シナリオ詳細
スーパー銭湯・Super Wash☆アライランド
オープニング
●スーパー銭湯・Super Wash☆アライランドとは
スーパー銭湯である!(超速説明)
具体的には、妖精郷のラクーン・ヴィレッジに住む謎の精霊だか妖精だかである「妖精アライグマ」たちが、「合法的に洗濯とかでWashして生きていきたい」と一念発起して作り上げられたスーパー銭湯である!
新緑に合法的に作り上げられたスーパー銭湯にて、今日も妖精アライグマたちはごしごしと洗濯ものとか、お客さんの背中とかをWashするのだ!
「そんなわけで、伝説の勇者妖精アライグマさんとお友達の皆さんにお越しいただきました」
と、妖精アライグマがそういったので、勇者妖精アライグマ……ではなくて、仙狸厄狩 汰磨羈 (p3p002831)が、ぺしっ、とその頭をたたいた。
「私は絶対にねこだ! 次そう言ったらほんとに泣くからな!?」
ちょっとアイデンティティが歪みはじめている汰磨羈に対して、「まぁどっちでもいいんじゃない?」とリコリス・ウォルハント・ローア (p3p009236)は思ったので、
「まぁ、どっちでもいいんじゃない?」
と声に出していった。
「よくなーいっ!!」
ぐわんぐわんと頭を振る汰磨羈。それに対して、楽し気にくすくすと笑うメリーノ・アリテンシア (p3p010217)。
「ふふ。狸でもねこでもかわいいと思うわよぉ?
それより、温泉、ってことなのかしらぁ?」
スーパー銭湯、つまりお風呂をメインとしたリラクゼーション施設とでもいおうか。温泉を中心に、食事処や仮眠所、くつろぎの休憩スペースなども完備した、一日いてだらだらしても問題ない施設である。洗井落雲もスーパー銭湯に行きたい。
「そうですね。今日はいつもお世話になっている皆さんを、心からおもてなししたいと思います」
しゅっ、とアライグマがその手にタオルを持って見せた。周りには複数の妖精アライグマたちがいて、「いつでも洗えます」と声を上げている。
「もちろん、普通の温泉ならず、サウナや電気風呂、ハーブの入ったリラックス湯、温水プールなどもあります。
お風呂上がりの牛乳もありますので、滞在時間の短い方も、温泉だけでも楽しんでいってください。
あと洗わせてください」
「いつでも洗えます」
と、アライグマたちが言う。何か執念のようなものを感じた。たぶん、アライグマとしての本能――。
「まぁ、洗うのはさておき」
メリーノが言う。
「温泉っていうのも楽しそうねぇ」
「そうだね! ボクたちもここ最近忙しいからね!
戦いの疲れをいやすにはもってこいだ!」
リコリスがうなづく。では早速温泉に案内してもらおう――そう思った次の瞬間!
「ラクーーックックックッ! また会ったな、愚かなイレギュラーズよ!」
そう、そんな独特な笑い声が響く! その声の方を見てみれば、何やら得意げな顔でパイプをふかす、Tシャツ姿のアライグマの姿が!
「あっ! 前にも暴れた、悪の魔王アライグマ・アラーイじゃないか!」
妖精アライグマが声を上げる。その言葉に、げぇ、と汰磨羈はいやそうな顔をした。
「また御主か……懲りんなぁ……」
「ふっふっふっ、一度で懲りるような性格をしていたら魔王はやっていられないのです」
ばぁっ、とアラーイが手を振るった。
「今宵俺たちは、伝説の洗い師アライグマを連れてきた! この伝説の洗い師アライグマとWash勝負をしてもらう!」
「Wash勝負って」
リコリスが小首をかしげた。
「なに。洗いっこするの?」
「その通りだ!」
アラーイがうなづく。
「こう……いい感じにお互いを洗いっこして……先に心が現れてフワーッってなった方が負けだ!
こちらの洗い師たちは、皆えりすぐりの洗いのエリートたち……洗われてタダで済むとは思うな!?」
「なるほど」
メリーノが、うーん、と唸った。
「これは、あれね。アライグマをこしょこしょした後、温泉に入ったりして遊ぶリゾートシナリオね」
「俺たちの侵略を、そんな忙しい中の休憩みたいに言わないで!」
地団駄を踏むアラーイ。汰磨羈は肩をすくめた。
「……何やらよくわからないが、まぁ、いい。御主たちの挑戦、受けてたとうじゃないか。そうじゃないと、温泉に入れなさそうだし……」
「さすがだ、我が終生のライバル、伝説の勇者妖精アライグマよ……」
ラクーーックックック、と笑うアラーイに、
「次それ言ったらほんとに泣くからな!!」
汰磨羈がキレた。
そして――。
Washバトルの幕があがった!
- スーパー銭湯・Super Wash☆アライランド完了
- GM名洗井落雲
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2023年01月31日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●というわけで
『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)
『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
『伝説の勇者妖精アライグマ』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
『生イカが好き』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
『お師匠が良い』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
『開幕を告げる星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
『華奢なる原石』フローラ・フローライト(p3p009875)
『特異運命座標』メリーノ・アリテンシア(p3p010217)
以上八名と、洗い師アライグマたちとの壮絶なWashバトルが始まる――!!!
「リコリスーーーーッ!!!」
汰磨羈が叫んだ。リコリスはWashに沈んだ。開幕から振るわれた洗い師アライグマのWashに耐えられなかったのだ。以下リコリスは温泉にぷかぷかと浮かんだまま昇天しています。
「くぅ……侮っていた! これほど強力なWashとは……!」
汰磨羈がくっ、ってやった。ゲオルグが「ああ……」と戦慄した様子でうなづく。
「みたか、あの三回転と半回転式ドラム洗濯Washを……まるでふわふわの綿菓子の様になったリコリスの姿を……。
私はふわふわもこもこをWashする方がいいのだが、確かにふわふぁもこもこのアライグマにWashされるのもいいかもしれない、と思ってしまうほどの、すさまじいWashだった……」
「ええ、恐ろしい相手でして……」
ルシアがうなづく。
「あのリコリスさんが……『ボクに任せてよ。ここらで御遊びはいい加減にしろってところを見せてあげたい』と自信満々に向かっていったリコリスさんが……こんなことになるなんて……!」
「皆さん、リコリスさんがプレイングを白紙提出したので状況を捏造し放題ですね……!」
フローラが突っ込んだ。
「でもよぉ、相手が凄い洗い師なのは間違いねーぜ!」
と、ワモンが言う。その体に泡をあわあわさせて、そのまま戦うつもりである。
「オイラもアザラ式洗浄術には自信あるけどよぉ、相手も大した奴らだぜ!」
「そうねぇ。リコリスちゃんも至福の表情で温泉に浮かんでいるものねぇ。あれはこのシナリオ中には帰ってこれないと思うわぁ」
メリーノが、人差し指をほほにあてつつ、「んー」とうなった。リコリスはもう帰ってこないだろう。
「ラクーックックク! どうですか、先生の『洗い』は」
魔王アラーイが得意げに言った。
「正直うらやましいと感じるほどの『洗いちから』! 降参すれば命だけは助けてやった後極上のスパコースを堪能させてやろう!」
「それじゃ負けてもこっちにデメリットがないのでは……?」
ウェールが嘆息する。とはいえ、アラーイに乗っ取られては、スーパー銭湯のスタッフが困るかもしれない。
「そうです、困ります」
心を読んだように、アライグマが言った。
「僕たちはこのスーパー銭湯に投資しているのです」
「トップがすげ変わったら株価が下がってしまいます」
「下がるのか……というか、株……?」
ウェールが困惑する。まぁ、アライグマのことである。適当なことを言っているだけだろう。
「ううむ、改めて作戦を練るか。まだ1300文字くらいしか書いてないから、リプレイにも余裕があるだろう」
「問題は、洗い師の洗いにどう耐えるか、でしょうか?」
フローラが小首をかしげる。
「正直……長く耐えられるとも思えません」
「んー、この場でAP(せいしんりょく)が有り余ってそうな奴だろぉ?」
ワモンが視線を移した。その先にはゲオルグがいる。
「やはり私か……いつ攻撃にうつる? 私が前線に立つ」
「ゲオルグさんは、充填もちでして」
ルシアが言った。
「気持ちよくなっても、すぐに充填して復活するわけでして!
そうなると、盾役としては一番ではないですか?」
「うーん、囮なら、わたしが担当してもいいわよぉ?」
メリーノが声を上げる。
「正直、もふもふのもふもふ洗いって興味あるのよねぇ。
それに、あれだけたくさんのアライグマさんに洗ってもらえるの、きっと心地いいと思うわ」
「私もそう思う」
力強くゲオルグがうなづいた。
「そうだなぁ。となると、メリーノとゲオルグ、御主ら二人でとりあえず敵の洗いを受け止めて。
その間に、私たちで一気に洗ってしまうとするか。ほかのメンバーも、洗う方には自信があるだろう?」
汰磨羈の言葉に、
「ああ、もちろんだ」
ウェールが力強くうなづいた。
「温泉で洗いっこ……ああ、息子たちが小さいころにはな。俺もよく体験した。
しかし、この地で改めて、温泉で洗いっこをするなんてな……ふふ、息子達としたかったな……」
ウェールがなんか遠い目をした。
「長男は年齢的に冷たい目をするかもしれないし……
次男は一緒に入ってくれるけどこちらにはいない。
ギフトによる供給でも息子ニウムが足りない……禁断症状が……。
そうか。作ればいいのか。家族を。ハハッ。
妖精さんお前も家族だ三男だ。パパと一緒にお風呂だぞー!」
なんかウェールがその辺にいたアライグマを抱えて飛び出していく。ポーカーフェイスであったが、耳としっぽがぶんぶん振るわれてやばいことになっていた。
「大丈夫か? 彼。気持ちはわかるが」
ゲオルグが言った。
「わかるんですか? 気持ち」
フローラが尋ねるのへ、ゲオルグは当然だろう、みたいな顔をした。
「だって、もふもふだぞ?」
「もふもふですね……」
フローラがうなづく。
「どうでもいいけどよぉ、あのままだとウェール、泡に埋もれてダウンしちまうぜ?」
ワモンがそういった。
「わぁ、指先一つで?」
フローラがちょっと楽し気にそういう。こほん、とルシアが咳払い。
「とにかく、ささっと洗いを始めるのでして。
大丈夫でして! どうせオチは、ルシアが魔砲でずどーんしてまとめて洗って終わりでして!
今のうちに予約しておきましてー!」
にっこにこで笑う殲光砲魔神【※威力9371】。一方で、びしっと汰磨羈を指さして、
「魔王アラーイは覚悟するのでし……ああ、ごめんなさい! こっちは汰磨羈さんでして!
あっちの汰磨羈さんが魔王アラーイでして、で、こっちの魔王アラーイは汰磨羈でして!
つまり汰磨羈さんはアライグマでして、洗井落雲は魔王アラーイでして、魔王アラーイはアライグマでして、つまり汰磨羈さんは洗井落雲でして!?」
「今凄い名誉棄損起きたからな!?!?!?」
汰磨羈が凄いいやそうな顔をした。
「どうしよう、PPP始まって以来一番泣きそうだ……私はねこ! 断じて洗井落雲ではない!!」
「ラクーックックク! そろそろいいですか?」
魔王アラーイが言った。
「さぁ、始めようか! washバトルを……!」
「ふふん、まぁよかろう!」
汰磨羈が胸を張った。ちなみにバスタオル一枚である。
「ふふふ、洗い師アライグマ何するものぞ。
普段から自慢の尻尾をWashしている私の手腕を見るがいい!」
「確かに、いつも尻尾をWashしてるものねぇ」
メリーノがにこにこと笑う。
「それじゃあ、始めましょうかぁ。Washバトル、すたーとぉ♪」
果たしてメリーノの言葉を合図に、Washバトルが始まった――!
「うぉぉぉぉいくぜぇ!! アザラ式洗浄術だー!」
ワモンがつるるる、と床を滑りながら突撃! そう、全身には石鹸で泡出てているためにつるんと滑るのだ!
「いいか! 洗浄は速さが命! 手早くこすりつけてぞんぶんに泡立てる! それがアザラ式洗浄術の極意ってやつだぜー!
そして、アシカクラッシャーアタックのきりもみ回転を加える事でさらに倍の洗浄力!
さらに機動力を活かしてつっこむことでアラーイの洗浄力を上回る1200万洗浄パワーだぜ!」
「ゲェーッ! きりもみ回転で、まるで泡の竜巻のようだーーーっ!!」
洗い師アライグマの一人が叫ぶ! そう、まるでバブル・トルネード! ワモン必殺の洗浄技だ!!!
「くそーっ、受けて立つぜ! 来い!」
なんかテンションの上がった洗い師アライグマが叫ぶ! そのままワモンは突撃――おお、見よ! あのバブル・トルネードのなかは、意外にも来墜ち酔いもみ洗いの空間だ!!
「こ、これは……!」
「みたか! 以外にも心地好い、トルネードの中――」
「ぐるぐると回転しながらも優しく触れる――これは、アザラシの肌……! グワーーッ!! おやすみ!」
すやぁ、と心地よさから眠りにつく洗い師アライグマ! ここにアザラシWashが先手を取った!
「おのれ! 負けてはいけません!」
アラーイが号令をかける! 一斉に動き出す洗い師アライグマたち! 手にした桶でばしゃしゃー、と泡を泡立て、超手をあわあわにして迫る!
「ふふふ、ここからはわたしが相手よぉ!
さあアラーイちゃんたち! わたしを上手に洗えるかしら?
あら? 一匹でわたしを洗い切れると思っているの? ずいぶんと過信してるのね!」
メリーノが両手に高級シャンプーと高級マッサージオイルを装備して立ちはだかる!
「おのれー! 勝負だ!」
洗い師アライグマがその両手でメリーノをやさしくわしゃわしゃした! 絶妙な力加減、ふわふわとした泡の感触……メリーノを極上のリラックス感が襲う!
「はわわ……でも、まだまだよ! さぁ、もっと気持ちよく……じゃなかった、かかってきなさい~!」
なんだかんだ洗いを満喫しているメリーノであるがさておき。一方、ゲオルグもまた、アライグマと相対していた――。
洗いあう。
洗いあう。
アライグマとゲオルグで洗いあう。
大きいわんちゃんなら、わしゃわしゃと洗うのもよかろう。
だが相手は一抱き締めるのに適度な大きさのアライグマ。
極上のもふもふを生み出すためには丁寧かつジェントルなWashが不可欠なのだ――。
「どうですかー、心地よいですかー」
一生懸命柔らかい言葉をかけるゲオルグ! おなかをこちょこちょされているアライグマが「あー……すごくいい……」と満足げに声を上げたので、
「あ、じゃあ、肉球の方ほぐしていきますねー」
「おねがいしますー。
……あー、いい……」
ムニムニと肉球をほぐせば、日ごろの疲れも取れていくものだ……アライグマ陥落ッ!!!!
「み、皆さんすごい……!」
フローラがシンプルに感心する。一方で、桶に入った泡の中で、アライグマがおなかを見せていた。
「あ、私も頑張りますね~。しゅわしゅわ……どうですか?
ゆーあーうぉーっしゅ~。
アライで汚れ落ちてくる~。
ふふふ、なんて。
おかゆいところはありませんか~?」
はぁ~~~? お嬢様にお風呂でこちょこちょでございますか? 許せない、その場所を代わっていただきたいのですが?
おっと、地の文をジャックしてしまいました。私はこのままこっそり写真と動画を取りますので、お嬢様と私のことはお気になさらず。
さて、地の文を取り返してみたところ、washバトルは当然のごとくイレギュラーズたちの有利に傾いていた!!
「ふふ……さぁ、三男。頭を洗おうな。シャンプーハットをつけてあげよう……」
「お父さん……」
「三男も、もパパの腹筋とか胸とか触っていいからなー。
雄っぱいも力を入れなければ柔らかいんだぞ……ただ繊細な部分だからな優しく、な」
「お父さん……!」
ぎゅっ、と抱き着くアライグマ。
「ふふ、三男は甘えん坊だな……!」
「お父さん……!」
「ああっ、洗い師たちが次々と陥落を!?」
アラーイが叫ぶのへ、汰磨羈が、でん、と立ちはだかった!
「どうやら我らの優勢のようだな、魔王よ……!」
「おのれ、勇者妖精アライグマ……!」
ぎりり、と歯ぎしりをする魔王アラーイ。汰磨羈は得意げに笑う。
「さぁ、決着をつけるか! 魔王! そしてもう二度と! アライグマとは言わせない!
私は絶対に、ねこ!」
ざっ、と構える、汰磨羈。ばっ、と構える、魔王。
一触即発の空気が、風呂場をほんわかと漂った。あちこちでアライグマたちが、「もういいからそろそろ温泉でのんびりしましょう」みたいな空気で二人の衝突を見守っていた。
汰磨羈の洗法(せんぽう)は浣熊無極――高EXAから放たれる追撃付き遠距離貫通めいたWash――!
かたやアラーイの洗法は、シンプルかつ究極の一撃――渾身の洗いから放たれる必殺防無のWash――!
『でやーっ!』
両者は飛んだ! 衝突する! 二人の! 洗法! その刹那――!
「おまたせでしてーーっ! オチ担当でしてーーーっ!」
と、ルシアの声が上がる!
「エネルギーを、ためにためて今この瞬間!
このタイミングこそが最高の『魔砲オチ』だと、魔砲少女のカンがビシビシ告げておりまして!
というわけで、必殺――!」
ばちばちと、ルシアの手の中で泡が泡立つ。
強烈な泡が旋風を巻き起こし、威力9371(自己申告)の魔砲ソープが解き放たれる!
「『一切合切全洗濯(ずどーん)』! でしてー!」
そして――。
泡が世界を包み込んだ――。
●温泉リラックス
「いやぁ、極楽だな……」
「お父さん……!」
三男を腕に抱きながら、ウェールが温泉で人心地をつく。
戦いは終わった。
すべては泡に塗れた。
そう、戦いはむなしい。いつの時も。もういいいじゃん、皆気持ちよかったってことでさ……世界はハッピーさ……。
「この後は、ゲームコーナーに行こうな、三男……!」
「お父さん……!」
ウェールがにこにこと笑った。温泉最高。
「ハーブ湯ってのは気持ちいいなぁ。変わったにおいがするけど、これでリラックスできるのか!」
ぷかぁ、とハーブ湯でワモンが浮かんでいる。うずうずとした様子は、どうやら思いっきり泳ぎたいのであろう。
「うーん、温水プールもあるんだったよなぁ。せっかくだから、この後泳ぎに行ってみるか~!
湯につかるのもいいけれど、やっぱプールで泳ぐ方がしっくりくるからな!」
うんうん、とうなづいて見せるワモン。大丈夫、スーパー銭湯には何でもあるよ。
「さぁ、お客さま……ご気分は……?」
「最高……」
ゲオルグは、まだアライグマを洗っていた。というか、気づいたらなんか長蛇の列ができていた。
「すみません、次は私をお願いします」
列に並んでいたアライグマが言うので、ゲオルグはうなづいた。
「ああ、構わないとも。そこに並んで待っていてほしい」
「わーい。あ、最後尾の人、札持っておいてください」
最後尾のアライグマが、『列最後尾』と書かれた札を受け取って掲げた。ゲオルグは働いているような感じであるが、まぁ、もふもふをわしゃわしゃできたので幸せだろう。僕も幸せ。みんな幸せ。世は平和。
「ふぅ~……」
フローラも、おっきなお風呂で肩まで使って、ゆっくりと温泉を楽しんでいる。
「お家のお風呂も大きいですけど、ここまで大きなお風呂は楽しめませんからねぇ……」
「でしょう。おっきいお風呂ってテンション上がりますよね」
なんか当然のように魔王アラーイも温泉に入っている。戦いが終わればみんな温泉仲間だ。
「うむ……御主の洗法……なかなかのものだった……」
汰磨羈も温泉に入ってうんうん唸っている。
「汰磨羈さんの洗法も……素晴らしかったですよ……!」
なんか通じ合った風な香りを出しながら、二人が見つめ合う。
「わぁ~……素敵ですねぇ。私も洗ってもらいたいです……。
というか……スーパー温泉、最高……仮眠室に、ご飯も食べられるんですよね……。
帰りたくない……」
フローラがふわふわした感じでそう言う。お嬢さま、ちゃんとお屋敷に帰ってきてくださいませね?
「あ、そうだわ! せっかくだから、洗いっこしましょ?」
メリーノが、ぽん、と手を叩きながら言った。
「たまきちゃんやウェールちゃんのもふもふも洗ってあげたいし……フローラさんのふわふわの髪も洗ってあげたいわ!
もちろん、リコリスちゃんもそうだし……うふふ、楽しいわねぇ」
メリーノの言葉に、皆とろけるような笑顔を浮かべた。そう、至福だった。温泉。極上の洗い。これが天国である。
「ふへー、最高でしてー」
ふへーって、とろけるようにルシアが温泉のへりにほっぺたをぺたーってしながらそう言う。
「あっ! そういえば……。
Washバトルでは大活躍しましたけども、『これ(魔砲ソープ)』って実際どんな感じなのですよ?
ちょっと試しに自分も洗ってみるのでして~♪」
「あっ」
アラーイが声を上げたがもう遅い。
ルシアがぎゅおーん、と手を構えると、その手の中に泡泡が巻き起こる! 強烈な旋風! そして、奔流!!
「や、やめろルシア! 一日で二度もずどーんオチなんて最低だぞ!!」
汰磨羈が制するがもう遅い!
「だめでして! 一度放たれたずどーんは止められないわけでしてーーーーっ!」
そして解き放たれる、ずどーん! 再び世界が泡に包まれ――。
心地よい泡の流れの中、イレギュラーズたちは最高のリラックスと、あとで泡を掃除する大変さを味わうことになるのであった――。
めでたしめでたし。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました!
Super Wash☆アライランドはいつでも皆さんのお越しをお待ちしております!
GMコメント
お世話になっております。洗井落雲です。
温泉レジャーシナリオです。ほんとです。信じてください。
ちょっと自己を投影したアライグマを、皆さんにやさしく洗ってほしかった、仕事が始まってしまった悲しみを、そんな風に癒してほしかったとかそういうわけじゃないんです、ほんとです、信じてください、ああっ! シナリオページを閉じないで! もうちょっとだけ、せめてシナリオ詳細だけで見ていってください! 健全だから!
●成功条件
魔王アラーイと洗い師アライグマたちをWashバトルでやっつけた後、スーパー銭湯でのんびりする。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●状況
スーパー銭湯・Super Wash☆アライランド――。
妖精アライグマたちが新緑に合法的に立てた、魔法のスーパー銭湯。
皆さんは、伝説の勇者妖精アライグマである汰磨羈のコネで、ひと時の急速にこの地を訪れました。
しかし! そこに洗井落雲が現れたのです! じゃなかった、魔王妖精アライグマ・アラーイが現れたのです!
アラーイは温泉を占拠すると宣言! 自分たちを止めたかったら、洗い師アライグマたちと、Washバトルで勝負しろと言ってきたのです!
Washバトル――それは、極上の『洗い』を提供しあうバトル。具体的には、頭とか体を洗ってあげたりすると勝てます。逆に、洗い師アライグマの極上Washを受けると、意志というの名のAPが減っていき、0になると心地よく眠りに落ちて負けます。そういうバトルです。
さぁ、なんやかんやのプレイングでアライグマたちを洗い倒し、そのあとはスーパー銭湯で心からくつろぐのです!
というわけで、Washバトルの前半と、スーパー銭湯でくつろぐ後半、という感じのリプレイ構成になるかとおもいます!!!
●Wash対象
魔王妖精アライグマ・アラーイと洗い師妖精アライグマたち
Washの力の強い、洗うアライグマたちです。素敵なWashパワーで、皆さんを骨抜きにしてしまいます。
対抗するには、強い意志とか、なんかこう、回避で逃げ回るとか、防御技術で抵抗するとか、皆さんの得意なステータスやスキルで適当にこじつけてください! そしてそのまま僕を洗ってください! じゃないや、アラーイ達を洗い倒してください!
以上となります!
それでは、皆さんのWashちからを楽しみにしています!!!
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