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シナリオ詳細

鉄帝の町中に海を見た

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●猛暑の中で
 暑い。暑いを超えて痛い。
 とんでもない猛暑である。
 もっとも、かの寒さを乗り越えた今、この暑さすら尊く思えるが……何事にも限度というものがある。
 これだけ暑いと機械も熱暴走するし、そもそも蒸気機関の排気がえぐい。
 あまりにも暑すぎて倒れてしまいそうな、この酷暑。もはや一刻の猶予もならない。
 そこで色々な研究者が余計なことをした。
 自動冷房ゴーレム、かき氷ゴーレム……まあ、もれなく暴走した。
 そこで、とある科学者は考えた。夏ならではと氷を出すから悪いのだと。
 では、どうすればいいのか? 氷は危ない。怪我人が出る。
 怪我人が出ず、なおかつ夏の暑さをどうにか出来るものがいい。
 そんなもんあるわけないだろああ海とか行きたい。海行きたいなあ。
 でも仕事忙しくて海とか行けないよ。もう海から来いよ。ほらどうした、水平線なんか捨ててかかってこいよ!
 そんな意味の分からん思考になったあげく、科学者は作り出した。
 その名も海生成ゴーレムである。波の出るプールみたいなアレを海水を生成しながら作れるゴーレムである。
 色々あって、そんなゴーレムは完成して。
 暴走して鉄帝の町が海になった。最高に鉄帝の夏って感じである。

●海よ消えよ
「えー、そんな感じで鉄帝の町が海になってるわけですが」
【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)はゴムボートの上でちゃぷちゃぷと揺れながら集まった面々にそう切り出した。
 そう、数日前から鉄帝の街中は海になっていた。
 道はすっかり水没し、鉄帝人は強いので水着やアロハでゴムボートやバナナボートなどを動かしている。
 1階は水没したが、2階は無事なので「まあいいか」って気分になっているようだ。強すぎる。
 人によっては商機とトロピカルジュースやゴムボートを売ったりしているので、マリンスポーツに興じる者もいる。
 どうやら町中のみが対象範囲のようであって。町の外から見ると入り口から海が始まっているおかしなことになっているようだ。まあ、安全装置が働いているということなのだろう。暴走しているけれども。
 しかしながら、いつまでも海にしているわけにもいかない。この海の原因を叩かなければならないのだ。
「とはいえ、単純に壊すわけにもいかないです」
 何しろゴーレムを壊したらいきなり海が消えたというのでは困る。
 全員が安全に元の生活に戻れるように、暴走部分を上手く壊さなければならないのだ。
 しかし、それを出来さえすれば皆安全に元の生活に戻っていけるだろう。
「幸いにも海ゴーレムには、幾つかの安全対策が施されてるです。暴走してますけども」
 具体的にはこれから海が消えることを対象区域に発報するシステムなどが搭載されている。
 上手くやりさえすれば、そういった手順を踏んだ「海の消失」が可能ということだ。
「まあ、皆さんなら簡単だと思うです」
 そう、所詮は暴走ゴーレムだ。楽しんで壊すことすら可能だろう……!

GMコメント

鉄帝の町が海になったのでどうにかしましょうぜ!
原因は何処かにいるテトラポットみたいな外見の「海ゴーレム」です。
戦闘能力はそんなに高くないです。電撃がシビビッてする「テトラスパーク」くらいです。
完全に壊すと海が一気に消えてしまうので、慈悲付き攻撃とかで仕留めると安心です。
ちなみに1階部分が水没する程度の深さがどの程度かはご自宅などで「あー、このくらいかあ」とお確かめくださいませ。

なお、鉄帝の町は平和でトロピカルジュースや果物、ゴムボートなどを売っています。
つまりどういうことかって……?
あっついから海遊びして飽きたらゴーレム壊そうぜって話です。
はい、水着は用意しましたね!? なかったらその辺で買ってきましょう!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 鉄帝の町中に海を見た完了
  • ウワーッ、誰だ鉄帝の町を海にした馬鹿は!
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月03日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
海音寺 潮(p3p001498)
揺蕩う老魚
えくれあ(p3p009062)
ふわふわ
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
優しい白子猫
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
レイン・レイン(p3p010586)
玉響

リプレイ

●町中に海がある
「なんで海生成したんだろうな。よしツッコミ終了。海遊びという名のぐうたらで英気を養うとするかー……」
 ウェットスーツ……いや、水着を着込んだ『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)の一通りのツッコミが終わる。
 とりあえずのツッコミを義務的にするあたり、ウェールの常識が鉄帝に侵略されている。さておいて。
 今、鉄帝の町は文字通り海になっていた。
 1階部分が水没する程度の深さだが、不思議なことに周囲に被害が出ないように町だけが範囲になっているようだ。
 つまるところアクアリウムのような光景になっているわけだが、だから何だこの野郎という話である。
「テトラポットみたいなゴーレム…海で遊んでから、倒せばいいんだね。ゴーレム探し終えたら、海で気ままに遊ぶよ。みゃー」
「ああ、まずは手分けしてゴーレムの現在位置を捜索だ」
 『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)は飛行しながらあちこちを探してみていた。
 更には鳥のファミリアーを飛ばしつつ五感共有して探すのも併用していく。水の中にいるとはいえ、この透明度であれば探せるはずだ。
「暑くなったら海の中に戻って冷やそう……ゴーレムいるかな?」
「便利な道具を作るのは構わんが、ちゃんと試運転はしておかんといかんのう……」
 そして『揺蕩う老魚』海音寺 潮(p3p001498)もまたゴーレムを探すべく一度上空から見て中央あたりからから探索範囲を広げていた。恐らく水中に沈んでいることは分かっているので、必要に応じて潜って探索もしている。
(あとは地道に人に聞くとするかのう)
 そんなことを考えながら潮はその辺でトロピカルしている人に声をかけてみる。
「もしもし。この辺で見慣れぬゴーレムをみとらんかのう? 今回の原因となった海を発生させとるらしいんじゃが」
「いや、分からないなあ。というけ鉄帝は見慣れないゴーレムばっかりだし……ほら」
「ん?」
 住人の指差す先を追って潮が空を見ると、3つの飛行機が合体して巨大ロボになっているのが見える。
「……な?」
「そうじゃのう……」
 本当に鉄帝である。これだから鉄帝は。ちなみに巨大ロボは合体機構に問題があったらしく爆散していた。
「プールになった街、小さい子の夢みたいな状況だね。「街中がプールになれば一杯泳げるのにな〜!!」なんて。とはいえそんな子供の夢を達成すると、色々困ることに......なってるよね?  屋台出てたりしてエンジョイしてそうだけど。流石に長続きするといろいろ良くないよね?」
 活発に遊んだ夏の思い出を思い出す水着を身に纏い、『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)は水の中からゴーレムを探索していた。
  竜宮イルカもいるので準備は万全であるし、 ゴーレムから水が発生していると考えられるので、水の流れに逆らっていけば見つけられる可能性が高そうだという予想を立てて探索もしていた。
 とはいえ、エンジョイすることも忘れてはいない。
「こんにちは、その焼き立てのフランクフルトを一つ!」
「はいよ、おまちどう!」
「うーん!  美味しい! ありがとう!  そういえばなんだけど、この原因になったゴーレムを作った人の居場所に心当たりはあったりする?  教えてもらえると嬉しい」
「え? 分かんねえなあ。大体こんな感じだろ? いつも」
「……そうかも!」
 こんな感じで聞き込みを行って、焼きそばやトロピカルジュースの屋台などを見つけるとフォルトゥナリアは食べて聞き込みしていた。半分くらいは食べることも目的しているよ。折角だしね! とは本人の談だ。
 そして『玉響』レイン・レイン(p3p010586)も今年買った水着を着ていた。リボンやフリルもついた可愛らしいものだ。
「初めて水着……店員さんのおすすめ……」
 だからだろうか。レインはいつもよりほんの少しだけテンションが高い気もする。
「不思議な風景……ゼリーとか……水槽みたい……これが無くなったら……どうなるんだろ……」
 他へ漏れ出る様子もないこの不思議な状況だが、被害を出さない為にもこれを作り出したゴーレムをしっかりと正しい手順で停止させなければならないのだ。
「最初に海ゴーレムの位置を探す……」
 言いながらレインはファミリアーで鳥を呼び出して広域俯瞰と合わせて視界を広く取って探索をしていた。
 小魚とかが居るなら、動物疎通で変わったテトラポットが無かったか聞いてみるつもりだった。
「なんだか映画みたいにきれいな景色だよね! 海だもの! 水着を着てあそんじゃうよ!」
 『ふわふわ』えくれあ(p3p009062)も青く可愛らしい水着を着て竜宮イルカのくれーぷちゃんに乗って水中行動でゴーレムを探していた。
「どこかな? 見つけたらあそんでいいんだって!」
 そう、今回はなんとも平和な依頼である。だからこそ『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)も気楽に探索していた。
「鉄帝の気候的に海はレアだと思うし、効果範囲が広いから環境を整えるゴーレムとしては使えそうな感じもするけど……広範囲なだけに探すのも大変だね。ともあれ、暴走したゴーレムを探して遊んで町に被害がないように安全に倒すよー!」
「海のことなら 海種の出番 どこまででも およいでいって 無事に 鉄帝の皆様を お救いしますの……って、もしかして、わたしたち……人助けではなくて、後始末係として、よばれましたの!?」
「あははー」
 『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)にアクセルも笑うが、まあそんな感じである。だってほら、サンオイル塗ってるし。
「とにかく、まずは海生成ゴーレムの捜索からだね!」
 青いズボンの水着にゴーグルをつけたアクセルもそう気を取り直すようにファミリアーを呼び出す。
 そのファミリアーは、なんとヤドカリだ。機動力とかはないけど、夏らしさがあって水陸両用で乾燥にも強めのはず、というのが選択理由だ。
「オイラは空からテトラポット型の物体を探すね!」
 そしてウェールは、鉄帝国ならではの探し方をしていた。
 波の出るプールの最前列みたいに市民が集まってる可能性も考えてSGCレディオのラジオで話題になってないか聞いてみたり、ジュースの購入時に店員に聞いたりもしていた。
『スチールグラード中央放送局』のラジオが流れるSGCレディオだが、丁度番組の放送中だったようだ。
『そういやさー、いつもイカれてる鉄帝だけど今度はどっかの町が海になったらしいぜ』
『イカれた話が聞こえてくると日常って気がす……うおーすげー! なんだ今の技!』
 何やら噂になっていることだけは理解できるが、相変わらずラジオの意味がないな……などとウェールは思う。
「まあ、思ったより大事にはなってるようだが然程心配もされてない……ってことか」
 スチールグラード中央放送局での扱いがそんな感じなら、まあ収集もさほど難しくはない。
 更にはファミリアーで鳥一匹、魚一匹を召喚してゴーレムをハイセンスを活かして捜索……しているのだが、今日のウェールは買った浮き輪に座って、高機動力を活かしてぷかぷかしながらハイセンスを活かしての捜索だった。
 低空飛行の応用で浮き輪にかかる体重を減らして高速で水上を移動するテクニックつきだ。
「水中行動あるから浮き輪必要ないが、海遊びは浮き輪でぷかぷかするもんだろ。年齢的にアレだが……こういう機会でもないと浮き輪使えねぇし……って、お?」
 見つかった。なんか下にある。それに気付いたからには情報共有……そして海遊びである。

●海遊びは楽しい
「ふだんは 人ばかりの 通りや 建物のなかを およいでまわれることは なんだか 新鮮で たのしいですの 人魚の街は おとずれたことが ありますけれど ふかさも 街の材質も なにもかもが ちがいますから」
 ノリアが泳ぎながらそんなことを呟く。
 確かにそういった場所とは色々と違うだろう。此処はあくまで普通の鉄帝の町であって、本来は海ではないのだから。
 下の方に沈んでいる一般鉄帝ゴーレムも、そのままノシノシと歩いているのが見える……中々に頑丈だ。
「ここが 海になるまえは いったい どんな光景だったのか 探検しながら 想像をめぐらせるのも たのしいことですの」
 響くのは不意の水音。驚いたノリアが上を見上げれば、誰かが飛び込んで泳いでいく音だ。
「しずかに 散策するのも 好きですけれど こんな さわがしい遭遇も きらいではありませんの みな たのしんでらっしゃるようですし 海種のわたしが こえを かけたなら きっと よろこんでくれることでしょう わたしの 想像が ただしかったかどうか きけば こたえてくれるかもしれませんの ……釣ろうと されなければ いいのですけれど! 親切に してくださるのなら… わだつみの寵愛を さしあげますの!」
 そんなノリアの声が聞こえてくるのを感じながら、ウェールはぷかぷかと浮き輪で浮いていた。
 ギラつく日差しと、冷たい海。なんとも代表的な夏の姿といっていい。
「海遊び、四十路手前だと羞恥心の方が勝つんだよな。依頼に必要なら全力を出すが今回は大人にはない夏休みを数時間だけでも休むとするか……」
 しかしまあ、鉄帝であれば40代も50代も70代も皆海遊びを楽しむバイタリティを持っている。そういう点ではウェールも普通の範疇に入るのだから、なんとも救われるものであるのだが。
 ひと夏の想い出を飲みながら鴉の視界からゴーレムを狙いやすい周辺の建物、屋根の位置を把握している辺り、ウェールがちょっとワーカホリックの気配もある。
「光が差し込む水の中で町を散策するなんてロマンチックだね。廃墟みたいな寂しさもないし、上を見上げたら遊んでるヒトたちも見えるんだろうなあ」
 そしてアクセルも、今でしか楽しめないからと水中にダイブして水没した町を観光していた。
 とはいえ水中行動系のスキルはないので海面に上がって息継ぎをしつつ、ゴーグルをして海中に潜って、のどが渇いたらジュースとか果物で水分補給……といった感じではある。
「なんか面白いなあ。ヤドカリじゃなくてゴーレムが歩いてるけど……」
 色んな意味で通常運行である鉄帝を感じてアクセルは思わず笑ってしまう。そうしてゴーレムの周辺に泳いでいくと、そこにはなんと潮がいる。
 そう、潮は不慮の事態に備えてゴーレムの側で過ごすことにしていたのだ。
 とはいえ、ずっと横にいるというわけでもない。軽食でも作って売りながら時間を潰すことにしていた。
「覇竜でとれた新鮮なオリーブオイルをふんだんに使って香ばしく炒めた焼きそばじゃよ。カリカリに焼いたフランクフルトもあるぞい、バニラアイスにもかかっておるぞ!」
「おー、サメのおっちゃん1つくれ!」
「毎度どうもじゃのう」
「……ところで、そいつは息子さんかい?」
「違うのう……」
 空中や水中をすいすい泳ぐ30センチ位の鮫であるポチが近くに浮いているのを見た客がそんなことを聞くが、潮のギフト「ポチといっしょ」によるものである。さておいて。
「そうそう、夕暮れになる前にはゴーレムの対処を始めるので海もそのくらいで消えてしまうから片付けなどはそれに間に合うよう始める事を勧めておくぞい。ついでに二階に避難しておくと安全かもしれんな。あとは……危険じゃからこの周辺には来ないようにな?」
「おお、解決するんだな。ま、ずっとこのままでも困るしなあ」
「この事を広めてくれるならちょっとおまけしようかのう」
 こうして知らせていくことで、万が一の確率は減っていく。
 ……ちなみに、もしゴーレムが移動したら潮は信号弾で合図をするつもりだし、対処する時間になった時もゴーレムの場所を忘れた者のために合図をするつもりでもあった。
「……おや、そちらも楽しそうじゃのう」
「ぼく、Ptuberもしてるんだ。こんなにきれいな景色なんだからいろんな人にも見て元気になってほしいから、録画で街を撮影してるんだ! 屋根の上から海でいっぱいの街を映したり、くれーぷちゃんといっしょに海の中にもぐって水中を映したり……とっても楽しいね!」
「うむうむ。いいことじゃのう」
 竜宮イルカのくれーぷちゃんに乗ってKURNUGIA-P508で撮影して回っているえくれあに潮はそう答える。
「日が暮れる前にごーれむさんのところにもどってたたかうからね!」
 そう言い残してまた何処かにいくえくれあだが、その映像には祝音も映っていた。
「夏の海……気持ちいいね。みゃー……皆も楽しめてると良いなぁ……」
 恐らくその心配は無いだろうが、祝音はそんなことを言いながら猫さん浮き輪も使ってぷかぷか、のんびりぱしゃぱしゃ泳いでいた。
 ちょっと疲れたらトロピカルジュースや果物も買ってのんびり食べながら、ファミリアーにもちょっと分けてみたり。
「それにしても本当に、町の入口から海がはじまってるんだね」
 余所にまで迷惑をかけないのは、流石というかなんというか。
「鉄帝の科学者さん、技術力はとてもすごいと思う。作った物が暴走さえしなければ……色々とおしい……!」
 とはいえ暴走しなきゃ鉄帝じゃない、という言葉もある。その辺は中々難しいところではある。
(町の中とかの範囲指定できるなら……鉄帝に、海風プールつくればいいんじゃないかな?)
 猫さん浮き輪でぷかぷかしながら思う祝音だが、そんな常識があればやはり鉄帝の科学者ではないのかもしれない。言い過ぎである。
 まあ、この後ゴーレムをどうにかすれば元に戻ってしまうわけだが、それはなんとも寂しい気もしてしまう。
「夏休みの宿題には書けないかもだけど、楽しい思い出のひと時……海の生成……今度はプールみたいなところ作ってからやろうね。みゃー!」
 そう、迷惑をかけるというのは一番良くない状況だ。 
「プールになった街、小さい子の夢みたいな状況だね。「街中がプールになれば一杯泳げるのにな〜!!」なんて。とはいえそんな子供の夢を達成すると、色々困ることに......。なってるよね?  屋台出てたりしてエンジョイしてるだけど。流石に長続きするといろいろ良くないよね?」
 フォルトゥナリアも泳ぎながらそう呟くが、いつまでもこの状況にしているわけにもいかない。
「とりあえず……遊ぶ……それまで、イルカも休憩だね……」
「まあ、確かに今くらいはね……」
 フォルトゥナリアとレインはそんなことを言い合うが、レインは乗ってみたかったゴムボートに乗っていた。
 「冷たい物もゆっくり飲みたいけど……そんな余裕あるかな……船は乗った事があるけど……自分で漕いだ事はないから……今日は挑戦……頑張る……」
 けれど、オールというものは思うよりも重たいものだ。まあ、水をかくのだから当然とはいえるのだが。
「……最初から重い…… 全然動かない……少し…少しずつでも前に動いてる……と思う……でも……海へ出るまでに、何日かかるんだろう……依頼は今日までだから……ゴムボートは次の機会に再挑戦しよう……」
 まあ、慣れないうちは誰かにやってもらうのが一番いいのだが、そんなわけでレインは浮き輪に切り替えていた。
「浮き輪……1番……好きな時に泳げるし……疲れたら止まれるし……ゆらゆら……ちゃぷちゃぷ……波に身を任せるの……落ち着く……」
 なんだかウェールが同じようにぷかぷか浮いているのも見えるが、平和な光景だ。
「海……どんな風に無くなるんだろ……静かに……少しずつ減るといい……海の眷属としては複雑だけど……陸の人の海だから……」
 そう、元々此処に海があるのが変なのだ。
 しかし、今だけはこの状況を楽しめばいい。そうして、たっぷり遊んでゴーレムをどうにかして。
 そんな風に鉄帝での一日は過ぎていくのであった。あ、勿論夕方には町は元に戻って誰もが普通の生活に帰っていったそうである。

成否

成功

MVP

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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