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シナリオ詳細

<被象の正義>それはまるで、悪い夢のような

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●異言都市の現状
「■■■!? ■■ーーー■?」
「■―■ーー■■■■、■■」
 異言を話すもの(ゼノグロシアン)たちが、不可思議な会話をしている。
 此処は天義の巨大都市テセラ・ニバス……いや、そこを侵食して現れた『異言都市(リンバス・シティ)』だ。
 無数の街区によって区切られた巨大都市の街区の1つである此処は、どうにも妙な場所だ。
 街区にはまるでパーティーのような飾り付けがされており、陽気な音楽が常に流れている。
 妙に狂気を含むかのような不可思議な旋律を除けば、本当に陽気な音楽だ。
 道にも屋根にも、音楽に合わせ陽気に踊っている料理たちがいる。
 そう、料理だ。よく焼けた鶏肉やお皿に乗ったステーキ、ケーキにキャンディにジュースに酒。
 ウインナーにバーガーにポテトにサラダ。
 ありとあらゆる料理が陽気に飛んで踊っている。
 よく見れば建物はお菓子で、道の舗装はクッキーだ。
 まるで夢の中のような……どちらかといえば悪夢寄りの、そんな光景。
 こんなものが「普通」であるはずがない。 
 此処は本来はテセラ・ニバスの一角でしかないはずなのだ。これが異言都市……つまりは、そういうことなのだろう。
「……これもまた美しさ。そう思いませんか? 『遂行者』たるエクス」
「ああ。これが正義の為された姿であるだろう」
 エクスと呼ばれたソレは、街区の中央の時計塔のような場所の屋根から街区を見下ろしていた。
 全身鎧の騎士にも、あるいは機械や鉄騎種のようにも見えるその姿では、表情はあまりよく分からない。
「しかし、警戒せよ『致命者』たるトーラ。歴史修正を阻む者は現れるだろう」
「お任せください。此処は私が、この命に代えても」

●街区を切除せよ
「テセラ・ニバスの件についてはもう聞いていると思うです」
 【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
『異言都市(リンバス・シティ)』となったその場所を取り戻すための戦いはすでに幾つかその号令が上がってはいるが、まさに手が全く足りていないのが現状だ。
 無数の街区に分かれて存在するリンバス・シティはその1つ1つを切除し取り戻していくしかないからだ。
 しかし幸いにも「切除」の方法は分かっている。
 リンバス・シティはその街区の一つ一つに、『聖遺物』や『祝福された物品』『秘跡』などが存在する。それらはすでに汚染され、『ワールドイーター』の核となっているのだ。
 この『聖遺物などを核にしたワールドイーター』を倒すためにリンバス・シティに潜入し、街区の切除と奪還を行えばいいのだ。
「今回の街区……『飽食街区デルゲス』にも、該当となるワールドイーターがいるです」
 それがワールドイーター『サンディッシュ』だ。
 丸く平べったいお皿が輝き、練達の漫画のような「太陽」の如き姿になっているのだという。
 とても陽気な笑顔を張り付けたその姿は、このデルゲスにとても良く合っていて、それ故に不気味だ。
 しかし、このマスカレイドこそが聖遺物『聖餐の皿』を取り込んだワールドイーターなのだ。
 これを倒すことで、街区を取り戻すことができるだろう。
「危険は多いです。けど、皆さんなら出来ると信じてるです」

GMコメント

ワールドイーター『サンディッシュ』を倒し、街区を取り戻しましょう!
飽食街区デルゲスは何処にいっても何らかの食べ物や飲み物、お酒などがあり、その全てが陽気に踊っています。
道も家も全部お菓子です。
また、常に何処からか陽気な音楽が流れているようです。

【特殊ルール】
・この町にある料理、お酒などの食べ物類は全て飲食可能な代物です。
食べると【HP回復】【副行動がしばらく「陽気なダンス」になる】【AP回復】【主行動がしばらく「3回転ジャンプ」になる】【次の攻撃の威力が2倍】の何れかの効果を受けます。

・サンディッシュは「暗闇」を食べます。デルゲスのどの場所にも、闇や影は存在しません。

●出てくる敵
・『ワールドイーター』サンディッシュ×1
陽気な笑顔のついたお皿が漫画の太陽の如き輝きを放つ姿をしています。
元になった聖物は普通の白いお皿らしいです。
町中を飛び回り、強力な「サンレーザー」を放ちます。

・『異言を話すもの(ゼノグロシアン)』×不明
 住民が狂気に陥り、『異言(ゼノグロシア)』を話すようになってしまった状態です。
 生かしたまま倒すことで正気に戻すこともできます。
 建物の中にいたり、ボートに乗っていたりします。
 攻撃方法は黒いエネルギー球を放つ『異言怪弾」です。

・踊る食べ物や酒、飲み物など×不明
空中を浮遊しながら町中で踊っている食べ物や飲み物たちです。
魔力弾を放って攻撃してきます。食べて倒すこともできますが、特殊ルールが適用されます。
サンディッシュが消えると同じく消え去る運命です。

・影の天使×6
羽の生えた鎧の兵士の姿をしており、倒す事で消滅をするようです。
剣を掲げ、何かに祈り続けるかのような仕草を見せる事が多いようです。
武器は剣による近距離攻撃と、剣から放つ波動による中~遠距離攻撃です。

・『致命者』トーラ
大きな盾を掲げる少女の姿をしています。
かつてアドラステイアの渓に落とされた少女の姿にもよく似ていますが、どうやら本人ではありません。
盾から衝撃波を放つ攻撃と、範囲の味方を癒しBSを解除する「天意の歌」を使用するようです。

・『遂行者』エクス
運が良ければ街区の中央の神殿の上にその姿を見ることが出来るかもしれません。
すぐに居なくなるので、今回は対応を考えなくて大丈夫です。

  • <被象の正義>それはまるで、悪い夢のような完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年04月08日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)
アネモネの花束
彼者誰(p3p004449)
決別せし過去
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
ココロの大好きな人
岩倉・鈴音(p3p006119)
バアルぺオルの魔人
ファニー(p3p010255)
クウハ(p3p010695)
あいいろのおもい

リプレイ

●ゼノグラシアン対応班
「道も家も全てお菓子で食べ物飲み物もある、闇も影もない街。偽の太陽に照らされた……不自然な異言都市。ワールドイーターを倒して、街区を奪還しないとね」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)の、そんな言葉が響く。
 そう、此処は此処は天義の巨大都市テセラ・ニバスの一街区であったはずの場所だ。
 今となっては異言都市である飽食街区デルゲスとなってしまっているが……その結果がヨゾラの言った光景だ。
 周囲には影1つなく、何処から流れているかも分からない陽気な音楽が響き、町のあちこちに様々な料理が飛び交っている。
 どれもかぶりつきたいくらいに美味しそうだが……それは危険性をも伴うものだ。
 そしてこんな状況だからこそ、班を2つに分けて対応しており……ヨゾラはゼノグロシアン対応班の1人だった。
 飛び交う料理の数々は敵でもあるが、その料理を格闘術式で砕きながら『決別せし過去』彼者誰(p3p004449)は溜息をつく。
「残念です。料理は作るのも食べるのも大好きですのに。こんな風に使って、あげく悲しませるなんてね、この俺が許すわけないでしょう?」
「まあな。お菓子の家なら可愛げがあるけどさ。道路も建物も何もかもが食べ物って結局土足で踏みにじって粗末にしてんじゃん。トイレもお菓子かなワッハッハ」
 『タコ助の母』岩倉・鈴音(p3p006119)が彼者誰相手にそんなギャグをかましている横では、アティ・バルドーが適当な料理を齧って食べている。
「喰う。その為に呼ばれた。闇もないこの街で出来るとすればワタシの役目はきまっている。空に浮かぶ食べ物を片端から食いまくる。無駄なガチャだかリスクだかは除去してやる。鈴音が食い物にてを出す暇も与えないぞ。てを出そうとしたのから頂く。フィールドも明るければいいと言う訳じゃない。陽気な音楽じゃバトルに身が入らないだろ。音楽が止まるまで食ってやる」
 どうやらリスクもある食べ物担当のようだが、食べ過ぎたせいか3回転ジャンプしながら陽気なダンスを踊っている。
 此処の何処かにいる『ワールドイーター』サンディッシュを倒さなければならないが、こうした食べ物たちやゼノグラシアン……様々な問題がある。そしてどうやら、この街区にも『遂行者』エクスがいたようだった。
「エクスの野郎、また性懲りもなく……どうせ今回も致命者に指示を与えるだけなんだろうが……いい加減自分が戦えってんだ」
 『Luca』ファニー(p3p010255)もそう苛立つが、此処でどうにもできないのも確かなことだ。
 だからこそ、家の中から出てくるなり襲い掛かってきたゼノグラシアンに凶運の四番星を降らせる。
「出たか……!」
 鈴音の神気閃光が殺さないように倒し切り「これで何人目だったか……」とファニーが呟く。
 ゼノグラシアンたちを無力化するのがゼノグラシアン班の役目であり、それは後々邪魔されないようにという意味もあるが、決して不可能ではないはずだった。
「この調子でいこう。全員を少しでも早く救うんだ」
 ヨゾラは鳥のファミリアーやハイセンスを活用し周囲警戒と偵察を怠らないようにしていた。
「……僕等やファミリアーの影も食われるのかな」
 この街区のワールドイーター「サンディッシュ」は影を食う。だからこそ来る可能性もあったが……今のところ、その姿はない。
 倒れたゼノグラシアン……いや、気絶した住人たちは目覚めれば正気に戻るだろうが、彼者誰は可能な限りドレイクチャリオッツに乗せて安全そうな場所に運んでいた。
 とはいえ、この状況では安全そうな場所など「家の中」くらいしかないのだが。早くこの街区を切除して元に戻さなければならない。
「そもそも普通の動物の餌食になるんじゃないかこの街?」
 シュークリームをつついている福々雀を見ながら鈴音がそんなことを呟くが、普通の雀ではこの場所に影響されてしまうかもしれないので……まあ、そう上手くはいかないといったところだろうか?
「■■■ーーー!」
「君達は死なせない。絶対助けるからね……!」
 此方を見つけて襲ってくるゼノグラシアン相手にヨゾラの神気閃光が炸裂し、一撃で気絶させる。
 ゼノグラシアンと化した住人が後どれだけいるかは分からないが……こうした地道な活動が、もう一班の仲間たちの役にたつのは、恐らく間違いない。
「料理を無駄にするような人は罰当たりですよ、とある国ではね!」
 空跳ぶ料理相手に彼者誰がそう叫ぶが……まあ、此処では「これが普通」。それもまた異言都市の正義というものなのだろうか?
「悪いな、御伽話の世界みたいで俺様はすきだが、生憎と遊んでいる暇がないんだ。恋人がやけにイラついてるしな。さっさと終わらせて帰りたいんだ」
 ファニーが襲ってきたチキンを降りしきる二番星で撃ち落としながらそう言うが……もう一班もまた、中々に苦労しているようだった。

●サンディッシュ班
「ワハハハハハハハハ」
「あ、逃げやがった!」
 何処かに飛んでいくサンディッシュを見ながら『悪戯幽霊』クウハ(p3p010695)は声をあげる。
「街自体は割と好みなんだが、闇も影もないってのはな……。つーか、あの妙な皿やたらと気に触るんだよ。アレがあるっつーだけでイラついてくる。俺自身が影の性質だからかもしれねーが……。あぁ…今すぐにでも潰してェ……」
「おやまァ、クウハってばあんなに張り切って。よっぽどあの皿が気に食わないとみた。骸骨のコも、脆いからアイゼンシュテルンには巻き込まれない様にしてほしいねえ」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)はクウハにそう言いながら、ファニーのことにも気を向ける。
 広域俯瞰で敵を索敵している武器商人ではあるが、サンディッシュは本気で街区中を飛び回っており、捕まえるのには相当な手間がありそうだ。
「こうなる前のデルゲスも確かに天義でも有名な飽食街区だが、流石に料理が飛んでるトンチキな街じゃあなかったよな……あのご機嫌なツラの皿が聖遺物の成れの果てってのは頭が痛ぇ事態だが、まぁ……うん。さっさと片付けるか」
 『鳥籠の画家』ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)もそう呟くが、料理が町中を飛ぶのは練達か鉄帝くらいのものである。いや結構あるな。さておいて。
「ファンシーでメルヘンな雰囲気は良いと思うのだけれど……。ちょっとしたセンスのズレが残念だっただわね、次があるなら期待してるのだわ」
 『蒼剣の秘書』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)もそんな批評家のようなことを言うが、実際方向性は華蓮的にはOKのようだ。
「まあ何かしら? メルヘンなのは嫌いじゃないから、世界観に乗っかるのも悪くないだわね。戦闘に影響のないタイミングでなら、ちょっとくらい食べてみても…………良いでしょう、三回転ジャンプしながら楽しくダンスしてやるのだわ!」
 1度サンディッシュを逃がしたからにはしばらく時間はある。だからと華蓮は近くにあったドーナツにかぶりついてみるが、味は中々の上物だ。
「鴉のファミリアーを連れてきているから、今の内に周囲を見て来てもらいましょう。ヒメっていう名前の子なのだわ」
 そうして華蓮はヒメを飛ばすが……その後何故かテンテケテンと陽気なリズムで陽気なダンスを踊ったりしてしまう。
「おお、愉快愉快」
「想像となんかちょっと違うのだわ!」
 人によってダンスの内容も違うのかもしれないが、武器商人には面白かったらしい。
「しかしまあ、確かに少し落ち着いたな」
 華蓮の愉快なダンスにクウハも多少心を落ち着かせ、この後の作戦を確認する。
 元々はサンデッシュとの戦闘中、致命者、影の天使が援軍に加わると予想し、誘き寄せる方針だった。
 今回はサンディッシュがアッサリと逃げてしまったが、此方も準備が完全に整ってはいなかった。
 だからこそクウハは広域俯瞰とエネミーサーチで索敵し、念のためにオラクルにも頼ってみる。
 更にはハイテレパスによる連携も忘れてはいない。
 食べ物類は可能な限り相手にしないつもりだった……が、放っておくと魔力弾を放ってくるので迎撃せざるを得ないのは辛いところではあった。というか食べ物や飲み物が引っかかりまくるので、なんともうざったい相手ではあった。
 だからこそこの班ではある意味、ベルナルドがカギであったのだ。
「事態を解決するにはサンディッシュを叩くしかねぇ。とはいえ、こんな視界の悪い街の中で探すのも面倒だ。なので奴の方から来て貰う」
 というわけで、ベルナルドが描き始めたのは「影の絵」だ。先程の戦闘でサンディッシュが影を食うのはもう分かっている。
 だが偽物の影を描いたところでワールドイーターが引っかかるかは未知数だ。だからこそベルナルドたち自身の「本物の影」が重要となる。いわばこれはおびき寄せるための残機であるわけだが……そこに視覚で混乱させようというわけだ。
「リアリティが薄けりゃ幻影も混ぜて影の沢山ある場所を演出するとして、近づいた先には罠設置といくか。お皿の大敵、油汚れを飛ばしてやろう。レーザーの威力が弱まるかもしれねぇからな」
「おお、流石だね。これなら来るんじゃないかな」
「だといいんだがな」
 武器商人に応えながら、ベルナルドはそれを描き上げていく。
 そうして出来上がった影の絵は中々の傑作で、あとはどの程度騙しが効くかといったところだが……やってきたのは、ある意味で予想外、ある意味で予想内の客だった。
「……何やら妙な動きをしている者がいると思えば。サンディッシュをおびき出そうというのですね」
「お、出たね。早速始めようか」
 武器商人のその視線の先にいるのは、羽の生えた者たち。すなわち『致命者』トーラと影の天使たちだ。
「ワハハハハハハ!」
「……チッ、考え無しめ。やはり来てしまいましたか」
 そこにサンディッシュも飛んできたのを見て、トーラがあからさまに舌打ちをする。
「チョロチョロウゼェんだよ!!とっとと死ね!! つーか、影の天使はいいのかよ!! 影だぞ!! 同士討ちでもしてろ!!」
 クウハがそう声をあげアイゼン・シュテルンを放てば、神弓「桜衣」に神罰の一矢を番えた華蓮もいつでもベルナルドを庇える態勢に移り、武器商人の衒罪の呼び声が響き渡る。
 そしてベルナルド自身、ワールドエンド・ルナティックを放つと近くを飛んできたクロワッサンにガブリと噛みつく。
 サックサクに焼けたクロワッサンは美味しく、なんだか何かが回復したような気すらする。
「今日の俺は大食いだ、ちょっとの量じゃ満足しないぜ」
 たっぷりバターの味わいがベルナルドの食欲を刺激する。そして……そこにヨゾラたちゼノグラシアン対応班が合流する。
「よし、着いた! オールハンデッドで命中を上げていく! みんな頑張れ!」
 鈴音の軍銃帯の号令が響き渡り、ファニーが一歩前へ出る。
「さぁ待たせたな、真打登場、愚者の行進を始めようか」
 サンディッシュへとファニーが指先の一番星を降らせれば、彼者誰もレジストクラッシュを知覚の影の天使へと放つ。
「こんなおかしな状態が正しい歴史な訳あるか! 『聖餐の皿』も…この街や街の人達も、全部返せーーーー!!」
 トーラへと、凄まじい威力のヨゾラの星の破撃が炸裂して。それを起点にして、敵の陣容が崩れていく。
 やがてサンディッシュが砕けた跡から落ちてきた一枚の白い皿を、武器商人は上手くキャッチしていく。
 崩壊していく景色の中から現れていくのは元のデルゲスの姿だが……そこには、勿論食べ物など飛んではいない。
 ヨゾラも取り戻した元々の聖物である『聖餐の皿』の状態確認をしていくが……特に異常な点は見受けられない。
 何かあったら破壊しなければならないと思っていただけに、ホッと安堵の息を吐く。
「聖餐に使われたお皿、なんだろうけど……あの奇妙な状態は聖餐とは違う気がするよ」
 住民たちもまた気絶したままだが、おかしなところもなさそうだ。あとで暖かいスープを振舞うのも、またいいだろう。
「やれやれ、騒がしい街だったな」
 ファニーがそう呟いて。ヨゾラも、餅に戻っていく街区を見ながら思う。
(僕は……真っ暗闇は苦手だけど物陰や人等の影や闇はあっても良い気がした。それも、こうなったからこそ分かったことなのかもしれないけれど……)
「日々の風景は、星空は……闇も光もあってこそ綺麗、かな」
「ったく……。そもそも光は闇があってこそのモンだろ。暗闇を無くそうなんざナンセンスなんだよ」
 クウハもそう同意する。そう、それこそが正しい美しさというものなのだろう。
「罪なき人の犠牲を伴う美なんざ、天義の画家たる俺が許さねぇ。エクスとやら、首を洗って待ってろよ!」
 そんなベルナルドの決意が、元に戻った街区に響く。その想いは……いつか、エクスへと繋がる縁となる……のかもしれない。

成否

成功

MVP

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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