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シナリオ詳細

カルネと海洋ゴチソウアイランド

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 水着にラッシュガードを羽織ったカルネはモルディブったコテージの一室でハンモックに腰掛けながら、サングラスをあげて言うのであった。
「今日の依頼は、無人島の冒険とごちそうだよ!」

「ごちそうがぁぁぁぁぁぁぁ――食べたいか~!?」
 ウオオオオオオという歓声(?)を前にしたのはブタ頭の獣種男。頭にはコック帽を被り、服装もまたコック。通常と違うのは胸にでかでかと『美食は喜色』と書いてあること。
 そんな男の名はどうしちゃったのかトンカツ・ウスターソース少尉。名を付けた親もどうかしてるし先祖もどうかしてる。しかし当の本人はこれを神の采配ととったようだ。
 なぜなら……。
「美味い料理をぉぉぉぉ――作りたいか~!?」
 ウオオオオオオと歓声があがる。
 そう、男はグルメを愛しグルメに生きる、生粋のグルメコックなのであった。

 この盛況ぶりからも分かるとおりにトンカツ少尉はグルメハンターである。
 美味しいもののためなら例え日の中水の中。前人未踏の島にだって目を向ける。
「そんなトンカツ少尉から依頼を受けて、僕たちは海洋の未探索エリア『ゴチソウアイランド』へ行くことになったんだ」
 急に説明を潤滑にしてくれたのはそう、ぼくらのカルネくんである。
「へえ……ごちそう、あいらんど?」
 聞き慣れない名前に小首をかしげ、トロピカルなジュースをちゅーちゅーするイーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)。
 秦・鈴花(p3p006934)はといえば、おニューの水着で海に飛び込みばっしゃばっしゃ遊びまくっていた。
 説明が始まった気配を察してこちらに振り返る。
「うん」
 ビスクドールのような美しい顔で彼らに頷くと、『楽しみだね』と優しく微笑む。
「『ゴチソウアイランド(仮名)』はまだ調査ができてない未開の島なんだ。
 けれどこの島からとれる魚や肉、野菜や果物がとにかく美味だったことから、資源調査の名目で海洋海軍から調査の依頼が入ったんだ」
 ここは海洋王国が切り拓いた海域の一つ、アクエリア島。今ではリゾート開発が進み軽くモルディブっているがこれでも最初は廃滅病がうごうごする死滅の地であったのだ。
 それが無くなった今、ここは資源の宝庫。
「美味しい料理が作れるかもしれない土地を、みすみす手つかずにするって選択肢はないよね」

 冒険の方法はシンプルだ。
 ゴチソウアイランドは浮かれた名前がついてる割には手つかずの無人島だ。
 キャンプセットや探検セットを船に積み込んで上陸し、まずは島を探索してみるところから始めなければならない。
 そして手つかずなだけあって、出現するモンスターもそこそこだ。戦闘要員も必要とするだろう。
 しかし肝心なことに、このモンスターこそがここでとれるグルメ食材であるという。
 果物や野菜、釣った魚や倒したお肉。それらを使って料理をし、まずは実際に食べてみようというハナシなのである。
 それらを報告に纏めれば、今回のお仕事は完了だ。
「要は、無人島を冒険しつつ美味しい料理を作って食べようって依頼だね!」
 カルネはサングラスをパタンと畳み、ハンモックから降りる。
「さ、準備を始めようか!」

GMコメント

※こちらはライトシナリオです。短いプレイングと選択肢のみで進むアドリブいっぱいのライトな冒険をお楽しみください。

 海洋のグルメアイランドを探検し、グルメ食材をゲットしよう!
 そしておまちかねのご馳走料理タイムだ!

●一口プレイング
 好きな食べ物や料理を書いてね!!!!!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。


探索パート
 まずは島を探索しましょう
 あなたはどんなポジションで探索をしますか?

【1】戦闘に集中する
 モンスターが出現するはず! あなたの戦闘スキルでもってモンスターを倒し食材をゲットしよう!

【2】フィールドワークを重視する
 未開の無人島を進むには知識や経験も必要。案内人のごとく島を進もう!

【3】その他の個人的な目標のため


【4】あえての魚釣り
 あえての! 魚釣り!!


お料理パート
 ごちそうを食べる時間です!!!!!

【1】率先して料理する
 お料理に関する技能を使って料理を作ります。
なにができるかはお楽しみ。

【2】率先して食レポする
 お食事の報告が必要なんだから、食べる専門だって必要だよね!

  • カルネと海洋ゴチソウアイランド完了
  • 「今日の依頼は、無人島の冒険とごちそうだよ!」
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別 通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年07月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談0日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
終わらない途
古木・文(p3p001262)
文具屋
イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って
えくれあ(p3p009062)
ふわふわ
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者

サポートNPC一覧(1人)

カルネ(p3n000010)
自由な冒険

リプレイ


 船は揺れ、遠い島が徐々に近づいていくのがわかる。
 そんな風景を……セーラーな服を着たカルネが眺めていた。
「まって。なんでセーラー?」
「なんでもよ」
 『秦の倉庫守』秦・鈴花(p3p010358)が肩をぽんと叩いて、何か意味深な顔で頷いた。
「スカートにできなかったのが残念ね」
「なんで!?」
 半ズボンをぱしっと叩いてから振り返るカルネ。鈴花はまあまあといって手をかざした。
「これから冒険に行くんだもの。気分って大事でしょ?」
「それはそうだけど、気分関係あるかなあ」
「どんな冒険になるのか、楽しみだね!」
 『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)が手すりにつかまり、つま先でぴょんぴょんとしている。
「なんて名前だっけ、ゴチソウアイランド!?」
「仮名だけどね」
 過去の実例からいって、そのまま採用されそうな名前である。
 ヴェルーリアはくるりと反転して、仲間の顔を振り返った。
「ねえ、どんな動物がいるかな。牛とか豚とか……?」
「その中間とか?」
 『結切』古木・文(p3p001262)が苦笑しながら言う。
「未知の島の未知の食材、だからね。既存の知識じゃはかれないものが出てくるかも」
「美味い料理が食べれたらいいよな」
 まるで確信でもしている様子で言うと、『恋揺れる天華』零・K・メルヴィル(p3p000277)は手のひらを空に向けた。
「俺って、フランスパンなら無限に出せるんだけどフランスパンが死ぬほど好きってわけじゃ別にないんだよな。いや好きは好きだけど」
 天から授かったギフトがそのまま好みに直結するとは限らないという実例である。
「だから、パン料理にはするけど、挟む食材が重要になってくるよな。なあ、好きな食べ物ってなんだ?」
 零が尋ねると、文は暫く考えてから真顔で答えた。
「米と……酒」
「それ島にないよな絶対!?」
「芋茎のキンピラとか、野菜の天ぷらとか?」
「それならありそうだな!」
「油の用意をしといて正解だったな! ま、キャンプ飯もいいもんだぜ。バーベキューとかな!」
 『あの子の生きる未来』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が快活に笑って手をかざした。いつだか吹き飛んだという義手はすっかり修理され、器用に動いている。
「とりあえず、肉類ならなんでも料理できる自信はあるぞ。伊達に放浪してないんでな」
 混沌には様々な生物がおり、様々な生態がある。ハンバーグが空を飛んでるような世の中で、なんでも調理できるというのは旅人にとって大事なスキルだろう。
「料理だったらボクもできます! 肉料理! 得意!」
 『駈ける一歩』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)がぱっと手を上げてみせる。
「リュカシスって料理できたんだっけ?」
 そういうイメージなかったなと素直に言うカルネに、リュカシスは無言でバーベキュー用の鉄串を取り出して見せた。
「お肉……すっごい、上手に焼くよ」
「お、おお……」
 生きてると案外感じづらいことだが、お肉を焼くというのはただそれだけで結構な料理スキルを要するのである。
 より正確に言うなら『とても丁寧に焼く』というその一点に技術を使うのだ。
 同じ肉を同じ火で焼いたとて、その違いは出るだろう。
 余談だが、肉を上手に焼く人は大抵の料理もできるので、リュカシスに他のものを作らせても美味しくできるだろう。
 『覚悟の行方』イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)がなるほどという顔で頷く。
「すごいなあ……あっ、じゃあコンポートとかケーキみたいなスイーツつくろうかな。最初は鍋料理かなって思ったけど、お肉と野菜の担当は固まってそうだし」
「イーハトーヴが料理できる……のは、イメージ通りって感じだね。何段にも重ねたホットケーキを作ってそう」
「それは本当に作ったかも」
 あはは、とわらうイーハトーヴ。
「みんなー! 島に到着しますよー!」
 『ふわふわ』えくれあ(p3p009062)がぱたぱたと手を振ってみせると、船はゴチソウアイランドの沖へとつけ、上陸用のボートを下ろすところだった。
「では早速」
 ボートに乗る前に、島を背景に自撮り棒をかざすえくれあ。
「サヨナキー! チャンネルー! こんにちはっ、練達支部長のえくれあです! 今日はこれから、ゴチソウアイランドで食材探しの冒険にでたいと思います!」


「二人とも、身を潜めて。まだ新しい動物の痕跡がある」
 地面を撫でるように観察していたイーハトーヴが、草の一部の指さして言った。
「植物は喋ったり機敏に動き回ったりはしないけど、そのかわりいろんなことを教えてくれるんだ。これもそのひとつだね」
 イーハトーヴに言われたとおり身をかがめたリュカシスとカルネ。『静かに』のジェスチャーにも従って息を殺していると、遠くでがさりと動くものの気配があった。
 カルネがゆっくりと銃に手を伸ばす。
「あれはフレイムボアだね。炎の魔法を操る猪型のモンスターだ。肉の付き方が普通と違うみたいだけど……」
 カルネはそう言ってから、リュカシスにちらりと視線を向けた。
「一発だけ足を撃つ。その間に飛び出して仕留めて。できる?」
「まかせて」
「それじゃあ――せーの」
 よく狙って放たれた銃弾は見事にフレイムボアの足を撃つ。逃げる力を失ったフレイムボアは反射的にか炎の球体を空中に出現させる。
 とびだしたリュカシスにそれをぶつけて追い返そうというつもりなのだろうが……そうはいかない。
 ぶつかってくる炎をまるで雨粒でもうけるかのようにまっすぐ突っ切って……。
「えい!」
 仮に適した銛を展開したリュカシスのカスタムアームがフレイムボアを貫いた。
「ナイス! 吊して血を抜いたら運んじゃおう。お肉がダメにならないようにね!」
 カルネとイーハトーヴは茂みから飛び出し、三人でパチンとハイタッチを交わしたのだった。

「見たところ思いっきりジャングルですねー。食べられるものはあるんでしょうか」
 自撮りを継続しつつついてくるえくれあ。
 そんなえくれあに、バクルドが何気なく話しかけてきた。
「そういや、お前さんの好物を聞いてなかったな。苦手なモンは?」
「うーん……」
 鬱蒼と茂った森の中を進みながら、えくれあは頭の中にフルーツサンドやハンバーグを想像した。
「お野菜は……苦いのは苦手だけど、頑張って食べられるよ! バーベキューとかできたら楽しみだよね!」
「おお、いいよなバーベキュー。キャンプといえばだよな!」
 ハナシが分かるじゃねえかとバクルドが笑うと、文がそんな二人の様子を観察しながら苦笑していた。
「バーベキューもいいけど、まずは食べられるものを探さないとね。食べられる野草の選定は任せていいんだよね?」
 文がそう問いかけると、バクルドが任せろと親指を立てる。えくれあは動画撮影をしながらカゴを取り出し、運ぶ係を買って出るつもりのようだ。
「野草も天ぷらにすると結構イケるらしいからね。昔そんな本を読んだよ」
 文は鞄から取り出した本を広げつつ、木の根元に生えているキノコをむしり取っていた。
「それはなあに?」
「コインダケといって木にコインが食い込んだような形で生えてるキノコだね。一般的な食用キノコのひとつだよ。えっと……しいたけっぽい、って言ったら分かるかな?」
「しーたけ? あ、わかる!」
 肉厚なやつを選ぶから、バーベキューをするならこれも使おうね。
 文は優しく微笑み、えくれあの差し出すカゴにキノコを放り込んでいくのだった。

「こういう島だったら、ガブリンゴがとれそうだね」
 そういきなり言い出したのはヴェルーリアであった。
「がぶ……りんご……?」
 零はその語感からなんとなく大きな林檎を想像したが、じつはどうやら間違っていなかったらしい。
 ヴェルーリアが「これだよ」といって指を指してくれる。
 それは一本の木と、そこに実った一個だけの林檎……なのだが、林檎が牙を生やしてぱかっと口を開いていた。
 もっというと、こっちを見てガチガチその牙を鳴らしていた。
「人喰い植物じゃねえか!」
「けど糖度はすごいよ!」
 力説するヴェルーリア。
 零は想像する。パンに焼いた林檎を挟んだ食い物を。アップルパイとかあるけど、あれのフランスパンバージョンである。
 あっだめだすごいうまそう。
「キシャー!」
 とかいっていたらガブリンゴがその身体をうねらせ、零めがけ噛みついてきた。
 咄嗟に飛び退き回避をかけ、地面をごろごろと転がる。
「だとしても食われたら元も子もないだろ!」
「そういうことなら、任せて!」
 鈴花がビシッと中国拳法めいた構えをとった。
 彼女を喰らおうと牙をむき出しにするガブリンゴ。
 キシャーと叫びながら食らいつくその動きを、鈴花は豪快な踏み込みとスライディングで回避。と同時にその喉元(?)に掌底を叩き込んだ。
 そこからドラゴンロアを流し込むインパクトが走り、ギシャーとさけんだガブリンゴがその場にうずくまる。
「今よ!」
「お、おう!」
 刀を抜いた零が、ガブリンゴの果実部分を切り取るべくその刀身を振り下ろす。


 収穫は上々であった。
 カゴ一杯に野草やキノコをつめて返ってきたエクレアたちや、この島でしかとれないような果物を沢山抱えてきたヴェルーリアたち。
 イーハトーヴたちに至ってはでかい猪をかついでやってきたくらいである。
「お、こいつはいい! 早速バーベキューにしようぜ!」
 とにかく肉が食いたかったバクルドはテキパキとたき火の準備を始めた。
 結構普通にやっているが、素人がその場で火をおこすというのは結構めんどい作業なのである。全く出来ないという人もいるくらいだ。
 そんな中で手早く火をおこしキャンプセットを組み立てるバクルド。
 いそいそと網を火の上に載せると、その一方で肉を捌いていた零が鉄の串に肉を差し込み始めていた。
「パンが出せるからってそれ以外ができないなんて思うなよ。料理は得意科目なんだ」
 というか、パンが出せるから料理ができるようになったとすら言える、得意分野を伸ばしていくタイプの零である。
「ほいできた! バクルド、どんどん焼いてってくれ!」
 そうしている間に、イーハトーヴは収穫されたフルーツを小さく刻んでシロップで煮始めていた。つまりはコンポートである。
 糖度の高いがガブリンゴをコンポートになんてしたらえらいことになりそうだが、作っているハーハトーブはるんるん気分なようだ。すごいものができそうである。
 その一方では、鈴花が中華鍋に野菜や肉を放り込んでは豪快に炒めていた。
 ただ炒めるというわけではなく、適度に鍋を叩いて揺らす。その動作は料理というより何かの筋トレに似ていた。一説には中華料理は筋肉で作ると言われるが、鈴花がやっているのはまさにそれなのだ。
 勿論餃子の皮に潰した野菜や肉を来るんでちまちまやるような作業もやってはいるが、全体的にはパワーがものをいうのである。
「負けてられない!」
 リュカシスは捌いた猪の可食部を上手に分けると、そのまま焼いて食える部分をまずは水洗いし始める。
 そして串に刺してたき火のそばに翳す。
 バクルドもそうだが、リュカシスもシュラスコ的なあれがめっちゃ食べたかったらしいのだ。
「お肉をとってきたら、やっぱりこれだよね……」
「わかるー! 早速食べてみよう!」
「僕もいいかな」
 丁度良く焼き上がったシュラスコを手に取ってみるえくれあとカルネ。
 囓ってみて、そして目を剥いた。
 猪肉というから臭みがあるかとおもいきやそんなことは全くなく、そして堅さもない。柔らかく、ジューシーで、それでいて油がさっぱりとしているのだ。
 まるで美味しく食べられるために生まれてきたかのような野生生物だ。
「こ。ここまでとは……!」
 もっとワイルドな『肉!』を想像していたえくれあは二つ目に口をつける。
 ならばとバクルドやリュカシスもシュラスコに手を伸ばした。
 囓ってみれば染み渡る、肉のありがたみ。
 なんかもうこれだけで仕事を終えた気分になってくるが……今日はまだこれでは終わらない。
 なにぜイーハトーヴのコンポートや鈴花の中華料理が待っているのだから。
「野菜も沢山とってきてくれたんだよね。まずは、これかな」
 文が手を伸ばしたのは大葉ににた植物の天ぷらだった。
 普通に粉をまぶして揚げたものだが、使っている油がいいのかころもがさっぱりとしている。
 さくりと囓ると、葉に含まれた爽やかな清涼感がすっとぬけていくようだ。
 野菜の天ぷらというともっとこってりしたものを想像していただけにこれは意外だ。
 文はなるほどと頷き、続いてキノコの天ぷらに手を伸ばす。
 こちらは自分が収穫したものだが、普通のコインダケよりもかなり分厚いキノコだ。囓ってみると込められた旨味が溢れ、身体へと染み渡っていく。
「きのこが……ここまで美味しいとは……」
 さすがゴチソウアイランド、木に生えてるだけのキノコが圧倒的に美味である。
「あ、じゃあ私、コンポートいただいてもいいかな!」
 ヴェルーリアがはいはーいと手を上げ、イーハトーヴが作ってくれたコンポートに手を伸ばす。
 ただでさえ糖度の高いといわれるガブリンゴのコンポート。食べる前から期待は大だ。
 ヴェルーリアはお皿にもりつけられたそれにおそるおそる手を伸ばし……ぱくり、と口に含んだ。
 その柔らかい食感と、広がる甘み。
「ん!」
 目をキラッキラにしてヴェルーリアは頬に手を当ててしまった。
「すっっっっっごい甘み!」

 それから、一同は暫くのあいだ食の娯楽を堪能し尽くしたのだった。
「多少の冒険とご馳走で報酬までもらえるとは……文字通り美味しい仕事だったなあ」
 肉を挟んだパンを囓りながら零はぼんやりと空を眺める。
 えくれあは自撮り棒を翳して手を振っていた。
「それでは、チャンネル登録好評価、よろしくおねがいしまーす!」
「レポートは充分に集まったし、これなら依頼主も満足しそうだよ」
 一方で、カルネが文やヴェルーリアたちの書いてくれたレポートをファイルに纏めていた。
「また来たいね。今度は仕事じゃなくて遊びとして」
「遊びでかあ……それはたのしそう!」
 リュカシスは友達と一緒に島を探検し、食材をゲットしてバーベキューにするさまを想像してほんわかとした気持ちになった。
「ハハッ、まあいつもとはだいぶ気分の違うメシになったのは事実だよな」
 バクルドも笑い、キャンプセットをかたづけていく。
「ここでとれた食材がアクエリア島に運ばれるってことは、そこでも食べることができるってことだよね。だとしたら楽しみだな」
 文がレポートに書いた内容を思い出しながら、依頼人のことを考え始める。
 イーハトーヴも同じように考えていたらしく、アクエリア島でだされた大きなパフェを思い出していた。
「あれにガブリンゴが乗ったりしたら……すごいことになるんだろうなあ」
「あ! それは食べてみたいかも!」
 ヴェルーリアがきゃっきゃとはしゃいで跳びはねる。テンションがそこまで上がるのも無理からぬことだろう。
 キャンプ飯もいいが、キッチリしたレストランで出てくる高級食材というのもまた素晴らしいものなのだ。
 鈴花はうんうんと満足げに頷いて、畳んだキャンプセットを鞄に詰め込んだ。
「じゃ、そろそろ帰りましょうか。戻ったら、島でまた美味しいご飯でも食べましょ」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

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