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シナリオ詳細

キモいことが覇竜の平和につながるなら、君は

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●キモスワイバーン
 ワロスワイバーン、と呼ばれるワイバーンがいる。
 デザストルに生きる、その辺に草を生やしてくワイバーンのことだ。
 ちなみに生えた草はすぐに腐るので迷惑極まりない。
 コロスワイバーン、と呼ばれるワイバーンがいる。
 ワイバーンの中でも殺意が特に高いワイバーンだ。
 性格は飽きっぽいが攻撃性が高く、辺りを炎上させる「着火ブレス」を放つのが特徴だ。
 しかし通常時は他のワイバーンと見分けがつかず、攻撃態勢になるとその身体が赤くなるという、そんな偽装スキルも持っているのだという。
 そしてエロスワイバーン。
 エロスを許さず「修正ブレス」を吐くワイバーン。そんなワイバーンもいた。
 ならば、と『たくさん燃えた』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)は思う。
 エロスワイバーンはいたのだ。ならばキモスワイバーンが来るかもしれない。
 キモスワイバーン。そんな生物はいるのだろうか。
 そもそもキモスって練達のネット語かなんかだっけ、とヴィルメイズは考えた。
 いるとしてキモさに反応するのか、ワイバーンがキモいのか。
 しかし、いるならばきっと面白い。いるかどうかは分からないが。
 その謎を解く為、ヴィルメイズは再びフリアノンへ飛んだ!

●いるらしいよ、キモスワイバーン
「キモスワイバーン? うむ、おるぞ」
 『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)はヴィルメイズの問いに、アッサリとそう答えた。
「え、いるんですか?」
「このくだり、前回もやったのう。つーかいるもんは仕方なかろう」
 とはいえ、まさか本当にいるとは思わないではないか。
 エロスまではいてもキモスがいるのは予想外であった。
 ここまでくるとヴィルメイズは予想GUYと言えよう。さておいて。
 しかし、いるというのであれば確実に面白いのは間違いない。
「ちなみに……どのようなワイバーンなのでしょう?」
「うむ。まあ、一言で言うと……変なワイバーンじゃな」
 まあ、そうだろう。エロスワイバーンもそうだった。
 しかし詳しく聞いて見れば、これまたとんでもなく妙なワイバーンなのである。
 まず最大の特徴は、キモさを許さないことである。
「なるほど。オタクに優しくないギャルのような」
「それは普通のギャルじゃないかのう……?」
 さておいて。どうやらキモスワイバーンにもおびき寄せる方法はあるらしい。
 具体的に言えば、おおよその一般的価値観に合わせて「キモい」ことをやればいい。
 どの程度をキモいと思うかは人の価値観や感覚にもよるが、おおよそ一般的大多数の感覚においてキモいことをやればいい。
 それは言葉でもいいし、動きでも構わない。合わせ技をしたっていい。
 分からないなんてことはないはずだ。思い出せ、あるはずだ。心の奥にしまい込んで鍵をかけた、そんなキモ行動の思い出が……。
「此処で大事なのは、エロスではないってことじゃな」
 そう、エロさとキモさは特殊な事例を除いて両立しえない。
 そしてキモスワイバーンは所詮ワイバーンなので、エロさとキモさで判定に迷うと寄ってこないのだ。
「ちなみにじゃがさっき、そのキモスワイバーンが出たという話が出てのう」
 そこに丁度、キモスワイバーンの話を聞きにヴィルメイズが現れた。
 これはもはや「そうせよ」という天啓じみていると相賀は語る。
「と、いうわけでのう。地図は描くから早速行ってきてくれんかの。お主ならそういうのも簡単じゃろ?」
「その評価はお待ちいただきたい」
 ヴィルメイズの弁明を相賀が聞いていたかは分からないが……ともかく、お仕事である。

GMコメント

はい、というわけでアフターアクションです。
キモい動きとかキモい言動とかでキモスワイバーンをおびき寄せましょう。
何? 思いつかない? じゃあ「あの時はキモかった」エピソードでも披露すると良いと思います。
そこにキモい動きを加えれば完璧です。

Q:つまり何をしろって?
ここらで決めようぜ、覇竜で一番キモいヤツ!

●敵一覧
・キモスワイバーン×1
キモさを感じると飛んでくるワイバーン。エロス濃度が高すぎると判断に迷うと飛んできません。
キモいことしておびき寄せましょう。
攻撃方法はキモい人にモザイクをかける「モザイクブレス」です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • キモいことが覇竜の平和につながるなら、君は完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月15日 23時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
観音打 至東(p3p008495)
結月 沙耶(p3p009126)
少女融解
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)
指切りげんまん
マリエッタ・エーレイン(p3p010534)
死血の魔女
水天宮 妙見子(p3p010644)
ともに最期まで
フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)
お嬢様(鉄帝)

リプレイ

●キモさ選手権:前編
 キモスワイバーン。キモいことで呼べるというワイバーンである。
 つまりキモスワイバーンが飛んでくるということは「お前キモい」とワイバーンに思われたということだ。
 しかし安心してほしい、人間社会の基準では違うかもしれない。
「またワロスワイバーンが出たんですの?! さっそく捕獲を……え? またなんか違うんですの……? いやなにこれ……」
 ドン引きしすぎて素に戻っているのは『自称・豪農お嬢様』フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)だ。
「てか変な亜種?が増えすぎてこれもう「誰かが”○○○ワイバーン”的な名前を思いついた瞬間にこの世界に産まれ落ちている」可能性までありませんこと……? まあともかくざっくり言うと今回も奇行すればいいんですのね。
 虹色のお嬢様脳細胞が光る(と言い張る)フロラだが、つまりはそういうことだ。
 ちなみに世界とは人間に想像できるものは大体実現するらしい。さておいて。
「おお、黒鉄様もお人が悪い……。お主ならそういうのも簡単だとか得意だとかなんとか好き勝手言って〜こんな美しい私に気持ち悪いところなどあるわけないですよ、皆様もそう思うでしょう?」
 『たくさん燃えた』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)の言葉だが、全員がたまたま吹いた強風にあおられて聞こえていなかった。
「皆様もそう思うでしょう?」
 おっと、季節外れのカブトムシに気を取られて全員聞いていなかったようである。
「そんなわけで今回も皆様にお願いするしかないようですねぇ。気持ち良くするのは得意だと思いますが……おっと今回はエロスワイバーンではありませんでした。失礼!」
 そういうところかもしれない。
 というわけで一番手は『破竜一番槍』観音打 至東(p3p008495)である。そう、此処でも一番槍だ。
 はたして至東はどんなキモさを見せようというのか……何やら声が聞こえ……至東がブレている。
 一体何をしているのか。
 てやてやてやてやてやてやてやてや……。
  そう、それは連続急降下キックで移動する音。
 ずざーずざーずざーずざーずざー……。
 それは連続スライディングで移動する音。
「この観音打至東の両足は、もはや走るために非ず。つまり世界が走れ!」
 どうしよう。もういきなり凄いことになっている。
 練達のテレビゲームで初心者がやってる不思議な動きみたいになっている。
「……そう、人類はもっとキモくなれる! 非正常ながらシステム範疇内な手段での高速移動さえ習得できれば! 私の機動力は変わらず5ですが、このムーヴで今こそ限界を超えてみせる……ッ! キモれ、私よ! 今こそ修行の成果を見せるとき!」
 限界を超えるのはどちらかといえば人類に許される正視に耐えうるアレ系の限界な気もするが、キモスワイバーンが飛んできて至東にブレスを吐きモザイクをかけている。
「……これは仕方ない」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)が思わず呟いてしまうが、至東が「何故ですか⁉」と叫びながらキモスワイバーンに一撃を入れている。
 何故かと問われれば予想外の方向性にキモかったからだろうが「ああいうのでもいいんだなあ……」とヨゾラは呟く。
 その意味は……次の出番がヨゾラであることから想像できるというものだ。
「えー……はい。こんにちは。過去の恥ずかしい事を抱えてきました、ヨゾラだよー……」
 フード付きマントを被って悲しい表情をしているヨゾラだが、何があったというのだろうか。
「今回はキモスワイバーンを退治する為にキモい……と思われそうな事をする必要がある依頼。だから、掘り起こしてきたよ……過去の僕の一番恥ずかしい格好を……!」
 なんたることか。自分でもキモいと思うようなことをする覚悟があるということだ!
「昔、僕ね……『恥ずかしい思いをしないと動けないタワー』に挑んだ事があって、ね……。恥ずかしい思いをする必要があったから……うん……。実質大切な人からのもらいものな身体だから、二度としないと決めていたけど…依頼完遂の為なら、仕方ないんだ……!」
 そしてフード付きマントが空へと舞い上がる。
「僕がさすがに恥ずかしいと思う、女装でへっちでマニアックな服=黒の逆バニー+黒ビキニ水着+黒ガーターストッキング着用!」
 これはひどい。ヴィルメイズが「来ましたね……ついに『ここ』まで」みたいな顔をしていたが、さておいて。
「さらにね……あの依頼の二階にはね、あったんだよ……色々……僕の趣味じゃないけど、これらをね……僕が自分で全装備して……」
 赤ちゃん帽装着
 おしゃぶり付け
 ガラガラ手に持ち
 おむつ穿き
 片手に手錠装着
 足に鞭持ちびしーんばしーん!
 おお、これはひどい。これはひどい。
 なお、ヨゾラが衣装含めて全て新品を買っている。自分の財布で買ったので、この依頼終わったらお家に持って帰るのだろうか?
 赤ちゃんグッズはさておいて逆バニーと手錠と鞭は結構言い訳がききそうにない。
 なお本日、ヨゾラはマットも持参しているが魔術紋の都合である。
「さぁこいキモスワイバーン! キモいとか言われて悲しいけど来てくれてありがとう殴らせろこらああああああ!!
 おめでとう、おめでとうヨゾラ。今のところ文句なしの1位である。
 キモスワイバーンすら引いている。そんなヨゾラの一撃が入ったところで、次は……『奪うは人心までも』結月 沙耶(p3p009126)である。
「キモスワイバーンだと……つくづくこの辺りのワイバーンにも色々いるものだな。で、キモい行動を起こすと出てくると……うむ、正直慣れてないが、やってみるか……」
 距離感をバグらせながらコミュ障で陰キャなムーブをしていけばキモいと思われるのではないか? と言いながら沙耶は……周囲を見回して腕組み仁王立ちをしているフロラに目をつける。
 そして……目を潤ませ近づきながら、馴れ馴れしい感じで腕に抱き着いていく。
「えーと。あ、始まってるんですの?」
「うん★」
「うわあ」
 ヨゾラが思わず何かを連想したような顔になるが、此処で沙耶のインタビューを聞いてみよう。
「私が元いた世界でも数人はいた奴だが、こう、初対面の癖に馴れ馴れしくぎゅーってスキンシップしながら接近してウルウル目で見つめてきたり、かと思えば普段は壁に寄りかかったり物陰でブツブツ呟いてたり……あとはいざスキンシップを取ったりしてはねのけられてもこう、ぺちぺちと構ってちゃんする感じとかな。自分がコミュ障で陰キャでうまくコミュできないから距離感をバグらせて近づいてしまい結果嫌われるパターンだな……これをなるべくキモい行動も加えながら再現していくぞ。なんなら超視力と広域俯瞰でキモスワイバーンみたいなのを見つけたらもう引き付け役代わりにキモスワイバーンに距離感バグかまってちゃんムーブを仕掛けていくか」
 ……とのことであったらしく、いきなり沙耶が壊れたわけではない。安心してほしい。
 何やらフロラをツンツンしながらウインクしているのも、あくまで演技なのだ。
(……あくまでこれは依頼の為の演技。依頼のための演技であって実際の私はこんなに距離感をバグらせているわけではない!)
 内心に言い聞かせる沙耶だが、ちょっとキモスワイバーンが遠慮気味に飛んでくるのを見て成功を確信する。
 ……そして、次はフロラである。さあ、何を見せようというのか?
「お待たせしましたわ!」
 車だ。四肢を取り外しタイヤを取り付けたフロラカー……なんだろう。凄いものが出てきてしまった。
「皆様ご存知の通りわたくしの四肢は根元からメカ義肢で、全て外すと俗に言う”ダルマ状態”なのですわ。つまりコネクタ規格を合わせれば何でも装着可能! 可能性の塊ってやつですわ〜!!」
 恐ろしい事を躊躇なくやってくるお嬢様である。こわい。
「という訳で今回はオフロード用いい感じタイヤでございますですわ! 武器類は背中に括り付けときますわ。 これでいつでも混沌中のおもしれーとこへ駆けつけることができるのですわ。さあ、さっそく自慢の四輪駆動で覇竜の大地をしっかり踏みしめてワイバーンの周りをブオオンしますわ!! 更にで騒いで【跳躍】で反復横跳びしますわー!」
 あ、よかった動きがキモい。キモスワイバーンが遠い空でも分かるホッとした表情をしている。
「ちなみにこれ注意して走らないと地面に当たって乳やら顎やらが削れますわ。違う意味でモザイクがかかってしまいますわ。でも……乳が大根おろしになろうが覇竜を守るためなら……わたくしは身体を張るのですわ……!」
「ヤババ」
 フロラの姿を完全にキモスワイバーンのモザイクブレスが覆い隠すが……まあ、順当である。
「これが……特異運命座標のすごさ……!」
 それは違う、ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン。少なくともこの瞬間においては「すごいやばい」のはフロラ個人に拠るものである。

●キモさ選手権:後編
 さて、休憩を少し挟み再開である。
 5人目は『北辰より来たる母神』水天宮 妙見子(p3p010644)だ。
「気持ち悪いこと……? えぇ~? 妙見子ちゃんきもい行動なんてできなぁ~い♡」
 あ、キモスワイバーンがちょっと発進準備をしている。
「……ヴィル……握り飯太郎様の視線が痛いのでやめておきましょうか……ぐぅ…絶対やらないとだめですか……? し、仕方ないですね……」
 今のは本番ではなかったらしい。というわけで、妙見子がその気になったようだ。
「というわけで妙見子ちゃんオタク君モード! これは妙見子ちゃんが推しの握手会に参加した時の話です!」
 どうやら妙見子は「あの時私はキモかった」作戦のようだ……!
「……スタッフの方に連れられて順番通りに進んでいくじゃないですか? 列が進んでいくにつれて同志たちから感嘆の声が漏れるわけですよ……やれ「顔がいい」だ、やれ「もう手を洗わない」だの聞こえてくるわけですよ……そしていざ自分の番。推しがいるであろうカーテンが開く、目の前に推しが現れる。そうですね?目の前に推しがいるわけです……それはもう輝いて見えるわけですよ、推しなので。そんな推しを目の前にして正気でいられるオタクっておりませんよね!? そして推しに認知されたいオタクはあの手この手で認知を迫るわけです!!普通の人なら名前を下げたプレートとか持って「名前覚えてください♡」とかこのシーンやらこの曲が好き~みたいな話をするじゃないですか? 妙見子は推しを目の前にして気が狂ったのか「きょ、きょうは勝負下着はいてきましゅた!」もうね、自分でも何を言ってるのかさっぱりでしたよ。ちょっとどころか言動があまりにもキモすぎますね? 推しもね「へ、へぇ~すごいね!」って言っておりましたよ、しかも噛んでるし……その日は一日記憶喪失になっておりましたよ」
「イキロ」
 何やら優しい言葉をかけられつつもモザイクブレスをかけられる妙見子。それはそれということだろう。
 そして次は何と『未来への葬送』マリエッタ・エーレイン(p3p010534)の『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)のコンビネーションである。
「私、学びました。ヴィルメイズさんが晴れやかにいたら変な依頼であること。けどこれも覇竜の平和のため……平和のため……だから頑張ってくださいねマリエッタさん!」
 ユーフォニーが変な悟りを得ているが、さておいて。
「ええと……手が足りないという事でやってきたんですが……キモい事……ですか。キモい……気持ち悪い、という事ですか。そうですね、本……旅人の方が持ってきてくれた日記の類だったのですが…その内容のお話でしたら……こんなものでいいんでしょうか……ダメだったらワイバーンを倒すのに全力で頑張りますね」
 そうしてマリエッタは語り始める。
「それは昏い月夜の時間でした。ある旅人達は森の中で寂れた小屋を見つけ、長旅で疲弊した身を休めに小屋へ入ります。しかし、彼らはそこで先住民と思しきボロ布を纏い、座り込んで様子も見えない人と出会います」
 マリエッタの話に合わせ、ユーフォニーが触手やブクブクした物体をドリームシアターで演出、ストリートビートでニチャネチャする音やじゅるるっと啜る音をBGMに……視覚聴覚から気持ち悪さを増強していく。
(ふたりで掛かればなんのその、です!)
「仲間の一人が怪訝に思い、話しかけたその瞬間。急にその人は手を伸ばし、掴みかかると同時に頭がはじけ飛びました。無くなった頭の中からは艶めかしい白く伸びる無数の触手。それは迷わずに仲間の頭に突き刺さるとずるり、ずるりと何かを啜るのです。ブクブクと膨れ、次第にでっぷりと太って行く気味の悪い異形。気が付けばそれは背後にも……あ、これ以上は読めなかったんですよ」
「ガンバッタデショウ!」
 マリエッタにモザイクブレスを放っていくキモスワイバーンを、ユーフォニーが攻撃していく。ちょっとズレたところが可愛いが、演出面でキモく頑張ったのでOKだったようだ。
「友人としてマリエッタさんだけ頑張らせるわけにいきませんよね……はあ……覚悟を決めますか……ムシャムシャくん、力を貸してください」
 と、ここでユーフォニーが覚悟をきめる。
「私が知る最強のキモさはムシャムシャくんが誰かに取り憑いた時の奇行と奇声。他力本願だろうと覇竜のため、今日だけは許します。私に取り憑いて思う存分やっちゃってください!」
 ということで始まったのは、ユーフォニーの奇行である。
「ムッシャアアァァァ!! ムシャ、ムシャシャシャッ、ムシャアアァァァ!!!(私、雑草ムシャムシャユーフォニー! 雑草食ベルノ大好キデスッ☆)」
 ブリッジしたまま白目を剥き、シャカシャカムシャアと半笑いで雑草を食い進みながら力尽きるまで四つん這い高速移動、無駄にアクロバットも入れて衝術をばら撒いていく。おお、これはひどい。ヨゾラばりにひどいことになっている。
「ムシャムシャ、ムシャーーーッ!!(雑草オイシイ、雑草ゥゥゥゥゥ!!)」
 あ、雑草を本当に口に入れてムシャムシャしている。これはフロラ点やヨゾラ点を超えたかもしれない。
「ムシャッ、ムシャア!! ムシャムシャ! ムッシャアアアァァァァァ!!!(モット雑草、オイシイ雑草、雑草雑草大好キイイィィィ!!!)」
「あ! ユーフォニー様! 何処に行くんですのお待ちになって!」
「ムッシャアア!(雑草ォォ!)」
「お許しくださいませユーフォニー様!」
 関節技を仕掛けフロラがユーフォニーを止めている間、ついに出るはヴィルメイズである。
「ところでワイバーンというもの、戦うと厄介ではありますが。まじまじ観察するとなかなか美しい生物だと思うのですが、皆様どう思いますか? まあ最も美しいのは私ですが? 飛んでる姿も力強くて見応えありますし……。手懐けると結構愛嬌があって可愛らしいですし。そうそう、たまに鱗に羽毛の生えたワイバーンを見かけるのですが私の父上も羽毛でフワフワで……はっ!? そう!! ワイバーンは父上に似ている……!! 私の愛するマーヴェラスでファンタスティックな父上に……!! 気付いてしまいました!! すなわちワイバーンとは……ジェネリック父上なのです!!」
 凄い。演出もないのにすでにひどい。
「はっ!? つまりリトルワイバーンに騎乗するとは……実質父上に騎乗するということに!? そんな!? これからリトルワイバーンに乗る時正常ではいられなくなってしまう……! ああっ〜〜〜!」
 結論から言おう。
 ヴィルメイズをキモスワイバーンが結構長い間蹴り頃がした上オマケにブレスを吐いて遠く去って行ったが……誰も止めなかったそうである。
 あと、気付いたユーフォニーが報告書を葬り去る方法を後日、本気で考えたらしいが……それはまた、別の話だ。

成否

成功

MVP

ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘

状態異常

なし

あとがき

思わぬ人が思わぬことになったり、予想通りの人が予想通りのことになったり。
皆さまのポテンシャルは無限だぜ……!

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