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シナリオ詳細

<Stahl Gebrull>精霊の絆、今こそ見せる時

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●鋼の咆哮
 憤怒の魔種となったパトリック大佐は、アーカーシュの最高権限(システム・メタトロン)なるものを手に入れている。おそらく古代遺跡に未だ眠る脅威を大軍勢として仕掛けてくるだろう。
 そう読んだ鉄帝国皇帝ヴェルス・ヴェルク・ヴェンゲルズ(p3n000076)は、帝国として『後始末』をつけるため、イレギュラーズであり帝国軍の大佐でもあるエッダ・フロールリジ(p3p006270)に、次なる戦い、即ち魔種パトリックとの全面対決――決戦の指揮権を与えた。こうして鉄帝国軍とイレギュラーズは、予想される大規模戦闘に備え始めたのだ。
 イレギュラーズは前作戦『鋼の進撃(Stahl Eroberung)』において、魔王城『エピトゥシ城』を入手している。ここは『後から作られた遺跡』であり、アーカーシュの権限――つまりパトリックのコントロールが及ばない唯一の場所だ。今や魔王城は、アーカーシュにおける最も安全な場所なのである。
 鉄帝国はこの場所をローレットに与え、新たな支部となった。ローレット魔王城支部の爆誕である。
 帝国軍とイレギュラーズは、急遽改築されたこの城を拠点に、作戦行動するのだ。
 即ちパトリック軍の迎撃、そして討伐のための進撃である。
 レリッカ村の住人も、この城に避難し終えており、決戦前夜の機運が高まっている。
 エッダたっての希望で、この戦いはパトリックの討伐作戦ではなくなった。パトリックは公的には殉職した扱いとなっており、彼の魂を歪めた存在(魔種)の討伐は、鉄帝国の同胞パトリックへ手向ける弔い合戦となっていた。パトリックは強引で自慢屋でうぬぼれやで嫌われ者のひどく胡散臭い男だったが、エッダ等は様々な調査から、パトリックが国益を重んじる有能な軍人であると確信しているのだった。
 今回、これまでパトリックに従っていた特務派軍事達は、作戦総指揮を担うエッダの戦略により、魔種パトリックが潜伏しているであろう場所の特定に至っている。あとは進撃するのみ――そのはず、だった。
 しかし、パトリック大佐の動きは想像以上に早かった。
 結果から言えば予測は当たり、パトリック大佐はかつて魔王が求めた伝説の古代兵器『ラトラナジュの火』を放った。
 鉄帝国の次期皇帝を名乗り数々の古代兵器をも指揮下においたパトリック大佐だったが……その中にはかつてイレギュラーズたちが絆を紡いだゴーレムたちも含まれていた。
 古代決戦兵器と共にイレギュラーズの敵に回ったゴーレム達の数は多く、そこには無数のドラマが生まれるだろうと、そんな予測もされていた。
 そう、そして……。

●集う精霊たち
 エピトゥシ城。
 黒曜石のような不思議な素材で出来たとげとげしく禍々しい城だ。
 内部はやはり艶やかな漆黒で、ところどころに水晶があり、水晶内で光る紫の電流が灯りになっている。
 イレギュラーズが制圧、改築を完了させている防衛拠点でもある。
 元はと言えば エピトゥシ城は、発見者のジェック・アーロン(p3p004755)によって命名された魔王城である。
 そんなこの場所に今……精霊たちが集まってきていた。
「うわあ……」
「これは……」
 『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)と『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)は、見覚えのある精霊たちにそんな声をあげていた。
「此度の件、私たちも協力いたしましょう」
 『光のハイエレメンタル』ソステヌート。
「そういうことだ。指示があれば従おう」
 『闇のハイエレメンタル』ディミヌエンド。
「例外事項のようなものではあるが、緊急事態でもある。私たちの力を使うといい」
 『火のハイエレメンタル』フゥー。
「さあ、指示を。どのように動きますか?」
 『水のハイエレメンタル』ロー。
 4体の強力なハイエレメンタルたちが、この場に集結していたのだ。
 これが通常であれば有り得ない程の強力な援軍であることは疑いようもない。
 エピトゥシ城へ向けて進軍してくる敵も、迎撃可能となるはずだ……!

GMコメント

襲ってくる敵からエピトゥシ城を守り抜きましょう!
幸いにも、4体のハイエレメンタルが援軍としてやってきました。
非常に強力な援軍ですので、頼れるパワーを発揮してくれるでしょう。
また、ゴーレムと絆を結んだ方は援軍に出来ます。プレイングにてご指定ください。

●敵勢力
・ギガレックス(巨蜥蜴鶏)×5
十メートル程の巨大な鶏のような姿の怪物です。
極端にタフで俊敏、攻撃力が高く獰猛です。爪やくちばしに猛毒をもっています。
・スモールレックス(巨蜥蜴鶏)×50
二メートル程の巨大な鶏のような姿の怪物です。ギガレックスの幼体です。
俊敏で、攻撃力が高く獰猛です。爪やくちばしに猛毒をもっています。

・セレストアームズ(天空機兵)(機関銃)×5
アーカーシュに眠る古代の防衛兵器です。稀に動き出し、襲ってくることがあります。
今回は飛行機能を稼働させられています。遠距離闘全般に長け、恐ろしい銃撃を行います。

敵の数は多く強力です。しかし援軍も強力ですよ!

『光のハイエレメンタル』ソステヌート
強大な光の高位精霊です。
神秘単体攻撃や範囲攻撃を行います。ブレイクを保有しています。
『闇のハイエレメンタル』ディミヌエンド
強大な闇の高位精霊です。
神秘単体攻撃や範囲攻撃を行います。不吉系統のBSを保有しています。
『火のハイエレメンタル』フゥー
強大な火の高位精霊です。
神秘単体攻撃や範囲攻撃を行います。炎系統のBSを保有しています。
『水のハイエレメンタル』ロー
強大な水の高位精霊です。
神秘単体攻撃や範囲攻撃を行います。窒息系統のBSを保有しています。

今回のシナリオでは敵の数が多いのでエピトゥシ城から撃って出る事になります。
また、事前の迎撃手段としてエピトゥシ城に設置された大砲を放つこともできます。
上手くいけば、敵の数を減らす事も可能でしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <Stahl Gebrull>精霊の絆、今こそ見せる時完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年08月31日 21時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
武器商人(p3p001107)
闇之雲
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)
名無しの
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺
フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)
お嬢様(鉄帝)

リプレイ

●迎え撃て、悪意の群れ
「ここがエピトゥシ城……来るのは初めてだけど、うん、ここの設備も併用して、襲ってくる相手を迎撃しないとね」
 『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が言う通り、此処はエピトゥシ城。
 イレギュラーズによって制圧されたこの場所は、今となっては頼れる要塞だ。
「城壁から見下ろす風景は悪くないですわね〜。わんさかやってくる鶏ちゃんズを除けば。……ですわよねえ精霊の皆様?」
「そうですね」
「そうか?」
「かもしれないな」
「さあ……」
 高位精霊にジョーク通じるのかしら、と言いながら話しかけた『自称・豪農お嬢様』フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)は、精霊たちの反応に「2対2……? いえ、どうかしら……」と判定に悩んだ様子をみせる。まあ、古代の精霊相手にそれだけ通じれば合格の鐘が鳴る気がしないでもないが、さておいて。
 フロラの言う通り、今この場所は防衛拠点だ。
 此処エピトゥシ城に迫る無数の敵のうち、ギガレックスとスモールレックス、そしてセレストアームズの大軍を迎え撃たなければならないのだ。
「精霊たち! みんな無事みたいでよかったわ! ゴーレムだけじゃなくてあなたたちにまでまた何かあったらすごく嫌で心配していたのよ。来てくれて本当に嬉しいし心強いわ、是非とも力を貸して!」
「あらあら、フゥーにローも。来てくれたんですね。とっても嬉しいわ。あれからどんな風にしていたか、聞きたいことは山ほどあるけれど。今は目の前の敵を排除しなければね。私と一緒に戦ってくれる? うん、フゥーとローにまた会えて、すっごく嬉しい!私も精霊を連れてるし、半分精霊になっちゃうから、他人には思えないの。あの時は戦わなきゃいけなかったけれど、今回は一緒に戦えるのね。楽しい♪」
 『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)と『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)の言葉に精霊たちは頷く。その為に来たのだから、答えが否であるはずもない。
 そしてオデットはゴーレム・アニマートも連れてきていたが、これもまた強力な助けとなることだろう。
「セレストアームズはわかるんだけれど、古代獣はなんで向こうの言うことを聞いてるのでしょう? 元々魔王の配下として生み出されたモンスターってことなのでしょうか? ちょっと不思議ですね……? パトリックおにーさんに聞いたらわかるかしら?」
 フルールがそう呟くが……このエピトゥシ城古代獣も兵器と考えた場合は「そういうこと」なのかもしれないが、その辺りの詳しい事情は今は想像するしかない。たとえパトリックに聞いたところで、親切に教えてくれるはずもないだろう。
「あ、そうです。フゥーとローはどんな攻撃方法があるのか見た範囲でしかわかりませんから、教えてくださいな? 特に範囲が攻撃はどのような性質なのでしょう? 貫通だったら位置取りを気を付ければ良いのですが、円状の範囲だったら味方の巻き込みを気にしないといけないから……できる? できなければ、単体攻撃が良いのですが……」
 そうしてフルール、そしてオデットも精霊たちと打ち合わせを進めていく。
 以前戦い絆を結んだとはいえ、何もかもを知っているわけではない。こうしてできる事とできない事を切り分けていけば、
「楽しい冒険の舞台だったアーカーシュがこんな風になってるなんて……しかも鉄帝に攻撃してくるなんて、これは絶対に止めないと!」
 アクセルがそう言えば、『闇之雲』武器商人(p3p001107)も笑いながら頷く。
「これだけ鶏がいるのも壮観だねぇ。何とか城を守らねば、せっかく建てたサヨナキドリの魔王城も泡と消えるということだ。ヒヒ! だがゴーレムと精霊(りんじん)たちの力を借りれるのだったらありがたい。遠慮なく力を借りることにしよう」
「城壁から夕日や朝日眺めるってぇのは綺麗だと思うがよ。あの鶏どもは邪魔だな! てかあのでっかい鶏、下手したらこの城壁かそれ以上にデカくねぇか? 数はこっちの方が明らかに負けてるがよ。ま、それでもどうにかなるか。そっちの数かこっちの質。どちらが強いか勝負といこうじゃねぇか。んじゃ、精霊さん達頼んだぜ! 頼りにしてるからよ!」
 『名無しの』ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)に精霊たちも「任せろ」と応えるが、事実精霊の中でも高位精霊たるハイエレメンタルが味方をしてくれるというのは、中々に大盤振る舞いな状況だ。防衛戦力としては非常に頼りになる。
「コャー、まさかの魔王城防衛戦なの。わたしも含めて皆様手塩にかけたエピトゥシ城、早々に落とされるわけにもいかぬの。がんばって死守するのよ」
「よっしゃ。援軍もおるし、頑張ろか。ま、一人でもないし、どうにでもなるわ、多分。力合わせて全部たおそ。心強い味方もおるしなあ」
『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)と『放逐されし頭首候補』火野・彩陽(p3p010663)もそう精霊に話しかければ、やはり同意の声が返ってくる。
「こちらから打って出るという事は、距離的に城壁とかは遮蔽に使えない感じかしら~?」
「まあ、壊されても面白い話でもないしな。しゃーなしって気はするな」
 胡桃にそう返しながら彩陽は精霊……ハイエレメンタルに秘められた強い力を間近で確信していた。
「ハイエレメンタルの皆様も同類みたいなものだし、仲良くしたいのよ。頼りにしてるの無事に終わったら打ち上げとかできるかしらー?」
 それは胡桃も同じであるようで、親近感すら抱いているようであった。
「コャー。来るのよ」
「じゃあ、オイラはまずは大砲でスモールレックスの群れに一発撃ちこんでから出撃するよ! 機動力が高めだから一拍遅れても既に戦ってるみんなに合流できるはず!」
「わたくしもやりますわよ!」
 胡桃にアクセルとフロラがそう言えば、全員が迎撃に出ていき……広域俯瞰にて敵の多い箇所と少ない箇所を確認し、『麗しの覇王』ギネヴィアに乗り一足早く先に出ていた武器商人が、破滅の呼び声を響かせる。
 それは敵を誘引する為であり……もっと言えば、アクセルによる砲撃への助けであった。
「まあとりあえず。先に向かって敵を集めている武器商人様の元に城の砲で砲撃ですわ! てか本当にこれ食らって大丈夫ですの? えいっ」
 続けて放たれた、フロラによる防衛用の大砲の放つ轟音。それが、戦いの開始の合図だった。
「ちゃくだーん、今! ……おー、鶏ちゃんが吹っ飛んでる。さて、モタモタしている暇はありませんわ! 砲撃で混乱しているうちに城壁から飛び降りますわ! わたくしの義足のバネはこの為にあるんですのよ〜〜!!」
 そんなフロラの声が響く中、戦いは始まったのだ。

●戦え、絆を武器に
「鶏の化け物ってんならその細っこい脚は斬りやすそうにしか見えねぇよ! 動きが鈍りゃ後衛陣や精霊達が処理してくれるだろうしな!」
 ディスペアー・ブラッドを構えたニコラスの八岐大蛇がスモールレックスへと放たれ、オデットのシムーンケイジがラサを思わせる熱砂の嵐を巻き起こし絡みつく。
 ゴーレム・アニマートはこの大攻勢の中から後衛を守る役目を追っており、オデットに合わせてビームを放っている。
「無理はしないでダメージを受けたら下がってね。あなたには絶対に壊れてほしくないし、壊したくもないのよ。私の大事なアニマート」
 それは絆を結んだが故のものだが……ゴーレムであるアニマートはかなり硬い。余程の事がなければ心配はいらないだろう。
「私はフゥーとロー、他の精霊達を殺したくはなかったから、多分きちんと本気を見せることはなかったと思うの。今日は私のちょっとだけ本気を見せてあげましょう」
 フルールはそう呟きながらギフトである精霊天花・焔で自分の精霊と融合し、半精霊へ変化し……紅蓮穿凰で正面の敵を薙ぎ払おうとする。
 そして、ハイエレメンタルたちの攻撃も凄まじい。
 4体のハイエレメンタルたちが飛翔しながら攻撃を放っている。かなりの威力のそれらの攻撃はスモールレックス中心に、そして仲間を巻き込まないように放たれている。
「難しいことを頼んでると思ったけど……やっぱりあなたたちならできたのね。だって素敵なハイエレメンタルなんだもの」
 そんなオデットの楽しげな言葉が響く中、胡桃もらいとにんぐすた〜りんぐを放つ。
 生じた稲妻が空間をかき回せば、傷ついていた何体かのスモールレックスが倒れ伏す。
「武器商人さんは大丈夫そうかしらー」
「問題ないねぇー」
 ひらひらと手を振る武器商人は本人の申告通り問題は無さそうだが……問題があるとすれば、上空を飛行しているセレストアームズだろうか。
 空中から機関銃による銃撃を行ってくるセレストアームズは、かなり恐ろしい。
「ま、とはいえ届かんわけでもないってな」
 ゲイザー・メテオライトを構えた彩陽が狙い撃ちするようにセレストアームズを攻撃していくが、やはり中々に強い。
 だが、大分スモールレックスの数も減ってきた。それを悟ったハイエレメンタルたちが、空へと舞い上がりセレストアームズへと攻撃を加えていく。それだけではない、アクセルが飛行しセレストアームズの攻撃が味方に当たらない向きに誘導したり味方の攻撃が届く硬度や位置に誘導している。
「ハイエレメンタルの皆様! その調子でお願いします!」
 アクセルの呼びかけにハイエレメンタルたちからも任せろ、といったような声が返ってくる。
 この調子なら他の仲間の援護にも早めに向かえそうだと、彩陽は微かに笑う。
「まだ集まったちっこいのが多少居ますわね。まとめて片づけますわよ。ええ、此処で全部ぶちのめしますから一匹たりとも通れませんわ〜〜!!」
「通すかゴラァですわ!!!!」と叫びながら放つフロラのH・ブランディッシュは、実にガラが悪いが威力は確かだ。
 メテオリット・リーパーのペリドット・グリーンのコアも鼓動するかのようにほのかに揺らぎ光り、フロラの戦意に応えているかのようですらある。
「よぉし、スモールレックスは全滅! セレストアームズも……ヒヒ! となればあとは……」
 そう、残るはギガレックスのみ。とはいえ、一番厄介な敵ではあるのだが……武器商人は臆することもなく『夜明け前が一番暗い』を発動させていく。
「相手も傷ついてるわ! ここで押し込むわよ!」
 オデットとフルールのフルルーンブラスターも炸裂し、1体のギガレックスが倒れる。
「ふふ、どうですか?」
「流石なの」
 胡桃のこやんふぁいあ〜がギガレックスに命中すれば、彩陽も魔砲を放つ。
「此処まで来たらもう負けはないけど……油断は禁物だからね、しっかりいこう!」
 神気閃光を放つアクセルも、常に仲間の状況に気を配っている。
「ま、デカい相手には対処法もあるもんだ」
 ニコラスもそんなことを言いながら、戦場を走る。
「まずは脚を斬って機動力を殺す。そんで首が下りてきたらその首を落としにいく。特に嘴で攻撃する瞬間ってのはよ。首が俺のとこまで降りてくるってぇことだ。ならその瞬間は首を狙える大チャンスってことだ!」
 放つは三光梅舟。邪道の極みにして確殺自負の殺人剣。完全再現不可能の未完成であろうと、その威力は確かだ。
「その首も一撃が落とせねぇほど太いんだろうがよ。重ねりゃ落とせるってことだろ? その首置いてけや!」
 放つ一撃が最後のギガレックスの首を切り落として。この戦場の勝ちが、此処で決まったのだ。
 そうして城壁まで戻っていったフロラたちは周囲を見回すが、担当区域で新たな敵の襲来は……どうやら、ないようだった。
「そっか、施設は無事なのね。何かあれば全部落ち着いた後で今回のお礼として絶対に修理とかに向かうから。約束よ」
「あぁ、やっぱりきちんと契約して、一つになってみたい。それはできないのでしょうけど、いつかお役目が終わり、解放される時が来たら、私の所に来てくださいね。それから、私が道を外れてたら私を止めて欲しいし……できれば仲良くしたいわ」
 オデットとフルールがハイエレメンタルたちと名残惜しそうにそんな話をしているが……それもまた、勝ったから出来ることだ。
 どのみち、今日結んだ友情は消える事は無い。それだけでも充分な成果ではあるだろう。
 そして何より……この戦果だ。城壁の上からニコラスは豪快に笑う。
「うん。ちょいとやりすぎたかもしれねぇな!」
「そんなことないんじゃないかなー」
 アクセルもそう言うが、事実此処までしなければ止まらないのだ。やり過ぎくらいで丁度いいだろう。
「此処の敵は倒し切ったみたいやし、ひとまずお仕事は終わりか?」
「そうだねぇ」
 武器商人は彩陽に頷き、チラリとフロラに視線を向ける。なんともやり切った顔だ。
「ふー。平和な眺めが戻りましたわ。まあ超禍々しい城なのは変わりませんが……しかしド派手にやりましたわね? まあ最後に勝つのは超火力ですわ〜!」
「コャー。まあ、間違ってはいないの」
 高笑いするフロラに胡桃もそんな曖昧な同意をする。勿論、それが全てではない。
 これまでの冒険の中で精霊やゴーレムと結んだ絆、そして仲間同士の絆。
 そういったものがあったからこそ彼等も応援に駆け付け、これほどの大軍相手でも勝利を収めることが出来た。
 その事実は……きっとこれからも忘れることなく、輝くことだろう。

成否

成功

MVP

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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