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シナリオ詳細

<大乱のヴィルベルヴィント>極寒の地を劈き

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<大乱のヴィルベルヴィント>極寒の地を劈き
 新皇帝バルナバスの就任から暫し。
 鉄帝国は様々な事情と意を元にした六つの勢力が均衡し、国の至る所で新皇帝派と各派閥との間で戦いが繰り広げられていた。
 ……しかし、そんな戦いに左右される事無く巻き起こる事が有る。
 それは……『季節の移ろい』。
 ここ鉄帝国は北部に位置し、冬となれば厳しい寒さに包まれてしまう。
 資源に乏しいこの国に於いて重要な物資である海産物も、凍りし海となれば得る事も出来なくなる訳である。
 だが……鉄帝国東部のベデクト駅から拡がりし街『不凍港ベデクト』は、そんな冬の時期に於いても何故か凍ることのない海が拡がっており……この街は、冬に於いても海産物資源が取れる限られた漁場の一つとして、良く知られていた。
 ……勿論そんな不凍港ベデクトは、新皇帝による支配が及んでおり、手出しをすれば返り討ちに合うのは間違い無い。
 だが……そんな不凍港の優れた立地状況は、新皇帝派閥に敵対する者達からすれば、喉から手が出るほどに欲しい物であろう。
 ……しかし、そんな不凍港に向けて迫り来るは、イレギュラーズ達の属する独立島アーカーシュと、ポラリス・ユニオンの二派閥の他に、シグバルト率いしノーザンキングス達。
『いいか。新皇帝の不平不満を言うベデクトの奴らに上手い具合に取り入り、この街を俺達の物にしてやろうぜ!』
『『『おぉぉぉー!!』』』
 そのノーザンキングスの一派、『ディアイト』一族は、新皇帝に不平不満を零す街の者達を上手く利用し、この街を上手く手中に収めようと画策するのであった。


「さて……皆に集まって貰ったのは他でもねぇ。俺達アーカーシュは、不凍港ベデクトを手に入れるために、大規模な行動を取ることになった訳だ。という訳で皆にも力を貸して欲しい、ってな訳さ」
 と、九頭竜 友哉はアーカーシュに集いしイレギュラーズ達に対し、不凍港ベデクトの地図を前に話始める。
 不凍港ベデクト……ベデクト湾をCの字に囲う様に街が拡がり、北東部には海軍施設、西には駅、南には自然拡がる丘陵地帯や子供達の未来を育む学校などが点在している。
 そして友哉が指さしたのは、南西部にある『南大門』。
「今回は俺達アーカーシュと、ポラリス・ユニオン(北辰連合)での共同作戦となる。ポラリスらはこっち……駅の方から仕掛けるようでな、俺達は南方の方から仕掛ける。同時に仕掛ける事で、一気に街を手中に収めよう、ってな訳だ」
「幸いこの街の住人達は、新皇帝の支配を受けてはいるが、かなりの不平不満を溜め込んでいる様でな。上手く街中に入り込めば、俺達に力を貸してくれるだろう」
「だが……問題はそこではない。先程も言った通り、鉄帝国の軍部は街を奪われないように防衛網を町中に敷いている。更にはその防衛網に天衝種やら、一攫千金を狙うならず者達。更に……海の方から、ノーザンキングスのノルダインに属する一族『ディアイト』が同時並行的に仕掛けてくる様だ」
「つまり、『不凍港ベデクト』に俺達、ポラリス、鉄帝国の軍隊、そしてノルダインらが一同に会するって訳だ」
「ノーザンキングスの奴等はかなり卑怯な奴らの様でな……どうもここ、『学校』と『教会』の辺りを狙いに来る様だ。当然街の子供やシスターらが居る、真っ昼間でな……恐らくノーザンキングスの奴等は、弱い者を利用して名を上げようだとか考えてるんだろうさ」
「勿論軍部、海軍の連中も続けざまに襲い掛かってくるだろう。彼等は街の港湾区画から南下してくる様だから、ノーザンキングスを倒すのが遅ければ両軍を相手にしなけりゃならねえ……って事もあり得る」
「つまり、迅速に子供達を救い、ノーザンキングス共を倒し、そして軍部もついでにぶっ倒してきて欲しい、ってな訳だ。中々無茶な事を言っているとは想うが、ポラリス達に遅れを取る訳にもいかねぇしな……宜しく頼むぜ」
 友哉は肩を竦めるが、その眼は全く笑っていない。
 そう、重要施設である不凍港を手中に収めるが為には、この共同作戦……失敗する訳には行かないのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼は北辰連合とアーカーシュの共同作戦となり、『不凍港ベデクト』を手中に収めるための街奪取作戦となります。

 ●成功条件
   立ちはだかる敵軍を全て倒し、不凍港ベデクトを支配下に収める事になります。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   不凍港ベデクトですが、今回アーカーシュに所属する皆様は南部方面(南大門や、森林地帯の方)から侵入する事になります。
   この依頼の皆様においては、南大門から入り、少し先に入り込んでいたノーザンキングスの連中が立てこもる学校と教会に仕掛け、先ずはノーザンキングスの者達を倒す事になります。
   このノーザンキングスの者達は卑劣かつ卑怯な奴らなので、子供やシスターを人質に取る可能性が十分に高いでしょう……そんな彼等の卑劣な行動に負けずに仕留めて行く必要があります。
   又、このノーザンキングスとの戦いが長引けば、更にその場に新皇帝派の海軍兵達が戦場に追加されます。
   早く倒せば、開閉達と別で戦う事になりますが……三つ巴になれば、皆様にとって不利(戦力的に)な戦いになるのは間違い無いので、その点ご注意下さい。

 ●討伐目標
 ・ノーザンキングス『ディアイト』一族
   ノーザンキングスのノルダイン系に属する一族です。
   ヴァイキングの如き姿形で、武器も短剣、シミターなどになります。
   戦闘力的にはそこまで高くはないものの、学校・教会にいる子供達やシスター達を人質にするのは厭いません。
   かなり厄介な敵であり、嫌らしい事をしてくるのは間違い無いでしょう。
 
 ・新皇帝『バルナバス』に従う軍人達
   街の北部の海軍軍部に属する軍人達です。
   街の自警団的な立ち位置ですが……新皇帝に属している為、街の人達の不平不満を聞いてるが聞いていない振りをしている状態です。
   色々と葛藤はあろうとも、軍隊に所属しているからこそ、イレギュラーズの皆様が新皇帝に反対する者達という事であれば剣を振るう事は厭いません。
   更に彼等に加え、上層部から直接送り込まれた天衝種達がこの軍勢と共に動き回ります。
   軍人達の戦闘能力は、皆様と張り合える程の『並』な感じです。

 ・天衝種『ラースドール』
   パワードスーツに怒りが宿り、動き出した『機械人形』の如き天衝種です。
   その腕はハンマーの様な長い腕と、機銃の様な腕を持ち、更にその機械の身体はとっても丈夫です。
   タンク的な立ち位置をとり、とってもしぶとい敵となります。
   又、ハンマー攻撃は近距離の高攻撃力の攻撃、機銃掃射の攻撃は中距離の扇範囲への攻撃となります。
   更にハンマーアタックには、ブレイク効果も伴いますので、ご注意下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <大乱のヴィルベルヴィント>極寒の地を劈き完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年12月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
木漏れ日の優しさ
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ライハ・ネーゼス(p3p004933)
トルバドール
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師
結月 沙耶(p3p009126)
奪うは人心までも
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!
雑賀 千代(p3p010694)
立派な姫騎士

リプレイ

●混乱と非道の狭間
 新皇帝バルナバスの就任から、少し時が経った今。
 鉄帝国は六つの勢力がしのぎを削り、均衡している状況……国の至る所においては、新皇帝派と各派閥との間での戦いが繰り広げられていた。
 しかしその戦いはまだまだ決着が付くことはなく、しのぎを削り合う状況で、時は立ち続ける。
 ……だが、そんな状況下においても、平時と変わらずに移り変わるものがある……それは、時。
 北方に属するこの国は当然ながら厳しい冬の寒さに襲われる……そして海が凍り、資材食料などが不足する時期でもある。
 そんな時期においても、不思議と海が凍る事無く船を出し収穫出来るのは、鉄帝国の中ではここ『不凍港ベデクト』がのみ。
 当然その様な、重要な拠点を新皇帝派が手放す訳もなく、この地は新皇帝派の支配下にある。
 だが、対抗する派閥からすれば、そのような土地は喉から手が出る程に欲しい物であろう……それ故に、独立島アーカーシュと、ポラリス・ユニオンの二派閥がその地を奪還しようと動き出す。
 ……が。
「今回は友哉君の依頼だから参加しましたが……むむ! 人質を取るとは何て卑怯な!!」
「ああ……人質だの、弱い者を盾にするだの……許せないな。人の心というものがないのか、彼奴等には?」
「学校や教会の人達を人質に……許せない。新皇帝派の敵が来る前に、ノーザンを全部潰す……!」
「ええ! 新皇帝派もそうですが、ノーザンキングスも到底許せたものではありません! この鳥天狗が、引導を渡してやりますよ!!」
 『立派な姫騎士』雑賀 千代(p3p010694)、『奪うは人心までも』結月 沙耶(p3p009126)と『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)の三人は、口々に憤りを露わにする。
 三人の会話の通り、このベデクトに三つの派閥に加えて、横から割り込もうとしてきたのが北海に根城を張る、ノーザンキングス達。
 単にこいつらが対峙してくるだけならまだいい……彼等は自分達よりも先にベデクトに乗り込み、そして……罪無き人々を盾に取り籠城している。
 当然ながら新皇帝派もそれら排除に向けて動き出しており、三派閥の対立の中に割込を掛けて来ようとしている……恐らくノーザンキングスの奴等は、この混乱に乗じて何かをしでかそうとしているのだろう。
「まぁ……人質か。なんとまぁ、分かりやすく『悪』が成しそうな事だな」
「そうね。なかなかあくどいこと、考えるわね。気分が悪いわ。でも、そういうことするやつって、強さはたかが知れているのよ」
「ヒヒヒ……確かにそうですね。ま、卑劣で卑怯な連中、大変結構な事じゃないですか。なんせ、遠慮無く倒してしまっていいって事だからね」
「ああ。まぁ奴等の考え等はどうでもいい。無法者が是とされる世など、討ち倒されるのが物語りの常道。さぁ、精々英雄譚の一語りとなって貰おう」
「そうだな。力こそ全てな冠位魔種の方針も大概だが、賊共に火事場泥棒を許す訳には行かないな。諸共順番に叩いてしまうとしよう」
「ええ……全部潰してやるわ」
 『トルバドール』ライハ・ネーゼス(p3p004933)、『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)、『闇之雲』武器商人(p3p001107)と『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)四人の会話に、他の仲間達も頷く。
 ……そんな仲間達の言葉に刺々しさを感じたのか、『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)は。
「いやぁ……なぜ不凍港は凍らんのじゃろうなぁ?」
 あえてのんびりとした言葉を口にする。
 それに千代が、ふと。
「確かにそうですね。鉄帝国の中で、ここだけしか凍らないんでしたっけ……気候が温暖という訳でもないし、むしろ海沿いだから寒いのに不思議な所ですね」
 と少し笑うと、それにうんうんとニャンタルは頷き。
「うむ。これは知的好奇心ワクワクじゃ! いつか調べて見たいものじゃのぅ! そんでもって、湯は皆あったか~くして過ごしたいもんじゃしな! ま、やってる事は悪いんじゃがの。ともあれ、もたらざる者には仕方の無い事じゃ。サクッ、と行くとしよう!」
 と拳を振り上げ仲間を鼓舞すると共に、ノーザンキングスの一派『ディアイト』一族が立てこもる教会と学校に向けて『南大門』より侵入するのであった。

●四面作戦
 南大門より侵入し、数十分。
 イレギュラーズ達は学校と教会が隣り合う広場に到着。
「ここか……良し。それでは二手に別れるとしよう」
「そうね。先ずは捕まっている人達の救出。そして立てこもるノーザンキングスの奴等を確実に叩き潰すわ。こっちは教会ね……学校の方は宜しく」
「うん、わかったわ」
 沙耶の言葉に頷くオデット。
 そしてオデット、武器商人、祝音、千代の四人が教会へと向かい、一方でライハ、錬、沙耶、ニャンタルが学校へと赴く。
 教会の入口に着くと、中からは救いを求める人達の気配を感じる千代、更に精霊達の声を通じてオデットも、その気配を察知。
 ……かなり怯えている風に感じるが、それよりも刺々しい気配というか、敵意を強く感じる。
「……間違いありません。この中から救いを求める気配……」
「了解。それじゃあ我(アタシ)は正面から飛び込んでいくとしよう。雑賀の方は、同じタイミングで狙撃の方を宜しく頼むね」
「ええ」
 武器商人に頷き、千代は教会を見渡せる位置まで少し離れる。
 更には祝音もファミリアーにて召喚した鳥さんを飛ばして、見える範囲でノーザンキングス一派の人数や、どれ位の人数が捕まっているかをチェック。
 それら情報を集約すると共に、武器商人とオデット、祝音の二人が真っ正面から向かい行く。
「さぁ……それじゃあ始めるとしよう」
 と言うと共に、武器商人は女性の姿に身を包み、教会に向けて歩みを進める。
 すると……教会の中から監視していた一派の一員が。
「む……何だてめぇ! 来るな。こいつらがどうなってもいいのか!!』
 ナイフをシスター服に身を包む人質の女に突きつける……当然、恐怖に悲鳴を上げるシスター。
 それに武器商人は。
「シスター? ……誰? 待って、やめてください……!」
 と手を合わせ、説得の様な事を試みる。
 ……だが当然、ノーザンキングスの輩達は聞く耳を持たない。
「うるせえ! おめえもこの教会のシスターか? こいつがどうなってもいいなら、その場から動くんじゃねぇ!」
 と更に荒々しい声を上げて威嚇。
 そう、武器商人がそいつを惹きつけている間に、オデットと祝音は建物を回り込み……窓をガシャンと叩き割る。
 勿論その音が響きわたり、何っ、と注意が向く相手……目を離した隙に、その手元に向けて千代が狙い済ました射撃の一射で、そのナイフを撃ち落とす。
「っ……! 敵襲だ、敵襲!!」
 声を上げる彼……だが、その間にも速攻で武器商人は教会へと近づき、囮に取った男を中心に、怒り呼ぶ声を掛ける。
「ぐっ……!」
 唇を噛みしめ抵抗しようとするが、更に千代の銃撃と共に。
「人質には指一本触れさせてなるものですか!」
 と勧告。
 男と、教会の中に居た他のノーザンキングスの仲間達は慌てながらも、窓と正面入口の二箇所に集まり行く。
 しかしイレギュラーズ達は、敵が集まるよりも先に、人質となっている人達の元へと急行。
「大丈夫? 私達はあなた達を助けに来たわ」
「うん……怪我は大丈夫? ……ちょっと痛いかもしれないけど……僕達に、ついてきて……」
 と人質達の手当をしながらも、急ぎ一端教会から脱出させる。
 それを追い立てようとするノーザン達には、容赦はせず。
「邪魔させないわ!」
 すぐさま間合いを詰める様に動く千代……狙いを外す事無く、手、足、更には心臓……と、致命傷かつ人質を取られないよう、ジャストポイントを次々と撃ち抜いていく。
 ……教会にいるノーザンキングスの者共は、不意を突かれる形となり、満足に人質を活かす事が出来ずに終わり、次々と討ち取られていく。
 そう教会側が優位に敵を倒していくのと同時に、学校側でも。
「イレギュラーズだ! 火事場泥棒を許す程甘くはないぞ!」
 強い口調で錬が声高らかに宣言し、先陣切って突入していくと、事前にライハと沙耶が索敵かつ調査していた人質達が居る場所へとそのままに急行。
 教会側とほぼ同時に襲撃されれば、当然ながらこちらも準備は何一つ出来て居ない。
 とは言え教会に比べれば、学校の方が敷地は広く、数階構成の為に複雑さは高い。
 更にはイレギュラーズ四人に対し、敵は大量の数で立てこもっている訳で。
『くそな奴らが……! こっちには人質がいるんだぞ? てめぇらが勝手に動けば、こいつらを殺すだけだ!!』
 と、彼等は口悪く罵る。
 だが、それに眉一つ顰ませる事無く。
「ふーん……まぁ弱い奴らほど声高く叫ぶと言うしな? ま、悪は早々に討たれてもらおうか……」
「そうじゃのう。負けた方が勝った方に従うのが鉄帝式の掟じゃろうからな。お主らの困り毎、ギブアンドテイクで解決せんか? 場合には寄るがの!」
 何処か余裕な素振りを見せるライハとニャンタル。
 二人は立ちはだかる敵を次々と精神力の弾丸と乱雑ながらも敵を無慈悲に切り裂く乱撃で以て、敵を次々と切り刻んでいく。
 無論、人質を取りし者達に向けての対抗として、沙耶が。
「その動き、一端封じさせて貰うぞ?」
 と、軽い身のこなしで牙を剥くよりも早く敵の懐に潜り込み、その身体を傀儡の意図で雁字搦めに縛り付けて動きを封じ、その間に錬が人質を救出する手筈で事態を進めていく。
 何よりも、人質たる者達の命の救出を最優先にした動きでイレギュラーズ達は立ち回る……ノーザンキングス達を倒すのは、その次。
 それ故に、ノーザンキングス達を倒すペースは多少時間が掛かる結果となる。
 十数分ほどで、教会、学校どちらの人質達を救出完了し、安全な所まで避難させ……残るはノーザンキングスの連中。
「これで良し……っと。それでは、後はお主共を倒すだけじゃ。人質がいなければ、手加減する必要も無いしのう?」
 ニャンタルの言葉にぐぬぬ、と唇を噛みしめる彼等。
 当然そうなれば、建物に立てこもっている必要も無くなり、彼等は避難させた校庭の方へわらわらと出てくる。
 既に建物内で結構倒していたとは言え、その人数はまだまだ自分達の数倍といった具合。
『もう……逃がさねぇ。絶対にてめぇら全員、ぶっ潰してやる!』
 彼等は数の暴力で以て仕掛ければ、必ず勝てると踏んだのだろう。
 ……だが、そんな彼等の動きに対し、錬は。
「全く……数の暴力は何にでも勝るとでも思って居るのか? それは誤りだというのを、その身に教え込んでやろう」
 と彼等を一瞥すると共に、彼等を悪夢に陥れる式符を飛ばし、不運を加速させた所へライハが魔神を呼び込みし弾丸を叩きつけ、心臓を続け貫く。
『ぐぁぁっ……!』
 悲鳴を上げる仲間……だが、彼等は最早引き下がれる訳も無く……半ば自暴自棄になりつつ、イレギュラーズ達の前に討ち取られていった。

●楔刻みし時
 そして、学校と教会に立てこもる者達を倒し切った所で。
「これで良し……っと。取りあえずこれから帝国軍が更に来る筈。一端皆さんは、建物の中に避難していて貰えるかしら? 私達がいいって言うまで、絶対に扉は開けないで、窓にも近づかないようにして」
「ああ。君達にとっては帝国軍が敵か味方かは分からないが……今この国を包む状況は歪だ。一端は、私達の言葉にしたがって欲しい」
 それぞれ救出した者達に向けて、オデットと沙耶が避難を請う。
 幸い、両者共にわかりました、と否定する事無くそれぞれの建物の中へ避難……そして、両者の丁度真ん中辺りに二組は集結。
 その間に再び空からファミリアーを経由し、周囲の状況を確認するライハと祝音……すると。
「……北方から来ているわ。後……五分程……」
「了解……では後もう一戦、確実にこなすとしよう」
 祝音の言葉に頷きながら、錬が仲間達を回復し、次なる戦闘へ準備。
 ……そして。
『む……お前達、見ない顔だな。もしや……イレギュラーズか!?」
 と詮索する帝国軍に向けて、武器商人と千代が。
「ええ……お努めご苦労様ですねぇ……」
「この学校と教会は、私達アーカーシュが護ります! 学校も教会も、大切な場所ですから! 何よりも堅気の方々を護るのが任侠魂というものですから!」
 二人の言葉に、帝国軍は顔を見合わせる。
 ……だが、部隊長であろう者が。
「ほう……確かに同時多発で此処に攻撃を仕掛けてきているとの事。お前達がこの街を手に入れるのは、阻止しなければならぬ。皆、行くぞ!」
 部隊長の号令……軍に所属するからには、従わねばならぬ。
 一部は葛藤を覚えつつも、帝国軍の者達は武器を取り、更には……その傍らでズシンズシンと地面を震わせながら歩き回る天衝種『ラースドール』もウゴオオオ、と身を震わせる。
 そんな天衝種達の突撃を、ライハが立ち塞がり、ぐっと堪える。
 ……ラースドールの腕から繰り出された一撃はとても重い。
「っ……中々強敵の様だ。だが……負ける訳には行かない!」
 と返す刀に己を奮い立たせた一閃を放つ。
 だが、その攻撃は余りダメージを与えられない。
「中々硬い様だな……すまないが、戦線を維持する為に耐えてくれ」
「分かった」
 そう錬の言葉に頷くライハ、更に武器商人もその傍らに転進し、二人でラースドールの攻撃を受け止める。
 その間に、残る仲間達が先ずは多勢の軍人達に向けて刃を向く。
「お主ら、本当は戦いたくないとか思って居るのではないか? ここで死んだ事にしておいて、アーカーシュ所属にならぬか?」
 とニャンタルが、心震える軍人達に寝返りを進言しつつも、完全に命までは奪わぬ様に……。
 だが軍人達は、部隊長がいる中では、手を抜くことも、寝返る事も出来ない。
『くそっ……やるしかねぇ……俺達はやるしかねぇんだ!』
 等と叫びながら剣や槍で立ち向かう。
 ……そんな帝国軍達を、6人のイレギュラーズ達が地に臥させていき……数刻の後、部隊長も倒れ、残るはラースドールのみ。
「待たせたな……大丈夫か?」
 と、すぐに二人の回復を行う錬。
 そして、沙耶が。
「後はこいつらを倒すのみ……皆、油断はするなよ? 力を合わせ、確実に仕留める」
 と仲間達に呼びかけると共に、イレギュラーズ達皆、頷く。
 拳によるダメージをかなり負いつつも……敵を惹きつけ、その隙に攻撃を繰り出し、再び離れるヒットアンドアウェイを繰り返しながら、暴れし機械人形も朽ち果たしていく。
 そして……。
「……これで良いだろう。この辺の状況は解決したようだな。あとは別チームの者が、うまくこの港を手に入れる事が出来ればいいのだが……」
 息を吐く沙耶……その視線は、街の中心部へ向く。
 勿論その方角では、アーカーシュ及びポラリス・ユニオンに所属する仲間達が、帝国軍達と戦っている訳で……不凍港ベデクトを巡り、戦いの音が鳴り響いている。
 その戦いに身を投じる仲間達の無事を願いつつも、今此処に居る自分達は、教会と学校に避難している者達の安全確保が役目。
「うむ、そうじゃな……一度彼等をアーカーシュに避難させてはどうかの?」
「……うん、それがいいかもしれない……」
「では、早速じゃが皆に声を掛けるとしよう。勿論街に残りたいのもいるじゃろうから、無理強いは出来ぬがの!」
 と、ニャンタルと祝音の提案に従い、避難している者達に声を掛けるイレギュラーズ達であった。

成否

成功

MVP

祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー

状態異常

なし

あとがき

不凍港奪還を巡る作戦に参加頂き、ありがとうございました!
今回帝国軍の方達、軍団長以外は……状況が違えばまた違う行く末になった事でしょう……。
私も色々と思いが交錯しながら、書かせて頂きました。

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