PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ミッドナイトレーサーYOKOHAMA

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性横浜
 ガオンガオンガオン! ギュルルルル! ブウウウオオオオオン!
 響く。エンジンの音が響く。魂を振るわせる音が響く。
 そう、我等はスピードに魅せられた者達。
 最速という夢に魂まで囚われた最高最低の馬鹿野郎達。
 けれど、誰がそれを責められよう。
 責めている暇があったら攻めたいと思う。それがこの再現性横浜に住む者達の人生ってやつだ。
 だってほら、見てくれよ。
 此処に揃ったのは各自が自分の分身と言えるまでに鍛え上げた最速のマシンたちだ。
 皆、東京なんていう場所には収まらなかった奴等だ。
 スピードの先へ、その先へ。いつか見えるその場所に辿り着きたくてたまらないんだ。
 だからこそ、俺はこう思うんだ。
 先程からこちらを見ている1人の女。どうやら新入りみたいだが、ただならぬ雰囲気を感じる。
 名前は確か……えーと、そうそう。『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト (p3p010222)だったか。
 イカした話だろう?
 空を自由に飛べても、この不自由な陸でカッ飛ばしたいってんだ。
 最高にイカれてて、最高にイカしてる。
 そうだ、此処はそういう街だ。
 いつだって、魂をエンジンにぶち込んで最大にふかしてる。
「最速」にはただ反応だけじゃ足りない。
 悪魔のようなtuning……不気味なAero……カーブに4速全開で突っ込めるcrazyさ……
 再現性YOKOHAMA……
 醒めちまったこの街に……熱いのは……俺達のDRIVING……
 あそこなら最速を追い求められるのさ……
 勝者に与えられるちっぽけな報酬……
『混沌最速』……
 遅い奴に「drama」は追えない。
 だからこそ。誰もが「その日」は見守ってるのさ。
 奴等が俺達のエンジンに、新しいニトロをぶっこんでくれるんじゃないかってな……。

●最速最強を目指すって話
「というわけで再現性横浜をかっ飛ばすですよ!」
 ブランシュはそう声をあげる。
 再現性横浜。最速を目指す走り屋達の集まる場所であり、こと車に関しては最新技術を惜しげもなくぶち込んだ、とんでもねー街である。担当者は「再現性」の意味を辞書で引いたことはあるのだろうか?
 それとも横浜には走り屋しかいねーよとか、適当な寝言を豆腐屋とかの息子がぶっこんだのだろうか。
 ともかく、そんなわけで横浜の中でも特に厳しいとされるコースの1つ「段々峠」が今回イレギュラーズの為に用意されたのである。
 何しろこの再現性横浜、走り屋しかいないせいで多少新しい風を吹かせたい、とかそういう話がブランシュにきたのが事の発端であったらしい。
 そのため今回のレース、再現性横浜の住人の全面協力の下に行われることになっている。
 具体的には、各自の性能を車にて可能な限り再現したマシンが用意されている。
 たとえばブランシュであれば滑腔砲が搭載されている。あぶねえなあ、もう。
 しかし、当然それに相対するもイレギュラーズの能力再現を再現した車だ。
 しかも「自分」ではなく「車」を操るのだ。
 中々思うようにいかない場合も多いだろう。
 しかしそれでも、それでもだ。
 この運命の夜に、イレギュラーズ最速の車が決まるかもしれないのだ。
 さあ、心のエンジンに火を入れろ。アクセルを限界まで吹き込め。人生にブレーキなんてないのだから。

GMコメント

皆さんの能力を再現した車が用意されます。つまり言い張ったもん勝ちです。
亀の甲羅を投げるだけじゃすまないガチレース、妨害に徹するも妨害を許さぬスピードを目指すも貴方次第です。
おっと、飛ぶのは無しです。車だもんね、ワイルドにスピードしようぜ!
なお、肝心の「基本速度」に関してですが、皆さんの物理、あるいは神秘攻撃力のうち高いほうが最高速となります。
ただし、機動力に10をかけた数値をニトロとして最高速に加算することも可能です。使えるのは1回だけですのでご用心!
勿論、速すぎるマシンを制御できるのかは……私をプレイングで無理矢理納得させに来てください。
大事なのは熱量です。

さあ、もうご理解できたと思います。
細かいことを言わずにプレイングで殴りにこいってことです。大丈夫、なんとかするから!

では自分以外の全てが敵のバトルロイヤル、コース(基本的に登り)はこんな感じです。

第一難所、連続急カーブ(5回)
第二難所、直線鉄橋
第三難所、並んで二台しか通れぬ小路直線(左が崖、右が山肌)
第四難所、連続急カーブ(7回)
最終難所、長く広い直線

では皆様、ご武運を! おっと、車の名前はちゃんと決めましょうね!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRです。
 レースってことです。グッドラック。

  • ミッドナイトレーサーYOKOHAMA完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年08月17日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
ウルリカ(p3p007777)
高速機動の戦乙女
観音打 至東(p3p008495)
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー
※参加確定済み※
フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)
お嬢様(鉄帝)
コヒナタ・セイ(p3p010738)
挫けぬ魔弾

リプレイ

●伝説の蘇る夜
 真紅のように真っ赤な月の下、8台のマシンが集まっている。
 どれも凄まじいカスタムを施された、外では使えそうにないマシンばかりだ。
 そう……誰もが魂を売りに来たのだ。今日この日……横浜って町に……。
「……下りであれば勝機はあったかもしれないが」
「チエッ! ついてないよな」
「……誰」
「こわくないのかよ? 私たちのファーストランがこんな夜でさ」
「……いやほんと誰」
 『戦支柱』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)に話しかけていた謎の誰かが排除されていったが、横浜ではたまにあることだ。
「私はいつも通りマギラニアでいかせてもらおう。最も動かし慣れた相棒がいるんだ。浮気したらそれこそ不運と踊ることになる…『車』であるのなら、5輪バイクで大丈夫だよな。基本速度は約360km。練達高速道路の法定最高速度より少し早いぐらいだな……ていうか車検はどうなってんだ車検は。自己責任に甘え過ぎているんじゃないか? 死ぬぞ??」
 問題はない。誰もが命を……いや、命の重さ分マシンが軽くなるなら誰もが羽より軽くあれと願うだろう。それが横浜のSoul……。
「まあ良い。私は安全運転させてもらおうか。もちろん自身の最高速度で、だ。ニトロなんて外付けだしな。基本使わない……だがそうだな。勝利を目指すならどこかで切らねばならぬか」
 そんなマニエラの近くでは希望ヶ浜中等部姿の『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)が風に吹かれている。
「……自分たちの風を追い求めてきたYOKOHAMA……彼らが望んだ箱庭は、淀んだ風に気づかない……古いエンジンオイルのように……気づいた時には遅い……私達の走りがそれを壊せるのなら……クラッシュしたって後悔はしないわ……」
 イーリンの傍らにはJZA80 スープラ。
 ……6速MT、6気筒、3「6」00RPM……武装ナシ。
 悪魔の数字に魅入られた車……実名が難しいなら「ルプス」とでも呼んで頂戴……。
 アナグラムにもなっていないけどね……。
 イーリンはそう言っていた。そう、イーリンもフルスロットル……縁起もジンクスも吹っ飛ばすtopspeed……。
「GodspeedYou……」
 堂々と煙草をふかしながら、アウトローを演出するアイテムは制服姿。
「背伸びした子猫かどうか……走りを見てから決めて頂戴……?」
 そんなイーリンに視線を向けちゃんと成人女性だと確認しながらウルリカ(p3p007777)は頷く。
「なるほどこれが噂の峠を攻めるというやつなのですね。練達に領地を持つ一人として、機動力に長じた者としてこういった催し物には参加し、完走いたしませんと」
 そんなウルリカの車はフォーセブン。
「三輪バイクであるトライクは普通自動車免許で運転できることを言い訳にして操縦席はバイクと同じ! ガワだけ車のような装甲を纏ったマシンです」
 そう、横浜ではそんなカスタムも可能だ。
ハンドリングを繊細に、ウルリカの反応と命中を反映させたチューンナップもされている。
(スピードにおいては上回る人もいるでしょうが、私は完走を目的として【輪胴制御】と【騎乗戦闘】で堅実に、かつ高速でマシンを進めましょう)
 ライフルは妨害用の兵装。ささやかなエッセンスだ。
「結果はあとからついてくるものです」
 そう言うウルリカの結果がどうなるか。それはまだ誰にも分からない未来だ。
 そして『刹那一願』観音打 至東(p3p008495)のマシンはスポーツタイプのミニツーシーター『J.KOOPER "KAN-NON-DA"』。
 リアガラスに観音菩薩像のステッカーが貼られており抜かれたdriver達は その名を知らずとも その名を呟くという。
「私だけの"R"……今夜は……今夜なら、見つかる気がするの……いいRaceにしましょうネ」
 そして次は『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)。
 Twinkle star、それが彼女のマシンの名前だ。
「……この世界でのSPEEDは、火力によって決まるのです……しかしルシアはつい最近に手放したのでして。この『街』を知る前に……だからってどうしたのですよ?手持ちのカードだけでbattleするのがこの世界。そうでして? ……RACINGな情報精度の前には、あるものだけが全てじゃあないのですよ……」
 そんなやる気十分のルシアの隣にあるマシンはDiablo。『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)の相棒だ。気のせいか、腰もいつもよりキュッとして肩幅が広い気もする。
「……夜が来た……走り屋達の夜が……クレイジードライバーを夢見た奴らが……今日、集うのさ……」
 真紅の月が、今日はお前が主役だというかのように赤くブランシュを照らす。
「……今夜は……伝説が蘇る夜さ……段々峠……コイツを攻略するのは……マトモなmachineじゃガードレールとお友達……今夜はですよなんて言わねえ……warriorとして挑むのさ……」
 そんな気のせいか顔まで濃くなっているルシアやブランシュと違い、『自称・豪農お嬢様』フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)などはいつも通りだ。
「峠と聞いて!! 峠といえば農道、農道といえばわたくしですわ〜〜!! と言う訳で、芝刈り機レース最速の女(自称)、わたくしが来ましたわ!! 今回は農道の高級車こと軽トラ……ゲフン……2シーターのゴキゲンなRR・4WDスポーツカーで参戦しますわ! 名前は【さんばちゃんTypeR】にしますわ!」
 どう見てもトラックだが、その操作性は安定していそうだ。
 そして最後の1人は、『挫けぬ魔弾』コヒナタ・セイ(p3p010738)。
「スナイパーのボク! 異世界転移した結果色々とあってレーサーになることになった件について。やってやろうじゃねぇかよこの野郎!!」
 頑張ってほしい。初心者にも優しくない。そいつが横浜のルールだ。
「いいか? 命中が高いということはテクニックがある、つまり適切な運転ができるということだ。目星がつくとかそういうアレだ。だから最高速度が高くなくてもテクニックで勝負していくんだ。この「ヒットアンドヒット号」でなァ!!」
 そうしてレースは始まる……誰もが何かを予感していた……。
 どうなろうとタダじゃ終わらねえ、と……。

●横浜のルール
「アーなんでこんな目に……走りますけどぉ」
 そんな事を言っていたコヒナタも、いざエンジンをふかせば人が変わる。いや、戻ったのだろうか?
「安全運転なんぞナマは言わねぇ、けれども堅実な勝負運びこそ勝利の方程式! 全力でカッ飛ばしながら峠を攻める! 具体的に言うとボカァマエストロと言われるほどの腕前だぞ急カーブくらいギリギリインコース攻めつつ曲がってやらァ! くお~ぶつかるインド人を右に!!」
「ピットインのない 長丁場のRaceだから ここでドリフトして消耗させるのは 避けたほうがいいわね 疼くでしょうが、出番は後よ tireたち」
 第一難所から各自の作戦の違いが明確になってきていた。
 最高速で他に居るだろうモンスターマシンに敵わずとも、いきなりトップスピードを出すことで引き離しにかかるコヒナタと、あえて抑えていく至東。どちらが正しいかなんてことは分からないが、そんな2人を更に引き離すモンスターマシンを操るはルシアだ。
 マシンの基本最高速は908km、しかもそこにSSSガジェット3.0bやソリッド・シナジーを模した機構を搭載し、かのシュペル・シリーズの1つである匠のアキレスの死角まで可能な限り再現し搭載したソレは、まさに走る為のモンスターマシン。
 誰にもテールランプすら拝ませないと言わんばかりだ。
「圧倒的なEXtreme Acceleration……決して逃さないPursuit(追撃)……フルスロットルで走りながらもemptyの心配を起こさない後付けmodification……さらにおまけの加速(EXA)と成功(CT)を呼ぶ2'nd tuning……おおっと、EXAはただの加速だけではないのですよ? ……語呂合わせではAcceleration……忘れちゃいけないのでして。EXAの本質を……「Possibility(可能性)」を増やすのです。同じ時間内に出来ることの……これで実現したのです。より鋭いTurning……コーナーで、差をつけろ! ですよ……」
 素早いハンドルさばきで連続急カーブを曲がり、神業を見せつけていく。
「まさに「俊足」でして……それでもルシアは魔砲使い、程々にはSPEEDはあるのでして……見ているがいいのです。この「Twinkle star」のテールランプの軌跡を……魔砲エンジンを後方に照射しつつ加速&妨害でして……マシンが大破に近づいたらむしろチャンスですよ……詰め寄った攻撃に乗じてCounterattackでして……!」
 その背後を走るのはウルリカ。基本最高速883kmのモンスターバイクで小回りを利かせながらルシアの僅か背後につけている。
「まずは王道ですね……!コーナーからの立ち上がりこそレースの華……!」
 この時点ではルシアが暫定1位。しかし残す難所はまだまだある。勝負は分からない。
 事実、この時点ではまだ様子を見ている者達もいる。たとえばマニエラだ。
(第一、第二の難所は最後尾から見守らせてもらおう。ここで張り合っても即抜かれて終わりだろう……となると、だ。第三の難所が勝負どころだな。コーナリングの問題上第四は様子を見るだろう……それ以降であれば勝負どころは最後のみだ。第三の難所でニトロを使い最前線へ行き第四第五を妨害に徹する。勝ち道はそれだけだろう。踏み台にさせてもらうぞ)
 だが、同じように考えている者は当然いる。イーリンだ。こちらもわざと最高速まではあげていない。
「観音打が言ってたわね……ケツを追うのは性に合わないって。じゃあ追いかけてやるわ、お手並み拝見よ……! アウトインアウト……あんまり退屈にケツを振るならラインを崩して一気に抜きにかからせてもらうわよ」
 このまま順位はしばらく変動しないのか。
 いや、そんなことはない。
「見せてやろう。悪魔を超えた悪魔。エンジンの魔改造。800馬力の高出力。400kgの車体軽量化。全身黒の漆黒の悪魔――Diablo」
 そう、ブランシュがいる。耐久性を無視して加速する追装着型エンジンスラスター「GF」を4つ、さらに加速装置やブースターまで搭載した、ブランシュと真っ向からやり合うコンセプトのモンスターマシン。
 その基本最高速は1201km。もはや制御できるのかも怪しいマシンを、ブランシュはサイドブレーキによるドリフトをかけつつ、車体後方に設置した滑腔砲をウイング状に展開。射撃の反動で更に車体を横滑りさせ、インの更にインを突くように車体を滑り込ませていく。
「来るのでして……! ルシアもブランシュちゃんもフルスロットルでして!」
 ルシアとブランシュのマシンが並び、互いに鍔競り合いのような形で第2の難所へと突入していく。
 いや、これは……?
「リアルト卿、「スピードでは負けるはずがないはずなのに」って顔ですわね? ふふ、基本速度は確かに。しかしわたくしのマシンは2種のエンジンを使って駆動するハイブリッドですのよ〜〜!! 出だしとコーナー立ち上がりの爆発力では最強なのですわ〜〜!!」
 なんたることか。フロラのマシンは全峠を踏破せしめんとするモンスターパワーを実現した時速2022km。
 音速の倍くらいであるが、空にかっとぶ気だろうか?
「TypeRのRは不敗神話のRですわ! ほーっほ……あら?」
 スピードを重視しすぎてどう制御するか忘れていたらしい。フロラは一位で第2難所を突破したものの、その先のコーナーを曲がりくれず本気で空を飛んでいくが、横浜はそういうのも多いのでちゃんと回収されている。
 とりあえず最速伝説フロラを見なかったことにして、ルシアとブランシュの鍔競り合いは続く。
「第二難所はスピードが全て。攻撃が出来ないとお思いか? 出来ちゃうんだなァこれが!!」
 やり合う2人だが、そこに様子を見ていたマシンたちが加速をかける。
「ハァー!? 何追い抜かしてんですかァ!?」
 コヒナタが鉄橋で加速をかけたマシンを追うように加速するが、ここは順位を入れ替えるには充分すぎる場所だ。
「妨害を開始します」
 ウルリカの妨害のライフル弾が発射され、しかしそれで素直に落とされてくれるダンスの苦手なレディばかりではない。
 そして此処で至東が仕掛ける。
「NOS(ニトロ)を使うなら、ここかしら。私の"KAN-NON-DA"は 空は飛ばないけど宙を駆けるようにコーナーを抜けるわ。この先のコースで 追いつけると思わないで」
 基本最高時速953km。他のマシンに決して劣らぬ至東のモンスターマシンが更に40kmをプラスしルシアやブランシュに並んでいく。だが、その後ろを……いや、崖側をイーリンが攻めている。
「鉄橋は他のマシンとパワー比べ、小路直線は片輪はみ出る崖側を、今の私なら御して見せる」
 勝負は次の第3難所だろうか、ここではコヒナタが崖を走るという荒業を見せつける。
「ニ台しか走れない!? そこに崖があるだろうが崖が! ニトロ、使うなら此処だ! 速度があれば壁くらい走れるだろうが!そこを走らせろ! オラァ!!」
「確かにこの難所が勝負どころだな。コーナリングの問題上第四は様子を見るだろう……それ以降であれば勝負どころは最後のみだ。ここでニトロを使い最前線へ行き第四第五を妨害に徹する……!」
 最高速で敵わずとも、ここなら技で前に行ける。
 コヒナタとマニエラが勝負を仕掛け、しかしその後にも難所は続く。
 互いに抜き、抜かれ……終盤近く、ついにイーリンが仕掛ける。
「連続急カーブ……ここで仕掛けるわ。私が温まってきたこのタイミング……月閃から月女神を覗かせる……BadEncount……噛みつかれたいやつから来なさい。後は……踏み込むだけよ私の「ギフト」が導くままに……!」
「ここまでニトロを温存して使ってくるやつの前に出れば私も連れて行ってもらえるわけだ……踊れよ。踊ろうぜ」
 マニエラも此処に来て更なる技を駆使し、ウルリカもこのタイミングでニトロをスイッチする。
「さぁ、あなたのスピードの限界を見せてください」
 時速100kmの増加を約束する、今レースでかなりの性能を約束されたウルリカのニトロ。
 しかしそれでも勝利を約束するかは分からない。
「小細工は無用ね。全てを出し切るわ。見える……見えるわ……あなたにも 見えるかしら……私だけの"R2"……"REMARKABLE RAY"……」
 此処に来れば、もう全力を出し切るしかない。至東もアクセルを緩める事など、ない。
 ブランシュも同じだ。アクセルベタ踏み、ギア6速。携行品も使いつつニトロ起動。V.B.F.Eも使って限界を超えたスピードの極致へ。
「行け……Diablo……! 「混沌最速伝説」を見せつけてやろう……! どんなmachineが来ようが、帝王はこのDiabloだ……!」
 ニトロの約束する上乗せは時速150km。今大会最高性能でも、ブランシュは油断などしない。
 熱い、熱い夜は最高のマシンの到着を観客の大歓声と共に最高潮へと押し上げる。
 そう、この夜は伝説の夜。1位こそブランシュに譲ったものの、誰もが本日の主役であり伝説の生き証人であることは……もはや疑いようも、なかった。

成否

成功

MVP

観音打 至東(p3p008495)

状態異常

なし

あとがき

皆さんのマシンが凄すぎてヒューてなりました。
あと学び直したさ……ラグーン語をな……

PAGETOPPAGEBOTTOM