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シナリオ詳細

イノシシは腹が減っている

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ある農家の嘆き
 一家代々、森の近くで樵と炭焼きと農家の三足のわらじで生活してきた。ついていけないと若い息子の一人が家を出て行ったり、娘が嫁に行ったり、他の息子が近隣の農家に婿に行ったり。
 仕事は多く、けれど流通経路がはっきりしているわけでもないし特産品というわけでもないからほとんど自給自足で。ただ畑だけは家族が多かったし四季折々のものを植えたり休耕させたりするから広かった。そろそろ夏の野菜が終わり秋の野菜の面倒を本格的に見なければいけない。
 冬になれば食料は減るから秋の保存食となる芋類をはじめとしたものは貴重品だ。冬山に狩猟に行くのはよほど食料が切羽詰まった時。
 それなのに。あぁ、それなのに。
 種芋を植えて成長を見守り、収穫するものと来年植えるものとの配分を考えていた大事な芋たちを、流れもののイノシシたちが踏み荒らし食い荒らす。
 数は二十頭にも及ぶだろうか。近隣住民も被害を被っているが一般村民が一気に倒せる数ではない。迎撃を試みたりわなを仕掛けたが荒れ狂われてけが人が出て終わりだった。
 イレギュラーズと呼ばれる人たちなら、助けてくれるだろうか?
 すがる思いで俺は妻にローレットに言伝を頼んだのだった。

●イノシシ退治とそのあとは
「はわわ、大変なのですよ、森の近くの村の一大事なのです、みなさん、集まってください!」
『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が呼びかけるとなんだなんだとイレギュラーズたちが集まってくる。
「どこかの縄張り争いに負けたのか、食料が尽きたのか、イノシシの大群が農家などで生業をたてている村の畑を襲ってるのです! 秋に収穫して冬を食べ繋ぐおいも類なんかもだめにされてるみたいで……ただのイノシシなのですがちょっと数が多いのと空腹で気が立っているので、猟師じゃない村の人たちは往生しているのです。ちょっと討伐と……肉を解体するのが得意な方は保存食を作るのを手伝ってあげてほしいのです」
 ユリーカがいうにはイノシシの数は二十頭。どれも丸々と超えている割に食い意地が張っているらしく畑は六割の農作物が駄目になってしまったらしい。一大事である。
「イノシシってえぇと、ウォーカーの人の出身地によっては牡丹肉、というのでしたっけ。食べられる種類ですし。畑の損害を肉で埋めてもらったらと思うのですよ。なのであまり肉が散らばる大技は控えてもらえると助かるのです。肉を解体した後は少しくらいなら村の皆さんと交流を兼ねて焼肉なんかもいいかもしれないのです」
 焼肉をしないにしてもまだ何とかなる畑の整備を手伝ったりすると村人は喜んでもらえると思うのですよ、お願いしますね、とユリーカは頭を下げたのだった。

GMコメント

●目標
イノシシの討伐と備蓄になる干し肉や塩漬け肉などの下ごしらえの手伝い

●失敗条件
肉が駄目になること、畑にさらなる被害が出ること

●敵
イノシシ二十体
普通より肥えて大きいのと数が多いほかは普通のイノシシです。食べられます。
食べられますが解体や調理、臭み消しなどがあるともっと美味しくいただけるでしょう。
戦闘や解体技術より量をさばくことと肉を高火力攻撃でだめにしないことが大変かもしれません。
通常のイノシシですので肉を粉みじんにしないようご注意ください。
主な攻撃として突進(至近・単)を総がかりで行ってきます。

村人
農耕が主なので狩猟については素人です。イノシシのさばき方を知りません。保存食の作り方もあまり詳しくないでしょう。
小さな村で寄り添うように支え合って暮らしています。
多くの農家が畑のほかに炭焼きや樵などを兼業し、商品を売るのではなく自給自足で消耗品を買うときに街に出ているような田舎です。
付近は開拓した畑と炭焼き小屋などのある森。気を間引くための伐採も森で行っています。

●ロケーション
戦闘に適した広い場所が残念ながらありません。
強いて言うなら駄目になった後の畑ですがここで戦闘する場合は手入れを手伝ってあげた方が村人の印象はよくなるでしょう。
森で戦うことも可能ですが捕捉を失敗する可能性がありますし木の陰から散開して突撃してくるなど少し危険度が上がります。

●戦闘後
焼肉をしたり保存食の作成の手伝いをしたり臭み消しの薬草を取る手伝いをしたり畑の手入れを手伝ったりできます。
任意です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • イノシシは腹が減っている完了
  • GM名秋月雅哉
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年09月01日 20時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
黒鎖の傭兵
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃
不動・醒鳴(p3p005513)
特異運命座標
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
イーリス・リュッセン(p3p006230)
掃除屋
アブステム(p3p006344)
異形の匣の
ベテルギウス(p3p006505)
猛犬王
クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女

リプレイ

●イノシシ狩り
 冬に備えて育てていたイモ類は踏み荒らされて食い荒らされて。まだぎりぎり収穫できる夏野菜も被害を受けて。春に活躍する畑の区画や休耕していた場所は駆け抜けた後の足跡で固まってしまってもう一度手入れをし直さなければいけないだろう。
「冬越しの準備中に獣害に合うとは運がない……まぁ事前に知れるってのはなかなかないから仕方ないか。イノシシには悪いが、冬場の貴重なたんぱく源になってもらおう」
『かくて我、此処に在り』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)の言葉に『掃除屋』イーリス・リュッセン(p3p006230)が頷いて同意を示す。
「畑を荒らされるのは農民にとって死活問題。そのイノシシたちを倒して肉にして……これぞ食物連鎖よね……。あと、これ以上畑への被害は出さないようにしないと」
 予想より相当荒らされていた畑を見てぽつりと付け加えるが戦闘の予定地区は荒らされた畑だ。
 持ち主にあとで手入れを手伝うから使わせてほしい、とおずおずと『夢見る狐子』ヒィロ=エヒト(p3p002503)がお伺いを立てるとどうせひどく荒らされてるし手入れを手伝ってくれるなら、なにより獣害で大変なことになっているイノシシたちを完全にやっつけてくれるなら畑は好きにしてくれて構わない、と悟り切った顔で許可が下りた。何人かの若い男性たちは被害を食い止めようとイノシシを駆除しようとして返り討ちにあっているし、この大群にかなり頭を痛めているらしかった。討伐してくれるなら多少の犠牲には目もつぶるというものだ。放置していたらもっとひどくなるわけだし。
「絶対イノシシを倒して必ず畑の手入れを手伝うからね……! 畑、お借りします……!」
 覇気のない畑の持ち主に向かってヒィロが謝罪の意味で手を合わせて拝む。
「農家の皆さまが害獣によって苦しめられている……このような事態に動けなければ貴族が廃るというものですわ! 民の中でも農家の皆さまは我ら幻想の食料事情を支えてくれる大切な人たち……ええ、私も『食』を支える一人として全力で働きますわ!」
 幻想の貴族にしては珍しく善良すぎて貴族らしくない没落貴族の家の長女で、貴族の令嬢なのに趣味は畑づくり。高笑いと高圧的な物言いと悪役令嬢風味のドリルロールで本人は「自分は嫌われている」と謎の自信を持っているがにじみ出る、というかセリフがすでに善良そのものすぎてギフトを使った高笑いでなくても村人は『農家系女騎士令嬢様』ガーベラ・キルロード(p3p006172)に好感を抱いたようだった。
「畑を荒らされるとは村人も運がないな。私も飢える苦痛はわかっているつもりでいる。被害がこれ以上深刻化する前にどうにかしてやりたいところだ」
『異形の匣の』アブステム(p3p006344)がつぶやきながら『特異運命座標』不動・醒鳴(p3p005513)が歩かせている無駄にセクシィな二股大根にうろんげな視線を向ける。
「ん? 何してんだって? 囮だよ、囮。人が持ってたら人のにおいがつくし、根菜が持ってるならより引き付けやすいだろ。危なくなったら自分で逃げるし引っ張ってルート誘導すれば、な?」
 騎乗できるほど力強い大根なんだ、と嘘は言っていないが突っ込みどころ満載の紹介をして見せて無駄にセクシィな二股大根にイモの入った袋を引きずらせて歩かせている醒鳴だ。
「がふがふぅっ!!」
 ヒョウに匹敵する大きさのブルマスティフの姿をしている『猛犬王』ベテルギウス(p3p006505)は大きさこそ変逸しているが野犬なので野生動物との戦いは慣れている、任せろ、と言いたげに鳴き声を上げた。
 かつての世界では変異した巨大なイノシシを相手にしたこともあるペテルギウス的には数がかなり多いとはいえ特に変異していないイノシシ退治は比較的楽ではないだろうか、と思っているのが内心だった。
「農業と害獣の争いはいつ尽きることもなく続くのじゃな。今回は小うるさいことを気にせずに殲滅して、イノシシどもを保存食にジョブチェンジさせてやろうかの」
『宝石の魔女』クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)の言葉に他の七人も同意を示しながら足跡や沼田が近くにないか、村人から事前にどちらの方角からくるかなどの情報をもとにイノシシを探索。
 イノシシがいるならやはり沼田だろう、と真っ先に沼田の様子を見に行くと相当な大きさの沼田の中でイノシシたちは泥をかぶっている真っ最中だった。
「あたりじゃな。あとはイモで畑まで釣って成敗じゃ」
 順番待ちをしていたイノシシたちがセクシィな二股大根が引きずるイモの匂いにつられて鼻を鳴らし、それがきっかけて泥を浴びていたすべてのイノシシが血走った目で大根を見る。
 普通のイノシシより体格が一回りほど大きいのは肥えているせいだろうか。食料を目にして飢えに支配されたイノシシたちは威勢よく大根に誘導されて畑へと走り出した。
 イレギュラーズたちはそのあとを追い立てるようにして村へと逆走、イノシシにひかれないようにと家の中に入っているように指示されていた村人たちは地響きをあげて走ってきたイノシシに家の中で悲鳴を上げているかもしれない。
「儂の魔力でミンチになるほど弱くはあるまい。というか見習いになってる状態の儂の攻撃でミンチになったら何をしてもミンチになると思うのじゃ」
 そう大胆な判断を下したクラウジアは頭を狙ってマギシュートを放つ。
『突っ込むしか能がないイノシシの癖に群れて、お前ら脳天クルクルパーかよ』
 ペテルギウスが動物と単純なレベルでの意思疎通する能力を利用して挑発してイノシシが突っ込んでくるのを見計らい全力で防御。それからは首や四肢を狙ってかみつく。
「がふぅっ!!」
 アブステムは普段閉じられている背中に収納した無数の蒼褪めた腕を展開させリズムよくイノシシを殴打する。
「できるだけ肉を傷つけないように配慮しなくてはな。貴様たちが食らった冬越しの食料の対価として、貴様らの肉が必要なのだ。こういう時肥えているというのはいいな。肉がたくさんとれる」
 複数のイノシシの突進は一体だけない分、そして肥えていて体重が重いぶんただの害獣と侮るには驚異的な威力だったがモンスターとも戦うイレギュラーズたちは臆さない。
 まだ比較的荒らされていない畑へ向かおうとしたイノシシへ向かってイーリスが体を張って進路方向を変えた。もともと強力なイノシシの突進に火事場の馬鹿力が加わり跳ね飛ばされそうになるが畑をこれ以上駄目にさせてなるものか、という強い意志がイーリスに立ち上がる力を与える。
「丹精込めて育ててきた作物をだめにして、畑をだめにして村人を苦しめる……生き物としての生存本能だとしても、許しません」
 壁の役割を終えたイーリスはライフルのストックで殴りつける格闘術で対処した。眉間を殴りつけられたイノシシはどう、と派手な音を立てて倒れる。
 ガーベラは鏡面のように周囲を写す美しい白の盾でイノシシの頭部を殴りつける。高笑いをしながらイノシシを殴る畑仕事が趣味の貴族令嬢というのはなかなか貴重なシーンなのだがそれを心のアルバムに刻む観客もカオスさに突っ込みを入れる人もいない。
「せっかくのお肉ですもの、なるべく傷つけないようにしなくては! オーホッホッホ!」
 大根を避難させた後醒鳴は壁を利用して追い込む形で押し込んだ後、骨の隙間を貫くように剣で刺していく。
 別の一体が突進してくるときは横をすり抜けざま足を切り裂いた。
「足を傷つけられりゃあ逃げるのも突進するのもきついだろ」
 ヒィロは自身の防御技術と再生力を信じて多少のダメージを覚悟のうえで多くのイノシシを名乗り口上で引き付けて倒していた。
「村の人たちはもっとつらい思いをしてきたんだからこのくらいどうってことないよ……ッ!」
 強力なカウンターで狙うは頭部。討伐ももちろんだがこの依頼は肉をだめにしないことも重要なので攻撃力のあるメンバーは討伐そのものよりミンチにしないことに神経を使っていた。
 マカライトが回避がてら衝撃を与えて吹き飛ばしたイノシシが他の数頭と衝突して討伐はひとまず終了。まだ息のあるイノシシはいたが昏倒しているのでとどめを刺し、体温で内臓がすぐに駄目になってしまうというクラウジアの知識から全員で協力してまずは腹を割いて内臓を取り出す。
 解体はアブステムの動物の生態や畜産に関する知識と料理をおいしく作る技術をもとに無駄が出ないように解体。
 村人たちに手伝ってくれ、とアブステムが声をかけたのは人手が欲しいのもあったが自分たちの助けだけで保存食を得るのではなく、それを作るための知識を身に着ければこれから困ったときに何かしら助けになるだろうから、という配慮からだった。
 彼は村人の中にけが人がいると聞いて仲間が解体のコツを覚えてからは医療に関する知識を村人に伝えて快癒までの手助けをした。
 内臓を下手に捨てると今度はそれを目当てに野犬などが村人に害を加えるかもしれないから埋めなくてはいけないだろうか、とクラウジアが考えているとペテルギウスが処理に困っているなら自分に任せろ、と言わんばかりに一鳴き。
 野犬であり大きな体躯なので腹を満たすために生のままの内臓を胃袋に納める。
「がふぅぅ」
 お腹いっぱいだぜ、と満足げな様子に処理の手間が省けた、とクラウジアもご満悦。
 臭み消しの薬草だけでなく有用な植物は冬がきて入手が難しくなる前に取りつくさない程度に採取しておくべき、という意見からイーリスが薬草を採取に赴く。
「こういう薬草を探せばいいのね。保存食とはいえ獣臭いのはね。美味しく食べなきゃ……毛皮も何とか利用できないかしら。なめせば物々交換で役に立ちそう」
 肉を守るために注意して戦ったため毛皮は綺麗なものも多く、数が多いからなめすのに手間はかかるだろうが冬場の物々交換にはイーリスの考え通り役に立つだろう。
 薬草を摘み終わった後それを村人に提案すると確かに毛皮を捨てるのはもったいないし、物々交換で引き取り手がいなくても防寒グッズを作るには大活躍するだろう、と何人かがなめすための準備を始めた。
 ガーベラは仲間が解体している間に荒れた畑の手入れ。鍬で地面を耕して持参した牛糞や腐葉土、落ち葉などを混ぜ合わせた肥料をまいて畑の周囲を柵で囲む。
 ずいぶん手馴れているな、と感心した様子の村人に向けてガーベラは高笑いをした後答えた。
「キルロード男爵領長女にしてキルロード農園副園長、そして立派なNOUMINですもの!」
 農業スキルをフル活用して畑の復興に努めるガーベラを手伝うヒィロはまず戦場の場所として畑を貸してくれた農家の人に全力で謝罪を。
「大切な畑を荒らしちゃってごめんなさい!」
「なに、もともと荒れてたし、あの貴族のご令嬢のおかげで思ったより手入れがはかどってる。なにより明日からイノシシの被害を心配しなくていい。感謝こそすれ恨んだりはしないよ」
 開戦前は目からハイライトが消えていたが冬に取るには貴重なたんぱく質が大量に手に入ったことにより飢餓の危機が遠ざかったからか村人の顔にいくらか生気が戻っている。
 村人やガーベラから指示を受けつつヒィロも真心を込めて畑の手入れの手伝いに努めた。その最中に今回の悲劇を教訓として継承できないだろうか、と提案してみる。
「イノシシの藁人形の群れが村を巡った後盛大に燃やされる村祭りとか、藁人形をおっきな山車にしたり収穫祭も兼ねたら、悲劇も楽しみに変わるかも! 災い転じて福となすってできたらいいよね」
「なるほどなぁ……その祭りの中にアンタたちの活躍をたたえる歌を入れても構わないかい? この村にとってはアンタたちが救世主だし英雄譚は子供たちが喜ぶものだからな」
「え、えっとー……誇らしいけど……一応他のみんなにも許可を取って、ください」
 面はゆい思いをしながらヒィロは笑って見せるのだった。
 醒鳴とマカライトは処理の済んだ肉の運搬や燻製のためのチップづくりなど力仕事に精を出す。
 子ロリババアというロバっぽいよくわからない生き物に荷物をひかせるマカライトに村人の一人が遠慮がちにそれは何なのか、と問いかけた。老婆のような声が気になるらしい。
「わからん。子供だからどこまで役に立つかはそっちもわからんが……いないよりはましだろう……しかしなんなんだこいつは……」
 カレンという名前を付けたが生態はまだまだ謎の多い儚き老ロバ、らしき生物である。無駄にセクシィな二股大根といい今回は珍妙な生き物が村人から注目を集めていた。
 その二股大根の所有者である醒鳴は畑の手入れはガーベラとヒィロに任せて大丈夫そうだ、と判断すると薪割りやチップづくり、燻製の準備などを精力的にこなす。
 あまり大したお礼もできないのに働かせっぱなしで済まない、と謝罪する村人にはからりと笑ってお代は肉で結構、だぜ。と告げて気前の良さを見せる。
「あー、そうそう。唐辛子とか鼻が悪くなるってんでイノシシは嫌うそうだぞ。来年は畑の周りに植えてみるのもありかもな」
 一通り肉の処理が終わったら感謝と慰労をこめて焼肉パーティーだ。小さな村では保存食にしてもまだ余るだけの肉を肥えたイノシシたちは提供してくれたのでイノシシ肉が食卓を飾る。
「酒盛りでもいこうや」
 この時のために醒鳴は酒を持ち込んでいて、場に程よく良いが回ったころ合いを見計らって余興として楽器演奏をしながら歌を披露する。
 近郊でよく知られた歌だけでなく彼の故郷の歌なども。
 英雄譚を歌にする参考にするから、とリクエストが相次ぎ、酒と肉で腹は満たされ。イノシシの被害から畑は救われ元凶も討伐されて冬の飢えを満たす肉に姿を変えたこともあって村人たちは久しぶりに心穏やかに過ごすことができる、と笑い声は絶えなかった。

成否

成功

MVP

ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige

状態異常

なし

あとがき

イノシシの討伐お疲れさまでした。
初めて知る豆知識などもあって書いているときになるほどなぁ、とおもうことが多かったです。
語り継がれるであろう英雄譚の中にロバと二股大根もいるのかな、と思うとおもわずクスッとしてしまうのは私だけでしょうか。
ご参加ありがとうございました。

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