PandoraPartyProject

シナリオ詳細

さがしものをさがしに

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 それは少女・リズにとって大切な御守りだった。
「ふえぇ……どこにいっちゃったのぉ……」
 リズは一人、御守りを探していた。それは、『お兄ちゃん』から貰った大切な御守り。失くしたと気付いてから、家を探し回り、集落を探し回り、そして今、大人たちの目を掻い潜り集落から出て探している。始めは、ささっと見つけて帰るつもりだった。だが、そう簡単に見つかるわけもなく、いつの間にか周りは暗くなっていた。
(このままじゃ、帰れなくなっちゃう……! でも……)
 ちらり、と集落がある方を振り返る。少しずつ明かりが灯され、遠くからでも集落の場所が分かるようになっている。
「……うん。まだ、大丈夫」
 この辺りは亜竜や魔物が少ない。だからこそ、ここに集落ができたのだと聞いたことがある。それに、この近くに秘密の洞窟があるのだ。そこには水がある。お腹は空いてしまうかもしれないけれど、御守りを探す途中でお腹が空くかもしれないから、とこっそりおやつを持ってきていた。だから、大丈夫。そう判断して、リズは御守りを探しに奥へと進んでいった。そんな彼女を狙っている獲物が居るとも知らずに。


 未だ謎が多い地域・覇竜。その覇竜にある小さな集落から、ギルド・ローレットに依頼が舞い込んだらしい。『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がこほん、と一つ咳払いをするとイレギュラーズたちに説明をし始めた。
「リズさん、という八歳くらいの女の子が行方不明になったのです。至急、探し出してほしい、とのことなのです」
 確かに、覇竜侵食が収まったとはいえ、まだ覇竜は油断できない状態である。少なくとも、亜竜や魔物たちは通常通り活動しているだろう。
「元々、その集落の近くには亜竜や魔物の数が少なかったそうなのですが、最近増えてきたみたいです。特に『コカトリス』という魔物がうろちょろしているそうなのです。もし、リズさんがコカトリスと遭遇したら大変なのです! 勿論、他の亜竜や魔物に遭遇しても大変なのですが!」
 しかし、一口に探すと言っても集落の外は広い。イレギュラーズの一人が、どこを中心に探せばいいのかユーリカに尋ねると、彼女は答えた。
「実は、集落の近くに洞窟があるのです。集落の人たちは集落の周りを探しているそうなので、イレギュラーズの皆さんには洞窟の方を探して欲しいそうです。
 なんでも、その洞窟には『洞窟コウモリ』が沢山いたらしいのですが、最近その洞窟コウモリの数が減って、代わりに巨大化したみたいで……集落の人たちだけでは対処できないみたいです」
 小さな洞窟コウモリだったならば、一匹一匹は弱い。故に、本来ならば集落内でも腕っぷしの者がいれば探しに行けたのだろう。だが、巨大化となると話は別だ。少なくとも、一人で対峙するのは難しい。だからこそ、こうしてイレギュラーズに頼んだ、というわけなのだろう。集まったイレギュラーズたちは納得する。
 ユーリカは「お願いします!」と頭を下げた。この依頼を受けないわけにはいかない。イレギュラーズたちはユーリカの依頼を快諾すると、早速洞窟へと向かう準備をし始めた。

GMコメント

 初めまして、こんにちは、こんばんは。萩野千鳥です。
 早速ですが簡単に説明致します。

●目的
 洞窟内で『リズ』を探し、救出する。

●地形
 中は暗く、ひんやりしています。
 狭い道や開けた場所などがあり、道はそこそこ分岐しているようです。しかし、最終的には最奥の開けた場所に集まれるようになっているみたいです。
 奥の方に水源があるようです。

●敵
『コカトリス』×それなりの数
 どうやら洞窟内にも居るようだ。
 つついたり、引っ掻いたり、一時的に石化するビームを放ったりする。
『洞窟コウモリ(巨大)』×2
 洞窟内の開けた場所のどこかにいる、でかいコウモリ。
 引っ掻いたり、吸血してきたり、超音波を放ったりする。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 以上です。どうぞ宜しくお願いします!

  • さがしものをさがしに完了
  • GM名萩野千鳥
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年07月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃
美咲・マクスウェル(p3p005192)
玻璃の瞳
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
カフカ(p3p010280)
蟲憑き
ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)
ラッキージュート
ライオリット・ベンダバール(p3p010380)
青の疾風譚
熾煇(p3p010425)
紲家のペット枠
煉・朱華(p3p010458)
未来を背負う者

リプレイ


「子どもの頃って少しくらいなら大丈夫……とか、根拠のない自信で結構な無茶を平気でやっちゃうのよね……」
「分かるわぁ。しっかし、なんちゅーか……亜竜種の子らは冒険心ちゅうか、よく迷子になるなぁ。里ん中で割と鬱屈しとるんやろか」
 依頼を受け、件の洞窟前に集まった『煉獄の剣』朱華(p3p010458)は、自分の子ども時代を思い出しながらそう話した。その話に、『ケータリングガード』カフカ(p3p010280)も同意する。
「鬱屈しているかどうかは分からないが、普段から秘密の遊び場として使っていたのかもしれんな。島でも、そういった場所へ行ってしまったというのはよく聞く話だ」
 洞窟のような大人の目が届かない場所なんて、子どもたちにとって秘密基地に丁度良い。『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)も、思い出しながら語った。しかし、普段遊び場にしている所が、必ずしも安全とは言い難い。むしろ危険であることの方が多い。
「なんにせよ捜索救助は速度が命! ちゃっちゃといきましょ!」
「そうだね! 何事もないよう、少しでも早く見付けてあげようよ!」
「勿論っス!」
『玻璃の瞳』美咲・マクスウェル(p3p005192)の言葉に、『瑠璃の刃』ヒィロ=エヒト(p3p002503)と『青の疾風譚』ライオリット・ベンダバール(p3p010380)も同意する。それは他の皆も同じ気持ちなのだろう。互いに頷き合う。
「リズって子、戦いを知らないやつだから、すっごく怖がってるだろうな……」
「まぁ、この強運の亜竜種ジュートにかかれば、人探しなんて朝飯前の夕飯前の昼飯前だぜ! 早く見つけてやんねーとな!」
 仔竜の姿でリズの心配をする『紲家のペット枠』熾煇(p3p010425)。だが、『幸運の女神を探せ』ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)の明るい言葉に、熾煇の表情も晴れやかになる。
「それじゃあ、準備は良いっスか?」
 昼間ではあるが、洞窟の中は暗い。しかし、各々道具等を利用して対策はしている。イレギュラーズたちは、リズを探しに洞窟内へと足を踏み入れた。
 しばらくはただ薄暗いだけだった洞窟内が、徐々に暗くなる。ランタンや暗視のお蔭で移動には困らない。時々立ち止まりリズや敵の移動音に耳を澄ませたり、邪魔な障害物を退かしたりしながら洞窟内を進んでいく。それにしても、この洞窟は天然で作られた洞窟なのだろうか。ヒィロが『南瓜ランタン』を掲げながら観察する。自身の知識を以って考えてみた結果、これは確かに自然洞窟であるということが分かった。
「この広さなら、分岐があっても途中で行き止まりになってるんじゃないかな」
「確か、最終的には最奥に繋がってるんだよね?」
 美咲はちらりと道の先を覗き込む。早速分岐があるが、二組に分かれれば対処できる程度ではありそうだ。
「だとしたら、各道を探しつつ、見つからなければ別の道から引き返す。基本的にはこれで良いと思いますわ」
「うんうん。一本道じゃないなら、手分けして探した方が良いんだぞ!」
「それじゃあ、俺たちはこっちな! 通称『亜竜種と紅一点』チーム!」
「普通に亜竜種組で良いじゃない……」
 朱華は呆れながらも、ジュートを含めるドラゴニアたちと共に左の道へと進んでいく。残された四人は、警戒しながらも右の道へと進んでいった。

●右の道
 ヒィロを先頭に右の道へと進む美咲とジョージとカフカ。ジョージが周囲に敵がいないか探知しながら、カフカが邪魔になりそうな障害物を退けながら進む。途中で分岐があったが、行き止まりになっていたところが多かった。そのため、迷うことはないが少々時間がかかっている。
「この辺りには敵はいないようだが……」
「リズちゃーん、おるかー? 探しに来たでー。はよ帰らんと、皆心配しとるでー。ご飯もあるからはよ帰ろうやー」
 大きく開けた場所へと辿り着いた四人。カフカはどこかにリズが隠れているかもしれないと、声を上げながら探す。だが、カフカの声は反響するだけで、特に反応はない。この辺りにもいないようだ。
「それにしても……リズちゃんはまだしも、ここまで敵がいないっていうのもなんだか不気味だね」
「そうだね……ん?」
 不意に、美咲が立ち止まる。その姿にジョージも周囲への警戒を強める。
「……気づかれたな」
「うん。こっちに来てるね」
 コウモリ特有の羽音は聞こえない。ならば、コカトリスだけだろうか。四人は構えていると、これから進む先からコカトリスが群れのようにやって来た。
「――!!」
「この先には進ませないって雰囲気だな?」
「けど、押し通させてもらうね。さぁ、ボクが相手だよ!」
 ヒィロの声に反応したのか、コカトリスたちの視線はヒィロへと集中する。その隙に、美咲は『Over The Rainbow』と呼ばれる包丁を手に、虹色の魔眼の見えた先を斬る。それは邪道極まりないものではあるが、確かにコカトリス一体を仕留める。しかし、やられてばかりではない。もう一体はヒィロに向けて石化ビームを放つ。
「よっ、と……、っ!」
 ビームは避けきれたが、避けた先にいたコカトリスがヒィロを突こうとくちばしを構える。しかし、身軽なヒィロはそれもどうにか避けきった。その立ち位置と入れ替わるように、ジョージは突こうとしてきたコカトリスに掌打をお見舞いする。
「はぁ――っ!」
 その触れた掌から追撃するように気を送り込むと、コカトリスは声にならない叫びを上げながら倒れた。その叫びで何かを察知したのか、他のコカトリスたちは石化ビームを無差別に乱発する。コカトリスの近くにいた美咲とジョージは、掠る程度ではあるがそれぞれ腕や足の一部にそのビームを受けてしまう。当たった部分は、ピキリと嫌な音を立てながら石化し始める。
「洞窟で石になるとか洒落にならんわ!」
 カフカは真っ先に言霊を放つと、二人の石化は止まり回復していく。これで、問題なく動かせるようになる。乱発されている石化ビームの合間を掻い潜り、前衛にいる三人はコカトリスを次々に倒していく。しばらくすると石化ビームは放たれなくなり、何匹かはその場から逃げるように洞窟奥へと戻って行った。
「――一先ず、これで先には進めるね」
 コカトリスの足音が遠退いたのを確認して、美咲は武器を仕舞った。それと同時に、何かが美咲の足元で光る。
「これは……?」
 楕円形に磨かれた紫色の石を拾う。ほんの少しだけ、魔力を帯びている気がする。これは明らかに人の手が加えられたものだ。だとするならば、もしかして――
 美咲はとりあえず懐に仕舞うと、先に進もうとしている三人の後を追った。

●左の道
「斥候、お願いできるか?」
「ホゥ」
「それじゃあ、お願いするぞ!」
 熾煇は小型の梟を召喚すると、道の先へと行かせた。梟は夜目が効く。自分たちでは見失ってしまう場所も、見つけられるかもしれない。そんな希望を託し、四人は敵やリズの気配を探りながら進む。洞窟内に動物がいたならば、その動物に聞いてみるのもありだが……今の所、姿は見ていない。それどころか、魔物が暴れたような痕なども残っていない。朱華はよくよく観察してみたが、見つけられずに溜息を吐いた。
「何か痕跡があれば探しやすいのだけど……」
「けど、この先から微かに助けを呼ぶ声が聞こえるっス!」
「確かに聞こえるな。でも、その前に――」
 ライオリットの言葉に続けるようにジュートが何かを話しかけた。その時だった。熾煇が斥候に出していた梟が、慌てて戻ってきたのだ。
「ホウ、ホウ」
「どうしたの?」
「えっと――『この先に、大きくて黒いのが、二匹いる』?」
「ああ、やっぱりか。誰かがいるところの手前に、何かいるんじゃねーのかと思ったが……」
 どうやら、先程ジュートが言いかけたことを知らせてくれたらしい。ライオリットがふむ、と考え込む。
「迂回は出来ないっスか?」
「『できない。一本道』だって」
「戦闘は避けられないってことね。一気に畳みかけましょう」
 朱華の言葉に三人は頷くと、先へと歩を進めた。その道を進んだ先に、大きく開けた場所が現れる。こっそり覗き見すると、そこにいるのは巨大な黒い影――巨大な洞窟コウモリが佇んでいた。その奥に細い小道がある。
「奥の道、あのコウモリは通れなさそうだぜ。適当にあしらって、向こうに行くのが良さそうじゃねーの?」
「そうだな! 早く行くんだぞ!」
 四人は各々武器を持ち、巨大な洞窟コウモリの前に立つ。その物音に気付いたのか、洞窟コウモリはゆっくりと振り返り、飛ぶ。
「――っ!!」
「遅いんだぞ!」
 熾煇はゆっくりと飛び始めた洞窟コウモリに対し、自身の力を魔力へと変換し、それを弾丸のように撃ち放つ。その攻撃は洞窟コウモリの羽根に当たり落下する。ライオリットはその隙を見逃さなかった。落下した洞窟コウモリとの距離を詰め、二刀の『レヴィアン・セイバー』で上空へ打ち上げ、再び地に落とすように斬る。傷ついた洞窟コウモリは、近くにいたジュートに鋭い爪をお見舞いする。躱しきれずに攻撃を受けるが、今この洞窟コウモリの意識は完全にジュートに向いている。その間に、朱華は洞窟コウモリをとどめを刺す勢いで斬った。見事急所に当たったのか、そのまま動かなくなる。しかし、それでもまだ一体は残っている。その洞窟コウモリは音にならない音を発する。
「っ! こんなんじゃ、俺たちは止められねーよ!」
 発破をかけるようにジュートは声を上げ、近くにいた洞窟コウモリをノーモーションで弾き飛ばす。弾き飛ばされた洞窟コウモリは壁に当たり、一時的に動けなくなる。
「今の内だぜ!」
 ジュートの言葉に、三人は洞窟コウモリの元を去り奥の道へと向かう。洞窟コウモリはふらふらと立ち上がろうとしたが、未だに叩き付けられた際のダメージが残っているのだろう、動けずにただ睨みつける。ジュートは洞窟コウモリが追ってこないことを確認すると、最後に奥の道へと進んだ。


「……、あ……」
「もしかして、リズ?」
 ドラゴニアチームは細い道を抜けた先にあった場所で、少女を発見した。朱華が少女に問いかけると、彼女はこくんと頷いた。どうやら、彼女が集落の人たちが探していた少女のようだ。
「あのね、朱華たちは集落の人たちに頼まれて探しに来たのよ」
「そうそう。他の仲間と一緒に探しに来たんだぞ!」
 熾煇がリズの周りを跳ねながら、リズに話しかける。あまり元気はないようだ。だが、近くに水の音がするのをライオリットは聞き逃さなかった。単なる想像でしかないが、この水でどうにか生き延びていたのだろう。
「リズちゃん、歩けるか?」
 リズはこくんと頷き、立ち上がる。どうやら、体力はまだあるらしい。
「引き返せばあのコウモリがいるだろうし……一旦、最奥へ行くっス」
「そうね。できるだけ避けた方が良さそう」
「あ、あの……お兄さん、大丈夫?」
「ん? ああ、大丈夫大丈夫。さ、行こうぜ!」
 洞窟コウモリとの戦闘で傷ついたジュートを、リズは心配する。だが、何でもないようなふりをしてジュートはリズと手を繋ぎ、最奥を目指して先へと進んだ。水源を辿りながら歩いて行くと、最奥へはすぐに辿り着いた。丁度、別の道へと進んだヒィロ、美咲、ジョージ、カフカとも合流する。
「リズちゃん! 良かった……怪我はない?」
「うん、大丈夫……です」
 ヒィロの持つランタンの灯りにほっとしたのか、固かった表情が少し和らぐ。
「良かった……そうだ。どうして洞窟なんて入ったの?」
「せやで。一人でこんなとこ来るなんて、危ないやろ。まぁ、なんか理由があるんやと思うけど」
「……うん。御守りを探しに来たの。『お兄ちゃん』から貰った大事な御守り……中身がないの」
 そう言って、リズが取りだしたのは小さな巾着袋。どこかに落ちていたのか、土で汚れている。
「そうか。だが、御守りも大事だが、お前の安全も大事だ。さぁ、帰ろう」
「で、でも……」
 リズの様子に、まだ彼女の探し物が見つかっていないこと察する。しかし、リズの身に何かあれば御守りもなにもない。どう説得しようかとジョージが悩んでいると、美咲が懐から紫色の楕円形の石を取りだす。
「これ、途中で拾ったんだけど、リズちゃんのかな?」
「! これ、御守りの……ありがとう、お姉さん!」
「どういたしまして」
 リズは美咲から紫色の楕円形の石を受け取ると、小さな巾着袋の中に入れて大事に仕舞った。
「見つかって良かったじゃん! やっぱ、幸運の女神は俺たちの味方をしてるんだな!」
「別にジュートの幸運のお蔭かどうかは分からないんだぞ……でも、見つかって良かったんだぞ!」
「そうっスね。それじゃあ、帰るっス。俺たちが来た方はコウモリがまだいると思うんで……」
「それなら、こちらの方が安全そうだな」
 ジョージはちらりとジュートの方を確認する。リズを心配させまいと笑顔でいるが、それなりに怪我を負っているようだ。ジョージたちが進んだ道にいたコカトリスも全員倒したわけではないが、全員揃っているならばなんとかなるだろう。まだいるであろうコカトリスの不意打ちを受けないように、ヒィロを先頭にリズを守るように一行は洞窟の出口へと向かっていった。


 一体どこへ行ったのか、コカトリスたちと遭遇することなく無事に洞窟を出られた。洞窟から出ると、既に辺りは夕焼け空だった。
「おお、リズ!」
「お父さん!」
『お父さん』と呼ばれた男の元へと駆けていくリズ。彼はリズを抱きしめると、「心配したんだぞ」と目尻に涙をためている。
「本当にありがとうございます!」
「いやいや、リズちゃんの探しもんも見つかったし……もう心配かけんようにするんよー?」
「うん……ごめんなさい」
「皆、リズちゃんを探してくれたんだよ。だからね、約束! リズちゃんも、大きくなったら誰かを助けてあげられるような大人になってね!」
「うん……!」
 リズはヒィロと約束の指切りをする。すると、丁度他を探していた人たちが集まってきた。
「おお、見つかったのか!」
「あ、あの……ごめんなさい」
「心配しましたよ」
 集落の人たちに、撫でられるリズ。まるで集落全体が大家族のような、そんな光景が微笑ましい。
「それじゃあ、帰ろうか」
 父親に手を引かれ、リズは集落へと戻ろうとする。
「お兄さんにも元気な姿を見せるんだぞ!」
「うん!」
 熾煇の言葉に手を振りながら帰って行く。その背をイレギュラーズたちは見送った。

成否

成功

MVP

ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)
ラッキージュート

状態異常

なし

あとがき

お疲れ様でした。
無事、さがしものは見つかりました。
ご参加頂き、ありがとうございました!

PAGETOPPAGEBOTTOM