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シナリオ詳細

<帰らずの森>ドラネコ流自己防衛術

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ドラネコだって自衛する
 それを誰かが見たらザワついただろう。
 そう、空にそれはいた。ドラネコ……そう、ドラネコなのだ。
 空を飛ぶ巨大なドラネコ。巨大な亜竜ですら気圧されそうな、巨大なドラネコ。
 しかしそれをよく見れば「違う」と気付くかもしれない。
 何が違うのか? その答えは「ドラネコだが巨大なドラネコではない」という点である。
 よく……よーく目を凝らしてみれば分かるだろう。
 それは1匹のドラネコではなく、無数のドラネコによって形成された「巨大ドラネコの形の群体」なのだ。
 何故そんなことになっているのか……その答えは単純だ。
 そう、ドラネコだって自衛する。
 かわいさで世の中を渡っているドラネコだって、その状況がどうやっても通じない状況というものがあるのを知っている。
 だからこそ、ドラネコたちはそんな時の為の自衛の手段も持っている。
 小さな魚が集まって大きい魚に自分たちを見せかけるように、ドラネコたちも巨大ドラネコに自分たちを見せかける手段を持っているのだ。
 それだけではない。色合いも見事に調節され、目や口、ヒゲなど……パッと見では本当に巨大なドラネコにしか見えない。
 そのドラネコたちが向かう先はフリアノン。ひとまず安全そうな場所を見極めるのは、ドラネコの本能であるらしい。

●ドラネコを迎え入れろ
 フリアノンにドラネコが向かってきている。そう言ったのは『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)であった。
「えっと……それ自体は普通、ですよね?」
「うむ。それだけならの」
 『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)に相賀は頷く。
 そう、フリアノンにドラネコが来ること自体は普通だ。なんなら相賀の頭にも今1匹乗っている。
 しかし、今回は「巨大ドラネコ移動」であることが問題なのだ。
 巨大なドラネコに自分たちを見せかけているのは、安全な移動を確保するために他ならない。
 つまり、ドラネコたちは何かの危険を感じ取っているのだ。
 それがドラネコたちを追っているのか待ち構えているのかは分からないが……恐らくは後者であるだろうと考えていた。
 ドラネコは結構勘が鋭い。危険な場所にはまず行かないし、行ったとして安全マージンが凄い。
 そんなドラネコたちが危険を冒して移動する以上は、何らかの危険が待っていることを感じ取っているのだ。
 それ故に「巨大ドラネコ移動」は何かの危険の知らせであるとも言われている。
「まあ、多少調べた結果じゃが……バジリスクランナーの群れじゃの」
 バジリスクランナー。亜竜の仲間であり、強靭な足で勢いよく走る全長2mほどのトカゲのような姿をしている。
 衝撃を地上や空中に放つ能力を持っており、性格は極めて獰猛。しかし、フリアノン近くまでやってくるような亜竜ではないはずだった。
「ピュニシオンの森の状況が影響しとるんじゃろうが……どっちもほっとくわけにはいかん。ドラネコを無事にこっちまで誘導してくれるかの?」

GMコメント

バジリスクランナーたちはある程度ダメージを与えると逃げていきます。
フリアノン近くの岩場で無事に撃退し、ドラネコを迎え入れましょう。
なお、恐らく戦闘終了後にドラネコが到着しますが……もう戦闘がないとドラネコが判断した場合、好き勝手にフリアノンに向かって飛んでいく「ドラネコ流星群」が発生する可能性があります。
ダメージはありませんがモフモフにフリアノンまで運ばれていく可能性があります。
はい、というわけでドラネコに多めにプレイング割いて平気です。

●出てくるモンスター
バジリスクランナー×30
走る全長2mほどの巨大トカゲ型亜竜。
衝撃で敵を吹っ飛ばす「インパクトショット」と強靭な足でキックを繰り出してきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <帰らずの森>ドラネコ流自己防衛術完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年04月02日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
赤羽・大地(p3p004151)
彼岸と此岸の魔術師
ウルリカ(p3p007777)
高速機動の戦乙女
メイ・ノファーマ(p3p009486)
大艦巨砲なピーターパン
刻見 雲雀(p3p010272)
最果てに至る邪眼
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者
風花 雪莉(p3p010449)
ドラネコ保護委員会

リプレイ

●バジリスクランナーを追い返せ
 今日のフリアノン近辺の空は快晴。気温も大分春めいて暖かく、過ごしやすい日だ。
 しかし……そんなこの場所は今、かわいいのと怖いのが同時にやってくる予定の戦場となっているのだ。
 だからこそ、選ばれた8人のメンバーが此処に集まっていた。
「ドラネコ流星群……なんかとてもすごそう。もふもふか~……」
 言いながら笑顔でうっとりしているのは『大艦巨砲なピーターパン』メイ・ノファーマ(p3p009486)だ。
「ボクのドラネコもつれてきたんだ。たまには他のドラネコと会わないとさびしいと思うんだ~」
「確かにたくさんのドラネコが集まるからね。正解かもしれないね」
「でしょ?」
「それに沢山のドラネコが集まった、巨大ドラネコ移動……きっとすごく可愛い……! でも、それだけドラネコが危険を感じてるって事なんだね……危険はさくっと追い払うよ! そしてねこタイムだー!」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)はそうメイへと言いながら周囲に保護結界を使用していた。
「巨大ドラネコに安心してもらう為にも少しでも周辺の破壊を抑えないとね」
 そう、此処はドラネコたちの通過予定地点。此処を守ることでドラネコたちの安全が確保できるというわけなのだ。
「前にうちの図書館まで遊びに来てくれた人が、ドラネコに関する書籍を探していたが……なるほど、あれが噂のドラネコか、実物を見るのは初めてだ」
「奴等なりの知恵でああやって自衛してるんだろうガ、根本的な解決にはなっちゃいねェ。俺達デ、何とかしてやらねぇとナ」
 『彼岸の魔術師』赤羽・大地(p3p004151)は雲雀にテスタメントを使用し、広域俯瞰の効果を高める事で敵軍の早期発見を目指していた。
「どうだろう、少しは索敵の助けになるだろうか?」
「ああ、勿論だよ」
 『最果てに至る邪眼』刻見 雲雀(p3p010272)はタイニーワイバーンに乗って飛行しながら広域俯瞰でバジリスクランナーたちが近づいてくるのを見る。こうして俯瞰してみれば、彼我の距離はバッチリ確認できる。
「ドラネコ流星群……字面でどうしても首を傾げてしまうんだけど、流星のようにやってくるドラネコの群れはさぞ可愛いことだろうね……もふもふだろうね……あんな愛らしい動物を脅かす脅威は徹底的に排除して然るべきだね! よし、ぱぱっと片付けて安全確保といこうか。猫を脅かすものに慈悲を与えるつもりはないよ、少なくとも俺はね」
 実のところ、巨大ドラネコもすでに識別できる距離にまできている。速度的にはバジリスクランナーのほうが速いのは間違いないが。
「ほほぅ、あれがドラネコ……。自身を大きく見せる……魚群と違ってこちらは編隊飛行なので難易度は段違いでは? 何かしらのテレパシーとかあるのでしょうか。それとも単なる一体感? 多くのイレギュラーズを虜にするその愛らしさも、通用しない相手がいたのですね……」
 『高速機動の戦乙女』ウルリカ(p3p007777)も感心したように頷くが、確かに綺麗に巨大ドラネコに見せるための編隊飛行は凄まじい連携と言わざるを得ない。
 模様にしろ顔にしろ、こうして見ると本当に巨大なドラネコがいるかのようなその姿はウルリカも思わず感心してしまうほどだ。
「ドラネコさんのピンチなんですね?! みなさん、急ぎますよ……!」
「桜前線が去ったと思ったらドラネコ流星群なんて、忙しないわねぇ。でも、フリアノンに生まれ育って21年経つけど正直ドラネコ流星群って御伽噺だと思ってたし……見られるかもしれないのは楽しみなのよね、ふふん! ……しかし、一匹でも触ると「はわぁ~」って頬が緩んじゃうのに沢山いるなんてどうなっちゃうの!」
「大丈夫です、どうにかはなります!」
「ユーフォニー!?」
 『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)と『秦の倉庫守』秦・鈴花(p3p010358)もそんなことを言い合っているが、ユーフォニーの気合の入りっぷりたるや流石である。
 リーちゃんを召喚し、先行させ感覚世界使用で五感共有することでバジリスクランナーの来る方向をいち早く発見したのもユーフォニーであった。やはりドラネコ関連ということで気合が入っているのだろうか?
「魚が群れを成して大きく見せて天敵から身を守るというのは書物で読んだことがありますけれど、ドラネコさん達も同じことをするんですね……! 見てるものを圧倒するほどの巨大なドラネコさん、お見事です」
 『ドラネコ保護委員会』風花 雪莉(p3p010449)もそう頷くが、まあ小さきものが身を守ろうとする時にはやはりそうなるのだという貴重な実例であるのは事実だろう。
「でも、普段のんびりしてるドラネコさんがそんな事をしてまで身を守らないといけないというのは、それだけ切羽詰まっていると言う事でもありますよね。まずは目の前の問題から片付けてフリアノンまで無事に誘導しましょう。けれど……これだけのドラネコさん達がやってきたらフリアノン中にドラネコさんが溢れてしまうかもしれませんね。長距離移動するとお腹もすきますし、あらかじめエキスパートで強化した料理でドラネコさんが好む食べ物を用意しておきましたが……」
 なるほど雪莉の言っていることは理に適っている。あとはその量で足りるかという話と、フリアノンに元々いるドラネコが食べちゃうのではないかという話だが……その答えを知る前に、どうやらバジリスクランナーたちがやってきたようだ……!
「来たわね! 何はともあれ、ドラネコを苛める奴を追い払いましょ。フリアノンの秦・鈴花――お相手するわ、来なさい!」
「悪いけど、この身に受けるなら可愛いねこキックがいいからね!」
 鈴花が気合十分の名乗り口上をあげればヨゾラがそう叫び、走ってくるバジリスクランナーに神気閃光を放つ。
 それは鈴花の側を通り抜けていくが、鈴花には当たりはしない。
(……いつもこういう役を引き受けてくれる人がいるからアタシ達も頑張れるってものよね!)
「みなさん、必殺が無ければ攻撃に巻き込んで大丈夫ですよ。全てはドラネコさんのため、最速で追い払います!」
 ユーフォニーもまた陶酔万華鏡を発動しバジリスクランナーを引き付けるべく動いていく。
「おいおイ、そんなに団子になってくれちゃってさァ。ンなモン『どうぞ蹴散らしてください』って言ってるようなモンだゼ?」
 大地も集まったバジリスクランナーたちへと牡丹一華を発動させていく。
「数が多い、バジリスクというからには石化の視線でもあるかと思いましたが、持っている種も居たりするのでしょうか?」
 ウルリカも言いながらラフィング・ピリオドを放つ。
「可愛さも、見て石化なら、無力かな? などと詠んでみましたが、事前情報に石化はなし……単なる蛇と猫の仲ですかね?」
 まあ、その辺りはドラネコに非があるものではなく、単純にバジリスクランナーが暴走しているだけなのだろうが……。
「他のみんなやドラネコたちに当てないように気をつけなきゃ……さあ、どっかんどっかんやっつけるよ~」
 メイもビーチパラソルレーザーからの聢唱ユーサネイジアを放てば、早くもバジリスクランナーが逃げ始める。
「いくら可愛い猫を脅かす奴だからといって無闇矢鱈に殺しては自然環境的に良くない。適当な数間引くぐらいを意識していこう!」
 雲雀もヴァイス&ヴァーチュを叩きつけていくが、流石覇竜の生き物というべきか、バジリスクランナーたちは我先に逃げていく。
「逃げていくんなら追わないよ。またあそぼうね~」
 メイがそんな気楽な調子で呼びかけているが、まあ落ち着いたならばもう暴走もしばらくはないだろう。
 そうして逃げて行ったバジリスクランナーたちが居なくなった後。ついに巨大ドラネコが現場へと辿り着いたのである……!

●ドラネコ流星群
「これが巨大ドラネコ移動……大きい、可愛いドラネコだー!」
 それは、ヨゾラの言う通りに本当に巨大なドラネコ……に見えた。
 種別としては三毛猫に見えるが、よく見ればそうではないと分かる。
 集まった無数のドラネコたちがそういう風に見えるように一糸乱れぬ連携で巨大なドラネコを形作っている。
 そういう事前知識がなければ見間違えそうな、そんな完成度であったのだ。
「あの高度な編隊飛行の秘密、解き明かしたいですね?」
 思わずウルリカがそう呟く程度には凄い。まさに訓練されたプロの如きだが、ドラネコは可愛さのプロなのでそういうのも出来るのだろう。たぶん。
「ドラネコさん達が安全だと認識したらフリアノンに向かっていくようですが、ドラネコさん達の事ですから何かに気を取られて逸れてしまう子もいるかもしれません。先ほど作っておいたドラネコさんが好む食べ物が此処にもありますので、逸れた子を誘導するのも良いですね」
 雪莉は言いながら巨大ドラネコを見上げるが、まるでそこに本当に巨大ドラネコがいるように何度も錯覚してしまう。
「あれが巨大ドラネコさん……!」
 ユーフォニーもこれでもう心配はないからと、そのテンションを無尽蔵に上げていく。
「すごいです、模様や色に合わせた配置も完璧で本当に巨大ドラネコさん……」
 そう、目もたまに瞬きするのだ。そんな細かい所作まで完璧なのである。
「もう大丈夫ですよ、安全は私たちが守りますから。それにしてもこの可愛さ、録画しましょう。データ欲しい方がいたら今度練達でコピーしてきますので! あっ、ミーちゃんたちも混ざってくる? いいよ、みんな行っておいで……!」
 KURNUGIA-P508-2を取り出したユーフォニーが早速録画を始めている間にもユーフォニーのドラネコたちが巨大ドラネコの一部になっていく。
「流石はユーフォニー様……手慣れたものです。しかし面白い生態ですね……。あなたは、参加しなくて良いのですか?」
「ニャー」
 どこかからやってきて髪留めとジャレてるドラネコにウルリカは問いかけるが、まあその辺はドラネコによるのだろう。
「しかし……あれが多くのイレギュラーズを虜にしたドラネコ。あのお腹に敢えて突っ込めば何が得られるのかと思いましたが、飛行は持ち込んでませんねぇ」
 得られるのはドラネコの群れに突っ込んだことによる多幸感だろうが、さておいて。
「さて、ドラネコ流星群は見れるかな……見れたらいいなあ。見れなくても是非もふもふさせて欲しい、あわよくば一匹お持ち帰り――いや流石にそれはダメか。でも一匹ぐらいは抱っこさせて欲しいなー……撫でたいし遊んであげたいし……うーん、手がいくらあっても足りない!」
 雲雀もそんなことを言いながら巨大ドラネコを見上げるが……どうにも、此方の危険度を見極めているようにも見えた。
 まあ、たくさんのドラネコの集まりなのだから意思決定にも時間がかかるのだろうか?
 だから、大地は色彩と呼ばれるガラス製のインク瓶を開ける。 一見すると黒色のインクに見えるが、蓋を開ければ、虹のように鮮やかな色と光が飛び出すというソレは、『戦闘終了、安全確保』の合図になるかと大地が持ち込んだものだ。
 その輝きを巨大ドラネコは見ていたが……やがてその身体が崩れ、無数のドラネコと分かるそれに変わっていく。
 そう、ドラネコ流星群が始まるのだ。
「ニャー」
「来るぞ来るぞ、可愛いドラネコ達の……うわーーーーーー!!」
「この様子は……これがドラネコさん流星群?! 私もドラネコさんたちと飛行しますっ、えーい……! わわっ、ドラネコさんが多すぎて、巻き込まれて……あっ幸せ。このままフリアノンまで……!」
 ヨゾラも連れてきた4匹のドラネコ達も、飛ぼうとしたユーフォニーも巻き込まれていくが……まあ、ドラネコは流石にドラネコ。すぐに「ドラネコ流星群」に適応していた。しかしヨゾラはそうはいかない。ヨゾラはドラネコじゃないから。
 しかしヨゾラはこの場に絶対に居合わせたかったレベルにはこの瞬間を楽しみにしていたのだ。
 ドラネコ流星群。無数のドラネコが空から舞い降り何処かへ大移動する、その奇跡に巻き込まれて。
「どうしてもドラネコ流星群にもふられたかったんだぁぁぁぁ!」
 そう叫びながらもモフモフの中に混ざり、モフモフに運ばれて。
(これが、ドラネコ流星群……モフモフにゃーにゃーに包まれる素敵な流星群! その中で一緒に飛んでいる……生きてて良かった……!)
 そう、飛行能力を持たずとも何か飛んでる不思議な幸せ。
「フリアノンでもドラネコ達と遊べるかな? 猫おやつをあげたり猫じゃらしや猫のおもちゃをふりふりしてじゃらして遊んだり撫でてじゃらしてもふもふだー!」
 モフモフに包まれ飛びながら、ヨゾラはそんな欲望を吐露していく。そしてこのドラネコ流星群に巻き込まれているのはヨゾラとユーフォニーだけではない。
「すごい勢いで突っ込んできたけど、君達、怪我とかしてないか?」
「ニャー」
 意外に安定しているドラネコ流星群に流されながら、大地はそうドラネコに語り掛ける。
「別に合法的に触れる機会だな〜とかそういう訳じゃないぞ? あ……でも……この柔らかな毛並み……ずっと触っていたくなるような……」
「ヒヒッ、ウルタールといいこいつといイ、大地クンは猫に甘いなァ?」
 そしてウルリカも「ああ、これがドラネコ流星群……」と何かを悟ったような呟きを漏らしていた。。ユーフォニーが何にテンションを上げていたか、実地で理解できたのかもしれない。
「ボクのドラネコが迷子にならないように気をつけなきゃね」
「ニャー」
「あ、そこにいたんだね」
 メイも自分のドラネコと会話をしながら流されていくが、なんとも凄まじく、そしてモフモフだ。
「ああ、もふもふだ……こんなものがこの世にあるんだね……」
 雲雀も思わずそう呟くが、如何に猫好きであっても上下左右を包まれて運ばれ飛んでいくなどという経験をした者がいるはずもない。
 しかし、雲雀たちは今その経験をしている……そしてそれがドラネコの魅力なのだ。
「つ、疲れたぁ……」
 そして鈴花も、ドラネコ流星群の中でドラネコのお腹に顔を埋めていた。肉球もぷにぷに出来ている。
「気合を入れて慣れない役目をやったけれど、やっぱりいつもより疲れるわ……あ、癒される……いつもこの毛並みばっかり堪能してたけど、肉球も堪らないわね。ドラネコって存在自体にHPAP回復とかついてるんじゃないかしら、あと肩こり頭痛打ち身に擦り傷回復も……!?」
 そんな温泉みたいな効能がドラネコにあるかは分からないが、鈴花が癒されているのは確かだ。
「地上の人達がこれを見たらきっとびっくりするけど――里の皆に、アタシもあの中にいたのよって自慢しちゃいましょ!」
「ほんと、外から見ても壮観でしたが、こうして中に居ても癒されますね……」
「ぎゃっ、雪莉ってばそっちに居たの!?」
「え、はい……」
 ちょっと離れた場所にいた雪莉にデレデレしているところを見られた鈴花がちょっと照れていたが……そんなことは気にしなくていい。皆デレデレして、このままフリアノンまでの直行便なのだから。
 ドラネコ流星群。それに巻き込まれるのは、とっても幸せで。とってもレアな、そんな幸福体験なのだから。

成否

成功

MVP

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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