シナリオ詳細
再現性東京202X:ええっ!? 駄菓子を食べた人間をいたいけな男児女児に変えてしまう夜妖が現れたのかい!? そいつは駄菓子屋でわちゃわちゃしてる子供たち(特におとこのこ)が大好きな奴でね! 特殊な夜妖フィールドを張って、その中にある駄菓子屋に人を誘い込んで、子供にしてしまうのさ! そこでイレギュラーズの皆にお仕事のお知らせだ! 君たちはこの夜妖のテリトリーに入り男児女児になって駄菓子パーティをした後夜妖をていやーするんだ! って依頼
オープニング
あとは流れでよろしくお願いします。
- 再現性東京202X:ええっ!? 駄菓子を食べた人間をいたいけな男児女児に変えてしまう夜妖が現れたのかい!? そいつは駄菓子屋でわちゃわちゃしてる子供たち(特におとこのこ)が大好きな奴でね! 特殊な夜妖フィールドを張って、その中にある駄菓子屋に人を誘い込んで、子供にしてしまうのさ! そこでイレギュラーズの皆にお仕事のお知らせだ! 君たちはこの夜妖のテリトリーに入り男児女児になって駄菓子パーティをした後夜妖をていやーするんだ! って依頼完了
- GM名洗井落雲
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2023年06月25日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●今日の依頼は
お子様になる依頼です。
それでは、
『闇之雲』武器商人(p3p001107)様。
『彼岸と此岸の魔術師』赤羽・大地(p3p004151)様。
『決別せし過去』彼者誰(p3p004449)様。
『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)様。
『守護者』水月・鏡禍(p3p008354)様。
『ひだまり猫』もこねこ みーお(p3p009481)様。
『紲家』紲 寿馨(p3p010459)様。
『あいいろのおもい』クウハ(p3p010695)様。
以上八名、よろしくお願いいたします。
●本編
「くっ、洗井落雲が雑にPC名をリプレイ冒頭に列挙するタイプの依頼だ!」
クウハが、くっ、と拳を握って空を見上げた。
晴れ渡る、午後の空模様である。
いや、厳密には、これは『夜妖』の生み出した空間であり、もしかしたら本当の世界は雨だったかもしれないし、そもそも突入したのは夜だったかもしれない。そういった常識は、既にこの場では通用しないのだ。ここは『子供たちが遊ぶのに適した午後の時間』であって、酷く茫洋としたあたりの景色は、公園のようにも、住宅街のようにも、あるいは学校や幼稚園のような場所の、校庭のようにも見えた。おそらく、観測したものの意識によって、それは変わるのだろう。平たく言えば、言ったもん勝ちワールドというアレである。
そんなふわふわとした世界で、共通認識として確実なのは、目の前にある古ぼけた駄菓子屋だった。記憶のないものにすら、どことなく郷愁の念を感じさせる、そんな古い駄菓子屋だ。これもまた、夜妖の認識への攻撃であるのか――。
「真面目な地の文申し訳ないけれどね」
武器商人が言う。
「この依頼――つまりあれだろう? よくある何でもありのやつ」
「武器商人さんが言うと、本当に何でもありのように聞こえてきますね」
エルシアが目を細めた。
「実際、混沌面白現象などそんなものなのですが。
ああ、やっぱり深緑の外は野蛮ですね!
深緑ではこんな面白現象など、あんまり起きないはずです!」
「あんまり、という所に現実と向き合おうとする気持ちを感じる」
大地が諸々諦めた表情で言う。
『ほんト、夜妖ってのはなァ……』
赤羽も、どこか遠い目をしているような気配を感じさせつつ、そう言った。何せ夜妖である。夜妖のせい、って言えばだいたい何とでもなるような空気が、このシナリオには存在した。
「まぁ……うん、いいですよ。諦めました」
鏡禍が、本当に全く、すべてをあきらめてしまったような表情で言った。
「僕も……好みの同人誌を人に観られたりドン引きされたり「こういうのが好きなんだー」って言われたりしましたから。慣れました、こういうシチュ。子供になるくらいなら、全然」
「それは……」
彼者誰が絶句した。それはつらい。とてもつらい。
「本気のトーンで同情されると、それはそれでつらいのですけれど!」
鏡禍が手で顔を覆った。彼者誰が視線を逸らしながら、
「なんにしても。今回の仕事が夜妖の退治なのは確かですね。そして、夜妖を倒すためには、一度敵の術中にはまらねばならない、というのも」
「それはそうなんだけどさ」
クウハが言った。
「それが――駄菓子食べて子供になる……なんだろ? 小学生とか、幼稚園児とかくらいの」
「みーおが子供になったら、子猫になるのですにゃ?」
みーおが言う。
「みーおは猫ですので、リアルな子猫になってしまうのですにゃ……?」
「洗井落雲の事だからね、いい感じの猫耳猫しっぽの子供になると思う」
寿馨が言った。
「洗井落雲のことだからね」
「洗井落雲さんは性癖に正直ですにゃ」
こまったようにみーおが苦笑した。いや、皆ももっと性癖に正直になればいいと思う。そうなった方が世界は平和だと思う。さておき。
「とにかく――さっきも言ったとおりに、敵の術中にはまらなければ、敵は倒せない」
寿馨が、ふむ、と唸った。
「というわけで――駄菓子を食べないといけないね」
「ヒヒヒ。ヨモツヘグイ、なんてことにならないといいけれどねぇ」
武器商人が笑うのへ、クウハが肩をすくめた。
「食べたらもう戻れない、か? 勘弁してほしいな……」
そういって、クウハが駄菓子屋に並んだお菓子を見つめた。そのどれもが、なぜか『どこかで見たことがある』様なものばかりだった。ここは再現性東京である以上、この駄菓子も、いずれかの世界の『東京』で出されていたものと同一か、限りなく似たようなもののはずだ。だからだろうか? いや、クウハは自分の子供時代などを知らない。だから、懐かしい、なんて思うのもそもそもおかしいのかもしれない。
最初のころも感じたが、やはり郷愁、という思いに近いのだろう。誰かの子供の頃の思い出の世界であり、誰の子供の頃の思い出でない世界でもある。あやふやで、現実的とは思えない感覚だった。ならば、武器商人の言うように、ここは黄泉の国で、ここに実っているのは黄泉の果実なのかもしれない。かじれば、もう、現実には戻れないのだ。
「もちろんそんなわけはないんだが」
クウハが、その考えを打ち消すようにつぶやいた。
「私は、駄菓子、というものには疎いのですが」
エルシアが言った。
「いいえ、もちろん、深緑の健康的で滋味やさしきお菓子はよくよくいただいておりましたけれども。
さておき、このようにパッケージングされたものはよくわかりませんね。
これは、梅酒のようなものですか?」
と、プラスチックの容器に、液体とともに封入されたすももをとってみる。
「みての通りのスモモですね。甘酸っぱく漬物にしてあるんです」
鏡禍が答えるのへ、感心したようにエルシアが頷く。
「なるほど、プラムの酢漬け、ですか。これは、頂いていいのでしょうか?」
店の中を見てみても、店員のようなものは見当たらない――いや、嘘だ。一行が『それを望んだ瞬間に』、それは現れる。望めば、あるのだ。だから、どこか懐かしさを感じる、見たことがあるようなないような、好々爺と言った感じの、お爺ちゃんないしはお婆ちゃんの姿が、目の前にあった。そうして気づいてみれば、ポケットとかカバンとか、或いは自分の手のひらの中に、数枚の硬貨が握られていることに気付いた。十円とか、百円とか、そう言うものだった。
「……いつのまに」
大地が、不審げな表情で、手のひらのコインを見つめる。
「これで、買ってください、ということですかにゃ?」
みーおが言った。どうにも、『そうしなければならない』様な気がしてくる。これも空間の効果だろうか。
「まぁ、虎穴にいらずば、というやつだね」
寿馨が言った。
「ここまで来たら、いっそ、買ってしまおう。そして、いっせーのせ、で食べるとしようか」
そういって、寿馨もまた、駄菓子を手にした。甘辛く味をつけた、イカの足の干物である。めいめいに、それぞれ気になる駄菓子を手に取った。なんだか宝物を手に入れたような気分になる。
『まぁ、まかせナ』
赤羽が言った。
『どんな理屈だろうガ――ま、俺達が罠にはまることはねぇサ』
それ絶対フラグだぞ、と思いながら、一行は駄菓子を購入して、いざ、とかじりついた――。
●子供時代
たぶん、これは夢の中の出来事である。
粘性の海で泳ぐような。
雲の中でもがくような。
どぷり、と、沈んでいくような感覚を、刹那、覚えた。
ただそれだけだ。
そこでいったん、連続性が途切れる。
地続きになっていた意識が途切れる。
ほんの僅かの断。瞬断された意識。その刹那の転換点で、世界はぐわりと大きくなった。
いいや違う。
もともと世界は、これくらい大きくて広かった。
大人になってから訪れた駄菓子屋が、酷く狭くて小さい襤褸屋だったとしても。
子供のころには、とても広くて大きくて、まるで宝箱をひっくり返したように見えたものだ。
今も見える。
当たり前だ。
今はそういうことなのだから。
『それ』は、3~4歳くらいの姿をしている。服装も、大体おんなじ。かぼちゃパンツをはいていたがそれはさておき。『前』と明確に違うのは、そのくりくりとした眼が、前髪に隠れていないことだろうか。
「ここ、どこ?」
『それ』はそう声を上げた。自分は何か、と考えれば、自分は『ちぅ』である。なので、ちぅは当然、ちぅとしてふるまうことにした。
「きらきらしたのが、たくさんある」
少しだけ背伸びしてみてみれば、木製の台の上に、色とりどりの宝石が転がっている。ああ、嘘だ。全部ビー玉だのスーパーボールだのおはじきだのなのだけれど、これを宝石と例えることは間違いではあるまい。
「……」
ちぅ、は、それを一つ拾い上げると、興味深げにみつめてから、ぱくり、と口に含んでしまった。
「わわ、だめですにゃ」
と、猫耳の子供が、それを止めた。
「たべものじゃ、無いですにゃ……」
「みーちゃん」
ちぅ、がそういった。名前はわかる。何故か。知っている人だと、思った。
「そうですにゃ……うう、みなさん、心まで子供に……?」
猫耳の少年=みーおが言う。みーおは、人間の少年のような体になっていたが、心は元のままだったようだ。どうやらこれにも個人差があるらしい。
「すーぱーぼーる、おっきいの、かっこいいの」
と、気づけばちぅの隣で、大地が壁に掛けられたスーパーボールを見つめて目をキラキラさせている。スーパーボールのくじだ。
「しょーたん、おっきのあてよ」
「うん、ちぃくん。ちぅ、にゃんにプレゼントしたいの」
『おいまテ大地! だめダ、こいつ聞いてねェ!』
赤羽の悲鳴が聞こえる――だが、大地はちぅと一緒に、くじの箱をガラガラとやっていた。
「参ったな……こりゃどうも……」
そういうクウハも、どうやら中身は大人のままらしい。ただ、姿は小学生くらいのそれで、チョーカーとパーカーはサイズに比べて大きく、ずるずると引きずっている。
「みーおは無事か。赤羽も……だが、これは……」
ちらり、と視線を送ってみれば、駄菓子屋の入り口から、中を興味深さ半分、恐怖半分で見つめるエルシアの姿見えた。もちろん、子供のそれである。
「異種族が、こんなに沢山!
異種族は人さらいだと教わっています……関わったら傭兵という国に売られてしまうのですよね……!」
「すげぇこと言うな……いや、まぁ、エルシアが子供の時くらいってそんなもんだったのか……?」
クウハが嘆息する。みーおも困ったような顔を向けるが、しかしエルシアの後ろにいた彼者誰――、
「俺はアンドレイ・マカロにぃち・トルストイ!」
アンドレイがそういう。エルシアが踊りたように目を見開くが、しかし逃げるようなことはしなった。たぶん、そのあたりの塩梅も、夜妖の仕業なのだろう。
「マカロニ……?」
「まかろにぃち!」
「マカロニ……?」
「それでいいよもう! 怖くない! 俺がいるから! 大丈夫!」
にっ、とアンドレイが笑った。エルシアがおずおずと、アンドレイと一緒に店内に入り込んでくる。
「おかし、たべます?」
物陰から、急に顔を出した鏡禍が、二人に声をかけた。
「おいしそうな、こたち。お菓子たべます?」
「お、脅かすなよ! 俺は大丈夫だったけど!」
「私も大丈夫でしたけど……!」
どきどき顔を赤らめながら、二人が言う。驚いたらしい。
「わー! すごい! ツノとかないけどアンタらどこの人!?
オレはひさか! フリアノンにすんでる!」
寿馨が、折り紙のセットを片手に、ピコピコと歩いてくる。そのまま、皆に向かって、
「おりがみできるか!? こんなに紙があるの、すごいよな!」
はしゃぐようにそういう。みーおが頭を抱えた。
「まずいですにゃ……」
「ああ、どうやら、無事なのは俺達だけか……」
クウハの言葉に、
『こっちもダ!』
赤羽が言う。とはいえ、大地の方は真っ青なスーパーボールに、ちぅと目をキラキラさせていたが。
「これ、どう収拾付ければいいんだ? みんな自由すぎるぞ?」
『これが夜妖の目的なんだロ?』
赤羽が言う。
『しょうがねェ。とにかク、皆が危なくないように様子見しつツ、遊ばせるしかねぇナ……』
「そうですにゃ」
みーおがいう。
「それに、ちょっと……わくわくもしますにゃ。体が人間みたいに大きくなったの、ROO以来ですにゃ」
「……一応気をつけろよ。気持ちが体の方に引っ張られてるかもしれねぇ」
クウハが咳払いをしつつ、
「赤羽の言う通り、これは作戦通りともいえる。なら、ひとまず流れのままに、遊んでみるか……」
はぁ、と嘆息しつつ、しかしどこか、みーおのように、わくわくしている気持に気付いた。あるいは体に心が引っ張られているのかもしれない。
「くぅちゃん……にゃあのあげるぅ」
と、ちぅがクウハに、猫の手のようなおはじきを手渡した。
「……ありがとな、慈雨」
そういうクウハが、少し微笑んだ。悪くはないと思ってしまったのだ。
「待て慈雨、棚はジャングルジムじゃねェ! 降りてこい!」
クウハの声が、駄菓子屋に響きわたった。見てみれば、棚の上にちぅがよじ登ろうとしている。
「くぅちゃん、あの一番上の棚の、びーだまほしいの」
「まってな、今全部降ろしてやる……」
クウハがそういって、手を掲げた。ポルターガイストのギフトが、ゆっくりと、あたりのものを持ち上げて、ふわふわと浮遊させる。
「わ、すごいです」
鏡禍が、びっくりして目を丸くした。
「くーはくんも、妖怪なんですか?」
「俺は」
そういって、頭を振った。
「さぁな。でも、この力は便利だったな」
ふわふわと、スーパーボールたちを持ち上げた。それを一斉に落とすと、ぴょんぴょんと一斉に、スーパーボールが飛びまわる。
「クー、すごいね」
大地が、楽しそうに飛び跳ねるスーパーボールを見やる。
「テーブル、こっちにありましたにゃ」
みーおが、クウハたちに声をかけた。ちょうどいいテーブルを探そうと店内を見回っていたみーおだったが、まるで当然のように、奥に小さな子供用のテーブルスペースがあった。
「かたぬきのおかしも、ありましたにゃ」
「型抜き?」
エルシアが小首をかしげた。
「それは、狩りごっこよりも疲れませんか?」
「なんだよ、もうつかれたのかー?!」
アンドレイが、ソフトビニール製のカタナを振り回しながら、店内に入ってくる。寿馨たちも一緒だった。
「てんぎの騎士になるなら、子供のころからこれくらいできないとダメなんだぞ!」
「私は深緑から出るつもりはないので……」
エルシアがフルフルと頭を振った。一方で、寿馨がくすくすと笑った。
「でも、楽しかった。しきがみと、皆で追いかけっこしたんだよ、くーは」
「そりゃよかった」
クウハが笑う。
「そうしたら、少し休んで、お菓子を食べようか」
「おれ、まだげんきだよ?」
大地が言うのへ、みーおが笑った。
「でも、せっかくだから、いっぱいおかしをたべたりしたいですにゃ」
「うう……でも、お母様に怒られたりしないでしょうか……」
エルシアがしょんぼりするのへ、鏡禍がぺんぺんと背中を叩いてあげる。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
それはまったく、根拠のない、子供の言う大丈夫、というものであったが、しかし子供にとってはそれで充分なのだろう。エルシアは、不安げに目の端の涙をぬぐいながら、
「うう……だいじょうぶ」
そういってうなづく。
テーブルの上には、いつの間にか、型抜きのお菓子が用意されていた。危なくないように、画鋲くらいのサイズの針が置いてあって、それでつついたり彫ったりして、かたぬきであそぶのだ。どういうわけか、よく冷えた水が置いてあって、近くには粉ジュースのもとも置いてある。とかせば、チープな味のジュースになる。でもそれは、子供たちにとってはパーティのたしなみに間違いないのだ。
「きょーか、お菓子はんぶんこしよう!」
アンドレイがそういうのへ、鏡禍が持っていたお菓子を、テーブルの上に並べる。
「これ、あたりのあるやつです」
「あたったら、それも半分こだ」
寿馨がにこにこと笑いながら、買ってきたお菓子を一緒に並べた。
「皆はどの駄菓子が好きですにゃ?
みーおは……おさかなカツとかおさかなせんべい好きですにゃ。
この小さなヨーグルト? も。
おじゃがフライのチキン味とかもおいしいですにゃー!」
みーおがそういうのへ、エルシアが頷く。
「すもも……」
「あまずっぱくて、いいよね」
大地がうんうんとうなづいた。
「慈雨は何が好きだ?」
クウハがそう尋ねるのへ、ちぅは、むー、と唸ってから、
「くぅちゃんとたべるのが、一番すきぃ」
そういって、満面の笑顔を浮かべた。
「そっか。ラムネ食べるか?」
そういって、クウハが、ちぅにラムネを食べさせてあげた。ちぅが、とても幸せそうに、笑う。
「かたぬき、できたひと、いるの?」
「これ、難しい……」
「わ、われちゃった!」
「もう一枚ください……」
「ジュース、あたらしいのかってくる!」
「ねぇ、またスーパーボールのくじひこうよ!」
「危ないから、はしっちゃだめですにゃー」
「くぅちゃん、たなのうえの、とって」
「ぜいたくに、この平べったい奴、かさねてたべちゃお!」
それはつたない宴席であり、かけがえのない思い出だった。
誰しもが、持っている想いでであって。
あるいは、持ってはいないものでもあった。
ただ、少なくともこの空間にいた者は満ち足りていたし、まるでこの一瞬が永遠に続くように思えたものだ。
太陽が、大人のころよりもずっと長く顔を出してくれて、夜が、大人のころよりもちょっと短かった時。
世界は、大人のころよりずっと広くて、空はずっと高くて。どこまでいけると、幸せな勘違いをしていた時。
その小さな体に、無限の力と夢を詰めて、大人になってしまえば笑ってしまうくらいに小さな幸せで、ずっとずっと満たされていた、そんな時。
それを、切り取った、時間。それを、永遠だと勘違いしていた、小さくも幸せな生命たち。
「尊いよねぇ~~~~~~~~~~~~~~」
なんかいた。
なんか言った。
子供たちがふと見上げれば、露骨に怪しい何かがいた。
「あ、続けてください」
なんか言った。
「私、この事態を引き起こした夜妖です……いやぁ、子供たちが屈託なく遊んでるのっててぇてぇよなぁ~~~~~~~~。
それがこう、僕みたいな汚れた大人の原動力になるっていうか。明日も頑張ろうって気持ちになるんですよね。
あ、私は決してその、邪な気持ちで子供たちを見ているわけではなくて。
むしろ元気をもらってるっていうか」
『死ネーーーーーーーッ!!!』
赤羽が叫んで鋏でバチンした。ぎゃあ、と声を上げた刹那、夜妖がじゅわ、と音を立てて消えた。
そうなると、気づいたら、再現性東京の公園の一角で、いい歳した大人たちが顔を突き合わせている絵面になった。
もうない。
あの貴い時間は、消えてしまった。
「……帰りましょうか」
少し寂し気に、エルシアがいった。お母さんのことを、強く思い出していた。
「じゃあ、解散で……」
そう、彼者誰が言った。ひどいラストだったが、でも、あのどこか、幸せな気持ちを汚したくはない。
皆は気恥ずかしそうな、楽しかったような、そんな苦笑を浮かべながら、現場を後にした。
あとには思い出だけが残っていて、それは昔日の真実のような錯覚を残してくれた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
子供っててぇてぇ……(お縄になりながら
GMコメント
お世話になっております。洗井落雲です。
これはリクエストシナリオなので僕は悪くありません。
●成功条件
体が子供になった状態で、存分に駄菓子屋で駄菓子とかおもちゃで遊んで子供時代を満喫した後にでてくる、つやつやてかてかして満足げな夜妖をていやーして帰る。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●OPタイトルが読めなかった人のためにOPタイトルを記載しておきます。
ええっ!? 駄菓子を食べた人間をいたいけな男児女児に変えてしまう夜妖が現れたのかい!? そいつは駄菓子屋でわちゃわちゃしてる子供たち(特におとこのこ)が大好きな奴でね! 特殊な夜妖フィールドを張って、その中にある駄菓子屋に人を誘い込んで、子供にしてしまうのさ! そこでイレギュラーズの皆にお仕事のお知らせだ! 君たちはこの夜妖のテリトリーに入り男児女児になって駄菓子パーティをした後夜妖をていやーするんだ! って依頼
●状況
タイトルの通りです……というのもなんですので、シナリオの内容を簡単に記しておきますね!
いわゆるショタっこなどの「子供」が駄菓子屋で健康的に遊んでいるのを見るのが大好きな夜妖が現れました!
この夜妖を倒すためには、夜妖のフィールドである「皆子供になっちゃえ空間」に入り、子供になった状態で駄菓子屋で駄菓子パーティとか、駄菓子屋で売ってる感じのおもちゃで遊んだりしないといけません!
存分に遊んだり駄菓子パーティをしたりすると、夜妖が出てくるのでていやーして終わりです。
ちなみに、特記事項を記載しますと、
『この空間にはいると、皆『男児or女児になる』。性別は不問だが、希望するなら好きな性別に変えてくれる。性癖の赴くままにすきにやれ!』。
『知能の程度は、参加者の自由で決めてよい。大人が子供のふりして恥ずかしがってもいいいし、天真爛漫な子供程度になってもよし。性癖の赴くままにすきにやれ! 目いっぱい子供を満喫して、最後に正気に戻って恥ずかしがる大人の男とか僕は好きです』。
『服に関しては、そのままのサイズでだぼだぼになってもいいし、夜妖パワーで男児女児服になってもいい。性癖の赴くままにすきにやれ!』。
だいたいこのような感じです。あとは流れでよろしくお願いします。
●エネミーデータ
健全な男児女児が駄菓子屋で楽しんでいるのを見るのが好きすぎる洗井落雲みたいな夜妖 ×1
いいよね……いい……。
みんなが駄菓子屋で満足するまで遊んだら現れますので、適当にていやーしてください。
以上、よろしくお願いいたします。
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