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シナリオ詳細

<総軍鏖殺>パワードゴーレム救出作戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●未だ戦う古き戦士
 かつてのアーカーシュ……といっても、どれを指すかは分からないだろう。
 此処で語るのは、住人たちがアーカーシュを離れ、やがて魔王が来た時の話だ。
 かの魔王襲来の際、ハイエレメンタルたちやゴーレムたちはその魔王に立ち向かったという。
 その結末は歴史が示す通りだが……此処で大切な話は「戦ったゴーレム」がいるということだ。
 元よりアーカーシュのゴーレムは戦闘機能を有しているものも多い。
 イレギュラーズとココロを交わした個体は特にその傾向が強いが……そうでなくとも天空機兵と呼ばれしセレストアームズのことを忘れた者はいないだろう。
 まあ、あの系統のゴーレムはさておき……戦闘に特化したゴーレムというものは、確かにかつてのアーカーシュにも存在していた。
 しかしその製造目的ゆえに機能を回復してもなおアーカーシュの中を巡回警備していることが多く、人と出会うことは奇跡的な確率になる。
 そう、巡回警備である。そんな戦闘用ゴーレムたちが「今」戦う敵とは何か。
 それは当然……天衝種(アンチ・ヘイヴン)である。

●パワードゴーレムを救出せよ
「無人稼働のパワードゴーレムもあり、天衝種と戦っているのでは? そう考えていたのですけど……どうやら、その通りであったみたい」
 『誘惑者』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)はそう集まった面々に切り出した。
 異常があったのは、アーカーシュのレリッカ村からそれなりに離れた森の中。
 どうもその場所で、空に向かって砲撃のようなものが放たれているのをレリッカ村の住人が目撃したのだという。
 こんな場所で砲撃というとゴーレムしかないが、どうにもかなり火力の高い攻撃をしているようで、ただのゴーレムではなく戦闘用の「パワードゴーレム」ではないかという話が出たのだという。
 かつて魔王と戦ったというゴーレムのうちの一体だが、その戦いで壊れて放置されていたはずだ。
 はず、なのだが。最近ではアーカーシュのゴーレムも修繕され辺りを回っている。その際にゴーレムに発見され人知れず修理されていたといったところだろうか。
 ともかく、そのパワードゴーレムは復活していて、どうやら「空に居る何か」と戦っていたらしい。
 では、それは何か……? という話になるが、答えは1つしかない。天衝種(アンチ・ヘイヴン)だ。
 それもアーカーシュ近辺に最近よく来ている飛行型となれば、ラースホーネットである可能性は高い。
 だが問題はラースホーネット自体ではなく、ラースホーネットが「何」を運んできたかだ。
 かのハチ型の天衝種(アンチ・ヘイヴン)はネズミやモグラなどの妨害型の天衝種(アンチ・ヘイヴン)も運んでくるが、近頃は新型の天衝種(アンチ・ヘイヴン)も運んでくるのが確認されている。
 今回もそうしたものを運んできた可能性は充分に有る。
 となれば、パワードゴーレムが危ない。折角蘇ったアーカーシュの防衛戦力を減らすわけにはいかないのだ……!

GMコメント

アーカーシュの森に向かい、パワードゴーレムと共闘しましょう!
何処かにいるはずですが、戦闘の音を聞けば見つけられるでしょうか?
上手く守り切った後、説得できればレリッカ村近辺の防衛もしてくれるかもしれません。

●敵一覧
・ラースホーネット×4
天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
怒りの炎を纏う巨大なハチのような姿をした怪物です。
飛行しており、すばしっこいです。物理大ダメージの噛みつきや、『移』を伴う針攻撃を行います。
全ての攻撃に『毒』系のBSを伴います。

・マッドアーマー×6
黒い泥のような天衝種。パワードゴーレムを乗っ取ろうと優先的に攻撃しています。
皆さんを真似て人に似た形をとり、「混乱」の効果を持つ叫び声を放ちます。
また、攻撃の瞬間に自分の身体を武器に変形させオールレンジの「移」攻撃を使用します。

●友軍
・パワードゴーレム
戦闘用のアーカーシュゴーレム。かなりタフです。
肩にキャノン砲を装備しており、砲撃を行います。
また、中距離範囲に機銃による範囲掃射攻撃も可能です。

  • <総軍鏖殺>パワードゴーレム救出作戦完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年11月24日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
グリーフ・ロス(p3p008615)
紅矢の守護者
ライ・ガネット(p3p008854)
カーバンクル(元人間)
ジュリエット・ラヴェニュー(p3p009195)
ゴーレムの母
ノア=サス=ネクリム(p3p009625)
春色の砲撃
レイン・レイン(p3p010586)
玉響
シェンリー・アリーアル(p3p010784)
戦勝の指し手

リプレイ

●アーカーシュの森へ
 ザワつくアーカーシュの森は広く、しかし戦闘音が反響して聞こえてくる。
「独りで戦っていらっしゃる方がいる、と。でしたら、助けに行かなければいけませんね」
 その音を聞きながら、『紅矢の守護者』グリーフ・ロス(p3p008615)はそう呟く。
「永い時を眠っていた方。目覚めてからも自分の役目を遂行しようと、自身を顧みず働く方。それがたとえ造られたものの使命だとしても、時には。あるいは、いつか。報われてもいい。私はそう思います。そう願います。同じ被創造物として」
 アーカーシュゴーレムには、意思を感じる。だからこ余計にグリーフもそう思うのだろうが……似たような感情は、この場の誰もが多かれ少なかれ抱いている。
「まだ見ず知らずのゴーレムだが、だからって放ってはおけないよな」
 『カーバンクル(元人間)』ライ・ガネット(p3p008854)も、そう頷く。
「さて、まずはゴーレムと合流しないとな」
 辺りの音に耳を澄ませてゴーレムの戦闘音を探すライは「この体は聴覚が優れてる、きっと見つけられるはずだ」と呟く。
「貴重なアーカーシュの歴史遺産を乗っ取られるのは好ましくない展開だね。それに、個人的にもアーカーシュでゴーレムの復元に携わった身としては、彼らの仲間をみすみす犠牲にするのも本意ではないしね。全力で依頼を遂行するとしよう」
 『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)もそう言うが……今回のように空から天衝種がやってくる例はかなり多い。
 それらはアーカーシュの防空網を越えてくるものであり、今回のパワードゴーレムの戦いも1つの事実を指し示している。
 『蒼空の眼』ルクト・ナード(p3p007354)は今まさに、そのことを考えていた。
「ゴーレムというのは確かに便利な物だが、如何せん小回りが利かないらしいな。対空戦闘用の何かも技術者に開発させるべきかもしれないな……今回の交戦を通じて、何か対策を編み出す糸口になればいいが」
 独立島アーカーシュには空戦用ゴーレムも回収されてはいるが、如何せん数が1体しかない。
 かのパトリックの騒動の時にはアーカーシュの空戦用ゴーレムもいたが……あれは危険すぎる。
「飛行型の天衝種(アンチ・ヘイヴン)……あまり戦闘経験は無いが、小回りの利く我々が対応する方がとりあえずは無難だな」
 そう、結局はそれしかないだろう。幸いにもアーカーシュ周辺の空域に出現するラースホーネットは個体としてはそんなに強力ではない。
「ゴーレムに助けられたゴーレムが人知れず天衝種と戦ってた……これはつまり、野良ゴーレムも天衝種を敵と判断していると考えていいかしら? 幸い今回はゴーレムの母、と呼ばれてるジュリエットにも来てもらえたし貴女の見解を聞いてみたかったりするわね?」
 『誘惑者』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)のそんな言葉に『ゴーレムの母』ジュリエット・ラヴェニュー(p3p009195)は「今はなんとも言えないわね」と答える。
「でも、状況から見ればそう考えられるわね。魔王襲来時にもゴーレムは戦った……つまり、そういうことなのかもしれないわ」
 ジュリエットは言いながら、この先で戦っているパワードゴーレムのことを考える。
「修繕されて、単身戦い続けるゴーレムね……中々面白そうな個体じゃない、興味深いわ。本当ならじっくり調べたいのだけれど、つまらないことで壊されるのは楽しくないわね。いいわ、早く助けに行きましょう」
 砲撃音、そして戦闘音を辿るのが一番無難な方法なのは恐らく間違いない。
 そして、ジュリエットたちが味方だということを示せるよう、同じアーカーシュ製のゴーレムであるヒンメルゴーレム・アーカーシュも連れてきていた。
「頼むわよ、ヒンメルゴーレム・アーカーシュ」
 そのヒンメルゴーレム・アーカーシュを見ながら『玉響』レイン・レイン(p3p010586)はかつての戦いと魔王のことを思う。
「魔王って…どういうもの何だろう… …魔種みたいなもの、かな……それと戦うなんて…ずっと此処を守ってるなんて……凄く……偉いんだね……」
 かつてアーカーシュで起こったことに思いを馳せながら、レインは携帯式の双眼鏡……閃緑の目で空や森の中を見ていく。
 パワードゴーレムは移動しながら戦っているようで、常に位置を確認しながら移動しなければならない。
「パワードゴーレム、参考にしたい物だな。技術力さえあれば南部でも作成できるだろうか。ま、今はやれる事をやる。アーカーシュの防衛戦力を減らすわけにはいかない」
 行こう、と促す『ザーバ派南部戦線』解・憂炎(p3p010784)に全員が頷き、砲撃音の響く場所へと急ぐ。
 パワードゴーレムが劣勢になる前に、辿り着かなければならないのだから……!

●共闘、パワードゴーレム
「見つけた!」
 憂炎の視線の先にはパワードゴーレムと、天衝種たち。響き渡る竜の絶叫が戦いへの乱入の合図だ。
「……交戦開始。敵個体の撃墜に当たる」
 ルクトのSAGが放たれ、ラースホーネットがルクトへと強い敵意を向けてくる。
 その動きは素早く、反応も良い。
(飛行能力があり素早い、と来たか。だが、機動戦闘なら私も遅れは取らん。私自身の機動力を生かして突貫する戦術なら、機動力で劣る、というケースは避けられるはず。この交戦でホーネット系の飛行能力や性能を図れればより良いな。拠点に居る技術者達に対空砲を要請する理由にもなるな)
 ラースホーネットはアーカーシュ近辺の空域に出現する飛行型の一種だが……今回はデータを取る良い機会でもあるだろうと、ルクトはそう判断していた。
「ラースホーネットはグリーフさんとレインさんに任せた!」
「任されました」
 グリーフの名乗り口上が響き、そのままグリーフはパワードゴーレムへと疎通しようとする。
「助けに来ました。貴方は独りではないですよ」
 パワードゴーレムからは答えはないが、こちらへの敵意は感じない。
「いくよ……」
 レインのチェインライトニングがラースホーネットを撃ち抜き、それを狙うかのようにパワードゴーレムの砲撃が放たれる。
 突然の乱入者に、地上にいたマッドアーマーたちが警戒の視線を向けてくる。
「やれやれ……歴史に学ぶという発想を持たないのかな、彼らは。何にせよ、私の前でこのアーカーシュを荒らせると思わないことだね」
 アナイアレイト・アンセムをゼフィラがマッドアーマーに向けて放てば、ライもマッドアーマーへチェインライトニングを放つ。
「ハチみたいなのはよく見る奴だが……なんか見たことない奴がいるな。俺達の姿を真似てるみたいだし、なんだかゴーレムを狙ってるみたいだ。ま、相手が何であれゴーレムとぶっ倒すだけだが」
 そう、マッドアーマーは明らかに流体のような存在であるにも関わらず人型をとっている。それが此方を意識したものであることは恐らく間違いないだろう。
「アイツの叫び声は混乱を招くみたいだが、そんなものに惑わされるほどヤワじゃないんでな。悪いがゴーレムには手を出させないぞ」
「そうね。それに……折角のユニークな個体を乗っ取られせはしないわよ」
(時間があれば私のギフトの力で囮になりそうなゴーレムを作成しておきたいところね。その辺の木でも岩でもいいわ、使えそうなものは使わせてもらいましょ)
 そんなことを考えながらもジュリエットのアッシュトゥアッシュがマッドアーマーへと放たれる。
「マッドアーマー……私達を真似しようって言うのかしら? そうはさせないわよっ! 魔砲を発射するわ、射線開けて!」
 そうして放たれたノアの魔砲が、マッドアーマーの1体を砕く。
「この世に私は私一人で十分なのよ、マガイモノ、贋作には退場して頂くわ。人の外面だけ真似ようとしても、私達には永遠に勝てないわよ、天衝種。なぜなら私達は常に未来へ向けて進歩、成長しているのだから。1秒でも型落ちのその姿は塵も残さない」
 マッドアーマーは、タフだ。タフだが……それでも、この戦力で勝てない程ではない。
「タフさに関しては僕も負ける気は更々ないけどね。それにしても僕らの姿を真似る天衝種か。グリーフさんを真似られない限り、勝ち目はある。まあ性能も真似してるかどうかはわからないけど」
 姿は似ているような気もするが、似ていないような気もする。なんとなく微妙なところだ。そもそも色が全然違うのだが。
 Leonids emblemの影響か、憂炎の頭の中には「とにかく真正面から叩き潰せば倒せる」という身もふたもない……しかし有効そうな戦術が浮かび上がってくる。
 そして何より、どうにもあのマッドアーマーが真似しているのは姿のみだ。相手に合わせた姿をとり戦うのが有効な手段であると確信しているからだろう。憂炎が逆立ちで戦うのを主とするような人間であれば、マッドアーマーもそうしたに違いない。
 さておきゼフィラのアナイアレイト・アンセムがまた1体のマッドアーマーを撃破して。
 そうして全ての天衝種が溶けるように消えていくと、パワードゴーレムも戦闘態勢を解くようにシュー、と蒸気音を響かせる。
「これがパワードゴーレム、か」
「確かに他のアーカーシュゴーレムとはかなり形が違いますね」
 ルクトとグリーフの言葉にジュリエットも「そうね」と頷く。
「設計思想自体が違うのかしら。あの天空機兵とはまた違う……どちらかというとアーカーシュゴーレムの強化版ね」
 言いながら、ジュリエットはパワードゴーレムに触れる。
「アーカーシュのゴーレムには数多く携わってきたもの。アンタもちゃんとした手入れをしてあげるわよ」
 そう、パワードゴーレムはアーカーシュのあちこちで見られるタイプのゴーレムと同系統のゴーレムであることは疑いようもない。
 ただ、基本構造ですでにかなり異なっていて、戦闘用を前提にした凄まじく頑丈な造りになっているのが分かる。
 肩のキャノン砲も、それ自体が対空装備であるのが分かる。恐らくは1体で複数の状況に対応できるような、そんな設計思想であるのがジュリエットには見えていた。
「ふふ、一人でずっと戦ってくれていたのね、えらいえらい。これからはみんながいるから、何かあったら大きな音や光で知らせてくれると嬉しいわ」
 ノアもそう言いながら、パワードゴーレムに何かを教えようとしていた。
「いい? 大きな音な光は【異常アリ! 援護求ム!】って意味よ。そうしたら他のイレギュラーズが気がついて助けてくれる筈だから! それにしても、ジュリエットのゴーレムすごかった……前見た時は乗っ取られてたから本領発揮してなかったけど。私も欲しいな、ああいうの」
 アーカーシュのゴーレムはアーカーシュでこそ本領を発揮するものだが、見た目にも頼りになる相棒だ。その気持ちは此処に居る仲間全員が共有できるものだろう。だから、というのもあるのだろうか。レインもパワードゴーレムにそっと触れていた。
「このゴーレムは……また、自分の場所と仕事に戻るのかな……? また、天衝種に狙われないかな……少し、心配……」
 言われて……憂炎は軽く肩を竦める。
「得は任せるよ。疎通できる方が確実だろうからね。僕は人相手には口が立つがゴーレムはな」
 ならば、というわけではないが……ライは軽く咳払いするとパワードゴーレムに向き直る。
「お前強いな。一緒に戦ってて頼もしかったぞ。その力を見込んで頼みがあるんだが……俺達に協力してレリッカ村を守ってくれないか? 村の近くならお前に何かあった時すぐに俺達が対応できるし、悪いことじゃないはずだ。だから……頼む、俺達に力を貸してほしい」
 パワードゴーレムはライの言葉を反芻するように目をチカチカと点滅させて。
 やはり駄目だろうか……と考えたその矢先。「任務更新」と声をあげる。
「あ、喋れるんだな」
 それは分からないしただの自動音声かもしれないが、ともかく。
 ライの動きに合わせてキュイキュイと動くパワードゴーレムを見て、レインは小さく微笑む。
「……よかった」
「だな」
「ええ、そうですね」
 ルクトとグリーフもつられたように微笑む。
 パワードゴーレムは今後、レリッカ村の防衛任務につくのだろう。
 今だけでなく、今後どのくらいかは分からないが……レリッカ村の住人の安全を守る頼もしい守護神になってくれるだろう。
 それは、疑いようもなく。頼もしい仲間が、また一機加わった瞬間であった。

成否

成功

MVP

ノア=サス=ネクリム(p3p009625)
春色の砲撃

状態異常

なし

あとがき

パワードゴーレムがレリッカ村の防衛任務に就きました!

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの技術力が+10されました!

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