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シナリオ詳細

<総軍鏖殺>北癒の湯気

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<総軍鏖殺>北癒の湯気
 鉄帝国を駆け巡る新皇帝就任に連なる混乱と、それを巡る勢力達の対立。
 それは罪無き一般人達にすら、その影響は強く生じており、人々は厳しい食糧事情の中、慎ましやかに暮らしている。
 ……そんな苦しむ人々の声は、各派閥の指導部や上層部にも伝わっており……己が勢力の思惑と共に、どうにかして助けてくれないか……という話もまた、ちらほらと出つつある。
 でも、革命派自体提供出来る物資は少ない……困っている人達を助けたいけれども、自分達の生活を脅かすまでに私財をなげうつ訳にも行かない。
 ……その様な状況に、革命派の司祭・アミナは。
「……どうすれば良いのでしょうか。街の人達が困っている……なのに、私達に出来る事は少ない……」
 悩み尽くす表情……しかし、回答は出て来ない。
 そんなアミナを見た、革命派の司祭・ムラトは。
「……すまない。イレギュラーズの皆……力を貸して貰えないか? アミナの話を聞いて欲しいのだ」
 と、所属するイレギュラーズ達に頭を下げるのであった。


「うんうん、そうだねぇ……確かに今は、鉄帝国に住む人達にとって厳しい日々が続いているよねぇ……」
 そしてムラトの言葉に従い、話を聞きに来たのは『タコ助の母』岩倉・鈴音(p3p006119)。
 彼女の言葉にええ、と頷きながらアミナは。
「確かにそうですね……確かに冬を迎えた鉄帝国は、厳しい寒さに見舞われる地域ですからね……」
 目を瞑り、思慮する彼女。
 そんな彼女の言葉に鈴音はうーん……と考えた後。
「そうだねぇ……鉄帝国に冬が訪れ、凄く寒くなってきた。街の人達も、そんな寒さに気が立っているんじゃないのかな?」
「寒さに、気が立つ……ですか?」
「うん。やっぱり寒くなると、みーんな気が立っちゃうと思わない? だから、その寒さを和らげてあげれば、街の人達も元気を取り戻すんじゃないかな? そうだねぇ……うーん、例えば温泉、とかさ」
「温泉……ですか?」
「うん、温泉。確かヴィーザル地方の『ノクローズ温泉郷』って所が、温泉を売りにしてたと思うんだよね。そこから温泉を分けて貰って、村の人達のところで『移動温泉』を開いてあげるといいんじゃないかな?」
 何か突拍子もない話……と思う所もあるが、でもイレギュラーズ達からの提案ならば、やるべき価値は十分にあるだろう。
「……分かりました! 是非ともその作戦の遂行を御願い出来ませんか?」
「勿論。それじゃあ早速だけど、仲間募って行ってくるよ!」
 と笑い、そして仲間達を募り発つのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回は鈴音さんのアフターアクションを参照し、当方の昔のシナリオ『雪に薫る湯気の影』を絡めて出させて頂きました。

 ●成功条件
   お湯汲みを邪魔するノーザンキングスの軍勢や、街の人達が入浴中に仕掛けてくる無法者達を撃退する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回舞台は二箇所となります。
   最初は温泉が湧き出るヴィーザル地方の『ノクローズ温泉郷』です。
   この温泉地の源泉から温泉を汲む形になりますが……イレギュラーズ達が来たから何か金になる事があるのでは、と考えたノーザンキングスに属する『グレナス』一族を迎撃し撃退する必要があります。
   無事に温泉を汲めたら、それを馬車に乗せて革命派が展開する地方の街に赴き、移動温泉(災害派遣で自衛隊の方々がやっている様なイメージ)を行いますが、そこに仕掛けてくる、新皇帝派により恩赦で釈放されたならず者達を仕留める必要があります。
   2フェーズの依頼となりますが、ノーザンキングスも、ならず者も戦闘能力的には大きな違いはありません。
   なので、戦闘へのプレイングと併せて、是非とも温泉を通じて街の人達と交流出来るようなプレイングも宜しくお願いします!

 ●討伐目標
 ・ノクローズ温泉郷で仕掛けてくる『グレナス』一族
   北国で略奪行為を繰り返している、ノーザンキングスの一団です。
   基本的に力押し一辺倒の攻撃を繰り返してくる、正しくパワー馬鹿な一団です。
   余り頭は良くないので、挑発などにも簡単に乗ってきます。
   ただこちらは一応部族となっているので、統率はある程度取れています。
 
 ・革命派の地域で暴れ回る、釈放された罪人達
   新皇帝の恩赦によって釈放され、『ヒャッハー』な状態になっている荒くれ者達です。
   先のに比べて、完全に自分が正しければ正義……といった具合の集団なので、統率なんて全く取れてません。
   ただ、自分が相手を殺せればそれでいい……という考えでしか動いていません。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <総軍鏖殺>北癒の湯気完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年12月19日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

武器商人(p3p001107)
闇之雲
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
シラス(p3p004421)
超える者
岩倉・鈴音(p3p006119)
バアルぺオルの魔人
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
ウルリカ(p3p007777)
高速機動の戦乙女
雨紅(p3p008287)
愛星
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切

リプレイ

●癒しの時を
 冬を迎え、極寒の寒風が吹きすさぶ鉄帝国。
 新たなる皇帝の就任と、それを巡る様々な軍勢の争いは、戦う力を持たぬ一般人達に疲弊をもたらし、貧しさを齎す。
 ……そんな国の状況を見据えた革命派司祭アミナから依頼を受けたイレギュラーズは……少し離れたここ、『ノクローズ温泉郷』へと向かって居た。
「いやー……温泉を持ってきて欲しいだなんて、アミナも面白い事緒を考えるもんだねー」
「うんうん。温泉、さんせーい!! 最近すっごく寒いもんね。暖かい温泉に入れば身体の奥底からきっとぽっかぽかになるよ!」
「確かに! そういや前に依頼で行った再現性東京の音声はサイコーだったな。その喜びを是非とも鉄帝の街の人にも入って貰いたいものだからね!」
「そうなんだね! ボクはギアバジリカのお風呂が素敵だったよ! でもそこは屋内だったから、屋外の露天風呂っていうのがいいよね!」
「そうなんだ。まぁ温泉にゆっくりとはいかない状況だけれど、せめてこの湯を運んで疲れを癒して貰おうって事だよね! うん、イイ考えだね!」
 『タコ助の母』岩倉・鈴音(p3p006119)と『猛獣』ソア(p3p007025)、『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)が元気良く会話する。
 二人の会話の通り、アミナから発せられた依頼はノクローズ温泉郷の源泉を汲み、革命派が展開する地域で移動温泉を展開して欲しいというモノ。
 寒さに震えている街の人々の救いになるだろう……という考えと共に、その背後には革命派としての期待が見え隠れ。
 ……とは言え温泉というものは、何であれ誰しもの心を惹きつける物な訳で。
「確かに寒いと気が滅入るというのは良く聞く話だからねぇ……」
 ニタァ、と笑みを浮かべる『闇之雲』武器商人(p3p001107)。
 それに『竜剣』シラス(p3p004421)と『刑天(シンティエン)』雨紅(p3p008287)が。
「ああ。何だかよくわからんが、最近鉄帝国は一気に寒くなったからな。温泉は喜ばれるだろうさ」
「ええ……入浴とは、不思議と身体だけでなく、心もほぐれるという印象です。命と直結するものではないにせよ、こういう時だからこそ『ケア』も必要でしょう……ただ、移動温泉、そういうのもあるのですね……」
 雨紅の疑問……確かに移動温泉など、温泉が身近にない環境では知らないのも自然だろう。
 それに『灰想繰切』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)が。
「……温泉自体、本当に限られた地にしか湧き出さないからな……寧ろ其れを収益の柱にしてしている奴等も居るかもしれん。ま……『グレナス』一族はそれをする俺達が金儲けの為にやっている……と勘違いしている様だが……」
「お風呂の恋しい季節ですからね……しかし、これだけ大々的に色んな行動を起こしているイレギュラーズでも、やってることが荒稼ぎ事業に視られてしまうのですね……? 残念ながら、真似しても利用者からお金を貰うことがないので、単なるボランティアなのですが……」
 『高速機動の戦乙女』ウルリカ(p3p007777)が小さく溜息を吐く通り、単純に移動温泉をするだけなのに、それが『金づるになる』と勘違いしたノーザンキングスの一族が仕掛けてくるという訳で。
 ……まぁ、それぞれの立場に様々な思惑が渦巻いているのは、今の鉄帝国では極々普通の事。
 しかし何であれ、イレギュラーズ達がすべきことは変わる事は無い。
「本当に湯を運ぶだけなのに、変な連中が次々と襲ってくるゼシュテルの現状は正直どうかと思うんだよね!」
「ええ、ええ……まぁ動乱が起こった後ですから。その治安維持のためにも、街の住人にはよくよく暖まってもらわないと、だ。ヒヒヒヒ!」
「そうだね! よーし、頑張るよ!」
 武器商人の言葉にイグナートは笑い、そして鈴音も。
「まぁこれは革命派案件だけれどわたしは帝政派なんだよねー。というわけでご隠居の名にかけて! この世直しシルバー鈴音、移動風呂、成功させるよ!」
 と元気溌剌に拳を振り上げながら、『ノクローズ温泉郷』へと向かうのであった。

●息付く癒し
 そして、イレギュラーズ達が辿り着くはヴィーザル地方の『ノクローズ温泉郷』。
 ヴィーザル地方で漁に精を出す事無く、あえて温泉を売りにする事で他の街に対して特色を主にするかの街は、以前襲撃を受けた地。
 ただ……イレギュラーズ達のお陰もあり、大きな被害を被ることもなく、街の人々は今は平穏に過ごしている訳で……。
『さぁさぁー、寒い寒い冬! 是非とも寄っていって下さいませー!』
 と客招きをしている町民……そこにやってきたイレギュラーズ。
『お! そこの方々、何処かからやって来たのかな? 見ない顔ですしねぇ……って、あれ?』
 手招きしていた彼がイレギュラーズ達を見わたす斗……見覚えのアル顔を発見。
「いや、久しぶりだな。どうだい? 売り上げは上々かい?」
『あー……ええ。イレギュラーズの皆さんのおかげで街を護って頂けましたしね! 本当、感謝で一杯ですよ!! で……今日は何故に此処へ?』
「いや、この温泉の源泉を分けて貰えないかな、ってね。鉄帝国は大寒波に襲われていて、みんな寒い思いをしているって訳。そこでこの温泉を使って、移動温泉でもしないか、ってな?」
 軽く笑う鈴音、それに対し。
「ええ、ええ。勿論ですとも! イレギュラーズの皆さんのお陰でこの街は助かったのですから! さぁさ、それでは源泉にご案内致しましょう!」
 と町民は手を引き、源泉に連れて行く。
 ……沸き立つ温泉を目の当たりにして、湧き上がる湯煙にちょっと心躍る。
 そしてその温泉を入れる為の樽をソアやシラス、イグナードらが運び込んでくる。
 その一方、武器商人と雨紅、アーマデルは。
「それじゃ……我の方は襲撃の警戒でもするとしようか。刑天、蛇巫女殿。ちょっと手伝って貰えるかねぇ?」
「ええ……勿論です。取りあえず……周囲を警戒させて貰いますね」
「……そうだな。取りあえず俺は周りに罠を張るとしよう」
「それじゃあ二人共宜しく頼むよ。我も手伝わせて貰うとしよう……ヒヒヒ」
 と、どこから来るとも知れない『グレナス一族』に対して強く警戒を行う。
 ……そして樽に源泉を汲んでいく。
 樽故流石に温度をずっと保持出来る訳では無いが……湯を張れば湯気が鼻腔に薫る。
「いい温泉の香りですね。寒いと温泉が恋しくなりますし……移動温泉が、少しでも憩いになると良いですね」
 そして一つ目の樽が満タンになれば、次の樽に湯を汲む。
 ……ほぼ満タン気味な樽を持ち上げると、ずしっと重さを感じる。
「お水ってなかなか重たいのね」
「ああ。見た目的にはそうでもないが、実際の所は相当だ。まぁ、だがこの位の力仕事は余裕だぜ」
 ニッ、と笑みを浮かべながらシラスがその樽を手伝う。
 更に次の樽にお湯を汲み、連れてきた馬車に積み込むのを繰り返す。
 ……そんな事を繰り返していると、周囲の敵の気配を探っていた雨紅が。
「……どうやら近づいて来ている様です」
 と一言仲間達に告げる。
 ただ、敢えてお湯汲みを止める事無く継続し、グレナス一族を誘い込んでいく。
 ……そして。
『……そんな事させてたまるかよぉ!』
 と大きな声で、怒濤の如く割り込み、先手の一撃を仕掛けてくる。
 ……そんな彼等の攻撃、咄嗟に身を呈してカバーリングするイグナート。
「こっちは温泉のお湯を汲んでいるだけなのに、なんでノーザンキングスの部族が襲ってくるんだよ!」
 と声を上げるが、彼等は聞く耳持たず。
『うるせえんだよぉ! てめぇらのやる事、金目になる事だろうから、それを俺達にも分けろってんだよぉ!!』
「もう、話を聞く気があるかワカラナイけれど一応言っておくよ! ここにはお湯しかないから襲ってもお金も食料もないんだからね!!」
『だからうるせえんだよ!!』
 全く聞く耳持たず突進……してきた彼等の足下、スネアトラップが発動。
 前で攻め入る数人がバタンバタンと転倒し、その後ろに居た者達が立ち止まる。
「くっ、罠だと、卑怯だぞ!」
 と逆上する。
 そんな彼等にウルリカとソアが。
「このような事業で稼げるものですか……いえ、脳筋国家の部族となると、その手の知恵は回らない、と」
「そうだね。ノーザンキングスなんだ……いいよ、御相手してあげる。お風呂の前に汗を掻くのもいいしね」
 と言いながら、先陣を切りソアは本能を解放し、躍るように敵陣に飛び込みズタズタに斬り裂いて行く。
 そうソアが攻撃した後に、更にウルリカが死神の如き狙撃を放ち、確実に一匹ずつ仕留める一閃。
 一匹が早々に崩れ去った所に、更にシラスの呪いを帯びた一閃で敵前線を纏めて打ち砕き、鈴音も仲間達に号令を掛けると共に幻の如き一閃を叩きつける。
 更に攻撃を仕掛けつつも、源泉のある場所から離れるように戦列を移動する。
 万が一にも源泉に敵陣の攻撃が当たり、源泉を汲み上げる施設が破壊されない様に。
 勿論、グレナス一族達からすれば、イレギュラーズ達が何か『金目の物を持っている』とか、『金になる事をやっている』としか考えて無いので、温泉がその本質であるなど築いていない。
 そして……上手い具合に源泉の所から離れた所で踵を返すと。
「……ここなら良さそうですねぇ。ククク……それじゃあ反撃開始と行きましょうかねぇ?」
 含み笑いをしながら武器商人は、恐怖を呼ぶ声色で怒りを顕わにさせて踵を返さぬ様に細工。
 そしてイグナート、シラス、鈴音、ソア、ウルリカ、雨紅の前線六人が容赦する事もなく、完膚なき迄に波状攻撃を叩き込んで行く。
 ……そんなイレギュラーズ達の連撃にグレナス一族は……苦悶と苦痛に悲鳴を上げて、一匹ずつ確実に滅していく。
 そして。
『……く、くそがぁぁ……!』
 最後に残された一人は、悔しさに破顔すると共に破れかぶれに突撃。
 ……しかしそれに乗るイレギュラーズではなく。
「……煩い」
 と冷徹に、アーマデルが毒と病を司る猛毒の呪を放ち、その毒に苦悶の咆哮を上げて、動きを止める。
 そして……全てを倒した後。
「さて、と……取りあえず妨害者も倒したし、源泉も後一本か二本か。汲み終わるまで足湯でも楽しむとしようか」
「あ、うん。そうだね!」
 鈴音の言葉に満面の笑みを浮かべながらソアが頷き、ちょっとした足湯を楽しみつつ、汲み終わるのを待つのであった。

●救いの時に
 そして大量の源泉を詰めた樽を積み、金は要らないと言う温泉郷の人に心付けを渡したイレギュラーズ達は、革命派の活動する地域へと馬車と共に移動。
 当然ながら温泉は冷めてしまうが……道中で薪やらも調達し……革命派が展開する地方の街に辿り着くと共に、持ってきた湯の樽を、五右衛門風呂の様な形で並べて薪をくべて温める。
 ……ほかほかの湯気が立ち上れば、正しくそれは移動温泉……温泉独特の香りが立ち上ると。
「……ん、ちゃんと温泉の香りがする。湯気も気持ちいいものだな」
「うん、そうだね。取りあえずー……うん、温度も丁度良さそうだ」
 シラスと鈴音の言葉、それに対し街の人達は……興味深そうに遠目に見ている。
 そんな街の人達に向けて、ソアはとても明るく。
「さぁさぁ、みんなー、お待ちかねのお風呂だよー!! みんなの身体をぽっかぽかに温めてくれる、ノクローズからボク達が持ってきた正真正銘の温泉だよー!」
 と街の人達を集めていく。
 それに、自然と街の人達が集まり始めてくると。
『……温泉……本当に温泉ってあったのね』
『ねえねえ、おねーちゃん。これ……はいってもいいの?』
「うん、みんなの為に持ってきたんだから! 一杯楽しんで!」
「そうそう。温泉でぽっかぽかに暖まったら、我お手製のココアもあるよ。一杯暖まってくれると嬉しいねぇ……」
「……そうだな。なら俺も……温泉卵でも用意するとしよう」
 ソアに武器商人もココアを淹れて、アーマデルは温泉卵を準備し……街の人達をもてなす。
 ……そんなイレギュラーズ達の振る舞いに、我先にと入って行くのは子供達。
 温泉を目一杯楽しみ、はしゃぐ彼等を視ていると、何故か嬉しくなる。
 更には解除が必要なご老人だったり、怪我を負った人だったりも、雨紅とソア、イグナートがしっかりと介助して、温泉を楽しんで貰おうと動く。
 そう、街の人達が楽しんで居る間、シラス、鈴音、ウルリカ、アーマデルの四人は……周囲の警戒にアンテナを張り巡らせ続ける。
 街の人達が楽しんで居る声……勿論それは、留まる事無く聞こえていく訳で……それを聞きつけたゴロツキ連中が。
『あぁん? なんだ奴等、楽しんで居るみてぇだなぁ……?』
『こんな環境で楽しむとかよぉ……くそが。何かむかつくぜ。巫山戯たやつらをぶっ殺してやろうぜ!』
 自己中心的な考えの下、楽しんで居る街の人達を妬む罪人共が、何らの理由もなく仕掛けてくる。
 ……そんな敵の動きに先んじて気付いたイグナートとシラス、ウルリカは、そっと街の人達の元を離れ、彼等が襲い来る方角へと急行。
『何だてめぇら、邪魔すんのかぁ?』
 蔑む様に笑う彼等……それにイグナートが。
「本当、何でまたこんな時に限って襲ってくるんだよ! ミンナ温泉、そんな好きなの!?」
 と零すと、それにシラスとウルリカも。
「奴等は温泉だろうが何だろうが、楽しそうにしている奴等が大っ嫌い……ってな事だろう? ま、別にそう考える事は自由だ。だが……まぁ逆恨みも程ほどにして欲しい所だな」
「そうですね……せめて私達を倒して出世する、くらいの野心を顕わにして欲しいものです。ですが……貴方達はそのような考えは微塵もなさそうですね」
 溜息を吐くウルリカ。
『あぁん? うるせえんだよぉ!』
 臆する事も無く、殴り掛かるゴロツキ共。
 そんな敵の群れに向けて、懐に潜り込んでの猪鹿蝶の三刃で反撃を穿つウルリカ。
 反撃に無防備なその男は、そのまま地に臥す……それを目の当たりにした他のならず者共は。
『何? こいつら……中々強い!?』
『くっ……でもよぉ、数の上ではこっちの方が上回ってる。一気に行けば殺れる筈だ、行くぜぇえ!!』
 臆する事無く、次々と攻撃を仕掛けてくるゴロツキ共。
 仲間と連携するような事も無く、ただ自分の思うがままに攻撃してくる彼等は、攻撃手段も色々。
 ただ、共通するのは力任せ、ただ一つ。
 その力だけで押し切ろうとする彼等の攻撃……鋭く見定めたアーマデルが、カウンター気味に英霊の音色を奏で、その動きを鈍らせる。
 そして鈍った奴等を無数の糸を張り巡らせて放ち、敵味方を確実に見極め、敵の身を縛り上げる。
「これで良いか……やっちまえ」
「うん!」
 シラスに続き、イグナートが練り込んだ気をライフル弾の如く放てば……命を落とす。
 一人ずつ、一人ずつを確実に仕留め、彼等が街に近づく前に全てを叩き落としていく。
 そして……全て仕留めたが後、彼等を除けて、再び街の人達の元に戻ると共に。
「どうだい? 竜剣の旦那」
「全部終わったぜ。さぁ……後は俺達の仕事をこなすとしよう」
 ニッ、と笑うシラスに武器商人もこくりと頷き……まだまだ沢山居る人々へ、温泉を提供するのであった。

成否

成功

MVP

岩倉・鈴音(p3p006119)
バアルぺオルの魔人

状態異常

なし

あとがき

ノーザンキングス、そしてゴロツキ連中の退治、お疲れ様でした!
大寒波襲う鉄帝国ですし、移動温泉という形で街の人達の支持を取り付ける、というの、ありかもしれませんね……?

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>革命派の求心力が+10されました!

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