シナリオ詳細
略奪者
オープニング
●幻想国内のとある小村にて
「どうかわしらを助けてもらえんだろうか?」
村のまとめ役であるその老人は、疲労がべったりとはりついた顔から、苦悩だけをこねてまるめて作ったかのような言葉を、モソモソとたれ流した。その一言だけで気力のすべてを使い果たしてしまったのか、老人はしばらく沈黙してからつづけた。
「見てのとおりここは貧しい村です。交易路からも遠く、街へ出るにも時間がかかる。土地は痩せ、作物もよく育たん。それでもわしらがここに住んでおるのは代々そうしてきたからです。わしの父も祖父も曾祖父も、みんなここで生きて、ここで死んだ」
愛着や伝統といった言葉だけではあらわせないなにかが、老人の声にはこもっている。
「あやつらがここに姿を現したのは十日ほど前になる。二度。あやつらがここを襲ったのは二度になります」
それはいわゆる『ならず者』たちであろう。どこから来てどこへ行くのかわからない。ただはっきりしているのは、彼らが略奪を目的としていることだけだ。このような貧しい者たちからも奪う者が存在する。
「あやつらは最初のときに、娘たちをさらっていきました。たった三人ですが、ここでは若い娘は三人だけ。男衆はあらがおうとして怪我を負わされ寝込んでおります」
すすり泣きが誰からともなく流れた。
「もう差し出すものもない。残ったのは命くらいのものです。わしは、いい。じゅうぶんに生きた者ならあきらめもつく。娘たちはまだ若いのです……」
それから老人は略奪者たちに関して知りうる情報をすべてギルド・ローレットに伝えた。そのひとつひとつを、彼らに突き刺すナイフのように、念入りに鋭く。
曰く、彼らはここから歩いて半日ほどの距離にある山小屋を拠点にしている。山小屋はふだん村人たちが使っているものであり位置も間取りも把握している。
曰く、彼らの人数は13名。刃物と弓矢で武装しており、一般人が持ち得ないなにかしら特殊な力を使うことはない。
曰く、山小屋は森の中のひらけた場所にあり、中からの見晴らしはよい。付属の馬小屋がひとつ建てられており、娘たちは馬といっしょにそこに閉じこめられている。
最後に老人は独り言のようにつぶやいた。
「奪われた食料はもどらん。男衆の傷もよくはなおらん。ただ、娘たちだけは。まだ取り戻せるものがあるのなら……」
●盗賊の征伐と娘たちの救出へ
「……というわけで、みなさんにお願いしたいのは、この盗賊たちの征伐と娘さんたちの救出なのです!」
ローレットの『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)は先ほど届いたばかりの緊急の依頼をイレギュラーズに語って聞かせた。
「お話しから想像すると盗賊たちは強敵っていうわけでなさそうですから、盗賊退治に苦労することはないと思うのです。だけど、娘さんたちを助け出すのが最優先なので、そこは気をつけてほしいのです」
こうしているうちにも娘たちの身に危険が迫っているかもしれない。少なくとも盗賊たちが彼女たちに人質としての価値を見いだしている間に救わなければ。
- 略奪者完了
- GM名西向く侍(休止中)
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2018年09月12日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●救出班 起1
この世の基本は弱肉強食。奪うことを否定はしないが、なにも貧しい弱者を狙うこともないだろうに。まぁそれしかできないから、しがない山賊どまりなんだろうが……。
クロエ(p3p005161)は森の木陰で地面にごろごろと転がりながら考えていた。はたからは猫が遊んでいるだけのように見えただろうが、その実は毛並みを汚しての野良猫への変装だ。
ともあれ人名最優先で進めていくことにしよう。
足音を忍ばせて、馬小屋のある北東側から賊のアジトへ近づいていく。メンバーの中でもっとも隠密行動に向いているのは明らかに彼女だった。なにせ小柄だし、なにより外見が目立たない。
万が一、敵に発見された場合の対処も事前に準備してあったが、特に問題なく山小屋の壁までたどり着けた。地面から屋根までは2メートル半しかなく、彼女の技能ならば余裕をもって跳び乗れる。
ではでは、ゆっくりと合図を待とうか。
クロエはのんびりとした動作で背筋をのばしたあと、屋根に寝そべり昼寝のふりをはじめた。
●陽動班 起
イレギュラーズの面々は村人の案内で、賊がアジトとしている山小屋に到着していた。このあたりは村人にとっては自分の庭も同然だ。道中なんの不都合もなく、見回りに出くわすこともなかった。
「ここまでは無事にたどりつけましたね」
『砂漠の光』アグライア=O=フォーティス(p3p002314)は息を殺して山小屋を見つめていた。事前の情報どおり、南側には入り口があり、二人が見張りに立っている。彼らは緊張感のかけらもなく、会話の内容までは聞こえないが、談笑している様子が見てとれた。馬小屋の前の一人は退屈そうに地面に座り込んでいる。
村人たちを苦しめた賊が楽しそうにしている。アグライアの胸の奥に怒りの炎が揺らめいた。
「村を襲い人を攫う。こんなことを繰り返す輩には相応の応報があるべきしょう」
その細い肩にそっと『KnowlEdge』シグ・ローデッド(p3p000483)の手のひらがそえられた。アグライアの気持ちがすこし落ち着きをとりもどす。
「……ですが、最優先は村娘たちの保護ですね」
みずからを戒めるアグライアに、シグの口元はかすかに笑みのかたちに崩れた。そしてすぐにアジトへと鋭い視線をむける。
「ふむ。ご老人から話を聞いたとき、見張りを立てているとはいえ全員で一か所に固まって休憩するとは警戒心が足りない奴らだと思ってはいたが。まさかその見張りすらこのていたらくとはな」
今度は唇が苦笑の形をえがく。彼は、盗賊たちがとるであろう戦術に興味をもってこの依頼を受けた。しかしそういった意味ではあまり実りがなさそうだ。もっとも、敵が油断しているというのなら、村娘たちの救出がそれだけ楽になったということでもあるので、仕事はやりやすい。
「では、作戦どおりに」
「はい」
二人はそれぞれの持ち場に散り約束の刻限を待つ。
●救出班 起2
「クロエ様が無事に配置につかれたようですわ」
『シティー・メイド』アーデルトラウト・ローゼンクランツ(p3p004331)のオッドアイの瞳には、黒猫が山小屋の屋根に横たわる姿が映っていた。その隣で『蒼鋼』ユー・アレクシオ(p3p006118)がうなずく。
「アーデルトラウトさん、罠のほうはどうでしょう?」
『Peace Maker』ルチアーノ・グレコ(p3p004260)が訊ねる。だらけきった見張りの態度を確認したいま、罠の有無を問うのはいささか滑稽な気もしたが、娘たちの命がかかっている以上念には念を入れておく必要がある。
案の定アーデルトラウトは首を横にふった。彼女が山小屋のまわりを注視しながら見回った結果、罠のようなものは見つけることができなかったということだ。もちろん彼女が見逃した可能性もある。しかし総合的に考えて罠はないとルチアーノたちは判断した。
作戦決行の時間が近づいていた。
●陽動班 承
時は来た。
敵地から約40メートルの距離をとり待機していたアグライアは、腰を落としみずからの踵にふれた。星踏みの靴。小さき翼を持つ飛行靴だ。
「さぁ行きますよ」
天翔る相棒を、もしくは自分自身を鼓舞するようにつぶやいて……文字どおり飛び出した。
鬱蒼とした森が一気にがひらけ、ぎょっとした顔の見張りたちが一人、二人と視界に飛び込む。馬小屋のほうの男はまだ気づいていない。見張りたちが壁に立てかけてあった弓矢をひろい、矢をつがえる。アグライアはまだ半分の距離しか進んでいない。身につけた軽業でアクロバティックに跳びはね、狙いをつけさせないことで距離をかせぐ。あと10メートル。肩に痛み。確認しなくてもわかる。矢尻の痛みだ。
と、そこに、横合いから鋭い光が回転しながら割って入った。本来の姿である魔剣ローデッドと化したシグだ。そちらにも剣を投げた援軍がいると勘違いし、打ち合わせもなにもできない彼らは、二人同時にシグのほうを向いてしまった。結果としてアグライアがフリーとなる。
「さて、混乱を巻き起こすとしよう」
シグがディスペアー・ブルーを使い、アグライアが守護神域を発動したとき、またほかの仲間たちも動き出している。
●救出班 承
蒼い光が戦場に満ちた。アグライアの守護神域の光だ。それが放たれたということは、今この瞬間に敵の見張りたちはすべてアグライアを攻撃対象として誤認させられているはず。
ルチアーノは大樹のうしろから飛び出し素早くマスケット銃をかまえた。一呼吸の間もなく、盗賊の頭部に狙いをつける。同時に弓を突きつけられているアグライアと人間形態に戻ろうとするシグも見えた。誰もルチアーノに気づいていない。命の火を一瞬で消し去る死神がそこにいることに。
「信じてたよ」
引き金をひきつつ送った賞賛は、ともに戦った経験のあるシグに対してのものだ。ルチアーノの唇からひゅっと吐息が漏れた。
撃ち抜かれた勢いで見張りの一人がくるくると回転しながら山小屋の扉にぶつかる。まさに必倒の一撃。
アーデルトラウトも、ルチアーノの射撃とほぼ同時に森から駆け出していた。
「弱い方を食い物にして私腹を肥やす。まさに社会のゴミといった方々でございますね。これこそ街の掃除やたるシティーメイドの出番でございます!」
ルチアーノが一人しとめたのを確認して走りながら射撃するも、移動しながら、しかも仲間に当たらないよう射線を確保しつつなのでなかなか命中しない。この頃には馬小屋の見張りも戦場にたどりついており、アグライアの守護神域を受けていないそいつは、人間形態になったシグに長剣で斬りつけ、シグの両腕をつつむ紅の篭手がはげしい金属音とともにそれをはじいていた。
今は2対2の状況で、自分が参戦できれば数の優位を得られる。しかし、今すぐにでも山小屋の中のから推定7名の敵があらわれるはずだ。そうなれば今度は戦況は圧倒的に不利にかたむく。
ふとそこで屋根から宙を舞う黒影に気づいた。クロエだ。
彼女の爪がひらめき、さながら黒い流星が白い光をまといながら奔るように、見張り二人を翻弄する。クロエの爪撃とアグライアの正剣が一体ずつ敵を打ち倒した。
アーデルトラウトが射撃をやめて全力疾走で山小屋の扉前に立ったとき、彼女とクロエとシグとアグライアの眼前で、武装した男たちが戸を押し開いてからわらわらと出てきた。その数は6人。
●陽動班 転
表から怒声や剣戟の音が聞こえてきたとき、盗賊たちはそれぞれ反射的に武器を手にし、お互い声をかけることもなく自然と二手にわかれた。山小屋の南側に入り口はひとつしかない。多数の巨漢が同時に外へ出ることはとうてい不可能だ。待ち伏せされて各個撃破されるのがオチだ。ゆえに2人は北側の窓から外へ出てそこから南側へまわりこんで襲撃者を挟み撃ちにする。それが事前の打ち合わせだった。
ところが北側にまわった2人は予想外の事態に足を止めることになる。すでにそこには、可憐な少女がひとり。彼女は定刻になるとすぐに窓の板戸を開けてさっさと山小屋に進入していた。
『誓いは輝く剣に』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)だ。
「物を奪うだけじゃ飽き足らず、女性を攫っていくなど、言語道断です! その罪悔い改めなさい! 改めないというのなら、斬ります!」
その堂々たる口上に、一瞬ひるんだ男たちも、すぐに下卑た笑みを浮かべる。相手はたかだか小娘と気づいたのだ。
「私の後ろへは、通させません!」
シフォリィのオーラソードが刀身を伸ばす。対して男たちは短剣をかまえた。それほど広くはない室内だ。得物は短いほうが振り回しやすい。場に合った武器を選択できたのは男たちのほうだ。
繰り出される短剣の突きをかわしつつ、シフォリィはその剣技により白銀の花弁を室内に散らせた。
●救出班 転1
ルチアーノの透視スキルは最大1メートルの厚みまで透過できる。木製の壁などお手の物だ。南側の部屋にはもう人がいないことがわかる。
見張り3人は倒した。いま戸外でシグ、アグライア、アーデルトラウト、クロエの4人と戦っている賊が6人。そして周囲を巡回している見張りが2〜3人とすると、ひょっとすると最大で3人の賊が北側のシフォリィのもとにいることになる。これらのことから結論づけられることはふたつ。ひとつは馬小屋にもう敵はいないであろうこと、そしてもうひとつはシフォリィが苦戦しているであろうこと。
まずは馬小屋へ。考えをまとめると彼の行動は迅速だった。今日までの境遇が即決即行動を身につけさせてきた。
馬小屋の中は薄暗く、目が慣れるまで少しの間があったものの、3頭の馬と3人の村娘たちが確認できた。騒々しい戦闘が行われているにもかかわらず、おどろき嘶くこともなく馬はおとなしく飼い葉をはんでいる。盗賊たちの乗馬であるから荒事に慣れているのだろう。
「助けに来たよ。お爺ちゃんたちが君たちの身を案じている。どうか村まで逃げ延びて」
最初は疑わしげにふるえていた娘たちも、ルチアーノが悪人とも思えず、さらにはこれ以上状況が悪くなることもなかろうと意を決して立ち上がった。
「これから僕が言うことをよく聞いて」
手短に逃走方法を説明する。
ルチアーノの指示で村娘たちはいっせいに北へと走り出した。こけつまろびつではあるが、あとはあの紫の瞳の男に任せておけばすべて大丈夫だろう。
次はシフォリィの援護だった。
●救出班 転2
賊どもは逃げゆく娘たちを完全に見逃したわけではなかった。苦し紛れに彼女たちに矢を放つ者もいたのだ。ところが驚くべきことに、このタイミングで馬たちが小屋から躍り出た。馬たちに視界をさえぎられ、賊どもはなすすべもなく人質が逃げ去るのを横目で見送るしかなかった。
これはもちろん偶然ではない。クロエがとっさに馬たちに語りかけ協力を呼びかけた結果だ。村に娘たちを返せば賊のもとで働くより安全に生きられる、と。
娘たちが教えられた方角へとしばらく進むと、聞かされていたとおりそこに黒衣の若者が立っていた。
ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)だ。
ルフトは油断なく周囲を警戒しながら娘たちを馬車へとうながす。これから彼女らはこれに乗って帰ることになる。木に係留された馬車を引くのは彼の所有するパカダクラだ。万全を期すため、このパカダクラたちにはクロエのスキルで村の位置や作戦などを伝えてある。さらに馬車の中には、ルフト自身がその知識を活かして集めておいた木の実や薬草のたぐいが備えてあった。添えてあるメモにはそれらの利用法が書いてある。
ルフトがかるく尻をたたくと、パカダクラは歩み始めた。
村娘たちは最後まで不安げに彼の方を見ていたが、ルフトは振り返りなどしない。なぜならこの救出作戦における彼の目的はまだすべて達成されていないからだ。
彼は森を疾走する。
●陽動班 結1
盗賊との戦いは終局をむかえつつあった。
「止めさせてもらうとしよう」
シグの投擲したマジックロープが盗賊の首領と思われる男の手首を捕らえる。見張りから本隊と、連戦により手傷が多く疲労度も濃い。もはや彼には敵の動きを封殺する程度の力しか残っていなかった。
剣をふるうことができず立ち尽くす首領に、アグライアの切っ先が向けられる。
「どうしました? ふだん貴方たちがやってきたように、今回は貴方たちが奪われる側にまわる時がきたのですよ!」
言うが早いか、月のシルエットのごとき流麗な銀弧が描かれる。彼女もまたこれが繰り出しうる最後の一刀になるとわかっており渾身の力を込めた。血風吹いて倒れる首領の最期に、生き残りの賊の表情に動揺が見える。
それまで頑丈なボディーで皆を庇っていたアーデルトラウトが、その期をのがさず盗賊の懐に飛び込んだ。腕をつかまえそのままひねると、相手の動きの勢いを利用して地面にたたきつける。冷たい大地のうえでそいつが動くことはもうなかった。
「これで、終わりでございます」
彼女の宣言どおり、満身創痍のイレギュラーズたち以外に、その場に立っている者はもう誰もいなかった。
●陽動班 結2
狭い室内でなんとか一人を倒したシフォリィだったが、数のうえでも武器のうえでも不利な状況であったため、かなりの深手を負っていた。しかしここで自分が倒れてしまっては皆が後背から襲撃されてしまう。一歩も退くわけにはいかない。それが剣に誓った彼女の信念だ。
男が短剣を突き出す。身をかわすもシフォリィの体勢が崩れる。長期戦によるダメージの蓄積が身体能力を低下させていた。
そのときルチアーノの声が背後から響く。
「よけて!」
とっさに床に倒れ伏すと同時に、後ろから、窓の方から飛来した徹甲弾が男の脇腹をつらぬく。シフォリィはすぐさま立ち上がり、苦鳴をひきながらよろける男に剣をふるった。とどめの一撃は男の息の根を完全にとめた。
「これで終わりかな?」
窓の外ではルチアーノが銃をかまえたままだ。
「ありがとうございます。これで終わりです」
同時刻アーデルトラウトが同じ言葉を発しているとは知らず、シフォリィはつかれきった笑顔でそう答えた。
●救出班 結
イレギュラーズたちは念のためアジトの中をあらため、もはや敵が残っていないことを確認していた。そうこうするうちに村から使者がやってきて娘たちが無事に馬車で帰ってきたことを知らされる。
「連れ去られた女性たちは心に傷を負ってしまっているでしょう。たいしたことはできませんが、話を聞いてやさしい言葉をかけてあげたいです」
シフォリィのやさしさに、ルチアーノも微笑してつづける。
「怪我をした村の人たちのかわりに、僕も何か力仕事とか少しでも手伝えるといいなって思ってます」
「私はローレットを通じて報酬の一部を村に寄付しようかと考えているよ。男衆の治療の足しにはなるであろう。なに、猫の身に金銭はそこまでいらぬのでは」
毛づくろいをしながらクロエが言う。皆想いはそれぞれだ。
そこでルチアーノの表情がすこし曇る。
「もう大丈夫だとは思うんですが……」
全員が一抹の不安を抱いているのは、そこに11体の死体しかなかったからだ。
「俺も村の復興を手伝おうと思っている」
そこに先ほどまでその場にいなかった者の声が流れた。
ルフトの破れた衣服は激しい戦闘を物語っており、彼が手にしている血まみれの短剣は2本あった。誰もがそれに見覚えがある。盗賊たちが使っていたものに間違いない。
彼は村娘たちを逃がしたあと、見回りの盗賊たちと接敵するため森をまわっていたのだ。
今度こそイレギュラーズたちは心からの笑みを浮かべることができた。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
ご参加ありがとうございました。
皆様の緻密な作戦をどう表現しようかと苦慮した結果こういった構成になりました。
ランダムに巡回する見回りまでケアしていたルフト様にMVPを送らせていただいてます。
GMコメント
●目標
村娘三人の救出。および盗賊たちの討伐。
村娘たちの命が最優先となります。最悪盗賊たちを討ちもらしても依頼は成功となります。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。想定外の事態は起こりません。
また老人の盗賊に関する情報も正確です。
●ロケーション
盗賊たちが根城にしている山小屋が見える森の中からスタートします。到着時刻は夕刻となります。
森の切れ目から山小屋まではおよそ30メートルあり、その間視界をさえぎるようなものはなにもありません。なにかしら工夫をしなければ見張りに見つかってしまいます。
山小屋の内部は大きく北と南の2つの部屋にわかれており、南側に入り口の戸があります。北側には人が入れるくらいの窓がありますが、ふだんは板戸で閉じてあります。鍵などはありませんので押し上げるだけで簡単に開きます。
盗賊たちは北側の部屋を寝室、南側の部屋を居間として使っています。山小屋の中にはつねに7、8人がいます。入り口に2人見張りがいます。
村娘が閉じこめられている馬小屋は山小屋の東側にあります。こちらも南側に人馬が通れるだけの入り口があります。扉などはなく中の様子はある程度見えます。入り口に1人見張りがいます。盗賊たちの馬が3頭、村娘といっしょにいます。
このほか、つねに2、3人が山小屋周辺をランダムに見回っています。
●敵
盗賊たちの人数は全部で13人です。装備は長剣、短剣、斧、弓矢といった平凡なものです。外の見張りはすべて弓矢を装備しています。
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