シナリオ詳細
<総軍鏖殺>雪の街に立つ、無数の柱
オープニング
●つまりは偵察
雪が降り積もるシンデンの街の中に、無数の柱が立っている。その柱の一つ一つに、街の住民が磔にされていた。
住民達のほとんどはもう何か言葉を発する気力も無く、ぐったりと項垂れている。その中には、おそらく騒ぎ立てたのであろう、酷く殴打されて傷だらけの者も含まれていた。
(仕込みは済んだ。あとは、バーデンドルフ・ラインからどれだけの戦力が出てくるかだな)
己の身長ほどもあろうかと言う白い長髪を、身体の周囲で渦巻く雪交じりの風に棚引かせながら、白い軍服姿の美女が酷薄な笑みを浮かべる。この女の名は、エカチェリーナ・ミチェーリ。新皇帝派の鉄帝軍大佐にして――魔種。
街の住民を尽く磔にしたエカチェリーナが狙っているのは、新皇帝バルナバス即位による混乱を収めることが出来ると目されている、ザーバ・ザンザを中心とする南部戦線、いわゆるザーバ派の対応と戦力を調べることだった。
「大佐。バーデンドルフ・ラインに矢文を撃ち込んだ者から、報告がありました。
矢文は回収され、バーデンドルフ・ラインの中へと持ち込まれたとのことです」
「よし。その者の労をよく労ってやれ」
部下からの報告を受け、エカチェリーナは満足そうに頷いた。
バーデンドルフ・ラインにいるザーバ派は、街丸ごと一つ分の住民を人質に取られたことを矢文によって間違いなく認識したはずだ。住民救出のために出てきた戦力が取るに足りないならひねり潰すまでであるし、今率いている軍や天衝種の手に余るようなら一度退けば良い。そして、よもや住民の救出に出てこないようなことがあれば――その時は、ザーバ派は腰抜けの集まりだと触れ回りその声望を貶めるまでだ。
(もっとも、そのようなことはあるまいがな)
ザーバ派は必ず住民の救出に出てくる。エカチェリーナは、そう確信していた。
●磔にされた住民達を救え
果たして、バーデンドルフ・ラインのザーバ派はエカチェリーナの読みどおり、磔にされ人質とされた住民達を救うため、部隊の派遣を決定した。だが、ザーバ派が対処すべき事案は多く、この件だけに注力するわけにも行かないため、十全と言えるほどの兵力は出し切れない。そこで、他の依頼と同様にこの件についても英雄たるイレギュラーズに助力を求めた。
「餌とわかってても、食いつかないわけにはいかないからねぇ」
ローレットの情報屋『夢見る非モテ』ユメーミル・ヒモーテ(p3n000203)が、イレギュラーズ達の前で苦々しげに吐き捨てた。わざわざ、自分達から人質を取ったことを知らせているのだ。当然、救出に出てきた部隊を潰せるだけの罠があることは、ユメーミルにも容易に理解出来るところであった。
だが、街一つ分の住民を見捨てるようなことは、今後のザーバ派の声望を考えれば、そして何より単純な心情の問題として、ザーバ派に出来ることではなかった。こちらも、ユメーミルにはよく理解出来るところである。
「それで、状況なんだけれど――正直、悪いし厳しいね」
ユメーミルは盗賊時代の元部下にシンデンの街を遠くから偵察させたが、その報告によれば磔にされた住民の多くが生気を失っており、低い気温もあって何時命を失っていてもおかしくない状況であると言う。そして、シンデンの街には新皇帝派の軍人や天衝種がうじゃうじゃと徘徊しているとのことだ。
「でも、アンタ達はそんな状況を今までひっくり返してきたことを、アタシは知ってる。
そして、今回もそうしてくれると信じてる――だから、頼んだよ」
イレギュラーズへの信頼を込めた、真剣な眼差しを向けて、ユメーミルはそう告げた。
- <総軍鏖殺>雪の街に立つ、無数の柱Lv:20以上完了
- GM名緑城雄山
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2022年09月30日 22時15分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 10 人
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(サポートPC17人)参加者一覧(10人)
リプレイ
●魔種を前にして
雪で白く覆われたシンデンの街を、猛スピードで黒い何かが突き抜けていく。シンデンの街にいる新肯定派の鉄帝軍人も天衝種も、そのあまりの速度にまともに反応することは出来ず、運悪くその進路にいた者は轢かれて弾き飛ばされたりもしていた。
その正体は、『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)が駆る亜竜車――馬車の馬が、亜竜に置き換わったものだ。
(弱肉強食は理解できるが……新皇帝派の軍人は、血も涙もないのか)
そんなことを考えながら亜竜車の進路を懸命にコントロールするウェールの脳裏に、一人の少年の姿が浮かび上がる。もう二度と会えぬ息子、梨尾だ。梨尾は涙ながらに、必死に何かを訴えようとしていた。その声こそ聞こえないものの、ウェールには梨尾の言わんとすることがしっかりと理解出来る。
(そうだよな……弱いから死んだで済ませるなんて、俺も嫌だ!)
自身にしか聞こえない息子の声に、ウェールは深く頷いて応える。そして、磔にされたこの街の住民達を助けると、固く誓った。
亜竜車は、街の中央部に至ると急減速して停止した。シンデンの住民達を尽く磔にした鉄帝軍大佐にして魔種、エカチェリーナ・ミチェーリを発見したからだ。
「ほう、わざわざ私の所まで来るとはな。余程、実力に自身があると見える」
そう告げるエカチェリーナの前に、三人のイレギュラーズが亜竜車から降り立った。
「トップを巡り争うだけなら勝手にやってくれ、って感じで済むんだがなぁ……」
何処か面倒くさそうな口調で言うのは、『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)。だが、ミーナが如何に怠惰であっても、捨て置けない物事と言うものは存在する。
「わざわざ自国の民を巻き添えにするどころか、盾にしようなんざ腐ってやがるぜ。本当」
「――だが、貴様らを誘き寄せるには効果的であったろう?」
吐き捨てるようにミーナは言ったが、エカチェリーナは意に介する様子はなく、傲然と返した。
「……弱き者が死ぬ。それが自然の摂理とかうそぶいても、わたしは知っている。
弱き動物が死に絶えると、それを捕食する強き動物も死に絶えると」
「ふむ」
弱肉強食と言えど、弱者の存在なしには強者は出来ないと、『愛を知りたい』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)は訴える。エカチェリーナは、興味を抱いた様子でココロの次の言葉を待った。
「わたしは知っている。この世界のあちこちで、権力や富貴を持つ者を優先した結果、国が荒れたことを。
国を新しく作り変えたいなら、まずは弱き者、そう、自分の力では運命に抗えない者たちを最も大事にしなさい!」
「下らんな……貴様、バルナバス陛下の勅命を知ってそう言っているのか?
そのようにして出来た国、バルナバス陛下の創らんとする国とは真逆にしかなるまい」
だが、続けてココロが紡いだ言葉には、興味を失った様子を見せた。
「なるほど、戦力調査のために街を1つ人質に取りましたか。
いやはや、大胆なことですね……くくっ、鉄帝としても、魔種としても浅知恵ですが。
この手の外道な企みで、悪徳貴族の裏を掛けると思わないことですよ」
「――何?」
『微笑みに悪を忍ばせ』ウィルド=アルス=アーヴィン(p3p009380)が、胡散臭い笑みを浮かべながらエカチェリーナの企みを嘲笑う。「浅知恵」と言われたことが癇に障ったか、エカチェリーナは眉をピクリと上げ、鋭い視線をウィルドに向けた。
「エカチェリーナさんでしたか。戦力調査、思い通りにできるとは思わないことです」
「フフフ……言うではないか。だが――」
ウィルドに応えんとしたエカチェリーナの言葉は、さらに亜竜車から飛び出してきた『戮神・第四席』ウォリア(p3p001789)によって遮られた。
「弱者は死ぬ___成程、強者の真理だ。ならば、オマエ達も今日此処で死ぬ覚悟が出来ているということだろう。
天候すら変えるほどの強大な力を前に心が躍る……というのが正直なところではあるが、滾る闘志はそのままに、此度は『命を守る』としよう」
「うぬっ!」
ウォリアは亜竜車から飛び出してきた勢いのまま、神滅剣アヴァドン・リ・ヲンを手にエカチェリーナに斬りかかる。横薙ぎの一閃は、だが、わずかに浅い。
アヴァドン・リ・ヲンの剣先はエカチェリーナの腹部を捉え、軍服を横一文字に斬り裂いた。その下の白い素肌に、ぱっくりと傷が開いて、紅い血が流れ出す。だが、エカチェリーナにとってさしたるダメージにはなってないようだった。
その間に、亜竜車はUターンして元来た道を走り始める。往路で確認した住民達を、復路で救出するためだ。
「……ほう。私の相手は、貴様ら四人で十分だと? 随分と、侮られたものだな」
ゴウッ! エカチェリーナの周囲に吹く雪交じりの風が、猛烈な吹雪へと変わる。エカチェリーナは、その手にした吹雪の剣でウォリアに斬りつけた上、流れるような動作で剣から吹雪を放つ。ウォリアの負った傷は深くはないものの、鎧の身体に氷が纏わり付いて動きを鈍らせる。だが、ウォリアの鎧の身体は苦痛も寒さも感じることはない。
「侮ってるつもりはないんだがな。これでも、十分すぎるぐらいだ――まずは、小手調べと行こうか」
「ぐっ!」
ミーナの掌から数本の黒い鎖が放たれ、エカチェリーナへと真っ直ぐ伸びていく。敵を葬る呪いの鎖だ。エカチェリーナはその一部を避けたり吹雪の剣で叩き落としたりはしたが、全てには対応しきれなかった。黒い鎖はギチリとエカチェリーナに絡みつき、その身体をギチギチときつく締め上げていく。
「戦力調査で私達を誘い出してしまったのが、貴女の運の尽きです」
「戯言を!」
ウィルドは掌の上に、闇の月を浮かべた。その輝きは、エカチェリーナの運命を暗いものへと歪めていく。エカチェリーナはウィルドの言も、闇の月の輝きも大して気にはしなかったように見えた。
「これが一体、何になるの? わたし、あなたを許せなくなってきている」
「バルナバス陛下が南進なされた時の役に立とうと言うものだ。そもそも、貴様如きの許しを得る必要は――くっ!」
ココロは特異な術式で魔の光を構築しながら、エカチェリーナに問う。だが、エカチェリーナからの返答はココロの問いなど意に介さぬと言わんばかりのものだった。その間に、見切ることの能わぬ魔の光が放たれ、ウォリアの刻んだ傷の上に命中する。身体が痺れる感覚に、エカチェリーナは呻いた。
引き返す亜竜車と入れ替わる形で、街の中心部に『咎狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)と『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が駆けつけた。もっとも、二人の目的はエカチェリーナとの戦闘ではなく、この周辺で磔にされている住民の救出だ。
(住民を盾替わりかぁ……体力の問題もあるだろうし、状況があまりよろしくないね……。
街全体に分散してくれてるから手間もかかるし……なるはやで処理しないとね~)
この寒気の中、住民達の体力が何時まで持つか……マイペースなラムダとは言え、焦りは感じないわけではない。だが、まずは住民の救出を邪魔してくる者達に対処する必要があった。
エカチェリーナと仲間達の近くにまで至ると、ラムダはくるりと後方を向いた。多数の新皇帝派軍人と天衝種が、二人を追ってきている。
「即決即弾ついでに即斬、咎人に情状酌量の余地なし。新皇帝派についたのが運の尽きってね♪ Haha。
……さて、本気で征こうか?」
「ぐああっ!?」
ラムダは、堕天の輝きで迫り来る敵を照らす。輝きに宿る呪いは、新皇帝派軍人や天衝種のみを蝕み、弱らせていった。
(いつだって、被害を被るのは罪の無い一般人だ。放っておけるわけがない……!)
無辜の住民を巻き込む事への憤りを感じるイズマも、ラムダと同様に後方を向いた。
(罠だと解ってて潰されるような俺達じゃないんだよ。いつか反撃してやるさ。
今、助けるから……もう少しだけ耐えてくれ……!)
住民の体力がもってくれることを願いつつ、イズマは自身の前に楽団を召喚した。楽団はラムダに弱らされた新皇帝派軍人や天衝種を狙い、各々の楽器から鉛玉を撃ち放つ。発射音が曲のように一帯に響き渡ると、一斉掃射を受けた新皇帝派軍人や天衝種はバタバタと倒れ伏していった。
「――目の前で私と戦っている仲間を、放っておくのか?」
「五月蠅い! 街の人々を助けるのが最優先だ!」
「Haha、その手には乗らないよ♪」
エカチェリーナは挑発混じりにイズマとラムダに問いかけたが、イズマはその声を無理矢理振り切ろうとするかのように怒鳴り返し、ラムダは笑いながらあっさりと切り返した。
一方、亜竜車は復路で街の住民を救出にかかっていたが、その進捗は芳しくなかった。住民を救出するために動きが止まれば、そこを狙って新皇帝派軍人や天衝種が次々と寄ってきたからだ。
「また来たよ!」
迫ってくる新皇帝派軍人五名を発見した『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が、柱から住民を解放している仲間達にそれを知らせる。
(――これ以上、街の住民を傷つけさせてたまるか!!)
『散らぬ桃花』節樹 トウカ(p3p008730)は、周囲の状況をしっかりと確認しながら、アクセルが知らせた方向へと向かっていく。そして、周囲に住民がおらず戦闘に巻き込むことがない場所を選ぶと、そこで迫り来る敵を待った。
「節樹 トウカ、ここにありだ! 罪もない住民を盾に取る卑怯者ども、俺が相手だ!」
敵が間近に迫ってくると、トウカはそう叫んで、新皇帝派軍人の敵意を自身へと集めた。新皇帝派軍人はトウカを攻撃せんと集るが、それは仲間達による殲滅を容易にするだけでしかなかった。
「これで止めるよ! あとはお願い!」
アクセルは魔法杖「雲海鯨の歌」を、楽団を指揮するかのように振るった。すると、トウカの周囲に結界が展開され、その中では敵の動きを封じんとする意志が顕現した吹雪が吹いて、新皇帝派軍人の身体を凍てつかせる。
(人質を取る卑怯な奴らはひとりぼっちの孤独に押し潰されて、隅っこでのの字書いてろっきゅ!!
強くなるまでに守ってもらった経験はないのか!
生まれた時から強者なんていない。そんなに戦いたいなら覇竜で野生の竜と戦えっきゅ!
『希うアザラシ』レーゲン・グリュック・フルフトバー(p3p001744)は、そんな憤りを抱きながら、新皇帝派軍人を闇夜の帳で包み込む。闇夜の帳は、レーゲンの言うように新皇帝派軍人の心を孤独感で苛んだ。
「助かった! 任せろ!」
ウェールは新皇帝派軍人に向けて、多数の札を投げるように撒いた。札は新皇帝派軍人の周囲で吹雪へと転じ、その身を斬り裂いていく。既にアクセルとレーゲンによって心身を蝕まれている新皇帝派軍人にこの吹雪に耐える余力はなく、身体を凍てつかされ立ったまま彼らは息絶えた。
新皇帝派軍人を全滅させたウェールらは、新手を警戒しつつ住民の救出を続行。そして、住民を亜竜車に乗せきれなくなると、新皇帝派軍人や天衝種が到底追いつけない速度で避難拠点へと向かった。
●軍人と、元盗賊と共に
シンデンの街の外周部では、ザーバ派の鉄帝軍人四十名と、『夢見る非モテ』ユメーミル・ヒモーテ(p3n000203)が率いる元盗賊三十名とが、五名一組となって住民の救出にあたっていた。外周部は中心部ほど新皇帝派軍人や天衝種が密ではなく、またその実力も一枚以上落ちているため、住民の救出は中心部ほど厳しいものとはなっていない。
とは言え、根本的にはザーバ派軍人や元盗賊は数で劣り、しかも磔にされた住民を巻き添えにすることなく戦う必要があることや、住民の救出中に襲撃されたりと言ったケースが発生したこともあり、苦戦に陥る局面もしばしば見受けられた。
「敵の趣味、悪すぎないか?」
「同感です。弱肉強食も大いに結構ですが、必要以上に弱者を虐げるのは戴けませんね……」
『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)の問いに答えながら、『血風妃』クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)はその尋常ならざる視力で、今すぐにでも救出しなければその生命が危ない住民や、劣勢にある味方がいないかを絶えず確認し続けていた。そのクシュリオーネの目に、ラルグ二体と新皇帝派軍人五名に押されているザーバ派軍人五名の姿が目に映る。しかも救出されたばかりであろう、憔悴しきっている住民一人が一緒にいた。ザーバ派軍人の中には、住民の盾となったのだろう、深手を負っている者もいる。
「これは……いけません。エーレンさん、ランドウェラさん、一緒に来て下さい!」
クシュリオーネは、傍らにいる『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)とランドウェラに声をかけると、ザーバ派軍人の方へと駆け出していった。そして、ある程度距離を詰めると、ラルグ一体と新皇帝派軍人二名の上から鋼の雨を降らせてその身をザクザクと傷つけていく。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。お前らのような人非人を、俺たちは許してはおかん」
元より魔種に良識など期待してはいないエーレンだったが、それにしてもエカチェリーナのやり口は見過ごせるものではなかった。故に、住民の救出に加勢している。そして、名乗りを上げると同時に聖十字剣「サザンクロス」を鞘から抜き、一閃。その剣閃は雷を帯びて飛翔し、鋼の雨に打たれたラルグに直撃した。ラルグは斃れ、地に墜ちていった。
ランドウェラは福音を紡ぎ、住民の体力を回復させていく。紡がれた福音を聞いた住民は生気を取り戻し、その様子にランドウェラはホッとする。後でランドウェラが渡した金平糖も、余力を取り戻したのか美味そうに食した。
ザーバ派軍人や元盗賊を援護するべく動いているのは、クシュリオーネらだけではない。その他にも多くのイレギュラーズ達が、エカチェリーナのやり口に義憤を感じ、住民を救出するべく馳せ参じていた。
(人助けなら おまかせくださいですの。
磔にされた 人たちを 解放まで まもって さしあげますの)
その意志も固く、『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)は、磔にされた住民とその住民を今まさに解放せんとしている元盗賊の盾となり、新皇帝派軍人の放つ銃弾やストリガーの火炎を纏った爪、そしてラルグの炎のブレスをその身体で受け止め続けている。大海の力を纏っているノリアに炎は効かないとは言えその身は強かに傷つけられていくのだが、相応にノリアの纏う水によって、敵も傷を負っていった。
「うぐっ!」
磔にされた住民の側にいる新皇帝派軍人が、突如後ろから口を塞がれ、首筋を掻き切られた。ブシューッ! と鮮血が首から吹き出し、新皇帝派軍人は息絶えると共にその身体からダラリと力が抜ける。『酔狂者』バルガル・ミフィスト(p3p007978)が、茨咎の鎖の先端のナイフを新皇帝派軍人の首筋に突き立てて一気に引いたのだ。
(別に市民を殺そうが其処らはどうでも良いですが……まさか誇りある鉄帝人とやらが阿呆みたいな一つの命令でこうなるとは)
嘲笑と嫌悪とを交えた視線で、バルガルは足下に放り捨てた死体を見下ろした。
その間に、バルガルと同行している元盗賊が音もなく住民を救出。それを確認したバルガルは、元盗賊と共に音もなく移動を開始した。
街中を俊敏に駆ける元盗賊と共に、『亜竜祓い』レオナ(p3p010430)もシンデンの街の外周部を駆けていた。そして磔にされた住民とその近くにいる新皇帝派軍人を発見すると、レオナは一気に速度を上げて距離を詰める。
(――卑劣。その一言に尽きる。
敵相手であればまだ考えられようが、呼び声無しで味方の可能性である民を甚振るなど……二度と、軍人と名乗るな)
レオナは、新皇帝派軍人の頭、喉、鳩尾を目掛けてコンバットナイフ「燕六六六式」で突きかかる。新皇帝派軍人はその攻撃自体は回避したが、それ故に、残像を発生させたレオナの攻撃には対応しきれなかった。上半身を滅多突きにされた新皇帝派軍人は、元盗賊の追撃を受けて敢えなく息絶えた。
その間に、参戦しなかった元盗賊が柱から住民を救出。
「ふん……堕ちたか。強き者が立つ、という点は気に入っていたが、それは弱者を甚振る為ではない。
つまらぬ行いをするならば掃き捨てるに限る」
……と、格好良く独り言ちていた『輝きを目指して』ダリル(p3p009658)だったが、ザーバ派軍人と組む際には「我、被弾したら雪のように溶けるからな! 守っておくれよ!?」と騒ぎ、ザーバ派軍人を「えぇ……」と困惑させた。
だが、ダリルは新皇帝派軍人やストリガーをまとめて蛇の如くうねる電撃で絡め取ったり、ラルグを高熱を伴う光で灼いて墜としたりと、ザーバ派軍人による住民の救出を攻撃面でしっかりと援護していた。
(街の人々全てを磔にするとは……魔種とやらの存在は、やはり)
許すべからざるものか、と考えながら、『未だ遅くない英雄譚』バク=エルナンデス(p3p009253)は磔から解放されかけている住民と、解放しているザーバ派軍人とを硝子のような透明な結界で包む。
新皇帝派軍人の銃弾が、ザーバ派軍人の背に向けて撃たれた。だが、銃弾は結界を割るに留まる。割れた結界の破片は、バクに次々と突き刺さっていった。この結界は、割れた破片がバクに突き刺さることで、包まれた者が受けるはずの傷をバクが肩代わりするものだ。
バクが盾になっている間に、住民の救出は進んでいった。
「やった! 助け出せたぞ! 後は頼む!」
「任せて下さい。調和の力よ――」
敵を排除し、住民を救出し終えたザーバ派軍人は、その治療を『奏でる言の葉』柊木 涼花(p3p010038)に要請した。涼花はすかさず、調和の力を賦活の力と変えて、住民を癒やしていく。ぐったりとしている住民は、意識を取り戻すと自身が磔から解放されたことを悟り、涼花やザーバ派軍人に何度も「ありがとう、ありがとう……」と絞り出したような声で礼を述べた。
●避難拠点を築くべく
住民の救出が始まると同時に、救出した住民を避難させる拠点の構築するべく、二人のイレギュラーズが動き出した。
(街一つ丸ごと人質にするなんて大それたことをするんだね。魔種も、それに従う人間も。
たとえそれが罠であっても、こちらの力を測るためだとしても、関係ない。どんな企みも踏み越えて、打ち砕く)
そうして力なき人々を守ることが、『八十八式重火砲型機動魔法少女』オニキス・ハート(p3p008639)の使命だ。そのために、まずは避難の拠点となり得る建物を発見する必要がある。
「――オニキス・ハート、出撃するよ」
「ああ、頼むよ」
『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)はオニキスにそう声をかけると、飛翔するオニキスを地上から見送った。
(やれやれ、ここまでやるとは……敵も随分と派手に動くものだ)
だが、それならそれで、無駄に敵愾心を煽るやり方は愚策だと、ここで教え込んでおかねばならない。
「……まったく、一介の冒険家としては気が進まないが、罪もない住民を見捨てるわけにも行くまい。全力で行くとしよう」
そう思い定めたゼフィラは、『蒸気迫撃』リサ・ディーラング(p3p008016)やザーバ派軍人十名とともに地上からオニキスの後を追った。
「……くっ」
避難拠点に相応しい場所を探すべく飛行したオニキスだったが、それは敵の――特にラルグの――目に留まることも意味していた。地上からゼフィラ達も援護はするが、ゼフィラ達はゼフィラ達で地上の敵にも対応しなくてはならないため、十全なものとは言えなかった。
オニキスの守りの技量と数の差との問題で、激しい空中戦の末にオニキスは幾多ものラルグを斃したものの深手を負ってしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ……ターゲット、ロック。マジカル・ワイヤーブレード……!」
拠点を見つけるまでは、可能性の力を費やしてでも倒れるわけにはいかないと、オニキスは力を振り絞って迫り来るラルグの首をマジカル・ワイヤーブレードで斬り落とした。そして、必死に地上を探し――外周部と中心部のちょうど間くらいにある館を発見する。
おそらく商人のものであろう館に降り立ったオニキスは、稲荷神の御守りを握りしめて特殊な波動を飛ばし、自身の位置をゼフィラに知らせる。
「そこだな! 待っていてくれ、すぐに行く!」
ゼフィラ達は道を阻む新皇帝派軍人や天衝種を蹴散らしつつ、オニキスが知らせた場所へと向かった。
「――すまない、勝手に使わせてもらうよ」
商人の館は、扉に鍵も返られておらず、所々荒らされていた。ゼフィラは承諾無しに館を使うことを、この場にいない主に詫びた。そして、オニキスやリサ、ザーバ派軍人らと共に、柵や罠、茨のバリケードなどを設置したりして、館を避難拠点に仕立て上げた。
そして住民の救出を行っている仲間達に位置を知らせるべく、ゼフィラは天に向けてアシカールパンツァーを射出する。どーん! とシンデンの街の上空に派手な光が輝き、大きな音が響き渡った。
(さすがにあれは、「こっち側」の目も引いてしまうっスね)
鉄帝の軍服を着て新皇帝派軍人の中に潜入していた『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)は、それを街の中心部寄りの位置から見ていた。アシカールパンツァーの光と音が新皇帝派軍人や天衝種の注意を集めてしまうと危惧した美咲は、すかさず信号弾をあらぬ方向へと撃ち上げる。そして、信号弾の方を指差し、叫んだ。
「あれは、南部戦線の奴らの合図に違いない! あの合図のあった方へ行くんだ!」
その声に、多数の新皇帝派軍人や天衝種が、避難拠点とは全く関係ない方へと向かっていった。
(これだけ騙されてくれれば、上出来っスかねぇ)
ふぅ、と美咲は内心で胸を撫で下ろした。
――とは言え、やはり全ての新皇帝派軍人や天衝種は誤魔化しきれず、避難拠点には多数の新皇帝派軍人や天衝種が押し寄せていた。ゼフィラやオニキス、リサがいるとは言え、十三人では相手するには厳しい。
「お手伝いが必要ですか? 面倒ごとは全部お任せくださいな!」
「ありがとう……頼むよ」
そこに、ウォリアが大変そうな顔をしているから遊びに来たと言う『雨宿りの雨宮利香』リカ・サキュバス(p3p001254)が姿を見せた。こうなると、話は変わってくる。ゼフィラは、リカの申し出に深く頭を下げた。
「天衝種だか新皇帝派の軍人だか知りませんが、いけいけしゃあしゃあと悪趣味な事ばかりしやがってからに……お仕置きしましょう」
リカはウィンクと魔眼で新皇帝派軍人や天衝種の注意を自身へと引き寄せる。そして、集ってきた新皇帝派軍人や天衝種を闇から伸びる影の手で包み込んだ。
「ゆっくりと、ゆっくりと。大好きな雪の中で暖かい黒い手に包まれて。おやすみなさい。どうかしずかに、永遠に」
静かに、リカが告げた。
「そんなに弱肉強食が自慢なら、こっちが強けりゃ媚び諂う犬にでもなんのかってんだ!」
一方、リサは激しく咆えながら、巨大火砲「Final Heaven」を天に向けて撃った。砲弾はある高さにまで至ると破裂し、鋼の雨となって黒い手に包まれた新皇帝派軍人や天衝種のうちリカに近い者に降り注いでいく。これで、リカの周囲にいる新皇帝派軍人や天衝種は永遠に眠った。
「糞共を、一人たりとも通すじゃねぇぞ!」
そしてリサは、ザーバ派軍人に向けて叫んだ。ザーバ派軍人は勢いづき、「おおっ!」と気勢を上げて応えた。
避難拠点に押し寄せる敵の勢いが落ち着き、救出された住民が運び込まれてくるようになると、『黄金の旋律』フーガ・リリオ(p3p010595)と『料理人』テルル・ウェイレット(p3p008374)がその対処にあたった。
(住民達を磔なんて、酷すぎるだろ……)
ならばこそ、誰一人死なせまいとして、フーガは奮起する。まずトリアージを行い、治療の優先順位を決定する。そして、症状が重い順に次々と怪我や凍傷の治療を、医学的手段と魔術による癒やしとを併用しつつ行っていった。低体温症にも備えるため、エーレンが馬車に満載になるほど持ち込んだ毛布を、ザーバ派軍人の手も借りて住民達に配っていく。
(成程。天候は晴れでも今のままでは凍えてしまいます。ですので、少しでも傷と心を軽くできる様助太刀致します)
その手段として、テルルは持ち込んだ混沌米で粥を作り、これもザーバ派軍人の手を借りて救出された住民達に配っていった。粥は住民達の体内を温め、混沌米の滋味は住民達の疲弊した心を優しく癒やしていく。生き延びて再び食事が出来たことに、「ううっ……」「おぉ……」と嗚咽を漏らす者さえいた。
●魔種の撤退
ウォリア、ココロ、ミーナ、ウォルドがエカチェリーナに対峙している間に、住民の救出に尽力したウェール、ラムダ、イズマ、クシュリオーネ、避難拠点を構築しその防衛に努めたゼフィラ、オニキス、そして助力に馳せ参じたその他のイレギュラーズ達によって、新皇帝派軍人や天衝種は徐々にではあるがその数を減らしていった。やがて、損害はエカチェリーナが無視できないほどに至る。
「――ふむ、こんなところか。もう十分だな」
エカチェリーナはそう独り言ちると、戦闘の最中にもかかわらず赤い信号弾を撃ち上げた。撤退の合図だ。四人は撤退される前にと全力で攻撃を行い、エカチェリーナに幾ばくかの傷は負わせたものの、未だエカチェリーナには余力があるようだった。
エカチェリーナが退き、新皇帝派軍人や天衝種もシンデンを去ると、住民は速やかに一人残らず磔から救出された。命が危ういと思われる者はちらほらといたが、フーガや治療に加わったココロ、ミーナの施した癒やしによって、誰一人として死亡することはなかった。これは何より、避難拠点が構築されて、その中で治療や食事などの対処が安全に落ち着いてなされたことが大きかった。
ザーバ派軍人やユメーミル率いる元盗賊達も、深手を負った者はいたが命を失った者はおらず、磔にされていた街の住民にも救出に来た者達にも死者が出なかったことを、イレギュラーズとザーバ派軍人、ユメーミルと元盗賊は喜び合った。
だが一方で、喜び合ってばかりもいられない。
「……まったく。件の勅令で、この手の依頼増えそうよねぇ」
「ああ……内乱ってのは、本当に嫌になる」
これから鉄帝を覆うであろう暗雲を感じたラムダに、ミーナは頷いてウンザリした表情をした。
新皇帝バルナバス即位に伴う混乱は収まる気配を見せるどころか、なお拡大する様相を呈していた――。
成否
大成功
MVP
状態異常
あとがき
シナリオへのご参加、ありがとうございました。皆さんの活躍により、シンデンの街の住民達は誰一人命を落とすことなく、救出されました。
MVPは何方に差し上げるか非常に迷いましたが、避難拠点の構築を行ったゼフィラさんにお贈りします。
それでは、お疲れ様でした!
GMコメント
こんにちは、緑城雄山です。
今回は鉄帝編<総軍鏖殺>のシナリオをお送りします。
魔種エカチェリーナに囚われ、磔とされ人質になっているシンデンの街の住民を救出して下さい。
●成功条件
住民達(9割以上)の救出
●失敗条件
住民の1割以上が死亡する
イレギュラーズ達の攻撃によって、住民が1人でも死亡する
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●ロケーション
シンデンの街全体。時間は昼間、天候は晴天。
雪による足場の悪さは、それを補う装備が貸し出されているため、考えなくてよいものとします。
故に、その他の点も含め、環境による戦闘へのペナルティーはありません。
また、必ずしも今回のシナリオではイレギュラーズ達が一カ所に固まって戦わなければならないわけではありません。
そのため、主にシンデンの街の何処で行動するか(中心広場、中心付近、外周部付近など)、また誰かと一緒に行動するならその相手は、プレイングに明記をお願いします。
●敵について
今回、新皇帝派の軍人も天衝種も非常に多数ですが、これは街全体に分散しておりこれら全てと一度に戦わねばならないわけではありません。
また、エカチェリーナの目的はあくまでザーバ派の実力の把握ですので、新皇帝派の軍人や天衝種にある程度の損害が出れば、エカチェリーナは速やかに撤退するよう指示を出します。
故に、このシナリオで倒すことになる敵は、実際にはその一部に止まるでしょう。
なお、これは基本的にはキャラクターは知らない、プレイヤー情報となります。
ちなみに、街の中心の広場にはエカチェリーナがおり、街の外周部から中心部に向かうにつれて徘徊している新皇帝派の軍人も天衝種も強くなったり密度が上がったりしていきます。
●【重要!】 範囲攻撃に関して
後述する新皇帝派の軍人の多くが、磔にされた住民を盾にするような形で戦闘を行います。また、天衝種は積極的に住民を盾にするようなことはありませんが、その近くに磔にされた住民がいるかも知れません。
そのため、【識別】無しの範囲攻撃は、住民を巻き込む危険性が非常に高いです。
今回、範囲攻撃についての【識別】の有無や、【識別】の無い範囲攻撃の使用状況については、特に厳しくチェックし判定します。ご注意下さい。
●エカチェリーナ・ミチェーリ ✕1
新皇帝派の鉄帝軍大佐にして、憤怒の魔種です。しかし、その憤怒は心の中に堅く押し込めており、表面上は属性が憤怒であるとは想像できないほどに冷徹です。
シンデンの街を急襲して占領し、住民を残らず柱に磔としました。これは、ザーバ派がこの事態に如何動いてどれ程の戦力を出してくるか探るためです。
攻撃力は魔種にしては高いとは言えないのですが、身体の周囲に吹雪(OPでは雪交じりの風でしたが、戦闘中は雪も風も桁違いに強くなります)を纏っており、その影響もあって反応、回避、EXAが高くなっており、さらには周囲に棚引く髪が氷結し盾となるため防御技術も高くなっています。
初期配置では街の中心にいますが、別の所に強者がいればそちらに移動する可能性があります。
・攻撃能力など
ブリザードソード 物至単 【凍結】【氷結】【出血】【流血】
吹雪の力を宿した剣です。
薙ぎ払い 物至範 【凍結】【出血】
ブリザードストーム 神超貫 【万能】【鬼道】【凍結】【氷結】【氷漬】【絶凍】
ブリザードソードから、直線上に猛烈な吹雪を吹かせます。
吹雪の魔法 神/中~超/範~域 【鬼道】【凍結】【氷結】【氷漬】【絶凍※】
吹雪を起こす魔法です。距離と範囲は撃ち分ける事が出来ます。
【絶凍※】は、範での使用時のみです。また、範で使用した方がダメージも上昇します。
身体を覆う吹雪
エカチェリーナの身体は、猛烈な吹雪に覆われています。このため、毎ターン開始時、エカチェリーナから10m以内の距離にいる者は、【鬼道】【凍結】【氷結】【氷漬】【絶凍】の付いた神秘攻撃を受けるものとして処理されます。
この効果はパッシブであるため、エカチェリーナはターン中に本来の自分の行動を行うことが出来ます。
●新皇帝派の軍人 ✕ものすごく多数
エカチェリーナ配下の、新皇帝を支持する軍人達です。その多くが、磔にされた住民達を盾にするかのように、その側で戦闘します。
能力はピンキリですが、攻撃力、防御技術、生命力が高く、回避、反応は低い傾向にあります。
・攻撃能力など
剣 物至単 【出血】
銃 物遠単
●天衝種 ✕ものすごく多数
バルナバスに従う魔物達で、このシナリオではエカチェリーナによって統率されています。
構成は主にストリガー(燃え盛る爪を振るって攻撃してくるアンデッド)ですが、空にはラルグ(炎を纏う巨大な鳥)が舞っていたりします。
・攻撃能力など(ストリガー)
燃え盛る爪 物/至~近/単or列 【火炎】【業炎】
・攻撃能力など(ラルグ)
嘴 物至単 【火炎】
体当たり 物超単 【移】【火炎】【業炎】
ファイアブレス 神遠貫 【火炎】【業炎】
飛行
●ユメーミル&元部下 ✕30
OPでは情報屋としての冷静な振る舞いを優先しましたが、無辜の街の住民を人質にとって戦力を誘い出すと言うエカチェリーナのやり口は、ユメーミルにとって強い憤りを覚えるものでした。
そのため、ユメーミルは盗賊時代の元部下達を集め、シンデンに向かうザーバ派の部隊に同行することにしました。
ユメーミルの部下達は1:1なら新皇帝派の軍人とも天衝種ともそれなりに戦うことが出来ます。
特にイレギュラーズ達からの指示が無ければ、数人単位で街中に散って戦いつつ磔にされた住民達を救出しようとします。イレギュラーズ達からの指示があれば、それに従います。
●ザーバ派の鉄帝軍人 ✕50
シンデンの街の住民を救出すべく派遣されたザーバ派の部隊です。ただ、街一つの住民を救出するにしろ、エカチェリーナの軍勢を相手するにせよ、その数はとても十分とは言えません(故に、イレギュラーズ達に助力の依頼が回ってきたわけですが)。
能力傾向としては、基本的に新皇帝派の軍人と似ています。また、1:1なら新皇帝派の軍人とも天衝種ともそれなりに戦うことが出来ます。
ユメーミル達同様、特にイレギュラーズ達からの指示が無ければ、数人単位で街中に散って戦いつつ磔にされた住民達を救出しようとします。イレギュラーズ達からの指示があれば、それに従います。
●シンデンの街の住民 ✕街丸ごと一つ分
ザーバ派の戦力を誘い出すため、エカチェリーナに囚われ、磔にされ人質にされた住民達です。
シンデンの街が雪さえ降っていると言うこともあり、殴打され負傷した者や子供や老人など体力の弱い者はもちろん、そうでない者もかなり憔悴しています。
【不殺】が入っていない限り、攻撃が一撃でも入れば間違いなく死亡することでしょう。
●サポート参加について
今回、サポート参加を可としています。
シナリオ趣旨・公序良俗等に合致するサポート参加者のみが描写対象となります。
極力の描写を努めますが、条件を満たしている場合でも、サポート参加者が非常に多人数になった場合、描写対象から除外される場合があります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております。
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