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シナリオ詳細

あの雲がわたあめだったなら

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●空飛ぶ雲の秘密
 誰もが、1度は思うだろう。
 空を流れる、あのフワフワの雲がわたあめだったなら。
 誰もが思うが故に、誰もが知っている。
 あの雲は触れるようなものではないと。
 雲は水蒸気とかチリとか、そういうものの塊で。食べるどころか触れるものではないのだと。
 しかし、しかしだ。もしも……の話ではあるのだが。
 あの空飛ぶ雲の中に、食べられるものが混ざっていたとしたらどうだろうか?
 かつて飛行してガッカリした、あの場所に本当はわたあめが混ざっているとしたら、どうだろうか?
 ふわっふわでしぼむこともなく、手がベタつくこともない。
 食べれば口の中でシャーッと溶けていく、あの夢のような食感。
 触ればふわふわもちもちしていて、その上で寝ることすら出来そうな、そんな夢を体現したかのような、そんな雲。
 もし、それが存在していたとしたらどうだろうか?
 誰も知らないその空の上の秘密を、いつものクソジジイがこっそり知っていたとしたら……君は、空に向かうだろうか?

●わたあめは空にある。
 いつものクソジジイ……もとい『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)が何かを食べているのを、『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)は見つけた。
 何か白くてふわふわしていそうなソレは……まさか。いや、間違いない。
「それって……わたあめ、ですか?」
「む? おお、見つかってしまったのう」
 わたあめをもぐもぐごくんと呑み込むと、相賀はホッホッと笑う。
「此方では雲あめと呼ぶがのう、外ではコレを砂糖で作っとるとか聞いたの」
 なるほど、わたあめで間違いないようだ。
 しかし、雲あめ……というのは、なんとも浪漫を呼び起こす呼び方だろう。
 まさか、本当に雲で出来ているわけでもないだろうに。
 ユーフォニーはそこで「まさか」と思う。
 もしも、もしもだ。雲あめの名前の由来が、その通りであるならば……。
「あのっ、もしかして……その雲あめの材料って」
「うむ、雲じゃよ。性格には甘雲というモノなんじゃがな。たまーに空に浮いとるんじゃよ」
「甘雲……!」
「欲しいなら、そうじゃなあ……よし、地図を描いてやろう。アレは美味いから狙うヤツは結構おるでのう。早めに行動した方がええじゃろ」
 少なくとも空飛ぶ亜竜……特にデミワイバーンはよく狙って飛んでくるという。
 亜竜の中でも最弱に近いといえど、フットワークはとても軽い。
 甘雲は1つではないから、今この瞬間も何処かで甘雲を食べているかもしれないが……相賀の知っている甘雲を見つけるのも、そう遠い話ではないだろう。
 せかっくの甘雲なのだ、こちらが見つけたものくらいはワイバーンには譲れない。
「空に向かう手段を忘れんようにの。それなりの高さにあるからのう」
 あの頃に夢見た、空飛ぶわたあめの雲。
 そんなものが今、すぐそこにある……それがどれだけ素敵なことであるかは、言うまでも無かった。

GMコメント

フリアノンから少し離れた場所にある岩場に行き、デミワイバーンを追い払い甘雲をゲットしましょう。
雲のそれなりに多い日なので、甘雲を確実に見つけるには何かちょっと考えてみる必要があるかもしれません。
当然ですが、雲のある高度なのでワイバーンなどの飛行手段を使う必要があります。
持っていない方は……まあ、仕方ないので戦闘とか運搬とか担当すると良いと思います。
天野だったらどうするかって? 美味しく食べる係、かな?

はい、そんなわけで空飛ぶわたあめ捕獲作戦です! 全長5mくらいあるでっかいわたあめな上に自ら浮力を持っているので、どういう風に運ぶかもポイントかもです。

●デミワイバーン×8
 ワイバーンの中でも比較的小型種。
 弱いわけではないが、デザストルに住むモンスターとしては比較的下位の実力。
 火を吹くブレス攻撃、鋭い爪による攻撃を使用してきます。
 ある程度実力を見せつければ撤退していくでしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • あの雲がわたあめだったなら完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月15日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ディアナ・クラッセン(p3p007179)
お父様には内緒
葛籠 檻(p3p009493)
蛇蠱の傍
綾辻・愛奈(p3p010320)
つまさきに光芒
ユーフォニー(p3p010323)
ドラネコ配達便の恩返し

リプレイ

●甘雲を探して
 今日の覇竜の空は、雲が少し多めの晴れ。
 しかし実は今日は、その「雲」にこそ用があったりする。
「無辜なる混沌って今までの依頼で山にも地面にも海にもロマンがあるのはわかってたけど、空にもロマンがあるんだね! 甘雲、気流の関係で幻想まで来たりしないかなあ……」
 『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が空を飛びながら、そんなことを呟く。
 甘雲。子どもの頃に憧れた「わたあめの雲」な雲だが……こうして見る限りでは、どの雲も同じように見えてしまう。
 纏う、いと白き太陽の翼からは空に愛されるオーラが周囲にもたらされているが……そんな空の何処かに甘雲があるのだ。
「空に浮かぶあの雲が綿飴だったなら……幼い頃にそう考えた者は少なくないだろうな」
 『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)もそう頷く。
「でもまさか、それが現実のものになろうとは……混沌の可能性とは無限大なのだなぁ。あると聞いてしまったら、食べたくなるのも仕方あるまい」
「わたあめのような、甘くて美味い雲ときたか。ここは本当になんでもアリだな。下手すると、練達以上に節操が無いのでは?」
 タイニーワイバーンに乗る『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)がそう呟くが……覇竜は本当に何があってもおかしくない場所である。練達と違うのは、覇竜は天然モノということだろうか?
 まあ「何でもアリ」というよりは「何でもあり得る」といったところなのかもしれないが。
「ほうほう、甘い雲――雨雲ならぬ“甘雲”なるものか! 小生も些か興味があるぞ。小生は甘いもの“も”好きであるからな!」
「いつぶりでしょうかわたあめ……夏祭りの縁日でおじいちゃんにせがんで買ってもらいましたっけ。それが空にプカプカと浮いているだなんて。こういう予想外というか、空想ならいくらでも実現してくれていいのですけれど。……少しだけでも持って帰ってドラちゃんのお土産にしましょう」
 『蛇蠱の傍』葛籠 檻(p3p009493)もハイセンスを使い甘雲の匂いを嗅ぎ分け、エネミーサーチでデミワイバーンを探せるかも試していた。『つまさきに光芒』綾辻・愛奈(p3p010320)もふふ、と微笑みながら周囲をしっかりと見回していく。
「綿あめの雲……さすが覇竜、夢がありますね♪」
 『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)もそう呟くが、実のところ「いつもはどうやって取るんでしょう」と疑問に思っていたりもした。まあ、そういう時は相賀は面白がって教えてくれないのだが。
 結局のところ「甘雲が入る大きな袋があればいいですが…無ければ複数の布の角を縛り繋ぎ合わせて大きな1枚とし、甘雲に被せてみんなで引っ張るのはどうでしょうか。というわけで相賀さん、袋や布の消毒に使っていいアルコールはありますか? 衛生管理も大切かなと思いまして」と行動力を発揮し、大きな布を用意していた。この辺りは流石といえるだろう。
 更には広域俯瞰と感覚世界で甘雲とデミワイバーンを探索し、ファミリアーのリーちゃんとも五感共有し、雲に重なった死角等を補完しようとしていた。
「相賀さんが食べていた雲あめの匂いは覚えました! 超嗅覚で匂いを辿りますよ!」
 そう、どんな匂いかはもうヒントが出ていたのだ。ならば、それと同じ匂いを追えばよいのは道理であった。
「空飛ぶわたあめ……まさに夢のような存在ですね……それが持ち帰れたとしたら、とても夢があります。沢山持って帰って、堪能してしまいましょう!」
 『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)も予め示されたポイント付近をハイセンス内包の超嗅覚で匂いをたどりつつ、超視力や超聴力でデミワイバーンの姿や羽音、あるいは鳴き声も探してみるという作戦をとっていた。
「甘雲を好むというのならばその方向に飛んでいくのではないかと。魚の群れを見つける海鳥作戦です」
「ああ、近くにワイバーンがいるらしいという話だったな。今回は雲だから誰のものというわけでもないしワイバーンも甘雲を食べに来ているだけなので出来れば戦闘とかは無しでお帰り願いたいものだ」
 ゲオルグのそんな優しさに誰もが自然と微笑んで。
「む、早速邪魔……じゃなくてデミワイバーンが来たみたいね」
 ディアナはワイバーンに視線を向けると、軽く威嚇してみる。
「こっち来ると痛い目に遭うわよ?」
 逃げてくれるならば、攻撃は威嚇程度にしときましょ、という優しさによるものだ。
「デミワイバーンさんたちのために持ってきました! たくさんあります、全部どうぞー!!」
 ユーフォニーもお得用苺マシュマロをバラまくが……食べられると分かるのだろう、見事にキャッチして食べていく。
「戦う雰囲気じゃなくなってきたね。これなら……」
 アクセルにゲオルグも「ああ」と頷く。
「甘雲を食べに来ているということは甘いものが欲しいということ。つまり、別のお菓子をあげれば満足して帰ってくれるかもしれないわけだ……可能性も今示された。試してみる価値はあるだろう。流石に悪いことしてないのに、痛い目に遭わせるのは心苦しいしな」
 そうしてゲオルグは、持ってきたお菓子を広げてみせる。
「私が持ってきたのは見た目も可愛い『にゃんたまクッキー』」
 投げれば、デミワイバーンが見事にキャッチ。
「もっちりとした生地の中にカスタードやチョコクリーム、つぶあんがたっぷり詰まった『にゃんたま焼き』」
 これもまた、デミワイバーンがキャッチ。
「そして、混沌といえばこれ『グラオ・クローネ』。どうだ、きっと気に入ったものもあるのではなかろうか」
 これまたデミワイバーンがキャッチしていく。
「さて、どうかのう……」
「お、去っていくな」
 檻や汰磨羈が言う通り、デミワイバーンたちは満足したのか反転して飛び去っていく。
「そこまで強くはないとはいえ、素早いヤツが八匹もいるというのは相応に厄介だったからな。ま、こういったものもアリ、か」
 汰磨羈が微笑み……その視線の先。妙に質感のある雲がフヨフヨと浮いていた。

●甘雲を持って帰ろう
「さてと。雲は……。これがそう? ふわふわで、甘い香りがするわ。口にしたらどんな食感なのかしら? は。千切ってつまみ食いとかはしないわよ? 仮にも良家の子女。そんなことはできないわ」
 ディアナがパタパタと否定するように手を振るが、甘雲は本当に浮いている。
 こうして近くで見れば普通の雲よりも質感があって甘い香りがするが……地上から見上げているだけでは、中々見分けがつかなかったかもしれない。
「あっ」
「えっ」
 ちょっとつまんでいるシフォリィを見てディアナが声をあげるが、こういうのが我慢した人が負けだったりする。なんたる理不尽。
「さて、デミワイバーンも帰ったことだし甘雲を持って帰らなければいけないな」
「そうだな。もたついてしまうと、甘雲狙いの新手が来てしまうかもしれんからな」
 なんとも複雑な視線をシフォリィに向けているディアナを宥めながら、ゲオルグと汰磨羈が声をあげる。
「とはいえ、浮力を持っているから普通につかんでは持って帰れまい。事前の作戦通り、用意した大きい布で包んで持って帰るとしよう。それで足りるなら布を縫い合わせて大きい状態で持ち帰りたいが……難しければ各自で小分けして包むしかないな」
「ふむ、タイニーワイバーンの羽ばたきで風を起こしてみるか? 相応に軽いのならば、その程度でも動きそうな気はする。まあ、布やらなんやらで運ぶ作戦が上手くいけば、その必要もないだろうが」
 何しろ全長5mほどの浮力のあるわたあめだ。どうやって運ぶかは、実際見ると中々迷うものがある。
「地上に下ろす時は、流石にある程度ちぎって分ける必要があるだろうか。食ってる時には浮かないのだろう? という事は、ある程度小さくすれば浮力を失うのかもしれん」
「うーん、実際見ると……この雲は……どう運ぶのが正解でしょうか。重量物ではないでしょうから動かすこと自体は難しくはないでしょうから、望んだ方向にどう動かすかですかね。回りの普通の雲の動きを見て、風向きを予測して…より抵抗の少ない方へ誘導するのはどうでしょう? 併せて少しずつ高度を下げるようにも気を配る必要はあると思いますが」
 愛奈の作戦も、中々うまくいくように思われた。とりあえず、まずは布を……ということで、ユーフォニーの持ってきた布をかぶせる。
 そしてそこに更にシフォリィが隅に錘を付けた布を甘雲に被せていく。
「ユーフォニーさん、それと皆さん。そちらの隅持ってくれますか?」
「はい、勿論です!」
 そうして2つの布が被せられたが……此処で大切なのは、錘……つまるところ、重りがつけられたということだ。
「自ら浮力があっても、さすがに錘を付ければ下に落ちるのではないかと思うのです。こうすれば、後は回収すればいいだけですし、回収する前にもし他の生き物に食べられても、貴重な甘雲を分けたということで」
 そのシフォリィの目論見通り、甘雲は少しずつ高度を下げていく。なるほど、この作戦で間違いはないようだが……
「オイラたちが手伝えば、もっと勢いよくいけそうだね」
 アクセルがそう言えば、もうやることは決まった。
「では地上に向けて全力移動ですね、せーの!」
 ユーフォニーの掛け声に従って、全員が布を引っ張ることで甘雲の高度を下げていく。
 そして地上近くまで引きずりおろせば、上へと浮いていくこともない。
「おお、これなら運ぶのも楽であるな!」
 檻も、そう楽しそうに声をあげる。
 そんな檻だが、可能であれば事前に聞いておくがもし不可能そうであればある程度は直食いしてもいいと思っていた。
(……いやバレるか?まあよい。入り切らないものなどがあれば直で少々つまみ食いして、そうでなければ他のものの指示に従いつつ運搬といくか? 小生の上に載せる必要もなさそうであるしな……)
 そんなことを檻は考えていると、汰磨羈が甘雲をじっと見ていた。
「ところで……少しだけ食っても構わんか? 少しだけ!」
 甘党ねことしては我慢できなかったのだろう、しかし気持ちは全員同じだ。
「確かに気になってました。地上に降りて改めて甘雲を食べたら、どんな感じなのでしょうか?」
「ちょっと食べてみようか?」
 シフォリィとアクセルがそう言えばディアナも「み、皆がそう言うなら仕方ないわよね!」とツンデレじみたことを言う。
 ならば、もう止める者はいない。
 各自がちょっとずつちぎって口の中に入れれば……もちっとした一瞬の感触の後に、しゅわっと口の中で一瞬にして溶けていく。
 そうして広がるのは、優しい、けれど強い甘みだ。
「美味しい!」
 そう声をあげたのが誰か分からないくらいに声が重なって。ゲオルグも「むう」と唸る。
「これが天然の味とは……。そういえば、練達で雲を模したお菓子が売られていたような……遠い未来で覇竜が練達と交流を始めた時、甘雲を持っていったら、案外興味を持つ者もいるかもしれんな」
 練達のわたあめは恐らくざらめを使ったものだろうが、あれはあれで懐かしさを覚える味であるだろう。
「報酬外だけど、この雲を分けて貰えるなら持ち帰りたいわ。うちの料理人に再現できるか見せたいのよね。は? 沢山作っていつでも食べられるようにするため? ち、ちがうわよ!? 作れるかどうか。単なる興味なんだから!」
 ディアナもそう叫ぶが、まあ実際この味を料理人が理解すれば再現可能……なのかもしれない。
 料理とはそうして進歩してきたのだから。
 そして実際報酬として持って帰る事は可能だろう。だからこそ、愛奈も微笑む。
「待っててくださいねドラちゃん。あなたはご存じでしょうけど……とっても美味しいんですよ、わたあめ」
「うーん、ほんと美味しいね!」
 アクセルもそうして笑って……ユーフォニーが、思い出したように声をあげる。
「美味しいものは共有するともっと美味しいですから、持って帰ったらフリアノンのみなさんも呼んでみんなで食べたいです♪ 来れない方がいたらドラネコ配達便がお届けしますっ」
 それもいいだろう、と全員が思う。
 何しろ甘雲はこんなに大きいのだ。皆で食べてお土産にして、それでも大いに余るだけの量がある。
 なら、こんな幸せなものは……皆で分け合うのも、きっと素敵なことだろう。

成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

なし

あとがき

わたあめ、素敵ですよね。
たぶん幸せの形なんだと天野は思います。

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