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シナリオ詳細

<昏き紅血晶>美しき破滅の色

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●破滅の色は
 フロドが「それ」を見つけたのは、ほんの偶然だった。
 赤い、紅い……美しい宝石。
 まるで宵闇のような光をも湛えた宝石は、贈り物には最適であるように思えた。
「凄い綺麗だな……これならエミリーも喜んでくれるかな」
 そんな呟きを漏らせば、商人はラサの商人らしい嫌らしくも媚びる笑みを浮かべる。
 カモを見つけたと。けれど自分の商品に絶対の自信を持っている目。
 信用できる目だと、そうフロドは思う。生半可な自信では、こんな目は出来ない。
 必ずしもそうではないという前置きはつくがラサの商人は、胡散臭い奴ほど良いモノを持っている。
 それはこのネフェルストのサンドバザールでは特に顕著であり、一種の騙し合いの場所でもある。
 さて……それを踏まえた上で、この宝石は実に良いものに見えたのだ。
「実際いいモノだよ、お客さん。運よく1つ手に入ってね。こういう露店だからまだ気づかれちゃあいないが、お貴族様や大店の連中が気付こうもんなら即座に買い取りにくるような代物さ」
「そんないいモノをアンタが?」
「おう。流通量がどうにも絞られちゃいるみたいだがね。こうして俺の店みたいなとこにも手に入る機会はあるのさ」
「ふうん」
「で、どうするね。買わないなら買わないで構わん。どうせすぐに売れるからな」
 さて、どうするか。そう悩むことはなかった。
 これが素晴らしいものであることは明らかで、エミリーの笑顔が見えるようだったからだ。
「じゃあ貰うよ。代金は?」
「おう、こんなもんだ」
 提示された代金を支払って、フロドはその宝石を懐に入れる。
 ああ、なんて素晴らしい宝石だろう。
 この宝石は……誰にも、渡さない。

●様子のおかしいフロド
「フロドという青年が音信不通になったという話があるです」
 【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
 依頼主はフロドの恋人だというエミリーという女性だ。
 フロドが音信不通になったのは、つい昨日のこと。
 今まで住んでいた家を逃げるように引き払い、何処かに行ってしまったのだという。
「3日前までは普通だったようですが……そこで何かあったみたいです」
 フロドとエミリーは仲が良く、いつどちらが先に結婚を言い出すかという仲だったのだそうだ。
 しかしフロドは突然変わってしまった。
 2日前にエミリーがいつものように道で会ったフロドに声をかけると、まるで敵を警戒するかのような目つきをしたのだという。
 そして……大事そうに眺めていた赤い宝石のことを話題に出すやいなやエミリーのことを突き飛ばし、何処かに行ってしまったのだそうだ。
 それ以降、エミリーにもフロドの行方は分かっていない。
 一体何が原因なのか……それはその赤い宝石なのではないかと、そうチーサは語る。
「紅血晶については、聞いていると思うです」
 紅血晶。
 熟れた紅玉かと思いきや柘榴のような美しさに、宵闇のような光をも湛えた美しい宝石。
 余りにお美しさに魅了される者が多く居るという。『魔性の宝石』や『魔石』と揶揄されることも多く、手にした者は徐々に姿を変え、キマイラのように姿を変容させてしまうようなのだ。
 そう、つい最近のことだが、この「紅血晶」と呼ばれる宝石の流通が始まった。それが何処で産出される物であるかは分からないが、最初に市場へ持ち込んだ旅人は『地下より発掘した』と告げたらしい。
 この宝石は非常に美しく人気が高い。だが、流通量が絞られているのか手に入れるのも難しく、躍起になって商人達は取り合っている。
 動乱の火が燻っている幻想の貴族達も証人に依頼をし、恋人へのプロポーズやプレゼントの逸品にも使われるそうだ。
 だが、その「紅血晶」には不吉な噂が付き纏う――その宝石を手にした者が化け物になり果てる……と言うのだ。
 これを事実だと看破したのは鉄帝に対して人道的支援を行なうファレン・アル・パレスト(p3n000188)であり、だからこそフロドの持っている宝石がそうであるなら、これは何より危険な話になる。
「……恐らく、ただでは終わらない話です」
 とはいえ、放置するわけにはいかない。
 フロドと紅血晶を、是が非でも引き離さなければならないのだ。

GMコメント

フロドを探し出し、紅血晶から引き離しましょう。
紅血晶は破壊して構いません。

フロドは自分から宝石を奪うために追手がかかると思い込み逃げています。
まずは探さなければなりません。フロドは相手を撒く術にもそれなりに長けていますので、頑張って探しましょう。

●フロドが居るかもしれない場所
・サンドバザール
ネフェルストの名所にして大きな市場。人の出入りが物凄く多く、フロド1人混ざったところで誰も気にしません。

・裏通り
チンピラと怪しい店がいっぱい。お金さえ出せば情報も人も物も隠します。ただし、信用できるかどうかは。

・表通り
ネフェルストは大きいので、フロドが何食わぬ顔で混ざっている可能性はあります。

●敵
・『晶獣(キレスファルゥ)』フロド
ラサでは護衛のような仕事をしていた男。
紅血晶を持っており、徐々に変化していきます。最初は腕や脚などが異形に転じて行くようです。変化した箇所は元に戻りません。
(部位だけの場合は早い段階で紅血晶を手放せばそれだけで変化が止まります)
どうしようもないほどに紅血晶に魅入られているため手放すことが出来ません。
皆さんに出会う頃には左腕が赤いブレードのように変化しており、それを使った単体、広範囲、中~遠距離の衝撃波を使い分けてきます。

・チンピラ×10
紅血晶を奪おうと狙っています。
武器はシミター。チンピラですが悪人で、人殺しにも躊躇はありません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <昏き紅血晶>美しき破滅の色完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年02月09日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サイズ(p3p000319)
妖精■■として
ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)
白き寓話
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の蛇巫女
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
イスナーン(p3p008498)
不可視の
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
レイン・レイン(p3p010586)
玉響

リプレイ

●フロドを探し出せ
 裏通りに、3人の足音が響く。
「紅血晶……カースドアクセサリー、パラサイトジュエルや寄生体の悪性をより酷くした物ぽいな、同じカースド品として調査したい、上手く精神汚染や肉体汚染無力化すれば溶かして鎌に組み込めるかもな……まあ、無理なら壊すしかないな」
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)がそんなことを呟くが、相手はまだ何も分からないに等しい物だ。
 可能性としてはともかく、触らない方が今は無難だと結論付ける。
 そんなサイズと一緒に居るのは『不可視の』イスナーン(p3p008498)と『音呂木の巫女見習い』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)の2人だ。
 ちなみに秋奈はチーム分けの前に『デザート・プリンセス』エルス・ティーネ(p3p007325)に「おいっすー、ラサラサではやっぱりエルスちゃんに会いますなーうんうん、可愛い子はいつも見ても飽きませんなーへっへーん、恥ずかしがり屋さんめー」と絡んでいたが、さておいて。
「最近噂になっている紅血晶ですか。所有者を魅了して取り込み怪物とかす謎の鉱物。意図的に流されている以上何かしら目的があるのでしょうが紅血晶の実験かそれとも陽動で本当の目的は別にあるのか気になる所ですが先ずは目の前の仕事であるフロドさんの捜索から始めましょう」
「おっしゃあ! 鬼ごっこの開会じゃい!」
「鬼ごっこ……まあ、間違ってはいませんね」
 イスナーンはそう頷くが、まあ鬼ごっこやかくれんぼに似ているのは確かだろう。
「では私は裏通りの方を探して行きましょう」
「ああ、疑心暗鬼の人間が人通りの多い所にいるとは思えん」
 イスナーンにサイズも頷く。勿論そうであるかもしれないし、そうではないかもしれない。
 飛行で高所から探したり、商人に聞き込みしたり。商品を買うこと商人の口を軽くすることもいいかもしれない。
 勿論、裏通りの怪しい商人相手なので表通りのようにはいかないかもしれないが。
「逃げられないように囲んで強引にでも紅血晶をいただくよ!」
 秋奈もそう拳を握りながら、媚びも入れつつフロドの聞き込みをしていく。
「ねえねえ、こういう人知らない? 最近来てると思うんだけど!」
「見た気もするなあ。しかし、今日は見てねえと思うぜ」
「他にもフロドさんの情報を集めている人がいればフロドさんは既に町を出たと伝えてください。これは些少ですが」
 イスナーンも不思議と帳簿に載ってないお金を渡せば、商人も「アンタ分かってるな」とニヤリと笑う。
フロドさんの居場所を聞き込みをしつつ裏通りの商人や情報屋に対して袖の下で不思議と帳簿に載ってないお金を渡して情報収集と
(これでフロドさんとの戦闘に邪魔が入るのが少しでも遅くなれば良いのですが)
 サイズも飛行して探してみるが……あちこちに視界を遮るようなものがあるこの場所では、いまいち分からない。分からないが……此処には居ない。そんな気がしていた。
 そして当然のことだが裏があれば表があり、表通りを『白き寓話』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)たちは歩いていた。
「この世界も、色々と「不慮の事故」が多いわねぇ……まったく、かわいそうに。早々に見つけてあげないといけないわよねぇ。それを望むか望まざるかは、今回は別としてね……あまり被害が広がらないといいのだけれど……」
 ヴァイスはハイセンスを用いた視覚や聴覚を用いての捜索がメインになるだろうと考えていた。
 あるいは、だがギフト「薔薇道化の存在証明」で道なりや物、店構えとか、通りにあるものに片っ端からギフトを用いて訊ねてみるのもいいかもしれないわね……などということもヴァイスは考えている。答えが返ってくるかは分からないが、やってみる価値はあるし、試しにその辺の壁に聞いてみれば「しらない」と返ってくる。
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)と『蒼空の眼』ルクト・ナード(p3p007354)も表通りを探索していたが……ルクトは空からフロドがいないか探していた。
「……最近、この水晶? の被害が多いと聞くな。1つでも多く解決して、出所と解決方法を探らなくては……その為にも、まずは今回の事件を解決するとしよう」
 そう、不思議な程に魅入られてしまうこの宝石は、すでにあちこちに出回り被害報告も出ている。
 出ているが……それでも自分の身に何かが起こるまでは信じない者も多い。
 何しろ高く売れるのだ、そういう噂を流して自分に有利になるようにした、なんて話は幾らでも転がっている。
「魅入られる、ね……そういう自発的なのが一番厄介なんだ。自分の頭で考えられてしまうからな。こんなものを誰がバラ撒いたか知らないが、随分考えてくれたものだ。こちとら一つ一つ対処せねばならん」
 エーレンの言う通り、この事件は今のところは対処療法的にやっていくしかない。
 だからこそエーレンはルクトとは違う形……機動力と跳躍を活かしてパルクールの要領で建物の屋根の上に登り、高所からフロドを探すことにしていた。
 フロドの背格好だけ聞いておき、周囲を警戒しながら歩いている人間を探していく。
 フロドが逃げているのであれば、当然そうした態度になっていると考えたのだ。
 だが……探しても、フロドらしき影は見つからない。「それらしき男は見たと思う」という情報は見つかるのだが、フロドはいない。やはりフロドを追っているというチンピラを警戒し移動を続けているのだろうか……?

●破滅の色は紅く
 サンドバザール。ネフェルストの名所にして巨大な市場を、『デザート・プリンセス』エルス・ティーネ(p3p007325)と『玉響』レイン・レイン(p3p010586)は歩いていた。
「紅血晶……牙を見せてきたってところね。フロドさん……出来れば助けたいのは山々だけれど……さて、あなたのメンタルは戻ってこれるかしら?」
「フロドは……多分、善良って言われる種類の人なんだろうと思う……そういう人が……いつも……どの国でも粗末に扱われる……そういうのは……もう見たくない……」
 その為にも、レインは事前の準備をしっかりとしてきていた。
 フロドの恋人であるエミリーにフロドの特徴、利き手や癖、雰囲気とか…大事なものはどこに仕舞うとか……他の人とは違う情報を聞いておく。フロドの好きな場所、安心する場所とか、思い出の場所。考え方の癖とか、戦い方とか、得意な事などの情報も聞き込んできていた。
 勿論それが直接何かに繋がるわけではないが、フロドという人物の行動パターンを予測する一助になる。
 そうして手に入れた情報を頭に入れた上で、広域俯瞰をも利用する。
 勿論、サンドバザールのような混雑が凄い場所ではそれで全てを確認できるわけではない。
 だからこそ物陰や出店の軒先とか、そういう場所は目視で確認していく。
 それと念のため、出店には近づき過ぎないようにもしている。ラサの商人の呼び込みはドギツイ。そんなところで時間と注意を咲いてはいられないからだ。
 そうしてレインは事前に得た情報と広域俯瞰と目視、凡そのアタリをつけた……フロドの隠れ家みたいな場所や、よく使う道とか…普段行かない方面とか。そういうものを、頭に入れながら捜索していく。
「チンピラの情報もあるし、警戒は常に持っておかなくちゃね」
 そしてエルスは、そんなレインのサポートを中心にしていた。
 今、エルス自身が「チンピラ」と口にしたが、実際彼等がフロドを探しているという情報は決して無視できる情報ではない。
 仲間たちもそれぞれ対策しているが、こちらのチームもフロドに関する情報を片っ端から集めている。
 であれば、フロドを追うチンピラたちにその情報が流れていても何もおかしくはない。
 連絡用の星夜ボンバーはレインが持ってはいるが、それを他の場所に散った仲間たちが使う可能性もある。
 それを含めてエルスは気を張っていたが……そんな中で、レインはそれを見つけた。
 此方を撒くように、あくまでも自然に見えるように何処かへと足早に消えていくその姿。
 エルスも同時に気付いた。こちらに殺気を向けている、複数の視線。
 路地裏へと向かうその姿を追って……やがてレインは星夜ボンバーを宝石と一緒に打ち上げた。
 追いかけた先、路地裏。こちらへと振り向いたフロドが、ぶ厚めのマントを翻す。
 そうして見えた左腕は、赤いブレードのようなそれに変化していて。
「ハハッ、なんだそりゃ」
「まあいいや。お前の情報を集めてる奴がいるときいて来てみたが……正解だったみてえだな」
 エルスたちの背後から、チンピラたちも現れる。
「ひとまず、此処に居る連中の口を塞いで、石も売りはらう……それで終いだ」
 なるほど、エルスたちも殺すつもりであったらしい。しかし……そうはいかない。
「敵が多いわね……でも残念! 私は戦いになると燃えるタイプなの! チンピラも少しは骨のある方々が多いかしら? それでもまぁ……この大鎌の錆にしてしまうけれど、ね?」
 レインはフロドへ、エルスはチンピラたちへ。互いに背を預けるようにして2人は武器を構える。
 フロドの目は、チンピラだけではなくこちらをも敵と見做している……つまり、両面作戦をやるしかない。
 だからこそ、エルスは煌醒の大鎌を構えながら思う。
(エミリーさんの為にフロドさんにどこまで出来るか……)
「エミリーさん、あなたはフロドさんが帰ってくる事を全力で祈っていて。私も……この刃で全力で彼を助け出せるよう尽くすわ……!」
 勿論、エルス自身も気付いてはいる。
(こんなの優しさなんかじゃない、ただの願望だ。でも彼女の話で彼の正気が失われている可能性を聞いても、それでも助けられると言うのなら……助けたいと動くのが特異運命座標だって……私は思うわ!)
 白い日傘を構えたレインも、フロドへと呼びかける。
「多分……エミリーはフロドの事を待ってる……フロドの方がエミリーの事、沢山知ってると思うけど……それを……ずっと思い出してて……そうしたら……生き残れる……」
「その手にはのらない。この石は渡さない」
 なるほど、紅血晶への執着が凄まじい。しかし、それならそれで作戦通りに行くだけの話だ。
「神様なんて頼らない……彼を助けるのは私達よ!」
 そう、だからこそやるべきことを全てやった。だからこそ、仲間たちもすぐにやってきた。
 飛んできたサイズがシードスティールでフロドから紅血晶を引き離そうとするが、警戒が凄くガッチリと握り込んだ紅血晶を離そうとはしない。
「ごめんなさいね? でも、ちょっとだけお休みの時間よ」
「ぶはははっ! 私ちゃんらとフェスろうぜぇ! おっと! 逃げるのは禁止な!」
 ヴァイスのダーティピンポイントがチンピラに命中し、秋奈が飛び込んで名乗り口上を響かせる。
 とにかくフロドの注意を引き付けようとする秋奈だが、見事にそれは「当たって」いた。
「ぐへへ、イイもの持ってるじゃないか青年! ちょっと貸してくれねぇか?」
「お前もか……!」
 紅血晶にフロドは執着しているからこそ、秋奈のそれは効果抜群だ。
「邪魔だ、退け。退かぬなら……消し炭にするだけだ!」
 ルクトの神鳴神威がチンピラの1人を吹っ飛ばせば、イスナーンが残影百手をもう1人のチンピラへと繰り出す。
「申し訳ございませんが皆様にはお引き取り願います」
 そうして全てのチンピラが倒れていく中で、エーレンもフロドへと接近する。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。その石は人の世に在ってはならんもの、破壊させてもらう。……許せとは言わん」
「させるかあ!」
 エーレンが放つは鳴神抜刀流・太刀之事始『一閃』。その一撃がフロドの変異した腕を切り裂いて。
 弾かれたように飛んでいった紅血晶が、その衝撃でかバキンと音をたてて割れる。
「こわれた……でも、これで……」
 戦闘中に紅血晶にアナザーアナライズをかけていたレインだったが、その正体は分からなかった。
 サイズも壊れた紅血晶を調べるべく、カースド妖精鎌としての鑑定眼や無機疎通、ケミストリーで科学的観点などを使うことで紅血晶の弱点とか異形を戻すための方法など……そういったことが分かることを期待していた。
(魅了、精神汚染は精神耐性や自分自身の心臓の鎌がカースド品故に呪物としての格の強さで弾く、こちとら奇跡すら歪めたカースド武器、このくらいの呪物には負けんよ)
 そう考えながら壊れた紅血晶を調べようと……念の為触れないようにしながら調べたが、壊れているせいか何も分からない。
 まあ、こんなものでも数が集まれば分かることもあるかもしれない。
 今分かることはただ1つ。フロドの命だけは救えたということ。
 それはこの不気味で奇妙な事件の中で……確かな成果と胸を張れる、素晴らしいものであるだろう。

成否

成功

MVP

エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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