シナリオ詳細
<総軍鏖殺>Eisenbahn<トリグラフ作戦>
オープニング
●<トリグラフ作戦>
帝政派は一つの計画を練った――それは鉄道網の奪還計画だ。
鉄道網とは鉄帝の各地の補給を支える役目を担っている。
政変に伴う混乱で各地の状況は掴めていないが……しかし。
「これらを帝政派が奪取叶えば――帝政派の活動領域を大きく増やすことが叶おうぞ。
直近における目標地点は、サングロウブルクより程近い『ボーデクトン』じゃ。ここは付近における大きな鉄道駅とも言うべき場所での……ボーデクトン自体の偵察も近々行う予定があるが、まずは皆にはかの施設まで繋がる道が無事かを確認してもらいたい」
語るはバイル・バイオンだ。
サングロウブルクより東に進んだ先にボーデクトンという鉄道施設がある。ここの奪回を目標に定めた計画があるのだが――その前にまず攻略ルートの確保や路線状態の確認を行っておきたいのだ。いざや事前情報も無しに進撃し、新皇帝派の罠や魔物の類が横から出現してはたまったものではない。
既にザーバ派も、南部にある鉄道拠点奪取に向けた同様の動きを行っていると情報が入っている。帝政派も出遅れる訳にはいかない……
求心力の高い帝政派であればサングロウブルクに続く新たな拠点を手に入れれば――勢力に味方してくれるという新たな人材が次々と現れる可能性もあるのだから。
「お主らに頼みたいのは此処『バーデン橋』じゃ。この橋には鉄道運航の為の線路が走っているのじゃが……先行偵察させた情報部からの報告によると、どうもこの辺りを根城にしている魔物が出現している様での」
「成程――汽車でも通ろうものなら、襲撃されてしまう訳か」
「そうじゃ。路線の安全確保もまた重要な事よ。
お主らには魔物の撃退を果たしてもらいたい――ただし線路や橋自体への被害が無いように、の。まぁ多少であればすぐ修復できる故に問題ないが、可能な限り損傷が少なくなることを心掛けてもらいたい」
バーデン橋。聞く所によるとそれなりに幅のある川を横断する様に建設されているらしい。
川自体の深さは左程でもなく、大の大人であれば腰が浸かる程度なのだとか。まぁ多少動きにくいかもしれないが特別に泳げる技能などが無くても戦闘を行う事は出来るだろう。
そして情報部からの報告によると、川には魔物が潜んでいるらしい。天衝種という、最近鉄帝各地で出没している新しい魔物が――だ。
確認されたのは二種類。一つは大型の蛇上の存在『ウルグルス』
もう一つは大型の、カブトムシの様な個体『オートンリブス』
ウルグルスは川自体に。オートンリブスは橋上に存在し、まるでこの辺りは己らの縄張りであるかのように振舞っているらしい……放置しておけばいずれ橋自体に害をなさないとも限らないし、そればかりか既に現地の動物の生態系が荒らされているのだとか。
「早急に連中を討伐してほしいのじゃ――あぁそれと。本作戦はボーデクトン奪還までの一連の流れを総称し『トリグラフ作戦』と命名された。この任務自体も後のボーデクトン攻略作戦に影響してくる事であろう……どうにか頼んだぞイレギュラーズ達よ」
やがて冬が来る。その前に、可能な限り備えておきたいのだと――バイルは語るものだ。
鉄道施設を手に入れれば帝政派の勢力圏も広がる。
そして何より――
いずれ来る、帝都への『対処』を見据えた上でも重要なのだから。
- <総軍鏖殺>Eisenbahn<トリグラフ作戦>完了
- GM名茶零四
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年10月30日 22時50分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●
――見えてきた。件のバーデン橋だ。
特に『橋の上』へと『竜剣』シラス(p3p004421)が視線を巡らせれば、おぉこれまた……なんともリラックスした様子で鎮座する魔物共がいるわいるわ――
「寛いでんじゃねーよ、ここはテメーらの家か? 土足挙がりが図々しぃぞ」
故に彼は挨拶代わりに極撃たる魔力の一閃を紡ぐものだ。
極めて破壊的なソレは次々とオートンリブス達を狙い往き、戦いの火蓋を切ろうか。
「こんな所にまで天衝種がいるっていうのも意図的なのか偶然なのか……いずれにしてもここを解放しておかないと、汽車がちゃんと走れないものね。きっちり退治しておかないと!」
「えぇ――ボーデクトンを順当に確保出来たとしても、そこへ至る道が塞がっていては始まりません。損壊を完全に抑える事までは流石に難しいでしょうが……可能な限り早急に敵を退けるとしましょうか。」
さすれば『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)や『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)も迅速に動き出すものである。先のシラスの一撃に憤怒した個体共が慌ただしく此方へと向かって来ていれば、射程内に入ると同時に攻撃。
オデットの邪悪を祓う光が連中を呑み込み――次いでオリーブの一撃も到来。
毒だ。享楽の悪夢たりうる一撃が、オートンリブス達の身を穿たんとして。
「帝政派も鉄道を押さえる為に動いてるなんて……利用できそうなモノだもんね、当然か。
ま、なんであれここを守護するのが先決か!」
「ハッ。あっちもこっちも段々動いてきたじゃねぇか――
いいぜ。勿論ミーも協力させてもらうぜ、任せときな!」
更に続いたのは『いにしえと今の紡ぎ手』アリア・テリア(p3p007129)と『喰鋭の拳』郷田 貴道(p3p000401)の両名だ――アリアは橋の損壊を可能な限り抑えるべく、保護の結界を張り巡らせる。そして貴道は未だ橋の上に留まらんとする奴へと狙い定めようか。
拳圧一閃。握り込ませた五指の力が空を穿ち、彼方にも飛来しよう――
アウトレンジの死神の到来を伝えるのだ。お前達の死神が、来てやったと。
「わぁ~橋だね橋! これ護るんだよね! うんうんいいよ、分かった!」
「これも大事なお仕事の一つ、だよね。鉄帝はどこも大変だね……」
であればオートンリブス達はイレギュラーズらの攻撃にも臆さず向かってくるものだ、が。待ってましたとばかりに『お師匠が良い』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)に『暖かな記憶』ハリエット(p3p009025)は銃口を向けている。
樹の陰に潜みながら連中の――特に脆そうな関節部――へ銃撃一閃。
続け様のリコリスは纏めて狙い穿つかのような掃射にて押し込もうか。
まずは蛇より連中からだ、と。
「えとえと。わわわ。カブトムシさん達が来るのです!
メイは後ろからみなさんの回復がんばるです!
汽車が安全に通れるように、おしごと成功させるですよー!」
そして皆の攻勢を援護する形で後方に位置するのは『ひだまりのまもりびと』メイ(p3p010703)である。彼女も、先のアリア同様に保護の結界を巡らせた後に、皆の活力を維持する号令を発しようか。
汽車が動くようになれば、各地の街にもまた物資の流れが蘇る――筈だ。
お金の問題とか、そういう難しい問題もあるかもしれないけれど。
「それでもメイは……この地域の人達を安心させたいのです……!」
食料や衣類が街の人たちの手に行き届く様になれば、冬の備えになろうと。
だから力を尽くそう。今この瞬間に。
きっと鉄帝の未来の為になるのだと――信じて。
●
「ターゲットをロックオンして〜……はい、ドーン!
バイルおじーちゃんの邪魔になる子達はないないしちゃうよ~!」
センターに入れて引き金を絞り上げる――リコリスは次々と敵を射程に捉えていた。
敵の行動を封ずるべく紡がれる数々は、橋の損耗を押さえる目的もある……あんなデカい個体共を好きにさせていれば、大なり小なり傷ついてしまうのだから。
――が、近くで戦闘が行われていれば蛇の個体……
天衝種ウルグルスも気配に気付くものである。
激しき殺意と敵意がイレギュラーズ達に向く――故に。
「大丈夫、まだ少し距離はある……今の内に移動しておこう。橋から離せるかも!」
「大きな蛇ね……! 川の魚を食べ散らかすなんて、ただでさえ食べ物は少ないって言うのに。橋や川を占拠する悪い子たちにはお仕置きよ!」
アリアは神秘なる泥をオートンリブスらに放ちつつ、当初の狙い通り線路から少しずつ誘導せんとするものだ。このまま混戦状態になろうとも、線路から離れてさえいればどうとでもなる。オデットもその動きに続いて蛇へと魔力を撃つものだ。
呪鎖が蛇の身に巻き付きて蝕もうか。飛行しつつ、周囲の状況をも見据えて。
「まぁまずはオートンリブス達、だな! 連中が橋に陣取ってる以上、放ってはおけねぇ……! 単なる野生動物なら人間さまの都合で退かされるのに同情もするが……ユー達は天衝種だからな、手加減の必要はなくて助かるもんだ! HAHAHA!」
一方で貴道は引き続きオートンリブス達を狙っていく。連中が接近して来ればその巨大なる腕を振るって貴道らを薙がんとする、が。跳躍して躱し、浸透する打撃をお返しとばかりに打ち込んでみせよう。
その両拳には災害を体現するかの如き威風が宿っており――一撃一撃が正に神業。
例えどれだけ堅き身を宿していようと心の臓にまで届かせてみせようぞ。
「こいつは俺がもらうぜ。図体がデカいだけの輩なんざ、カモみたいなもんさ」
次いでシラスの一撃が横より襲来するものだ。
デカい図体の突進――当たれば脅威であるが、上手くタイミングを合わせれば横っ腹を丁度殴る事も出来ようか。特に、彼程の実力者たれば機を見るに不可能ではない。オートンリブス……分厚い装甲と言えど全身くまなく全てをカバー出来ている訳でも無かろう。
――穿つ。魔と拳を組み合わせた一撃によって、態勢を崩し隙間を広げる様に。
然らばその一点へとタイミングを合わせ射撃をハリエットが撃ち込む。
「んっ……まずは確実に一体ずつ、だね」
狙撃銃。スコープ覗きて正確なる一点を瞳に捉えよう。
――この国の鉄道網は、こんな連中がのさばるが故に、どうやら機能不全に陥っているらしい。まぁ……鉄道網に限らず国そのものが荒れてあちこち大変な様だ、が。
(これから冬が来るっていうのに――大変な時期だよね)
特に今は時期も悪いと、ハリエットは思考するものだ。
指先が鈍る。寒い中では。
口から零れる白い吐息……は、今はまだ現れないけれど。
それが来てからでは遅いんだ。だから、あちこちの勢力が色んな事を考えてる。
ここもその一つなら――うん。
「しっかり働こうか」
銃の扱いにも慣れてきたし、と。
――さすれば段々と戦場の様子は激化しつつあった。
橋の上に陣取っていた者達は誘い出されイレギュラーズ側へと殺到し。少し遅れはしたものの、ウルグルスも人間の存在を感知して襲来する――飛ばす毒液や鱗が降り注げば中々の威力が秘められており、自由にさせていては厄介だろうか。
「しかし。そちらがその気なら……こちらも対応に動くだけの事です」
故にと動き出したのはオリーブだ。
彼ならば毒の蝕みにせよ、出血の傷にせよ対策がある――
その力をもってして奴の抑えを受け持つのだ。積極的に前に出れば、ウルグルスの視線は彼に注がれるものであり……狙い通り味方への負担が減る。ウルグルスは巨体であり、かなりの膂力もあるが故に延々と押しとどめる事は叶うまい、が。
「そうはさせないのです! メイにお任せなのです!」
傷が目立ってくればメイの治癒術が即座に満ちるものである。
……メイには難しい事はわかんない。鉄帝の政治がどうだのこうだのという話は。
けれども『民を救う』という気持ちが――少なくともこの派閥が強いのは分かる。
だったらメイはその気持ちに寄り添いたい。
『にんげんが幸せそうにしている光景』が、不安定なメイの存在をしっかり形作ってくれるから。
●
『――■■、■■■――!!』
天衝種達の声が響き渡る。それは金切り声の様な、怒号の様な。
いずれにせよイレギュラーズ達の攻勢に対する怒りには違いあるまい。オートンリブス達は貴道やシラスらを弾き飛ばさんと腕を振るい、ウルグルスは横からオリーブ達を攻め立てんと毒の液を撒き散らす――さすればリコリスの下へとも振るわれようか。
「うわーきちゃない!! ぺっぺ、この~~! 容赦しないぞ!!」
故にこそリコリスは反撃の一手を紡ぐ。より深き集中と精度によって。
感情が荒ぶろうとも変わらず橋の事は忘れていない――掃射の一撃は可能な限り橋に当たらぬ様にと気を使いながら、なるべく多くの敵を巻き込めるようにしつつ引き金を絞り上げて。
「ふぅふぅ、流石にちょっと疲れてきたですね……でもメイも、もうちょっと頑張るです!」
「そうだな、連中の側も疲れは見て取れる――もう少しだけ踏ん張ってみるとするか!」
続けてメイは戦線を支えんと引き続き、皆を支援できる立ち位置から数多の術を振るうものだ。それは時に傷を治癒する術であったり、戦いの活力を満たす号令の一種であったりしようか――メイから受け取れば貴道は未だ闘志衰えず敵へと一撃紡ぐものである。
オートンリブス。どれほどの堅牢な身を宿していようが無敵ではあるまい?
握りしめた五指は、まるで岩石の如く収束し。
放てばその身の芯を揺らそうか――内の臓を食い破り、損傷を齎さんと。
「いつまでもは付き合ってられないんでな。駆逐させてもらうとするぜ?」
「そろそろ一気に攻めようか――援護する、よ」
さすれば連中へと相対していた一人であるシラスが更に攻め立てる。ハリエットの銃撃が、その動きを支援する形で軌跡を描けば、シラスが狙うは意識が逸れた一点だ。
懐に飛び込み――防が薄き腹へと蹴撃一閃。
腹底から上に蹴り上げる様に。さすれば見逃さぬ。間髪入れずに続け様の掌底――
直後に、奴の内面が破裂するかのように膨れ上がった。
魔力を含んだ神秘の一撃である。破壊の力を宿した奔流が叩き込まれれば内より破裂。
――血飛沫舞う。天衝種の汚らしい死体が転がり果てれば。
「ハッ不味そうな煎餅だぜ……こりゃ煮ても焼いても活用法はなさそうだな」
「そういった点だと、蛇肉ならまだマシでしょうかね。
ま、こっちもこっちで容易く討ち取らせてくれそうにはありませんが」
であれば、同様に傷が増えていたオートンリブス達は徐々に倒れ始めるものであり……後の問題はオリーブが相対している蛇型の個体の方であったあろうか。巨体に相応しい耐久は、中々に芯に致命たる一撃を通さない。
それでもオリーブは奴の撃を見抜きて凌ぎ続けていた。
避けるのは得意ではない、が。マトモに受けるのもまずいと長剣を携え、奴の攻撃を『斜め』側へと逸らす様に。毒液の類は難しいが、しかし突進してくる様な一撃であれば不可能でもない――と。
そして隙があれば一撃叩き込もうか。殺人剣が一端の斬撃を此処に。
蛇の腹を捌かんとするかの如く――剣を振るいて。
「さ、後はコイツだけだよ! 橋の近くで暴れさせる訳にはいかないし、決めさせてもらおっか!」
「此処は貴方達の縄張りになっていい場所なんかじゃないんだから! 退いてもらうわよ!」
さすれば戦局がイレギュラーズ側へと傾いて来れば、アリアやオデットの攻勢がウルグルス主体へとなるものだ。オデットは一気にウルグルス側へと踏み込めば、魔力を収束させる。それは彼女の周囲に光を集めて……小さな太陽とも言うべき球体を顕現。
陽光の恵みを知れ――
叩きつける勢いでウルグルスへと投擲。丁度奴の目に当たれば身もだえるモノだ。
直後にはアリアが間髪入れず零距離へと。
其処から放つ極撃が、ウルグルスを貫けば――更にその身を蝕むものであり。
「この川は化物には勿体ねえんだよ。お前が魚達の餌になりな」
「随分と手古摺らせてもらいましたが……これで仕舞です」
『――――■■!!』
「HAHA――! 後腐れない様に全開でぶちのめしてやるよ!!」
であれば、最後の抵抗とばかりにウルグルスが鱗を飛ばして暴れ回る――だが今更、鱗の奔流如きに臆さそうものか。シラスやオリーブ、貴道らが撃を捌きて一斉に攻撃を奴へと叩き込んでやる。斬撃、拳撃、魔術からの打撃乱舞――
打ち倒す。邪悪たる大蛇の身を、完全に。
川に打ち付けられるように倒れ伏せば大きな水飛沫が一度挙がるものだが――それは戦闘の集結を告げる音でもあった。ウルグルスの瞳からは力が消えており、討滅出来た事を意味していて。
「ふぅ……終わったね、お疲れ様。橋は、無事かな。引き寄せて戦う事が出来たからね」
「わぷ。水が沢山飛んできたのです。みなさんは大丈夫ですか? タオル持ってきたですよ!」
故に、ハリエットは吐息一つ零しながら目標物であった橋を見据えるものだ。
かの橋は目的通り無事であった。オートンリブス達が動いたり腕を振るったり……ウルグルスの鱗が其方にも飛んでいたのか多少の損壊は見られるが、しかし重大な程ではない。ならば修復の手間も左程かかるまいと判断できるものだ。
同時にメイは、ウルグルスが倒れた際の水飛沫を浴びてしまい、猫の様に一度身体を震わすもの。水を弾き飛ばさんとしつつ、風邪をひかない様にと持ってきていたタオルを仲間の面々にも差し出そうか。
「うーん。ちょっとだけ修理してみようかな? この前別の依頼に行ったときに作業風景を見せてもらったから、きっとなんとか……ええと、たしかここをこうして、こう……こう……あっ…………よし、こう!」
「本格的な修理は、帝政派の方に連絡して部隊を派遣してもらいましょうか」
「そうね! 見えにくい部分とかも記録しておこうかしら。橋の裏とか、ね。もしかしたらヒビが入ってるかもしれないし……」
そしてアリアやオリーブ、オデットは念のためにと橋の状況を細かく確認するものだ。アリアは別件で修理作業を見せてもらっていた事もあり、その時の状況を参考にちょっと弄ってみている次第…………だ。なんか途中変な金属音が聞こえた気がした? 気のせいだよ!
ともあれオリーブは書面にて状況を纏めておくもの。この後どうせ帝政派には報告するのだ――後の面倒が少しでも減るかもしれない。同時にオデットも飛行する力を活かして、歩いているだけでは分かりにくい部分に損傷が広がっていないか確認もすれば。
「しかし帝政派も鉄道網奪還か……ザーバ派の連中も動いてた事だし、いよいよ本格的になってきやがったな。この辺りの路線が回復すれば、ちったぁ勢力も拡大するだろうし……いよいよ大きな動きが見え始める頃か、ね」
貴道は呟くものだ。周辺にまだ魔物がいたりしないか、警戒しつつ。
派閥こそ別れているが――鉄帝という大きな括りでは、本質的に全員味方なのだ。
これがまた帝政派の為になれば、と。
「ふう、これでとりあえず終わりだね。
この線路が明日に繋がる希望になればいいんだけど……!
ボーデクトン、かぁ。どんなところなんだろうね……」
「さっ、バイルおじーちゃんの所に報告しにいこっか! ……あっ、バイルおじーちゃんのこと、おじーちゃんって呼んでるのはここだけのヒミツねっ!」
そして。数多のチェックが終わり、アリアにリコリスは帰還の準備を始めんとするものだ。
あちこちで鉄道網の復旧が進んでいる……ならば『次』の事も考えていかないといけない時期だとアリアは思考するものである。ただ単純に路線を回復させて終わり――ではないだろうから。
この路線がはたしていずれ、どのような役目と効果を齎してくれるか。
ひとまずは魔物の支配から解放できたと――報告に戻るとしようか。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
依頼お疲れさまでしたイレギュラーズ!
鉄道網奪還。それもまた遠い日の事ではないでしょう……
ありがとうございました!
GMコメント
●依頼達成条件
・敵勢力の排除
・橋の損壊をなるべく抑える事(努力目標)
●フィールド
帝政派の拠点サングロウブルクより東に進んだ『バーデン橋』です。
此処は普段であれば平穏な場所だったのですが……新皇帝誕生以降、鉄帝各地に出現している『天衝種』という魔物が出現し、この辺りを根城にしている様です。このような魔物がいては安全に汽車を走らせることも出来ません――全て撃破してください。
バーデン橋は、それなりに幅のある川を横断する様に建設されています。
川自体の深さは左程ありません(大人であれば腰が浸かる程度です)ので、泳げる技能がなくても戦闘は可能です。後述するオートンリブスは橋の上に。ウルグルスは川にシナリオ開始時存在しています。
なおシナリオ開始時刻は昼でも夜でも選べます。
特にプレイングで記述が無ければ『昼』の想定で開始されます。
●敵戦力
・天衝種『オートンリブス(大暴兜)』×4体
人よりも遥かに巨大なサイズを持つ、大型のカブトムシ型の個体です。
動きは遅いですが、非常に優れた防御能力と耐久力を宿しています。攻撃手段としては、木々すらなぎ倒す膂力をもってして薙いで来ようとするでしょう。シナリオ開始時には橋の上にいますので
・天衝種『ウルグルス(巨滅蛇)』×1体
大型の蛇状の怪物です。川に陣取っており魚などを荒らし食っている様です。
オートンリブス程防御力は高くありませんがHPは高いです。攻撃手段としては巨体を活かした突進だけでなく『毒液(BS:【毒系列】)』を吐き出して攻撃したり『鱗(BS:【出血系列】【致命】)』を飛ばして遠方を攻撃する手段が存在したりするようです。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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