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シナリオ詳細

<咬首六天>地下潜む刻間

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<咬首六天>地下潜む刻間
 帝都スチールグラードから見て東に位置するルベン。
 鉄道都市という名のままに、かの街は鉄道の要所として運用され、帝都やベデクト、ローゼンイスタフの各方向に分岐するというターミナル的な存在感を発揮していた。
 だが……そんな鉄道都市ルベンの地下には広がるのは、その鉄道網として整備されていた地下通路。
 そこには動く事が無くなった汽車や、地下と言う立地を活かして低温保存出来る保存用食料を仕舞う倉庫などがある。
 しかし、そんな地下施設の中にはまだまだ未探索の領域があり、そこに何が眠って居るかも分からない。
 ただ、先遣隊の話では、古代の遺物や機械が見つかったと言われ……地下を探索すれば、有用な何かが見つかるかも知れないと言われており。
「……という訳だ。革命派に所属する皆には……その探索を頼めないだろうか。未探索の領域から、道の者達が襲い来るやもしれぬ危険な領域だからな」
 革命派の司祭・ムラトは、その周りに居た者達へと頭を下げる。
 この地下道の一部には、寒さを凌ぐために逃げ込んできた難民達が避難してきている訳で……『革命派』にとっては、この鉄道施設ルベンは落とすわけにはいかない、重要拠点になっているのであった。


「……本当に、弱い人達が居る所を的確に狙ってくるわね……!」
 そしてルベンの地下道にて憤っているのは、イリモナインの一人、レイディ・ジョンソン。
 そんな彼女の憤りをそうね……と半ば諦めた表情で聴いているのは、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)。
 彼女がここ、ルベンの地下道に難民が集まっていると聞いて、イーリンの手をぐいぐいと引いて此処に来たのだが……そこで遭遇したのは、思ったよりもひもじい生活を過ごしている難民達の姿。
 一応は保存食等はあるものの、時折更に深い地下の方から魔物のような者達が現れ、別の場所に避難する、というのを繰り返している状況。
 それ故に、思ったよりも避難民達は疲弊している状況。
 先日の投票により、革命派の『歯車兵』の一部をこの難民キャンプの防衛に充当し、更に同じ位の数をモンスター駆除と探索に割いている状況なのだが……それでもまだ、地下から来る魔物の類いは収まる事は無い。
 それ故に、ムラトらから下された指示は、この地下の探索と脅威の排除。
 ……レイディからすれば、難民に炊き出しをしたいのに、それを邪魔する輩が居るのは、思うようにいかない所に歯痒い所なのは間違い無い……そんなレイディは。
「ねぇ、イーリン。難民達が困っているのよ! 彼等の面倒は私が見るから、イーリンはここに平穏をもたらすために力を振るってくれない? ね、いいでしょ?」
 難民達を前にしたレイディは、グイグイとイーリンに迫る。
 そんな彼女の要求に、そうね……と半ば諦めた感じを漂わせつつ、イーリンは。
「ま、仲間達に声を掛けてみるわ。貴方は難民の方、宜しく頼むわね」
 ひらひらと手を振り、地下不覚へと赴くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 炊き出すレイディさんはとても活き活きとしてますが、それを邪魔する輩達には容赦が無い様です……?

 ●成功条件
   鉄道施設『ルベン』地下道の探索と、それに割り込んでくる敵の排除です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   舞台となる場所は鉄道施設『ルベン』地下。
   この地下道には、いつの時代かも分からない遺物が点在しています。
   そしてその遺物を護るかの如く罠や魔物(天衝種)などが配置されています。
   そして時々この天衝種らが難民達が居る所まで出てきてしまい、難民達を脅かしている様です。
   なので、天衝種らを出来る限り仕留めつつ、探索する事が今回の目的となります。
   
   尚、皆様の加勢として機械仕掛けの自動人形『歯車兵』が数体付与されています。
   彼等は一般兵程度の戦闘能力と力を持っているので、足止め程度なら出来るかも知れません。

 ●特殊ドロップ『闘争信望』
   当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
   闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
   https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

 ●討伐目標
 ・天衝種『ラースドール』
   がらんどうのパワードスーツに身を包んだ怪物です。
   パワードスーツに装備されているのはハンマーの様な、『重さ』を売りにする武器で、それを勢い任せに振り落として攻撃してくる事になります。
   更にこいつらは体力がとても高くタフです。

 ・天衝種『ブレーグメイデン』
   影の様な姿形をしたアンデッドモンスターです。
   ラースドールと同時に突如出現し、後衛に常に配置されます。
   何故か生物(生きる者)に対して強い怒りを抱いている様で、生きる者に攻撃を集中させます。
   彼等の攻撃には回避不可の毒や病、狂気の効果が常に付与されますので、そのバッドステータスを的確に対処為ないとジリ貧になる可能性が高いです。

 ・天衝種『フューリアス』
   人魂の如き、ゆらゆらと揺らめく怪物です。
   しかしその儚げな姿に対し、攻撃は神秘の遠距離から放つ強烈な攻撃です。
   単体、範囲と様々なバリエーションがあり、更には乱れや痺れのBSを付与為ます。
   こいつらが出てくるタイミングはランダムなので、不意を取られる可能性は高くなります。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <咬首六天>地下潜む刻間完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月21日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
武器商人(p3p001107)
闇之雲
那須 与一(p3p003103)
紫苑忠狼
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
陰房・一嘉(p3p010848)
特異運命座標
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中
マリオン・エイム(p3p010866)
晴夜の魔法(砲)戦士

リプレイ

●命を掬う者
 鉄帝国、帝都スチールグラードより見て東に位置する巨大鉄道施設を擁する都市、ルベン。
 首都とベデクト、ローゼンイスタフ等々……広く拡がる鉄帝国を四方に結ぶ鉄道網の分岐の元となり、ターミナル的な位置にありしこの地下道。
 ただ、今はその鉄道網は使われておらず、地下道は鉄帝国を結ぶ巨大地下道の一つ……そして、地下である利点を活かし、風雨と寒さを凌げるが故にいい避難場所として利用されている。
 そして。
『はい……うん、大丈夫! ほら、ここに座って……ご飯、すぐにもってくるからね!』
 と、地下道の中を忙しなく左へ右へと走り回り、避難民達に応急手当をしたり、ご飯を配って歩いたり……避難民達の世話をしているレイディ・ジョンソン。
 その後ろ姿を見た『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)が。
「……本当、寒さから逃れた地下で、的から逃げてレイディが憐れむのも無理はないわね」
 と肩を竦める。
 その言葉にレイディが何か反応を返す事は無い……人々の世話をすることで精一杯だったりする。
 そんなレイディとイーリンは、傍目から見ても瓜二つな外見で、まるで姉妹かと見間違うほど。
「……へぇ、『よく似た』ものだね」
「ああ。活動的なとこも似てんだな、二人。どっちも好ましいと思うよ……本当に」
「全くだ。まぁ、それは今回の本題ではない。元気に害獣駆除に勤しもうじゃないか。ヒヒヒヒ……」
 と『闇之雲』武器商人(p3p001107)と『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)二人の会話にちょっと訝しげな表情を浮かべるイーリン。
「……別に似てないわよ。ま、何にせよ私達の仕事はこの地下道の探索と、立ち塞がる驚異の討伐ね」
「エエ。冬ノ魔物ヲ地底ニ閉ジ込メタ伝説ト、ソレヲ照明スルカノ様ナ、人々ノ記憶カラ消エタ地下道デスカ。ソノ真実ガドウデアレ、コノ世界ヲ観測シテイル当端末ニハ、ナカナカニ興味深イ話デスネ」
 イーリンの言葉に『観測中』多次元世界 観測端末(p3p010858)のアウトプットが出力される。
 そしてそれに『嵐を呼ぶ魔法(砲)戦士』マリオン・エイム(p3p010866)が。
「確かにそうだね! 本当にこの地下道って何なんだろうね? 人工物なのは確実だとしても、鉄路にしては大きすぎる気がするんだよね! 他に何かの為に、という疑問が頭から絶対には慣れないよね!」
「エエ。マア、調査ヲ進メレバ、オノズト判明スルコトデショウ」
 ピッ、と音を出す観測端末。
 そしてそれに『紫苑忠狼』那須 与一(p3p003103)も感化されたかの様に。
「ふむ……まぁ、とりあえず地下道を探索して的を排除して、難民の皆さんの安全を守ればいいのですね? 先輩の為にも拙者の力、十二分に発揮しましょう!」
「そうだね! まずは避難民の安全確保が第一! その為にも天衝種の一掃から開始だね! 本日のマリオンさんは、前衛で戦うので男性モードで頑張りますよ!!」
 与一とマリオンが互いに頷き合い、そして『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)も。
「まぁ、オレとしては、戦闘をしっかり熟して、その後は探索より炊き出しの協力に向かいたい所なんだが……まぁ、依頼である以上は、果たすべき役を果たせ、だな」
 その言葉にイーリンは頷き、肩を竦めながら、忙しなく動き回るレイディの肩をぽん、と叩き呼び止める。
『えっと、こっちにご飯を運んで、あっちに毛布を運んで……って、ん、どうしたの、イーリン』
「本当……無理はしすぎない様にしなさいね? それじゃ、私達は行くわ。ここの人達の事は、任せたわよ」
『ええ、イーリンも頑張って来てね!!』
 満面の笑みを浮かべて、ぶんぶん手を振り送り出すレイディ。
 ……そしてイーリンは、『魔女断罪』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)の傍を通りがかりながら。
「……ココロ。多分ここ、医療も足りてないと思うの。だから、後で見てあげて。派閥なら、きっと助けられることもあるし」
 イーリンの願いの言霊に、ココロは。
「ええ、お師匠様、任せて下さい。難民の方々も、こんな地下ではお寒い事でしょう。レイディさんはとても正しい事をなさっていますし、そんな困っている人達を救うのは『医術士』の使命ですから!」
「ありがとう。それじゃ……ひと仕事を始めましょう。『神がそれを望まれる』」
 強く拳を握りしめるココロに、聖句を唱えるイーリン。
 この地下道の中に新皇帝軍達も現れるという噂も漏れ伝わっており、何がいるかも分からないが……避難民達を助ける為には、それに恐れている訳にも行かない。
 正体不明の地下の真実を追求するが為にイレギュラーズ達は……鉄帝国地下に拡がる地下道の奥深くに歩を進めて行くのである。

●迷い道の先に
 そして、地下深くへと潜り行く地下道を進むイレギュラーズ。
 道すがらの途中には、革命派の『歯車兵』が充当されており、一部箇所に於いては脅威の排除と共に安全確保が行われている状況。
 だが歯車兵達の守備範囲に収まらないところでは、灯りが灯されているような事も無く、段々と薄暗くなり始める。
「うん……聞いてはいたけれど、中々に暗いものね」
「ええ……この様な暗さとなると、奇襲される可能性が十分に高そうですね……」
 そんなイーリンとココロの言葉に、武器商人は。
「取りあえず我(アタシ)は暗視が出来るから、差しあたりは問題無いねぇ……取りあえず先は見通せるからそっちの方はこっちに任せて貰えればいいと思うよぉ」
 くすりと笑う武器商人、それにミーナと与一も。
「武器商人だけだと何かあった時に不味いだろうし、私もサポートしようか。温度を感じれるし、透視も出来るからな。曲がり角とかの不意打ちにも対処出来るだろう」
「了解です。拙者も温度を感知出来ます故、それをサポートさせて貰いましょう!」
 と二人手を上げ、前線側にミーナと与一、中衛から広く武器商人、そして後方を観測端末が警戒。
 全方位監視態勢を整えた上で、余り足音を立てないようにして深くへと赴いていく。
 そうすれば、灯りも遮られどんどんと暗くなっていき、足音がカツン、カツンと響きわたるようになる。
「フム……コレハカナリ昔ノ遺構ノ様デスネ」
 と周囲を観察する観測端末が、その遺構にぽつり。
「まぁ地下道自体もまあまあ古い物の様だし、もしかしたらそれより前から地下道はあったのかもしれないわね? 残っていた地下鉄網の資料は読み込んできたのだけれど……うん、大筋においては大きな違いは無い様だし」
「お師匠様……覚えてきていらっしゃるのですか?」
「ん……まぁ、其れくらいはね。ま、一応複写も持ってきて居るから、これに書き込んでおけば」
 素っ気ない返事ながら、ココロの言葉にちょっと照れている風なイーリン。
 とは言えこの地下道の中に何があるかも分からないので、警戒しながら歩いて行く。
 ……そして、探索済み区域を出て半刻程が経過した、その時。
『……ウグゥゥゥ……』
 突如聞こえてきたのは、獣の咆哮。
 低く唸る咆哮は、何処か恐怖を呼び起こさせる様な感じの声色……更にそれに合わせてなのかは分からないが、ズシン、ズシン……と言う地響きも合わせて発生。
「っ……どうやら現れた様です。皆さん、注意して下さい」
 とココロが仲間達に呼びかけながら、更に周囲の敵襲の気配を確認。
 ……うっすらと、朧気に感じるは敵の気配……それを視線で合図するココロ。
「ラースドールだけでなく、一通り揃い踏みの様ね。みんな、此処で迎え撃ちましょう」
「了解……オレはオレに出来る事をやるだけです」
 頷く一嘉……そして、段々とその足音が近づいてきて……曲がり角から、巨大なパワードスーツに身を包んだ『何か』が登場。
 重量感はあるものの、どこか空虚な気配……そのパワードスーツの中には何もおらず、何が動力源になっているのかも分からない。
 更にその周りには、暗闇の中に濃く映る影を象ったアンデッドの姿も存在。
「これはこれは……揃いも揃って勢揃いですね! それじゃ早速ですが、始めますよ!」
 とマリオンは仲間達に強い口調でいいながら前線に飛び出し、破壊のルーンを詠唱し、避ける事の出来ない雹の雨をその場に降り注がせる。
 流石にその一雨を喰らったパワードスーツと幽霊……『ラースドール』と『ブレーグメイデン』達は避ける事も出来ずにダメージを喰らう。
 勿論そんな攻撃をしてきたマリオンに、反撃をしようと前線を上げてくる……だが、マリオンの前に割り込むようにして立ち塞がるのはミーナ。
「かかってこいよ。私が相手してやらぁ!!」
 と強い口調で敵を挑発。
 怒りの感情があるかどうかは分からないが、少なくとも今見えている敵陣容は、ミーナに向けて攻撃開始。
 ラースドールの攻撃はとても重く、かなりのダメージを及ぼす。
 更にブレーグメイデンも、ラースドールの一歩後方から遠距離に届く苦痛なる声で、身体の中を蝕んでいく。
 だが、ミーナは膝を突く事はない、むしろ。
「イーリンもココロも与一もマリオンも、全部私が守るってきめたんだ! この先には抜かせるかよ!」
 と強い口調で宣言。
 その宣言にふふっ、とココロは笑い。
「ええ。守りはお任せします! 回復はこちらに任せて下さい!」
 と、かなりのダメージを受けたミーナを即座に大きく回復。
 そしてミーナに攻撃を集中刺せる一方で、イーリン、与一、一嘉の三人が。
「それじゃ、こっちも始めるとしましょうか」
「わかりました! 与一、行かせて頂きます!」
「そうだな。小さな傷でも、積み重なれば、だ。出来る限り短時間で仕留めるとしよう」
 と言葉を交わし、それぞれ攻撃。
 余り時間を掛ける事無く、最大限の攻撃を次々と繰り出す事で、一気にダメージを叩き上げて行く。
 そう前衛陣が攻撃する一方で、観測端末は戦況を監視しつつ恐怖を打ち払う信号を送り、一方後方に構える武器商人は、ミーナと対になる様に怒りから逃れた相手に破滅の声で注意を惹きつけていく。
 そんなイレギュラーズ達の動きに対し、ラースドールとブレーグメイデンは毒等のバッドステータスを与えつつ、力で押す戦法をとり続ける。
 ……更に、段々と近づいてくる……浮遊する気配。
「……! 避けて!」
 咄嗟にココロが叫び、身を伏せるイレギュラーズ。
 次の瞬間、敵陣の後方から強い光の閃光が放たれる。
 当たることはないが、その攻撃が命中した背後の壁は……拳銃が撃ち込まれたかの様な穿孔が開く。
「これは……中々強力な攻撃を持つ者の様だな」
「その様だね! ちゃんと注意しないとね!」
 一嘉にマリオンが注意喚起。
 その背後からは、はっきりとは見えないが、まるで陽炎の様に揺らめく『フューリアス』がポッ、と出現していて。
「一旦前後で分けるとしようか。ミーナはフューリアスを巻き込む様に頼むよ?」
「ああ、分かった」
 武器商人と頷き合い、怒りの届く範囲を区別し、敵全部を怒りに収めるように立ち回る。
 そして集中攻撃を受ける二人には、観測端末とココロが回復を軸に担当し、決して壁を倒させないようにする。
 その壁に守られながら、一匹ずつ確実に敵を仕留めて行くイレギュラーズ。
 相手側の壁となるラースドールは意外にしぶとく、削るのにも時間が掛かるのだが……一匹、二匹と何とか倒して行く。
 そして……ラースドール最後の一匹になった所で。
「さぁ、これで止めです!」
 と与一が止めを刺そうとした瞬間。
「与一、ステイ!!」
 と、止めるイーリン。
「え? 何故ですか?」
「彼等から何か手がかりが得られるかもしれないわ。敵の守る場所を探ることが可能かもしれないしね」
「わ、分かりました! 先輩がおっしゃるなら!」
 与一は頷き、止めを刺さず、後方のブレーグメイデンに攻撃ターゲットをシフト。
 ラースドールの攻撃を受けつつも、ブレーグメイデンとフューリアスに狙いを変える。
 盾となるべく相手が居なくなったとなれば、それらに攻撃を当てる事はさほど難しい事ではない。
 ……ただ、ラースドールは攻撃する事をやめず、撤退する素振りは見せない。
 フューリアス、ブレーグメイデンを倒したとしても……その動きは変わらずして。
「……一度攻撃命令が下ったら、徹底的に破壊する様に命令されているのかしらね……なら、仕方ないわ。ラースドールも倒しましょう」
「む、わかりました!」
 ターゲットを再びラースドールに変える一嘉。
 そして……イレギュラーズ達は立ち塞がる天衝種達を時間掛けて仕留めて行くのであった。

●暖かい一匙を
 そして、その後もルベン地下の調査を続けるイレギュラーズ。
 幾度となく敵陣に襲撃されるものの、各自の役割を的確に熟していく事で脅威を破壊。
 そして倒した後には武器商人とココロの二人が傷を完全に治療した上で、更に別の場所へ。
 何があるか、をイーリンの持ち込んだ地図に記し、広い範囲の地図を作り上げていく。
 ……そして、歯車兵の稼働制限が近づいて来た所で、イレギュラーズ達は一旦レイディの待つ場所へと帰還。
『ふぅ……あ、あれ? おかえりなさい!』
 忙しなく働いていたレイディが一息ついたところにイレギュラーズ達が帰って来て、優しい笑顔を向けてくる。
 そんな彼女に軽く手を上げながらイーリンが。
「結構疲れてるみたいね? 大丈夫?」
『うん。まぁ疲れたとしても、避難している人達はもっと苦しい筈だもの! ちょっと休憩したら、今度は夕飯を作らないと……!』
 目をキラキラさせてながら、拳をぐっと握りしめるレイディ。
 それに全く、変わらないわね……と思いつつ、ココロに向けて。
「ココロ。それじゃお手伝い、お願い出来る? 先ずは風邪とか引いたりしていないか……かしらね。病気だとすると、それが広まっちゃうと不味いし。それが終わったら、レイディの炊き出しを手伝いましょうか」
「ええ、分かりました!」
 ココロは頷くと共に、街の人達の元へ。
 人々に声を掛けつつ、調子が悪そうな人達の治療を行う。
 その一方で、与一やマリオン、一嘉らは生活しやすい様にする為に瓦礫を片付けたり、風邪が吹きすさんでくる所を塞いだり……。
 そんな事をしている内には夕食の時間を迎えると、レイディが。
『はい、みんなお腹空いたでしょ! 今日はいつもより豪華よ! だって、ココロさんが来てくれてるんだもん。ね?』
「ええ! 病気の予防には食事が大事ですから。だから今日は、みなさんに特製の竜宮チャーハンを振る舞わせて頂きます! 炊きたてのご飯で作りますから、お腹の中から暖まりますよ!」
『という訳で、みんなの所に持ってくから、待っててね!』
 そんなレイディの言葉に顔を明るくさせる避難民達。
 イレギュラーズ達が手分けしてご飯を運べば、避難民達は『ありがとう……皆さんのお陰で、こうして生きていられます……』と涙ながらに語る。
 ……彼等の言葉の通り、新皇帝派の脅威から避難している彼等からすれば、イレギュラーズ達がこうして匿ってくれなければ、厳しい生活を続けているのは間違い無い。
 そんな人々の言葉を聞いた一嘉が。
「……そうだな。ここに居る限りは安心してくれ。何かあれば、必ずオレ達が守るからな」
 と、強面の中に笑顔を浮かべ、サムズアップし励ますのであった。

成否

成功

MVP

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂きまして、ありがとうございました!
鉄帝国を襲う事態は中々解決が見えませんが、皆様の力にて少しずつ先が見えてきたような気がします。
とはいえフローズヴィトニルの脅威等もあるので、まだまだ安心は出来ませんね……。

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>革命派の求心力が+10されました!

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