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シナリオ詳細

<天牢雪獄>街巡る癒しを

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<天牢雪獄>街巡る癒しを
 鉄帝国南部、バンソ地域。
 鉄帝国にありふれた貧困にあえぐ町や村が多いこの地域は、当然ながら新皇帝派の跋扈に抵抗する気力がある様な者達は存在しない。
 故に、この辺りではまだ新皇帝派の者達が我が物顔で力を振るっており、住民達は否応なしに搾取されるがばかり。
 ……そんなバンソ地域の一端の村を訪れたのは、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)。
「……みんな虐げられているのね」
 小さく、自分に言い聞かせるように一言。
 顔を覆い隠すようにフードを被り、更には長い紫髪も服の中に収め、見えないようにする。
 勿論、新皇帝派達の勢力が強いという事は、街角にイレギュラーズ達の手配書が張り巡らされている……そこには当然、イーリンの手配書も。
 今は一人だけであるからこそ、ここで下手な手を打つわけには行かない……新皇帝派の牙城を崩すために。
 そして、彼女は密かに村を巡り……村人達に話を聞く。
 誰しもが口々にするのは……もう、生きるのに辛いという言葉。
 新皇帝派の者達に虐げられ、搾取され……しかし救うものは居ない。
 そんな彼等の言葉にイーリンは。
「そう……でも、諦めないで。後もう少しすれば、きっと……希望の光が見えるわ」
 くすりと笑い、村人達の肩を叩き元気付けるのであった。


「……ふぅ。ただいま」
 鉄帝国南部、『ザーバ派』の収める地。
 未だ新皇帝派の勢力が強い地を巡ってきたイーリンが戻ってくるところに、『鉄帝国保安部員』ゲルツ・ゲブラーは。
「どうだった?」
 と、彼の言葉にイーリンは。
「新皇帝派が収めるバンソ地域……住人達は貧困にあえいでいて、生きるのにも苦しんでいる様な状況よ。このままだと生きる希望も無い……って言う感じね」
「そうか……ならば、早々に動かなければならないな」
 瞑目したゲルツは、彼女の周りに居たイレギュラーズ達を呼び止めると共に。
「早速だが、ぐんぐんと伸びてる新皇帝派の鼻っ柱を折ってきてほしい。『自分達こそ正義だ』と思い込んでるアイツ等に痛い目を見せる頃合いだ」
 彼の言葉はどこか棘を持つが……最近の新皇帝派の動きからすれば当然のこと。
 住民達を『搾取する対象』としか思って居ない所があり、貧困にあえいでいる現状。
 当然そうなれば娯楽も与えられる事も無く、搾取に怯えながら生活している状態。
 だから、今こそザーバ派として解放活動を行い、新皇帝派に一泡吹かせてやろうという訳で。
「ま……油断しきっているであろう奴等だが、数だけは多い。だが、街の人達も、新皇帝派に恨みを持って居るから、それを仲間に付ける事は十分に可能だろうから、彼等と上手く連携を取って、奴等をバンソ地域から追い出してやってくれ……宜しく頼むな」
 と、ニヒルに笑みを浮かべて皆の肩を叩くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 新皇帝派はまだまだ各地に点在している様で、その被害に逢うのはいつも住民達ですね……。

 ●成功条件
  バンソ地域から新皇帝派を追い出す事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  今回は鉄帝国南部の『バンソ地域』が舞台となります。
  小さな村と町が点在するこの地域……皆様は点在している新皇帝派を倒してこの地域から一掃するのが目的となります。
  街には皆様の手配書が張られているので、なにもしなければ懸賞金……? と考えるかも知れません。
  ですが、新皇帝派達の搾取に疲弊している市民の方々は、皆様の真摯な言葉や動きがあれば、皆様側の力になろうとしてくれる事は十分有ります。
  特に今回は、新皇帝派達の人数がかなり多いので、皆様達だけで対抗しようとしたら数の暴力で押しきられかねません。
  なので、敵を惹きつけたりして一気に全部と対峙するような事が無い様に工夫する必要が有ります。
  
  尚、終了後は街の人達の荒んだ心を癒して上げて下さい。
  村人さん達の心境も良くなりますし……ザーバ派に汲みする事になりますので、少しでも印象を良くしておくと今後イイコトがあるかもしれません。

 ●特殊ドロップ『闘争信望』
  当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
  闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
  https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

 ●討伐目標
 ・新皇帝派『新時代英雄隊』に所属する軍人達
   新皇帝の言葉に従う軍人達ですが、中身はゴロツキ上がりの人達が多数です。
   それ故に一般人達を粗暴に扱い搾取する……と言う行為が繰り返されています。
   恐らく彼等は新皇帝派ではありますが、近くに置いとくには危ないから僻地に飛ばされた軍人達……といった所でしょうか。
   とは言え自分勝手に出来るから彼等は特に気にも留めていません。
   一応騎士然した武器・防具を装備しておりますし、先ほども言った通り数はとても多いので一気に取り囲まれたら危険に陥る可能性が高いです。
   余り頭が良くないので、挑発、陽動etcは結構引っかかってくれると思いますので、上手く誘導してやって下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <天牢雪獄>街巡る癒しを完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年02月26日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

郷田 貴道(p3p000401)
竜拳
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
シェンリー・アリーアル(p3p010784)
戦勝の指し手

リプレイ

●救い求むるは
 鉄帝国南部の一角に拡がる、パンソ地域。
 特に目立つ特産品も無く、昨今の厳しい気候もありただただ貧しさに苦しむ事しか出来ないこの地域は、未だに新皇帝派の支配が根深く蔓延る。
 元来の貧しさに加えて、新皇帝軍に属する『新時代英雄隊』達からの容赦無い搾取は繰り返されており……人々は希望を抱く事すらも出来ないような状況に陥ってしまっている様で。
「ぶははッ、無辜の民に対し、搾取しかねぇ支配層って訳か!」
「そうだね。おイタの過ぎる新皇帝派の面々は、咎人認定……という事で♪」
「そうそう! こーんな奴等は不要だぜぇ!!」
 大声で笑う『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)と、くすりと笑みを浮かべる『咎人狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)。
 支配する者は、下位の者に威勢を見せつけることによって自分の優位性を改めて認識為ようとする。
 軍隊に所属していたとしても、所詮中身は極々普通の人間。
 更に新時代英雄隊の者達は、ゴロツキ上がりの連中も多く、弱きを護るなどの崇高な理念など持ち合わせて居る訳もないだろう。
 そんな常日頃に悪事を企み続ける彼等を、パンソ地域から引き剥がす……いや、殲滅する事が、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)から持ち込まれた依頼な訳で。
「要するに……これは狩りって事で良いんだよな?」
 確認するように『喰鋭の拳』郷田 貴道(p3p000401)が言うと、頷くイーリン。
「そうね。街の人達を苦しめるゴロツキ……いや、新皇帝軍を狩り尽くすのよ。一つの村だけじゃない。幾つもある街や村、全てね」
 真っ直ぐ、よどみなく言うイーリンに、やれやれといった感じで『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)は肩を竦め。
「街一つかと思えば地域一帯とは……イーリンも、毎回厄介事を持ち込む側だよなぁ」
「別に好き好んで厄介事を持ち込んでいる訳じゃないわよ。苦情は新皇帝軍達に言って貰いたい物だわ」
 こっちだって迷惑してる、といった具合のイーリンに、ミーナは。
「まぁ……いいさ。やることはしっかりやるだけだしな」
 と頷くと、『通行止め』解・憂炎(p3p010784)と『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)の二人も。
「つまり、新皇帝派もまだまだ健在ってことか……」
「うん、そうだネ! 新皇帝派をこの地域から追い出すとか、なかなかオオゴトだ! でもウデが鳴るよ!」
 意気揚々とする二人に、陽気に。
「オーケーオーケー、ミーもばっちり理解したぜ! ヘイエブリワン、害獣駆除と行こうじゃないか、HAHAHA!!」
 と声高らかに笑う貴道。
 そんな仲間達の言葉に、ウスラ笑みを浮かべながら聞いていた『闇之雲』武器商人(p3p001107)も。
「つまりこれは、解放活動という事になる様だねぇ……確かに人心の荒廃は、戦後の復興に大いに差し障る事になる。だからこそ、今ここでしっかり仕事をさせてもらうとしよう……ヒヒヒ……」
 そんな武器商人の言葉に、瞑目するイーリン。
「ヒヒヒ……ん、どうしたのかな、イーリン?」
 敢えて尋ねる武器商人に、静かに目を開いて。
「……政治的理由でも良い。助けられた人は理由を気にしないから」
 何か、覚悟を決めたかの様な口ぶり。
 そしてそれを理解したのかミーナと憂炎も。
「そう……ま、いいけど。やることはしっかりやるぜ」
「そうだな。やるべきはやるさ。『神がそれを望まれる』んだろ?」
「……言いたいことを言われちゃったわね。そう、偽善でも行くわ。『神がそれを望まれる』のだから」
 シスター服に身を包みしイーリンの言葉は、どこか厳かな雰囲気を纏う。
 そしてアイリスが。
「それじゃあ……お仕事は迅速且つ速やかに征こう。取りあえず……最初はイーリンさんの潜入した村に行く、でいいかな?」
「そうね。小さな村だけど、そこから話を拡げましょう。私の侵入を許す位だから、『新時代英雄隊』達は一つの村に常に目を掛けている訳じゃなさそうだし。それを逆手にとればいいのよ」
「うんうん。発想のテンカンって訳だね! 味方を増やして敵を押し返すとか、忙しくなるね!!」
 拳をぐっと握りしめ、爛々とした表情のイグナート。
 それに貴道とゴリョウも。
「そうだな。面白い作戦だ! 奴等がどう出てくるか楽しみだぜ!」
「ああ! 交渉事は苦手だけどよ、人ってのは胃袋を掴まれると弱いもんだ! オレの自慢の料理で、パンソの民達をこっち側にしっかりと引き入れてやるぜ! ハッハッハ!」
 ただ力でボコボコにするだけでは、何時しか同じ様な事件が起きるとも限らない。
 だからこそ、地域の民の意識を変えて、対抗出来るようにするのが最良。
「うんうん。それじゃぁイーリンさん、その村に案内宜しくね!」
「ええ。行きましょ」
 アイリスに頷き、イーリンは仲間達と共に、一度潜入したパンソの一村へと向かうのであった。

●流転
「……ふぅ」
 顔を隠し、村に潜入するイレギュラーズ……幸い村には新皇帝軍達は駐在していない。
 村人達は、いつ彼等が訪れるやもしれない……資材食料諸々を『新皇帝への献上品』として搾取していくか解らない時に怯えつつ、貧しい生活を送る。
 ……そんな村人達の苦境を見たミーナ。
「……本当、皆生きるのも大変そうだな」
 と、誰へという訳でもなく言葉を零す。
 当然住人達はその様な言葉に何か反応を返すという訳もなく……この生活を甘んじて受け入れている様だ。
「取りあえず、いつ奴等が来ても良い様に監視の目を飛ばしておくわね」
 と、イーリンはすぐさまファミリアを上空に飛ばし、新皇帝軍達が巡視に来る前に知れる様にする。
 そして。
「さぁ……始めましょうか」
 と言うと共に、村人達に声を掛けて、村の中央広場に集まるように声を掛ける。
 突然声を掛けられる……何か、新皇帝派とは別の者達が、自分達を搾取しに来たのではないか……と怯える人も居る。
 だが、既にその様な状況を甘んじて受け入れている村人達は、その言葉に従い……広場に集結。
 そして集まった村人達を前に、声高らかにミーナと武器商人が。
「集まって貰ってすまない。私達はイレギュラーズだ。新皇帝派の暴虐を鎮圧しに来た」
「そうそう。自分達は新皇帝派からパンソ地方を開放に来たイレギュラーズ……解放後はザーバ派の協力の下、村を復興させましょう。対価はいりませんよ」
 その声に、暗い表情にほんの僅か光が刺す。
 だが、村人の誰かが。
「……でも、私達には何もありません。イレギュラーズの皆さんが助けに来たとしても……何も見返りがありません……」
 イレギュラーズ達が依頼を受けて仕事をする者達、というのは一端の村民達にも知れていること。
 ただ、依頼をするという事は、報酬なり何なりが無ければならない……ギブアンドテイクの原則も理解している。
 ただ、そんな村人達にシスターが如く手を合わせたイーリンが。
「心配なさらなくても大丈夫です。私達は、何かを得ようとしている訳ではありません。皆様の安寧を願い、平和に過ごす事を願っているのですから……だから、『大丈夫』です。私達に託してください……」
「そうだ。戦いが終わり次第、食料等も運び込む。私達を信じてくれ」
 あえて『大丈夫』にアクセントを置き、村人達を安心させるように静かな口調で語りかける。
 そんなイーリンとミーナの言葉に対し、不信感を抱く者は居ない。
 なら、御願いします……助けてください、と零す村人達。
 心の底から救いを求める村人の言葉……それに頷き、武器商人は。
「ええ……新皇帝派を倒す為にも、ちょっと協力をして欲しい。なぁに、難しい事じゃないよ。新皇帝派の動き……例えば彼等がいつ来たとか、どういう輩達だったか、とか……そういう物を教えてほしい」
 そんな武器商人の言葉に、村人達は知りうる全ての情報を告げる。
 奴等は一月程度の間隔で村を訪れ、備蓄している食材や資材を根こそぎ取り上げていく。
 人数は5人程度だが、来る者はいつも同じという訳では無い……恐らく、幾つかの小隊に別れ、気のみ気の儘に搾取して回っているのだろう、と。
 そんな村人達の話を書き記し、共感し、励ます。
 更には貴道も、共闘をして欲しいと声を掛ける。
 当然ながら戦えない、と首を横に振られるが、その肩を叩きながら。
「大丈夫だ。別に矢面に立てなんて言う訳じゃない。支援をして欲しいんだ。支援だろうと一緒に戦ってんのは確かだろう? 大事だぜ、そういうの。煮え湯を飲まされ続けたのは誰だ? そう、お前等パンソの住人だ! ミーは趣味じゃないが……この隙にアレコレ復讐して貰っても構わないんだぜ、HAHAHA!」
 と、虐げられ続けていた彼等の『復讐心』を刺激。
 村人達は、出来る事をやってみます……と、頷く。
 そして一通り村人達から話を聞いて情報を集めた頃には、別働隊として動いていたアイリスと憂炎が合流……村人達の話と照らし合わせ、情報が間違っていない事を確認した上で、更に村の者達に。
「もう一つ、協力を頼めるだろうか? 新皇帝派が居る集落に、賞金首が来た、と触れ回ってほしいんだ。なぁに……向こうさんは賞金首と聞いたら喜んで来るだろうしな?」
 と話して回る。
 村の人達と話が付けば、次の街村へイグナートとゴリョウの乗り物と共に転々として、同じように共闘を呼びかけながら、情報を集約。
 そして……幾つかの村で活動していた、その時。
『おうおう、てめぇらかぁ賞金首はよぉ!! オレ達の街で何してくれてんだよぉ!!』
 広まった噂話を聞いたのか、怒り気味にやって来る新時代英雄隊。
 その人数は聞いていた一小隊五人、等では無く、数十人といった具合。
「何だかオオニンズウで来たな。もしかして、図星で来たとかカナ?」
 イグナートが笑いながら構えると、彼等は。
『うるせぇ! てめぇらを捕まえれば、オレ達だって目に掛けて貰える筈だ!!』
 と激昂気味に声を荒げる……それにアイリスと憂炎が。
「そういうこと……ふーん。つまり図星で雁首揃えてやって来た、って感じかな」
「あー、そういうこと……まぁ、所詮は地方しか任せられない一小隊ですし、実力もそんな感じ……って感じかな」
『うるせえ!! てめぇら何でもいい、ぶっころす!!』
 顔を激昂させ、剣を手にして仕掛けてくる新皇帝派。
 ……敢えてその攻撃を受けるのはゴリョウ。
 服に傷付くものの……頑強なその身は、ほぼ傷つかない。
「ぶはははッ、豚一匹仕留められねぇなんざ随分附抜けてるねぇ! 名前負けしてんぜ!」
 頑強なその身で以て声高らかに笑うゴリョウ、そしてイーリンが。
「まぁ所詮はその程度の男達、って訳でしょう。まぁ、こいつらに時間を掛けてたら勿体ないわ。さっさと倒すわよ」
 と宣言すると、貴道は一気に間合いを詰める。
『っ!』
 素早い動きに目を見開く……ニヤリと笑みを浮かべ、拳を一発アッパーカット。
 身は宙に舞い、地面に叩きつけられる。
「今日は『狩り』に来てるんでな。悪いが一方的にやらせてもらうぜ!」
 嬉しそうな貴道、それにイグナートとゴリョウも。
「そうだな! 悔しいのなら反撃して見せなヨ!」
「オレに傷を傷付けられたなら、ちょっとは認めてやろうじゃねーか。出来るなら、な話だがな!!」
 売り言葉で新皇帝派達を刺激するイレギュラーズ。
 新皇帝派達は全力でイレギュラーズ達を傷付けようと暴れ回るが……特に知能が回るような行動は取ることはなく、猪突猛進に攻撃するがのみ。
「まぁ所詮はゴロツキ上がりの輩達……ということだね。なら、こっちも容赦する必要は無いよね」
 と、仲間達が居ない最初の刻故、一番効率的にダメージを与えられる殲滅の極光を放ち、一気に敵を焼け野原の下に叩き込む。
 流石にその一撃で即死……という訳には行かないようだが、概ねかなりのダメージ。
 続けて敵の動きをいなしつつ、ゴリョウが衝撃波を放ち、イグナートも敵の陣形を崩すべく戦陣を斬り裂いて行く。
 そして仲間達から切り離され、一人、二人だけになっている敵を狙い済まして、ミーナ、憂炎の二人で数減らしの為の集中攻撃。
 冷静な判断力すら既に失われている彼等は防御も出来ず、一刻の内に大ダメージを喰らう羽目に。
 更に弱りし所へ武器商人の自由を奪う糸が敵の動きを拘束した上で、イーリンの月を刈る刃で、その命を的確に刈り取る。
 そんなイレギュラーズ達の洗練された動きは、自分達より格上だと、身に摘ままされた事だろう。
 だが、最早引き下がれる状況ではない……逃げ帰れば、上長に断罪されるのは間違い無い……それが軍というもの。
『くそが……!』
 舌打ちしながら、怒り、反撃の狼煙を上げて攻撃を継続する英雄隊。
 時には仲間を盾にして、自分のダメージを軽減しようとする者もいれば、近くに居た町人を捕まえ囮にしようとする者さえいる。
 ……だが。
『……く、来るなっ!!』
 その手を振り払い、足を踏みつけたり顔面めがけて拳一発を食らわしたり、と、虐げられていた彼等に意表を突かれる。
 それに戸惑い、呆然としている彼等へ……更に追撃の一閃。
「みんなお前達の敵なんだよ、ミーの入れ知恵、冴えてるだろHAHAHA!」
 嬉しげな貴道の言葉に、周りのイレギュラーズ達も、何処か嬉しげ。
「まぁ何にせよ、弱者を虐げることしかできないんだ。それは絶対に許せない、だから大人しく裁かれて貰うよ♪」
 アイリスの言葉に皆も頷き、殲滅の火の手は弱まることは無い。
 そして数十人いた大集団の新時代英雄隊達は次々と命を落とし……残るは一体。
「さぁ、後はキミだけだよ!」
 至近距離にて拳を振り上げるイグナート。
 顎への一撃に苦悶し、地面に悶える彼の足下に、憂炎。
「……チェックメイトだ」
 その一言共に放たれる剣撃は、彼の命を確実に仕留めた。

●心の憩い
「……取りあえず、終わったかしらね?」
 息を吐き、周りを見渡すイーリン。
 転がる骸と……隠れて見ている街の人達。
「……もう大丈夫。このパンソ地域は、ザーバ派がずっと護るからね」
 微笑むアイリスに、イーリンと武器商人が。
「そうね……安心して貰って良い。私達は貧しい人達から搾取をする事はしないわ」
「うんうん。この南部には他にもザーバ派の町や村があるし、そこに聞いて貰ってもいいよぉ」
 と言うと、そうですか……と頷き従う街の人達。
 そして、ゴリョウが。
「よーっし。それじゃあ暖かい飯でも食べるか! 取りあえず今日は、俺達が持ち出してきたヤツで盛大にな!」
 と言うと連れてきて居たチャリオットから米やら卵やら、食材を引っ張り出してくる。
 大鍋に調味料と共に食材を投入し、豚汁を作る。
 更に一部取り分けてそこに米を投入し、豚汁風雑炊も作る。
「この豚汁はザーバ将軍も食ったことがあるんだぜ! つまりこれを振る舞うってこたぁつまり、みんな見捨てられてねぇって証拠だぜ!」
 何処か嬉しそうに声を張り上げるゴリョウ、更にそれに添えるように生ハム原木を持込、切り分けたりして振る舞う憂炎。
 更に皆が食べている横で、ミーナは皆の心を癒すべく、踊り、歌う。
 ……そんなイレギュラーズ達の憩いに、今迄荒れ荒んだ心は癒されていき……段々と笑顔も取り戻されていく。
 そして、そんな村人達の心に秘めた苦しみ、悩みをイーリンは一つ一つ聞いて、全てを解決する様にアドバイス。
 腹と心満たされる様、パンソ地域の人達にその後も癒やしを提供するイレギュラーズ達であった。

成否

成功

MVP

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!
様々な村で戦う予定でしたが、村人達と共闘という作戦が来るとは想定外……そうなれば敵軍勢も怒りと共に排除に来るだろうと判断して今回の通りとなっております!

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