスを収集していく。
「スパイスってお花畑でとれるのですね。ニルはおぼえました! スライムとかすっごくと大きい果物とかではないのですね」
「忘れていいと思うぞー」
「そうですにゃー……」
 ゴリョウと『ひだまり猫』もこねこ みーお(p3p009481)のそんなツッコミも響いて。
「覇竜産カレー…美味しいカレーを作りたいですにゃ! カレーにはご飯も良いけどパンも良いのですにゃ。みーおはパンもこねこね頑張りますにゃ……!」
 みーお自身、美味しいカレーを作るための意気は充分だ。
「花畑……素敵なスパイスが色々ですにゃ。練達風のカレーとキーマカレーに使うスパイスは……にゃ……」
「カレーってみんなで作ると楽しいし美味しいですよね! 覇竜のみなさんにとって初めてのカレーを作るって考えるとさらにワクワクしてきちゃいます♪ さあ、張り切って材料集めしちゃいましょう!」
 『純真無垢』メリッサ エンフィールド(p3p010291)も楽しそうだが、意外にスパイス集めは堅実だ。
「この花畑に咲いてるの全部スパイスですか?! すごいです! でもこれだけ多いとどのスパイスを選べばいいか迷っちゃいますね。ついつい見慣れないスパイスに挑戦したくなっちゃいますけど……私はそこまで料理が得意というわけでもありませんし、カレーの基本的なスパイスだけ選んでいきましょう」
 それもまた1つの正解だ。だからこそ『宝食姫』ユウェル・ベルク(p3p010361)も気楽に楽しんでいる。
「かっれぇ♪ かっれぇ♪ きょうはかっれぇ♪ りんりんのかれぇは食べたことあるけどルカせんぱいとかゴリョウせんぱいのかれぇは楽しみだなーふふふん、今日はとびっきりの宝石を持ってきたのだぜぇ。かれぇの時は粉になった宝石もあるとヨシ! んえっ!? ニルせんぱいも食べてみたいの!?」
「ニルは、宝石を食べる人、はじめて見ました! ユウェル様の「おいしい」はルビーなのですね」
「しょうがないな~。おすそ分け用もあるよ!」
「……もご、もご……カリ……むくぐ。ニルにはちょっと、食べるのはむずかしそうです」
 さておき、ユウェルは良さげなスパイスを鑑定して情報共有していた。
「実は何を隠そうグルメでつまみ食いの天才なわたしはそういう知識も豊富なのだ。情報通だぜぇ」
 言いながら、ユウェルはルカと鈴花のいるあたりに近づいていく。
(りんりんの変なポーズは真似してルカせんぱいに教えてやろっと)
 おっと、何やら妙なことを考えているようだ。
「みてみてルカせんぱーい。りんりんの真似! あ、うひゃー! りんりんが怒ったー。にっげろー」
 まあ、そんなこんなでスパイスも収集完了である……!

●これが覇竜のカレーだ!
「かれぇ作りはみんなのおてつだーい。お野菜お肉を切るのはお任せ! これも美味しいかれぇのため。お芋の皮むきも真面目にやるます。覇竜特産の素材の扱いもお任せだよー。お手伝いのエキスパートだからね! 味見は特に任せて!!! 辛口に評価するよ。かれぇだけに。なんちて」
 ユウェルがそんなことを言いながら、皆の手伝いに回る。今手伝っているのはみーおだ。
「みーお、練達のカレーもインド風? のカレーも好きですにゃ。どんなカレー作るか悩んで、複数作ればいいと思い至ったので
練達風のカレー+食パン、キーマカレー+ナン……の両方を作りますにゃ。美味しいカレーに合うパンとナンを、こねこね……こねこね……!」
「ナンって何だと思ったらこんなんなのか~。へ~! パンみたいだけどパンじゃないやつ! あ、そうだ。後でりんりんがゴリョウせんぱいにお米の作り方を聞くみたいだし一緒に聞いてみよ。外の世界のことも知ってかないとね」
 勉強するのは良いことだ。実際、みーおのカレー作りには技がある。
 まずスパイス以外の材料は覇竜産の肉や野菜等で使える物は使い、それ以外は持参している。
 練達風のカレー+食パンのカレー具材は人参・玉ねぎ・じゃがいも・鳥肉だ。食パンは時間かかるなら予め作り持参と隙が無い。
 キーマカレー+ナンのキーマカレーはひき肉・玉ねぎ・トマト等を使いオリーブスライムのオリーブオイルも使っている。
 だが、鈴花も一生懸命作っている。
「はいカレーの時間よ! さっき採ったスパイスを丁寧に配合して、具材はシンプルにゴリョウ――じゃなかったブタ牛鳥と、ギュウたんも入れてお肉祭り! 勿論覇竜の色んな野菜も入れるわ。夏だもの、トマトをたっぷり使って、水は使わず具材のうまみをぎっしり! それに、隠し味には覇竜チョコレートに、ムーンフルーツのマーマレードも加えて……全部覇竜で見つかった食べ物だもの、それが覇竜の歩みを表してるわ」
 なるほど、覇竜のカレーとしては王道な作り方をしている。具材選びも繊細で、鈴花の配慮を感じる。
「ご飯は……ゴリョウに分けてもらっちゃいましょ! ね、そういうお米ってこっちでも作れる? 土地は有り余ってるの、教えてよ!」
 恐らくは作れるだろう。その辺りは努力次第といったところだろうか?
 ちなみにその近くではメリッサが比較的スタンダードなカレーを作っている。
「覇竜の皆さんにとっても初めてのカレーになりますし、凝ったカレーはゴリョウさんたち料理の得意な方にお任せして、私は辛さ控えめのスタンダートなカレーを作りましょう。林檎と蜂蜜を入れてマイルドなカレーにすれば辛い食べ物が苦手な子供たちでも食べやすくてよさそうです。お肉も覇竜で手ごろに手に入るお肉を使えば家庭でも手が出しやすくなりそうですね!」
 覇竜で手ごろに手に入るのは、やはりブタウシ鳥だろう。その辺の見極めも、ニルは見て手伝って学んでいた。
「ニルはスパイスからカレーを作るのはじめてなのでみなさまのカレー作りをお手伝いを。ニルは皮をむいたり炒めたりは、やったことがあります! 今度はひとりでも作れるようにお料理が得意な皆様のやり方をしっかり見ておぼえます!」
 火加減は温度視覚も使って確認。これで凡ミスは起こらない。
 おいしくなぁれのおまじないも忘れずに。
「どのスパイスをどのくらい入れるのでしょう? ニルは味見ができません。ちゃんと目で見て、匂いをかいで、おぼえなきゃ。みなさまの作り方、神絵で記録に残しておきます。そうすればニルだけじゃなくて、覇竜の他のひともおいしいカレーを食べられるかもしれません。あ、相賀様、ナンの作り方、教えてください!」
 そうしてニルは慌ただしく駆けていくが、確かにその辺りをしっかりと記録できればそれはレシピになるのだ。
 さて、ではルカはどうだろうか? こちらはかなり本格的だ。
「俺の料理はカレーに特化してるが、その分カレーじゃあ早々負けねえぜ。今回はクミン、コリアンダー、ターメリックの3種類で作る。6種類や8種類のスパイスで作るパターンもあるが、コイツが覇竜のスタンダードになるってんなら作りやすいものにしたいからな」
 そう、スタンダードだからこそ作りやすさにこだわる。やはりルカもその方向性にしたようだ。
「まずはスライスしておいた玉ねぎと人参を炒めて、バターと合わせてにんにくと生姜を炒める。そこに用意したスパイスを加える……この時弱火にしておいて焦がさないように注意だな。そのあとカットしたトマトを加えて潰しながら炒めて、用意しておいた一口大のブタウシ鳥を炒める。最後に水、コンソメ、砂糖、塩を加えて20分程度煮込んだら完成だ」
 ちなみに、カレーだけではなく相性というものも考えていくのがルカのカレーだ。
 ナンは相賀の焼いたものを貰って味見をする。
「相賀のジーサンが作ってくれたナンは覇竜のナンだ。カレーはそれに合わせて味を微調整するぜ。辛さは辛いのが苦手でもある程度食えるように控えめにしておくが、それでいてスパイスの香りはしっかりと感じられるように調整するぜ。もっとまろやかにしてえならヨーグルトを加えるなんてのも手だな」
 そんなルカと今回双璧、ゴリョウのカレーはどうだろうか?
「俺が作るのは基本にして王道。練達式カレーライス、みんな大好きおふくろ(ママ適性)の味ってやつだ! 俺の料理スキルを賭して作らせてもらうぜ!」
 そう、王道とは好まれているからこそ王道になる。奇しくもルカと同じ方向性でありながら、ご家庭の味に舵を切った形だ。
「玉ねぎ、人参、じゃが芋、ブタウシ鳥の各部位肉を大きさ揃えるように切り分ける。具材の大きさ揃えは料理の基本、火の通りが均一になるんで食味も良くなる。これらを料理経験から導き出したタイミング、時間で火を通しマンゴーチャツネ、バター、小麦粉でとろみをつけたカレールウで煮込む……炊き上げた俺の領の新米を併せてカレーライスの完成だ!」
 作り方は都度解説するのも忘れてはいない。この辺りは流石ゴリョウということだろうか?
 そしてゲオルグだが、此方は独自性の強い……しかし好まれやすいカレーを作っている。
「ナンに合うカレーや米に合うカレーはどうやら作る者がいる。となれば、私は単品で楽しめるカレーを作るとしよう。そうなるとスープカレーがいいだろうか」
 スープカレー。サラッとしたカレースープとたくさんの野菜が特徴だ。
「ブタウシ鳥の手羽元に、大振りに切った覇竜領域産の野菜をこれでもかと言うほど入れよう。サラッとしたスープにスパイスを強めに効かせれば単品で十分に楽しめるスープカレーになるはずだ」
 そう、文字通りスープなのだ。しかし、米ともよく合うことも知られている。
「勿論、米と一緒に食べても美味しく食べられるぞ。覇竜領域では米自体はあまり見ないが、どうなんだろうな……なんだか、私達の想像もつかないような稲とかが存在していそうで怖いのだが。もし存在していないのならば覇竜領域独自の米を開発してみるのもいいかもしれん」
 そう、未来は此処にあるカレーの数々のように無限大だ。
「ゴリョウのカレーライスは王道の一つ、しかも料理人がゴリョウってんなら味も大いに期待出来る。鈴花のカレーも覇竜って感じがしていいな。野菜の水分でルーを作ってる分甘みがたっぷりありそうだ。じゃあ約束どおり俺のカレーと交換だな、期待してるぜ」
「ルカのカレー……た、食べるの勿体ないわ! カレーの王子様なの!?」
「甘そうだな……」
 何やら鈴花が感動しているが、それはそれとして鈴花はひとしきり皆のカレーを交換したら、お皿に十字に米を盛って、隙間には自分と、他の人のカレーを分けて入れていく。
「で、そのお米の壁を崩してミックス! 外からの文化を取り入れて、混ざりあって、美味しくなっていくの。それってすっごく、覇竜らしいでしょ!」
「かもしれねえな」
 ルカもそれに面白そうに微笑みながらカレーを一口。
「期待どおりにどれもこれも美味えじゃねえか! それにこうして野外でカレー作るってのもオツなもんだ。このスタイルも含めて覇竜式かもな!」
 その横では鈴花のカレーにルビーを入れようとして阻止されたユウェルが改めてカレーを食べていた。
「みんなが作ってくれたかれぇはもちろん全部食べる! パンもナンもご飯もぜんぶ!」
 知らない味も知らない食べ物も何でもまずは味わってみようというのだ。
「お残しはぜーったいだめだからね! 味変に宝石とか宝石の粉末を入れたりして美味しく食べきる!」
「ゆえ……」
 まあ自分のならいいけど、と鈴花が呟いていたがさておいて。
「私のカレーどうでしょう? 奇をてらわないシンプルなカレーを目指してみたんですが、口に合えばうれしいです」
「おいしいですにゃー!」
 メリッサにみーおもそう微笑む。実際、メリッサのカレーはかなり食べやすく仕上がっている。
「他の皆さんがどんなカレーを作ったかも楽しみですね。特に料理上手で知られるゴリョウさんのカレーはついお替りして食べちゃいそうです」
「ですにゃ、皆のカレーを食べるのも楽しみですにゃ。みーおは普通の人が食べれる物なら大体食べれるからカレーも食べられますにゃ。みーおのカレーも良かったらどうぞですにゃ、どちらを食べても良いですにゃ。カレーライスも色んなカレーもおいしいのですにゃー!」
 そう、ナンを選ぶかカレーを選ぶか。難しい問題だが、どちらも美味しいものだ。
「覇竜で米作りが盛んになるならとても嬉しいですにゃ。小麦もお米もパンの材料にもなりますし美味しい物が増えるの嬉しいですにゃ……もしかすると小麦やお米を栽培している亜竜や魔物もいるのですにゃ……?」
 いるかもしれないし、いないかもしれない。探せばいるかもしれないのが覇竜だ。
「覇竜でもカレーの輪が広がるといいのですにゃ」
「ごはんで食べるカレー、ナンで食べるカレー。どれも全然違う香り、食感なのです。たくさんたくさん食べたくなります。全部の材料が覇竜で作れるならいいですね。覇竜でお米作りするなら、ニルもお手伝いしたいです!」
「ぶはははッ、こういうのも良いねぇ!」
 ゴリョウも言いながら、米について考える。
「今回は俺の領から米持ってきたが、覇竜に米作りを伝来させりゃ純覇竜式カレーライスも出来るだろう。覇竜の愉快な環境で出来た米とか絶対面白い代物になるだろ! 楽しみだねぇ!」
 そう、覇竜でのカレーの可能性は拓かれたばかりだ。
 どう進歩していくのか、どう変わっていくのか……それは分からない。
 確かなのは今、覇竜産カレーの偉大な一歩が踏み出されたという、その事実なのだから……!

成否

成功

MVP

ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き

状態異常

なし

あとがき

覇竜初の「覇竜産カレー」が生み出されました!

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