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シナリオ詳細

<総軍鏖殺>希望の風纏いて

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<総軍鏖殺>希望の風纏いて
 新皇帝『バルナバス・スティージレッド』の勅命が下りし鉄帝国。
 弱肉強食が罷り通り、戦う力の無き市民達は苦難の道を過ごしており、力ある者に虐げられた人々は身を寄せ合い、いつ来るとも知れぬ救いを待つ。
 ……しかしそんな救いの手は、簡単に訪れることは無い。
『ヒーッヒヒヒヒヒ!! さぁ、逃げ惑えぇ! 逃げても逃げられるとは限らねぇけどよぉ!!』
 力ある者は傍若無人に暴れ回り、人々は逃げ回る……そしてそんな話は、ラドバウ大闘技場にも伝わっており。
『全くぅ~……アタシ達が虱潰しに一つずつ潰しても、本当に埒があかないわねぇ……!』
 憤る『Sクラスの番人』ビッツ・ビネガー……勿論そんな彼女の言葉に、ラド・バウの闘士達は全くだ、と溜息を吐く。
 そしてそんなラド・バウ闘士の一人、レイディ・ジョンソンは。
「全くよ。こんなに困っている人達が多く居る……ならば、今はその人々を救うが為に、我々の力を発揮しなければ! きっと街の人々は、食べ物飲み物も奪われてしまい、お腹も空いている筈……だからの今こそ、私達が力を振るわなければならないわ!」
 拳を握りしめて力説する彼女の言葉に、ビッツは。
『そうねぇ……うん、レイディの話にも一理あると思うわ。だって、みんなが避難させてきた子達、みんなお腹が空いた、ひもじいとか言っているもの。政治的には関わり合いたくないけど、ラド・バウに来た客を楽しませる事……それはアタシ達がやるべき事だもの。レイディがそうしたいのなら、してくれて問題無いわ!』
「ええ、解ったわ! それじゃ、ちょっと皆の手も借りるわね!」
 微笑むビッツの言葉に、レイディは拳を振り上げるのであった。


「……という訳なのよ。スチールグラードの街の人達は、今ひもじい思いをしているわ。その為に我々は知恵や力を使うべきだと思うの。ご飯の用意は私がするから、みんなは避難誘導と、その場所の安全確保を御願いしたいのよ!」
 ラド・バウ大闘技場の軒下にて、元気良く頭を下げるレイディ・ジョンソン。
 混乱に陥る首都スチールグラードにて、彼女が提案した作戦は『街でひもじいおもいをして困っている人達を、炊き出しを行う事で救いたい』という物。
 ラド・バウ闘士であるが、ラド・バウらしくあり続ける為には政治的には関わり合いになるべきではない。
 しかしながら、スチールグラードに棲まう人々は新皇帝の勅命により虐げられている状況……この様な状況を看過出来ないと考えた彼女のアイディアこそが、炊き出し。
 今迄様々な所で、自腹を切って炊き出しをしてきたからこそ、今迄の経験を活かせる手段で街の人達を救いたい……闘士として力でねじ伏せるのではなく、人々の心を癒やしたい。
 そんな彼女の言葉にイーリンは。
「全く……相も変わらずね。でもまぁ、それも面白そうだし、手伝ってあげるわ」
 と言うと、彼女の言葉にレイディは。
「ありがとう! イーリンの領地で採れた食材を一杯使って、美味しい料理を全力で作るわよ!」
 と、力強く拳を振り上げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回は鉄帝国首都近辺での炊き出し依頼という事で、レイディさんが同行する依頼です。
 彼女もラド・バウ闘士ですから、戦力として一緒に戦いながらこの炊き出しを進める事になり、戦闘については優位に進める事が出来ます。

 ●成功条件
   先ずは市民の方々の救助。
   その後炊き出しをした上でそこに襲撃してくるゴロツキ共を撃退する、という流れになります。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●特殊ドロップ『闘争信望』
  当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
  闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
  https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

 ●周りの状況
  鉄帝国首都スチールグラードにおいて、点在しているゴロツキ連中の被害に遭っている人々を救出する事になります。
  ゴロツキ連中は『弱い者にはどんな事をしてもいい』という考えで動いているので、市民達は『蹂躙する物』、炊き出し現場にも『飯がある』程度の考えで襲撃をします。
  結構油断はしている様ですが、かといって物量作戦で仕掛けてくる傾向があるので、油断せずに対応する必要があります。
  炊き出し現場はラド・バウ大闘技場の近くまで連れてきて行う事になります。
  ただ炊き出し中に避難させるのは状況的に出来ませんので、市民の方々を護り切らねばなりません。
  護り切れば、後は大手を振ってラド・バウに連れて行く事が出来ます。

 ●討伐目標
 ・首都スチールグラードにおいて暴れ回るゴロツキ連中
    元獄人やら、盗賊上がりやら、出自様々ですが、スチールグラードで暴れているならず者達です。
    一人一人の戦闘能力はそこまで高くありませんが、悪人同士で徒党を組んで自分の求める事を妨げる奴らを『皆殺し』にすればいい、と思って居ます。
    その為、戦闘自体はそこまで難易度は高くないものの、数だけは多い大乱闘状態になりますので、如何に対処しながら街の人々を守りきるか……が大事です。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <総軍鏖殺>希望の風纏いて完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年10月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
ボディ・ダクレ(p3p008384)
アイのカタチ
暁 無黒(p3p009772)
No.696

リプレイ

●命拾い
 新皇帝【バルナバス】皇の就任により、平穏とは程遠い略奪の中に身を置きし鉄帝国。
 その鉄帝国の一つ、【ラド・バウ大闘技場】にて。
「本当に、今日は皆さんに集まって頂き、ありがとうございます! 私一人では、どうしようもないなって思ってた所でした……!」
 笑みを浮かべるレイディ・ジョンソン。
 彼女が今回、イレギュラーズの皆を集めたのは、この混乱する鉄帝国において、困っている人達を助ける為に炊き出しをしたいから、手伝って欲しい……という事。
 数多の町や村で今迄も炊き出しを行っている彼女は、このような厳しい国の状況を見て、もっと救いの手を差し伸べなければ……と強く願っていたのだ。
 だが、そんな彼女に『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)が。
「……レイディ。貴方、ちゃんと休んでる?」
 鋭い言葉で、彼女の身を心配するイーリンに、ははは、と頬を掻きながらレイディは。
「あはは……休んでるか休んでないかって言われると、余り休んでないのよね。でも、ひもじい思いをしている人達がいるのに、私がのうのうと休んでいる訳にはいかないもの!」
 ぐぐっ、と拳を振り上げるレイディ。
 そんな彼女にはぁ、と小さく溜息を吐くイーリン……その一方で。
「まぁ、そう思うのも仕方ないだろう。今や鉄帝国は、本当の意味での無法国家になってしまうとはな。結局被害を被るのは、力無き無辜の民だというのに」
「力無いからこそ、だと言う可能性もあるのでありますよ。追い詰められた時こそ、人間の本性が出るものでありますから」
 『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)に『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は瞑目。
 暫し考えたが後、口を開いた彼女は、いつもより刺々しい口調。
「……そんなものは、自分を高く買いすぎた者の戯言だ。極限の状況は、人を変えてしまう。ただ、それに抗う資質があるか、ないか……それだけの事」
 辛辣な彼女の言葉は、長年の鉄帝国に棲まうからこそ言える言葉。
 もとより力を重んじる国柄ではあるし、力ある者は力ある者同士で戦い、しのぎを削ってきていたのは認めざるを得ない。
 ……とは言え今回の話は、そんな闘う力を持たず、平穏無事に生活しているような一般市民でさえ、その略奪の波に巻き込まれている。
 更に、今のこの国には幾つもの派閥が乱立し、イレギュラーズ達も含み派閥争いを繰り返しているような状況。
 それら全てに貧乏くじを引かされているのが、住民達な訳で……。
「今はこの土地も荒れていますね。本当、次から次へと騒乱が起こって……この混沌世界は、悪い意味で退屈しませんね」
「ええ……まぁ、派閥などは良く知りませんが、これが誰かの救いとなるのならば、遠慮はいりませんね。全霊でお助けに参りましょうか」
「そうっすね! 資材調達も大事っすけど、治安維持も大事な仕事っすからね! 皆でゴロツキ共を成敗しちゃるっすよ!」
 『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)、『ぬくもり』ボディ・ダクレ(p3p008384)、『No.696』暁 無黒(p3p009772)三人の言葉。
 それにレイディは。
「ええ、そうですね! 本当に皆さんに強力して貰えて、本当に助かります! 取りあえず町に繰り出して、ゴロツキ連中に襲われている人達を救わないといけません。町の人達を安全な所まで集めてから、私が腕によりを掛けてお料理を造りますね! だって、炊き出しを食べてくれる人達はみんな……」
 腕まくりして、気合い十分なレイディ。
 その言葉を遮るようにイーリンが。
「……炊き出しした相手は全員家族、なんでしょう? 全く……取りあえずそれまでの間は、風呂にでも入ってきなさいよ。ちょっとは私達がラクさせてあげるから」
 言葉尻では、なんか厄介払いしている様な仕草。
 でも、実際の所は彼女が自分の身を削ってまで人々を救出する為に動こうとしてしまうのをしっているからこそ。
「もう……心配性ねぇ。でも、まぁ分かったわ」
 笑みを浮かべるレイディ、そしてイーリンが向き直りながら。
「という訳で……その為にも護らないと。神がそれを望まれているのだから」
 手を合わせ祈りを捧げる仕草を見せるイーリンに、ゲオルグ、『威風戦柱』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)、『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
の三人からも。
「何にせよ、現状をすぐに変えられない以上は、やれる事から地道にやっていくしかあるまい」
「ああ。取りあえず、助けを求めている奴らから救出、か……人助けは別に得意じゃないが……これも仕事だ」
「うんうん。キュウジョに炊き出しにゴロツキ退治。なかなか忙しい依頼だけど! 平和なゼシュテルも小さな活動からだと思うし、頑張ろう!」
 と、各々の意思を口にすると共に、イレギュラーズ達はゴロツキ共を倒す為に、ラド・バウ大闘技場を発つのであった。

●炊き出しの心
 そしてイレギュラーズ達が町に発ち、数刻。
『オラァ! とっととテメェら、たべもんとかもってこいや! 持ってこねぇ様なら、分かってんだろうなぁ!!』
 目に傷を負いしゴロツキ連中が、スチールグラードの街中を我が物顔で歩き回る。
 傍若無人なその振る舞いと、更に人の命を軽んじている彼らの怒号は街の至る所で響きわたり、それに応じて町の人々の悲鳴も同じように響きわたっていた。
 そんな救いを求める声が響きわたるスチールグラード……メーヴィンは。
「……取りあえず東に4箇所、西に2箇所……と言った感じか? 色んな所で救いを求めている様だ」
 目を閉じたメーヴィンが霊魂を通わせ、救いを求める声の場所を的確に拾い上げる。
 そして、悲鳴が上がる場所に手分けし、苦しみ、叫び、悲鳴が響きわたる箇へと駆けつけるイレギュラーズ達。
「狼藉をやめなさい。腹が減ったの? なら、私達が食べさせてあげるから」
 と、ゴロツキ連中に向けてイーリンが威風堂々と宣告する。
 だが、その宣告を偉そうと感じた様で、ゴロツキ共は目をつり上げ、更にその手の剣や槍をギラつかせながら。
『あぁん? 何言ってやがる。俺達は施しを受けるような奴らじゃねぇってんだよぉ! こうやってよぉ、人の物奪うのがいいんだよぉ、邪魔すんじゃねぇぜ!!』
「そう……聞き分けの無い子達ね……」
「まぁ、所詮は考えが浅い者達でありますからね」
 聞き分けの無いゴロツキ共の言葉を、ふっ、と吐き捨てるイーリンとエッダ。
 その仕草と、二人共女性だ、という事もあってか、一層怒りに火を燃やしたゴロツキ共。
 幸いそれによって、周りのゴロツキ達の狙いが二人に集中した事も在り、残る仲間達は怯えている町の人々に寄り添う様に進軍。
『……あ、あ……ぅぅ……』
 目の前で脅され、恐怖に茫然自失状態な町人達。
 その肩をぽんっ、と叩きながら。
「大丈夫っすか? もう俺達イレギュラーズが来たからには安心して欲しいッスよ!」
「ご安心下さい。貴方達には、傷一つ負わせやしません。さぁ……私達に付いてきて下さい」
「……みんな、こっちよ。ゴロツキ共が手薄な方向に回り込むわ」
 無黒、ボディ、フルール三人手分けして、怯えている人々に手を差し伸べ、その場から避難させていく。
 勿論、その動きに気付いて妨害してこようとする輩共も居る様だが。
「させないよ! 町の人達を苦しめるだなんて、ユルサナイよ!!」
 跳ねて割込み、足蹴にするイグナート。
 そして。
「さぁ、こっちこっち! みんなの為に、炊き出しするよー! ラド・バウ側で炊き出しをするから、周りの皆も、困っている人はみんな来てねー!」
 と、敢えてゴロツキ連中に聞こえるように大きな声で叫びつつ、人々を誘導していく。
『何だと、炊き出し……っ……!』
 数人のゴロツキ連中は、一瞬心を動かされる。
 が……当然ながら市民を襲う事で、力尽くで奪う事を忘れる事は出来る訳も無い。
 そんなゴロツキ連中の暴虐を諫めるが如くメーヴィンの反撃。
『こなくそっ……ぐぅぁっ!?』
 攻撃に対し反撃の一閃を喰らい、かなり痛いダメージを負うゴロツキ達。
 そんなゴロツキ共の苦しむ声に、メーヴィンは涼しい顔で。
「あぁ……死んでしまうか。ま、死んでしまったらそれまでだ。なに、事故だよ事故」
 と吐き捨てる。
 更には無黒も広域に視界を巡らせ、襲われている人を見つけ次第急行し。
「敵には容赦しないっすよ!!」
 と、全力を込めた一撃で、ゴロツキを瞬く間に討伐。
 そしてイーリン、エッダ、メーヴィンと無黒の四人がゴロツキ連中を牽制し、攻撃してきた者を反撃の一閃で叩き伏せる。
 一方でゲオルグ、イグナート、フルール、ボディの四人は町の人々の手を引き、炊き出し場所である、ラド・バウ大闘技場近くへと移動するのであった。

 そして……一先ずは並み居るゴロツキ連中を諫めつつ、町人達をラド・バウ大闘技場近くの広場まで連れてきたイレギュラーズ。
「これで……良しっと。それじゃレイディさん、宜しくネ!」
『ええ、勿論です。任せて下さい!』
 イグナートの言葉に強く胸を叩き自信を見せるレイディ。
 勿論路上なので、そんなに凝ったことは出来ないけれども……火を焼べ、材料を鍋に入れてぐつぐつと煮込み始める。
 ……大鍋料理は、こうやって多くの人に向けて提供するには一番手っ取り早い方法でもあるし、レイディもその事は重々理解している。
 そんな料理を造りつつも、町の人達に声を掛けて最近の状況をヒアリングしていくイレギュラーズ。
 零れる言葉は、本当突然に、あの新皇帝の勅令が発せられた為に、町の人々も理解仕切れていない、という事。
 更にゴロツキ連中はというと……見覚えの無い輩も居れば、顔を見知った者も居り、ゴロツキ連中の出自も様々な様である。
 そんな町の人々の言葉に耳を傾けていると……不意に。
『ここかぁ? 炊き出し場所とか言うのはよぉ……!』
『ああ、あのイレギュラーズとか言う連中もここに行くのを見たしな。さぁ……数の暴力で全部ぶっ潰してやんよ!!』
 どうやら一度は撃退したゴロツキ連中が、徒党を組んで炊き出し場所に襲撃を仕掛けようとしている模様。
 当然イレギュラーズ達も、それは予想済みであり……彼等が襲撃を仕掛けようとしたその瞬間。
「全く、炊き出しを襲うなんて! そんなことをやってないで、掛かって来なよ! オレを倒せたらオレの領地からたらふく食える食料をくれてやるからさ!」
 とその背後から、渾身の一撃を叩きつけるイグナート。
『な、なにっ!?』
 更に背後から襲撃されるとは思って居なかった様で、驚きの表情。
 しかし、戸惑っている彼等に間髪を入れずメーヴィンとゲオルグが正面から対峙し。
「来い、烏合の衆。お前たちに食わせる飯は無いぞ!」
「そうだな……これでも喰らっていろ」
 ボディの魂食いと、ゲオルグ呪いの輝きが波の如く襲い掛かり、飲み込んでいく。
 更にフルールと無黒も。
「本当は、こうして人を殺すのは好きじゃ無い。でも、死なないと分からないのでしょう? だから、殺す。慣れはないけど、躊躇いももうないのですよ、私には。手加減もね?」
「そうっすね! こっちも手数ならわりと自信あるっすからね! 存分に蹴散らしてやるっすよ!!」
 威風堂々たる言葉を放ち、襲撃を嗾けてきた連中を強力な力で以て討ち倒していくのであった。

●救われる者
「……さて、ゴロツキ共ももう一掃出来た様でありますね」
 服の埃を払うようにしながら、エッダが息を吐く。
 ……そして、そんなイレギュラーズ達の戦いを目の当たりにした市民達は。
『す、すげぇえ……こ、これがイレギュラーズ達なのかぁ……!』
『こんな人達がいるなら……だ、大丈夫かもしれねぇ……!』
 目を輝かせながら、感謝の言葉を口にする。
 ……そんな町の人達にぺこり、と頭を下げるエッダ。
「……さぁ、ひとまずは安心して貰って構わないのでありますよ。炊き出しも準備出来ている様でありますから……ほら、あちらの方へ」
『あ、うん! みんな、お待たせー! 一杯あるから、急がないでいいからね!!』
 ぶんぶんと手を振るレイディに、ありがとう、ともう一つ感謝の言葉を継げつつエッダの下から去って行く町の人々。
「うん。みんなやってきたわね。レイディ、私も手伝わさせて貰うわね?」
「ええ。ありがとうございます!」
 フルールも料理準備に手を貸し、次々と料理を作って行くレイディ。
 そして、炊き出し会場にて出来た料理を左へ、右へと配りながら。
「本当、良くここまで皆さん逃げて下さいました。私はそれを嬉しく思います」
「……ほら、ちゃんと食べなさい。量もあるから順番に、ね」
「大丈夫だから、落ち着けって、な? ……ほら、どうぞ」
 ボディ、イーリン、ゲオルグが手分けして、レイディの造った料理をてきぱきと配膳。
 又机・椅子とか重い物はイグナートが進んで手を貸し。
「ここに机居るかな? ん。それじゃ……大丈夫、重い物を運ぶのはマカセテね!」
 と机椅子を配置。
 そして……料理を食べている町の人達の前で。
「それじゃ、折角だし一つパフォーマンスを披露するっすよ! さぁさぁ、見て行ってっす!」
 ニッと笑顔を浮かべながら、無黒は町の人達の視線を集める。
 そして……街の人達の注目の中、その軽い身のこなしを活かし、パルクールの技を次々と披露していく。
 そんな無黒の動きに目を奪われる町人達……そんな町の人達の輪に入り、人々の不安に耳を傾ける。
 勿論、町の人々からは新皇帝の悩み事が口々に零れる。
 ……そんな町の人々へは、フルールが。
「大丈夫。私達が新皇帝を倒しますから、安心して下さいね?」
 と優しく笑みを浮かべて、安心させる。
 そう、町の人々を安心させていく一方で、イーリンは……命だけは助かったゴロツキ連中の下へ。
『……何だよ。俺達に何か用かよ……』
 訝しげに吐き捨てる彼等へ。
「はい、炊き出しよ。あんた達も、困ってやったのでしょう?」
 後ろ手にふん縛られているので、動けない彼等……そんな彼等に、スプーンであーんと食べさせる。
『何だよ……何を企んでいやがる』
「別に。あの娘から、ね。家族の事を想うように、ね。私のこと……姉と思ってくれていいのよ?」
 イーリンの言葉ながら、それはレイディの口癖。
 ……襲ってきた彼等も困っている人かもしれない……だからこそ、彼等を救うことも必要だ、と。
 そして、そんなイーリンの差し出したスプーンに、口を付け……軽く涙を零す彼等。
 ……そして、そんな彼等を横目にしたエッダは、敢えてラド・バウ大闘技場に向けて。
「……そろそろ気付いているだろう、ラドバウ。知らぬ顔では最早いられないのだと。観客の居なくなった舞台で無様に踊り続けるのが、貴様らの望む興業なのか? ……もう一度、考えて見ろ……!」
 その言葉は、非干渉を貫くラド・バウ上層部への訴え……であった。

成否

成功

MVP

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女

状態異常

なし

あとがき

炊き出し依頼にご参加頂き、ありがとうございました!
皆様のおかげで、ラドバウ近隣の人々は美味しいご飯にありつけて、匿われて……といった具合でしょうか。
勿論ラド・バウの方針に色々と思う方も居るとは思います。
鉄帝国を巡る事件が今後どうなっていくかは分かりませんが……皆様それぞれの信念がいい結果に繋がる事を願っております。

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