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シナリオ詳細

<Stahl Eroberung>四天の王、破滅の咆哮

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●四天王、敗れる!
「ぐわああああああああああ!」
 エピトゥシ城の廊下に、悲鳴が響き渡る。四天王『獣王』ル=アディンは、ククク、と笑い声をあげながら、口を開いた。
「今の悲鳴……吾輩がやられたようだな……」
「ル=アディンは我々四天王の中でも対戦ゲームの腕は最弱……」
 『闇の申し子』ヴェルギュラが言うのへ、『骸騎将』ダルギーズは頷く。
「侵入者ごときにやられるとは、四天王の面汚しよ……」
 ククク、と『魂の監視者』セァハが頷いた。
「このセリフ何回目であろうな……ううむ、しかし困った」
 四天王は控室で、はぁ、とため息をついた。四天王。魔王イルドゼギア最強の配下は、今や『大量にいた』。というのもジョークや四天王なのに五人いるとかそういう話ではなく、クローンシステムによる、大量生産によって、両手では数え切れぬほどの、大量の四天王個人が量産されていたのだ。ル=アディンのセリフも、そこにかかっている。確かに倒れたのはル=アディンという個体であるが、それはこの控室にいるル=アディンという個体ではない。話はこんがらがりそうだが、ル=アディンは負けたが、ル=アディンは負けていないわけである。
「敵には勢いがある。流れに乗った敵は、強いぞ」
「麻雀の話しか? 流れ論者かよ」
「うるせードラ麻雀野郎が! 脱衣麻雀で麻雀覚えたくせに!」
 ダルギーズが言うのへ、セァハがキレる。制止したのは、ヴェルギュラである。
「まて、落ち着け! 今は麻雀の話はどうでもいい! どうせル=アディンが真っ先にハコテンになるのがいつもの奴だ」
「えっ」
 ル=アディンが小首をかしげつつ、
「というか、TOP画像おかしくない? 何で吾輩乗ってないの?」
「知るか! というか、話と雰囲気を戻せ!」
 こほん、と四天王たちは咳払い。
「しかし……窮鼠猫を噛むというものか。まさか矮小なる人の子が、ここまで迫るとは」
 セァハの言葉に、うむ、と頷くダルキーズ。
「万が一……という場合もある。我々は死しても幾千もの四天王がいる……が。その包囲を突破し、魔王陛下の下にたどり着くものあらば……某が首、いくら献上してもそそげぬ恥よ」
「お前の首、ワンタッチで外せるしな……コホン。余もそれは憂いておる。認めよう。余輩らは、追い詰められている、と」
 ヴェルギュラの言葉に、ふむ、と四天王たちが頷いた。ル=アディンが声をあげる。
「吾輩に、一つ提案がある」
「申してみよ」
 ヴェルギュラが偉そうに言うのに舌打ちしつつ、ル=アディンが言った。
「禁呪融合……」
 その呟きに、三人は息をのんだ。
「やるのか……あれを」
「使えば最後……余輩らの命はない……」
「だが、某らの力を何倍にも高められよう……」
 ククク、と四天王は笑った。その瞳は、邪悪な覚悟に彩られていた――。

●決戦、究極100身合体グレート四天王!
『というわけで、よくぞここまで来たな、ローレットイレギュラーズとやらよ……』
 25人のル=アディンがそう告げる。
 エピトゥシ城。その一室。巨大な広間は、まるでコロセウムのようにも見える。そこに到着したあなた達イレギュラーズは、そこにみっちりと積み込まれた四天王たちの姿を目撃した――!
「またお前らか……」
 半ば呆れたように言う仲間の気持ちを、あなたも同じくしたかもしれない。なにせ道中、何度も四天王と戦ってきた……いや、実際に強敵であり、相応の損害も被ったのだが……それはそれとして、えらそうな感じの奴らが何度も何度も出てきて退場していくのを見れば、何とも気が抜けるものである。
『そうやって余裕ぶって居られるのも今の内というもの。これまで貴様らが倒した某たちは、いわば前座……』
 25人のダルギーズが声をあげる。実際のところ、如何に四天王が面白い連中とは言え、これだけに囲まれれば、イレギュラーズも相当の激戦を覚悟しなければならない。
『これより貴殿らに、我らが禁呪をお見せしよう……!』
 25人のセァハが言う。禁呪、という言葉に、あなたたちは身構えた。この期に及んで、なにをしようというのだろう。
『これより行うは、禁呪融合……全にして個、個にして全。余輩らを一つにし、新たなる究極生命体を生み出す儀式よ……!』
 25人のヴェルギュラが言った! そう、四天王の総数、100名!
『かつて余輩らは、この禁呪を使う事はなかった……四天王は一人一人戦って敗れたからな……。
 だが、今は違う。ただでさえ、四天王が融合すれば最強……その上、一人当たり25人! 総数100人となれば!』
『最強!』
『無敵!』
 ごうごう、と四天王たちが吠える! 同時、コロシアムに、怪しい紫の光が満ちた! あやしく光る、闇の気配! それがコロシアムの上級に球体魔法陣となって現出する!
『さぁ、見るがよいイレギュラーズ! 我らが禁呪!』
 轟! 闇が広がった! 球体魔法陣に、次々と四天王たちが吸い込まれていく! 阻止しようと動くが、これも禁呪の力なのか、動くことができない! やがて百体の四天王が一斉に吸い込まれると、球体魔法陣がぐんぐんと膨張していった。そしてそれがはじけた刹那、内部夜分声をあげたのは、巨大な一帯の怪物!!
『おお……我は生まれ変わった』
 それは、ル=アディンの声と、ヴェルギュラの声と、ダルギーズの声と、セァハの声が、まとまったような声だった。巨大な怪物は、まるで一言でいうなら骨獣魔王とでもいうべきか! 兎に角、四天王の要素がミックスされ生み出された、まったく新しい脅威であることは確かだ!
『我は究極100身合体グレート四天王! ル=ヴェルギーズァハよ!
 さぁ、愚かなる人の子よ、我を目覚めさせた己の愚を呪うがいい!』
「妙なノリですが、強敵なのは確かです! 恐ろしい魔力を感じます!」
 仲間が言うのへ、あなたは頷いた。強敵である。これまで遭遇したこともないような。それだけは、間違いない!
「だが……どれだけ強大だろうと、俺たちも世界を救ってきたんでな!
 この程度で負けてやるつもりはない!」
 仲間の言葉は、あなたも思いを同じくするところだ!
 さぁ、剣をとれ! この怪物を倒し、アーカーシュを制覇するのだ!

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 最強合体四天王を倒せ!

●成功条件
 究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハを撃破

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●状況
 魔王城エピトゥシ城制覇に乗り出した、ローレット・イレギュラーズたち。
 幾度もの戦いの果てに到達したこのコロセウムでは、無数の四天王たちが現れ、禁呪による合体を試みました!
 ただでさえ強い四天王が、四体合体! いや、百体合体! というわけで、強力な怪物――究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハが生まれたのです!
 ……妙なノリなのは確かですが、しかし100体の四天王を凝縮したパワーは計り知れません。ハードな戦いになるでしょう。
 ですが、負けてはいられません。この戦いを制し、アーカーシュを制覇するのです!
 作戦エリアは、魔王城コロセウム内。戦闘ペナルティなどは発生しないものとします。

●エネミーデータ
 究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ ×1
  総数100体もの四天王が合体した、究極怪獣です。四人の四天王の力と、四人の四天王のモチーフを持った、強力無比なそれは、裏ダンジョンたるエピトゥシ城にふさわしい怪物であるといえるでしょう。
  パラメータは全体的に高く、巨大な図体に似合わずEXAは最高。複数回の攻撃は覚悟してください。
  巨体を生かした物理攻撃、特にダルギーズの強力無比な剣技は健在。巨体ながらも鋭い剣戟で、出血系列などを狙ってきます。
  ル=アディンの火炎のブレスは火炎系列を付与し、ヴェルギュラとセァハの持つ強力な魔術は、足止め系列や窒息系列などで、じわじわとイレギュラーズ達を苦しめます。
  遠距離では単体攻撃を優先、近距離では扇攻撃を優先する傾向にあります。

  また、特殊スキルとして、以下の強力無比なスキルを持ちます!

  百の魂
   パッシブ。百の四天王が融合したが故、彼は百の魂を持つ。
   EXF判定に必ず成功する(一戦闘中100回まで)。
   (※『必殺』はききます)

 ……ちなみに、ちゃんとハード級の敵なので、油断はめされませんよう。

 以上となります。
 それでは、皆様のご参加とプレイングを、お待ちしております。

  • <Stahl Eroberung>四天の王、破滅の咆哮完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2022年07月25日 22時05分
  • 参加人数10/10人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
セララ(p3p000273)
魔法騎士
ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの
山本 雄斗(p3p009723)
命を抱いて
煉・朱華(p3p010458)
未来を背負う者

リプレイ

●究極! 合体四天王!
『フハハハハハ……!』
 哄笑が響く。四人の声が混ざったような、奇妙な声だ。
 魔王城、コロセウム。恐らくは魔物同士が、或いは捕らえられた人間が残虐な見世物のために戦わされたのであろう、呪われた地。
 血の匂いがむせぶような錯覚すら覚えるこの場所に、今『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』は顕現したのだ!
『どうした、ローレットイレギュラーズどもよ。恐ろしさのあまり声も出ない様だな。
 それもそうであろう。我も正直、ちょっと驚いてる。こんな風になるんだ、っていうか』
 くくく、と『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』が笑う。その邪悪な瞳にうつるは、獲物となるイレギュラーズ達か!? だが、『魔法騎士』セララ(p3p000273)は勇敢にも立ちはだかった! そして目を輝かせてこういうのだ!
「100体合体、格好良い! ……これは強敵の予感だね!」
 シンプルに褒められた! あんまり褒められた経験のない(魔王は褒めて部下を伸ばすタイプではないので)四天王たちは、ちょっとうきうきした!
『くくく、そうであろう……強敵の予感をひしひしと感じる所であろう……!』
「ええ、ええ、かっこいいですね、皆で合体! 融合! すごいすごい!」
 目を輝かせてそう尋ねるのは、『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)だ。融合とか合体とか、そういうのが琴線に触れたのだろう。
「ねぇ、グレート四天王さん? 魂はどうなってるの? きちんと融合してる? 行動や意思決定の齟齬とかないのですか? どのような仕組みなのです? 良いですね、良いですね!」
 きらきらとした瞳でそういうフルールに、『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』がクククって笑った。
「それはその……我らは個にして全であるが故に、不都合は存在しないのだ……!」
「くっ……! これでは「キノコとタケノコどっちが好きですの?」「さっきその骸骨頭が、貴方のおやつのプリン勝手に食べていましたわよ」みたいな問いかけで仲間割れさせて、その隙に倒す私達の作戦が……!」
 ぐぬぬ、って『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)するのへ、『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』は『えっ』って言った。
『えっ、ダルキーズプリン食べたの?』
 ぴくり、と大剣を持ったガイコツ腕が反応した。それからしばらく押し黙る『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』。ヴァレーリヤは「やったか!?」みたいな、悪いハムスターみたいな顔をした。
『いや……ダルキーズはみんなと融合したので、実質皆がプリンを食べたようなもの……つまり、問題なし!』
「くっ、やはり強敵……!」
 くうっ、とヴァレーリヤが悔しげにうめくのへ、『煉獄の剣』朱華(p3p010458)が頭に手をやった。
「なんか……アンタたち四天王? っての、いちいち気が抜けるのよね……。
 っていうか! もう我慢できないから聞くわ!

 ――何度も出てきて恥ずかしくないの?

 だってそうじゃないっ!?
 四天王だって言うのに五人目は現れるわ、同じような顔した連中が何体も何体もっ!」
 むぅっ、と怒ったように言う朱華に、『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』は「うーん」って顔をした。
『それは……だって、貴様等に倒された我って、厳密には我じゃないし……』
「こっちからしたら一緒なの! 何回おんなじ前口上聞かされたと思ってるの!?
 我は四天王の中でも最強~とか、奴は最弱~とか、聞かされ飽きてるの!
 それに加えて、最終的になにこれ!? 『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』!? 『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』ってなによそれ! あまりにも衝撃的過ぎて覚えちゃったじゃない!
 でも『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』っていちいち言いにくいし、一刻も早く忘れたいから、アンタなんてトンチキで十分よ、トンチキでっ!」
『ええ……』
 トンチキが困ったような顔をした。
『その……前口上は……みんな一生懸命聞いた奴なので……聞いていただけると嬉しいかなって……』
「聞 き 飽 き た っ! って言ってるのっ!」
 がーっ、と竜のごとく吠える朱華に、トンチキがちょっとビビった。
『怖い……ドラゴンガール……』
「まぁ、でも、こういう合体四天王みたいなの、劇場版で出てくるイメージあるからね」
 苦笑するのは『命を抱いて』山本 雄斗(p3p009723)だ。
「流石に百体で合体、ってのは観たことないし……そもそも四天王が百体いるのって初めて見たけど……。
 でも、僕達イレギュラーズの前作が勇者アイオンの物語としたら、復活した前作のラスボスを、続編の劇場版で倒す展開……とか、特撮映画にありそうな展開で燃えてきたよ!」
 そういう雄斗に、トンチキは嬉しそうに笑った。
『わかっておるではないか……貴様とはいい酒が飲めそうだ……』
「いや……僕未成年なのでお酒はちょっと……」
『そうか……コンプライアンスは大切だからな……』
 トンチキが頷いた。
「しかし、100身合体とは凄まじい禁呪なのですね。
 もはや四天王の十三人目などというレベルでは無いのです」
 些か感心したように言うのは、『旅人自称者』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)だ。トンチキはかなりトンチキであるが、しかしトンチキなれど実力者であることに間違いはなかった。
「実際のところ、バラバラの意思を統一するだけでも相当な力を必要とするはず。
 相手は妙なノリですが、油断はしない方がいいでせうね」
 ヘイゼルの言葉通り――トンチキはトンチキだが、しかしその身の内からにじみ出る魔力は、確かに四天王のそれをはるかに凌駕している。
『ククク……その通り。我はこの力を得る代償故に、四人×25の個を失い、全にして個となる。それは自己の消失、自殺に等しいものと思うがいい』
「なるほど……そうまでして、私達を止める事を優先した、と」
 ヘイゼルの言葉に、トンチキは頷いた。彼らもまた、相応の覚悟の下に、此処に立っていると言えた。実際、他の四天王たちは、個としてイレギュラーズ達に敗れているのだ。それはイレギュラーズ達の快進撃故であり、この地を守ることを目的とした多くの四天王たちにとって、新たに現れた、勇者以来の脅威に間違いなかった。
 故に、禁呪を用いてでも、迎撃を選択した。
 トンチキは面白い奴だが――それでも、確かな覚悟を持ってこの場に臨んでいるのだ。文字通り、個としての消失、命を懸けて。もう、元の四天王の個には戻れない。こうなってしまえば、一つの怪物となるしかない。それでも――。
「フン。ふざけた奴だが、その覚悟は認めてやる」
 『祝呪反魂』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)が、獰猛に笑んだ。
「だから――こっちも全力で相手してやるよ。その内に眠る、100の魂に敬意を表してなァ?」
 レイチェルが構える。仲間達も、合わせたように構えた。ずあぁ、と、トンチキが刃を構えた。25の剣王の剣を束ねた、それは四天王たちの覚悟の剣でもあった。
「とてつもない禍々しさを感じるの」
 そういうのは、『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)だ。
「強さはきっと、嘘じゃない。
 コャー、これは気を引き締めてかからないといけなさそうなの」
 胡桃の言う通り。ふざけて勝てる相手ではあるまい。それは、イレギュラーズ達にも十分にわかっていることだ。ぴりぴりと、空気が緊張を帯びるのを覚えた。それは、間違いなく、目の前の怪物から放たれるプレッシャーに違いなかった。
『我もまた、貴様らを勇者と認めるが故に、全力を尽くそう』
「……わたしは勇者ではないけれど。けれど、その為の道を作ることくらいは、するわ。コャー」
 ぼう、と胡桃の周囲に、蒼き炎が漂う。現出する、胡桃の力。
「遺跡で魔王様の名前を見たときには、どんな人だろうなって思ったのです。
 会えたら仲良くできるかな? なんて思っていたのです。
 ……でも、そうじゃない、のですね」
 少しだけ悲しそうに『陽だまりに佇んで』ニル(p3p009185)が言った。トンチキが少しだけ、目を細める。
『……魔王様の理想社会に、貴様のような優しい子は必要ない。
 必要、無いのだ』
 その目に、なにが宿っていたのかは、誰にもわからない。その言葉にどのような感情が乗せられていたのかは、誰にもわからない。
 ただ……どうしても、相容れない思想であることは、間違いなかった。
 魔王がどのような思惑を持ち、世界を制しようとしたのかはわからない。
 ただ、魔王の治世に、ニルのような『やさしさ』は相容れなかったのだろう。どうしても、そこですれ違ってしまうのだろう。
「ニルは、誰かを必要ない、って、そうやって追い出してしまうような事は、好きではありません。
 魔王様がそういう事をするのなら、ニルは――だめです、って、怒ります」
 ニルは、きっ、と前を見た。
「おいしいは、皆で感じるものです。誰かを必要ないと追い出して、それで感じるおいしいは、きっとおいしくないのです」
『よかろう。やってみるが良い。己が信じるもののために、我らは今ここで殺しあおうぞ』
 トンチキが吠えた! 空気を震わせる、魔の咆哮! 強烈な敵意と魔力が、コロセウムに満ちる!
「あおーん! そういうのなら、ボクも負けないよ!」
 高らかに吠え、にぃ、と笑う『狼殺し』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)。
「それだけ大きいなら、少しくらい齧っても大丈夫だよね?
 痛いって言ってもやめないよ! ガジガジ齧って、骨まで――狩りつくす!」
 フードを被った狼は獰猛に笑う。吠える、人狼。それを合図にしたように――イレギュラーズ、四天王、両者は動き出す!
「幻想の勇者にして、皆の笑顔を守る正義の味方! 魔法騎士セララ参上だよっ!
 四天王、君達の悪事もここまでだ!」
 セララが叫んだ。勇者、という言葉に、四天王は吠える。
『来い、勇者よ! 貴様が何度立ちはだかろうと、我々は我々の理想社会を実現しようぞ!』
 斬剣! 巨大な刀が、大地を抉る様に振り払われる! セララはその剣の腹に着地、跳躍!
「速い! それに、攻撃範囲が広いよ!」
 セララの叫びに、レイチェルが頷いた。
「ハッ! 確かにな。
 だが、全方位を剣で薙ぎ払うってなァ、その図体じゃ出来ないだろうなァ!」
「その通りなのです。散開を。此方をまとめて切られぬように、死角から攻撃しませう」
 ヘイゼルの言葉に、仲間達は頷いた。同時、空気が激しく振動し、プラズマが空気を焼くにおいが鼻を突いた。放たれた雷撃の超高位術式が、まるで驟雨のごとく降り注ぐ!
『寄らば斬ろうか! 遠くば撃とうか!』
 トンチキが吠える! 強力無比な雷撃が、イレギュラーズ達を内に誘い込むように放たれる。
「強烈だけど、あの雷、隙間があるよ!」
 リコリスが吠える。
「まとめて打たれることはないし、避けられなくもない!
 いいわ、接近戦、乗ってやろうじゃない!」
 朱華が吠え、突撃する! トンチキは息を吸い込むと、強烈な炎のブレスを吐き出した!
「炎で! 朱華を! 止められると思うなッ!」
 強烈な火炎も、しかし炎の申し子たる朱華の身体を焼くことはない!
『やるな、ドラゴンガール! 貴様のようなメンツが四天王にいればな!』
「ごめんね! 朱華、麻雀は分かんないから!」
 軽口をたたきつつ、強烈な炎の剣をトンチキに叩き込む! 炎は骸骨の腕を焼き、その身体に傷をつける! だが、トンチキはすぐに反撃に転じた。強烈な斬撃が、薙ぎ払われるように放たれ、それを受け止めた朱華を弾き飛ばす!
「図体の割に手数が多いのね!」
「ならば、ニルが邪魔します!」
 ニルが声をあげて、手を掲げた。現れた極小の魔法陣から波のように放たれる混沌の泥! それが濁流のようにトンチキを飲み込んだ。トンチキの身体が、泥に足を止められる。
『ぬぅ!』
「四天王さんと、いっしょに、おいしい、って思いたかったです……!」
 ニルが哀しそうに言うのへ、トンチキが吠えた。
『その優しさは、いつか着様を殺すかもしれんのだぞ……!』
「でも、優しさを失ったらだめなんだよ!?
 吹きすさぶ強き風の如く悪い奴は全部纏めて吹き飛ばすよ、フォーム、チェンジ! 暴風!」
 雄斗が叫び、その身体をメタルなスーツが包み込む。鳴り響く音楽と光が、雄斗の心を鼓舞して、勇気を燃え上がらせるような気持になった。
「システム・雷霆起動!」
 放たれる、雷撃! ばぢん、と強烈な音と閃光が響き、トンチキの身体を激しく穿つ!
『ぐぅ! やるではないか……!』
 吠えるトンチキに、レイチェルが笑う。
「悪いが、そっちも大概強敵なんでな!
 全力を出させてやるつもりはない。
 雁字搦めにさせてもらう!」
 レイチェルの半身、そこに埋め込まれた術式は、さながら血のごとく緋(あか)く発光した。ぼう、と燃える魔力がレイチェルの力を強制的に加速させる。緋い魔力が、槍のごとくその形を整形させた。反攻の槍。復讐するは我にあり、と。
 放たれた槍が、トンチキの腕を縫い留める。ぬぅ、と痛みにトンチキが吠えた。ばぎり、と骨のような腕にひびが入るが、膨大な魔力、或いは魂の奔流か、生命力はすさまじく、すぐさまその日々を縫い合わせるように再生していく!
「すごい、さすがに百の魂が融合しただけのことはあるのね?
 まるで不死身のように再生するみたい」
 くすくすと笑うフルール。
「私も数は少ないけど、質では負けないくらいの融合ができるのよ?
 ほら、精霊天花・焔って言います。どう? 綺麗でしょう?」
 燃え盛るは、精霊の花。美しく天花するその姿に、さすがのトンチキも感嘆の声をあげる。
『むぅ! 貴様も禁呪……いや、違う! 何なのだその力は――』
「教えてあげたいけれど――いいえ、今は時間がありません。
 いつかどこかで、一緒になれたら――その時」
 妖しく笑うフルール、その掲げた手のひらから、放たれるは紅蓮の閃き。紅蓮・閃燬。その名のごとく、閃光は赤の光となって、トンチキを打ち貫いた!
『ぐぅ! この力は――!』
 苦しむトンチキが、しかしそれを振り払うように、腕を振るった。手にした大剣から放たれる、強烈な斬撃、巨大剣は壁が迫る様な感覚を覚えさせる!
「させませんわ!」
 ヴァレーリヤが掲げる手から、炎の壁が現出した。強烈な衝突音が鳴り響く! 炎の壁は削り取られるように飛沫を散らし、しかしギリギリのところで耐え続けた!
「長くはもちませんわ! 剣の軌道から退避を!」
 ヴァレーリヤの号令に、仲間達は飛びずさる。遅れてヴァレーリヤが退避すると、その後を追うように、強烈な斬撃が大地を抉った。
「ふふん、当たらなければなんとやら、だよ!」
 リコリスが吠える! 『( ‘ᾥ’ )ジッ…』って感じの視線をトンチキに送ると、トンチキが悲鳴を上げた。
『なんかみられてる!!!』
「これは狩人の目――逃げられないよ!」
 手にした銃から放たれた一撃が、トンチキの心臓を穿つ。硬い皮膚、そして筋肉に阻まれ、致命打には至らないにしても、強烈な一撃と衝撃が、その身体を駆け抜けていた。
『ぐぅ、敵ながら正確な狙い――!』
「ついでに、そなたの抵抗力も下げさせてもらうの」
 胡桃がコャー、と声をあげれば、蒼の雷が強烈に中空を奔る! さく裂するは、地上に咲く蒼き雷の花か。雷に絡めとられたトンチキが、たまらずその身を怯ませた。
『なんと! 我の雷にも匹敵するこの熱は――!』
「コャー。悪いけれど、短期決戦で行くの」
「あおーん! 噛みつくぞー!」
 吠えるは、二匹の獣か。精霊狐と、狩人狼。二人による攻撃は、着実にトンチキを追い詰めていく。
『ふ――ははは! 認めようぞ! やはりこの姿をとるだけの価値はあった!』
 イレギュラーズ達の猛攻をほめたたえるように、トンチキは叫んだ。
『ここまでは、貴様らの幸運だったとして! これより始まるが、真の地獄の宴ぞ――!』
 そう叫ぶのへ、セララが叫び返した!
「気をつけて! 皆! 第二形態が来るよ!」
「第二形態――! まさか!」
 ヘイゼルが乗るように叫ぶのへ、トンチキは声をあげた。
『えっ』
「あるよね、第二形態! ボスだものね! ここからさらに変化して、強くなるんだよね!」
「なるほど……故に禁呪。なんとおそろしいものでせう。さぁ、刮目して相まみえましょう。第二形態に!」
 ちらり、とトンチキに視線をやる、ヘイゼル。トンチキは困ったような声をあげた。
『あー、えー、と』
 二人の……いや、イレギュラーズ達の視線が一点に集中する。正直言えば、セララとヘイゼルの発言は単なる挑発というか、無茶ぶりというか、動揺を誘えたらワンチャン面白いなぁ、みたいなノリなのだが――トンチキは割と真面目なので、少し困っていた。
「四天王だもん。100身合体だもん。絶対あるでしょ! ね?」
 セララがわくわくした様子を見せる。
 ないよ、とは言えない。プライドが許さなかった。
 けど、特にそういう設定はない。これでも結構いっぱいいっぱいの変身だからだ。
 しばし、考えたそぶりを見せて――トンチキは、うーん、と気合を入れた。したらなんか、出るような気がした。ぐぬぬ、と唸って、一生懸命うなって、ぼぼん、となんか背中から角みたいなのが生えた。奇跡だった。ちなみに戦闘能力の変化は一切ない。
『第二形態……』
「ギガ・セララブレイク!」
 全力全開の一撃が! せっかく生えてきた角を叩ききる!
『ああっ! せっかく生やしたのに!』
 割とガチの悲鳴を上げるトンチキに、セララも流石に申し訳なさそうな顔をした。
「あ、うん、なんか……ゴメン」
『もうほんとに許さんからな!』
 轟! 吠えるトンチキ! 振るう剛腕が、セララを狙う――のを庇うように、立ちはだかったのはくすりと笑う、旅人自称者――。
「それでは少々の間ですがダンスの御相手をお願い致しますね。
 なに、ほんの死ぬ迄の間なのです」
 華麗にセララを抱きかかえて、振るわれた手を蹴って跳躍。空中でセララと分かれると、ヘイゼルがその手を振るった。赤い糸、魔力を束ねたそれが同時に多重起動し、無数の線となってトンチキをからめとった!
『むぅ! だが、この程度の魔力糸など――』
 トンチキが力を籠める! だが、その糸は決して千切れることはない!
「残念ですが――そこまでやわではありませんよ?」
 指揮棒を振るうように、ヘイゼルがその手を振り下ろした。朱い魔力糸は、さらにトンチキの身体にまとわりつき、切り裂く!
『ぐ、おおおおおお!』
 トンチキが吠える! びりびりと走る、朱き魔力の奔流!
「さて……とはいえ、相手も強大なのは事実。ここで仕留めておきたい所ですが――」
「なら、これでトドメだーっ!」
 雄斗が叫んだ。空中を華麗に舞い、放つは強烈なる弾幕! ガトリングガンより射出された銃弾が、強烈にトンチキの身体を穿ち、そして同時、マイクロミサイルが次々と着弾! 強烈な爆発と爆裂音を鳴り響かせる!
『ぐ、ぐおおっ!!』
 トンチキが悲鳴を上げた。その身体のあちこちから煙を噴き上げ、甚大なるダメージを受けたその身体は、自重を支えることもできない!
「やった!?」
 雄斗が声をあげる。だが――トンチキは、いや、『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』は、哄笑と共に立ち上がった!
『ふふ、ふはははは、ふはははははは!』
 笑う! 勝ち誇る様に!

●無限復活! 絶望の戦い!
「そんな……確かに手ごたえはあったはず……!」
「精神力で立ち上がったみたいな奴? でも、そういう感じもない……?」
 雄斗の言葉に続いたリコリスが奇妙に不思議がるのへ、『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』は、笑いながらも言葉を紡ぐ。
『我は100にして1、1にして100……100の魂が融合したが故に、我の内には100の魂があるといっても過言ではない。
 確かに、貴様らの攻撃は苛烈であった。
 確かに、我は斃れた。
 だが、斃れたのは、我が100の魂のうち一つ。多分、ル=アディンの魂よ』
 どこかから、ル=アディンの「えっ」っていう声が聞こえたような気がした。
「……なるほどです。あなたは、畢竟、100の生命を持っているようなもの。
 ああ、ああ、素敵ですね。でも、混ざり合えていない所が少し残念」
 フルールが言う。その言葉通りならば、『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』は、『100回殺さねば死なない』という事となる。
「くっ……トンチキのくせに、厄介じゃない……!」
 朱華が呻いた。『究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハ』が、笑う。
『我の魂、ドラゴンガールの炎でも容易には焼き滅ぼせぬものと思うがいい!
 クハハハハ! さて、貴様らは確かに強い。我も後数度は死ぬであろう。
 だが、そこまでだ。
 果たして残り99回……我を殺しきれるかな?
 我を殺すには、『必殺の一撃』を以て倒すしかあるまい!
 だが、貴様等にはそんな攻撃など――』
「あるよ」
 セララが言った。
『えっ』
 トンチキが声をあげた。
「あるよ! 必殺の攻撃! 当然だよね!」
「あァ、まぁ、こういう事もあろうかと、色々用意はしてあンだよな」
 レイチェルが頭をかいた。
「それで、その。あなたの奥の手みたいなのって、これで終わりですの?」
 ヴァレーリヤが少し気の毒そうに言うのへ、トンチキは頷いた。
『ええ、まぁ』
「そう……ですのね。おかわいそうに」
 心底気の毒そうな顔にチェンジした。トンチキが泣きそうな顔をした。
『こんな事ってある?』
「あー、えーと」
 ヘイゼルが少しだけ困った顔をした。
「その……止めを刺されるまでに、こっちに反撃を返せば……チャンスはあるといいませうか」
『中途半端な慰めは逆に傷つけるの!!!』
 地団太を踏むトンチキ!
「かわいそう」
 胡桃も可愛そうなものを見る目を向けた。
「ええと。そういうわけだから、わたしたちはもう容赦しないの」
 コャー、と胡桃が鳴いて見せた。トンチキが叫ぶ。
『ええい! やってやらあ! 見てろよ貴様等! もう我死なないもんね!!!』
「ええと、ニルは、ちょっと応援してます……」
 わわ、とフォローするように、ニルが言った。
「でも、手加減はできないので……ごめんなさいなのです……」
『いいよもう! 最後の勝負だ、勇者たちよ!』
 キレたトンチキが、炎のブレスをはく! 強烈なブレスは、確かにイレギュラーズ達を傷つけたが――もう終わりは視えている! その終わりは、自分たちの勝利というゴールだ。ここまで来て、倒れ、退くようなことはない!
「トンチキの足を止めて、確実に仕留めるよ!」
 リコリスの言葉に、仲間達は頷いた!
「行きますわよーっ! どっせぇぇぇぇぇぇいっ!!!」
 ヴァレーリヤが突撃する! メイスを構えての、シンプルな突撃! ヴァレーリヤのメイスがトンチキに突き刺さり、激痛にトンチキが悲鳴を上げる!
「朱華の炎、効かないかどうか試してみなさい!」
 朱華の振るう炎の剣が、冗談からトンチキの身体を切り裂いた! ぐおおお、と悲鳴を上げるトンチキ! 如何に何度でも立ち上がるといえど、ダメージ自体は蓄積し、万全の状態とは言い難いのだ。トンチキが追い込まれているという事実には、変わりはない!
「残念でしたわね、これで貴方も終わりでしてよ! 今の内に倒して下さいまし、早く!」
 ヴァレーリヤの言葉に、レイチェルは頷く。月華葬送。純白の大弓。その蔓を引き絞りながら――。
「こいつで、終いだ」
 放つ矢が、トンチキの胸に突き刺さった! それは、リコリスが抉った、胸の傷跡だった。そこから侵入した矢が肉を裂き、心臓を抉る!
『馬鹿な! 我ら100の生命が……一撃で……!!』
 吠える、トンチキ! その身体がぐずぐずと崩れ出し、重々と蒸発してとけていく。
「なるほど、無理矢理身体を繋ぎとめていたのね」
 フルールが言う。
「故に、禁呪。面白かったけれど……そこまでですね」
 そう言って、くすくすと笑った。トンチキの身体が崩れていく。崩れていく。
『くくく……見事だ、勇者たちよ』
 そう言って笑うトンチキの声は、どこか満足感に彩られていた。
『我らの奥の手……それを突破するとはな。魔王様が負けたとしても、それは仕方のない事なのかもしれない……』
「トンチキさん?」
 フルールが笑った。
「すこし無下な話なのですけれど……あなた、確かに強いんですけど……。
 正直言って、100体のまま私達を包囲した方が強かったんじゃない? 強力なスキルもそんなに数撃てないし……」
『えっ』
 と、トンチキが言った。
『そうなの?』
 と、トンチキが尋ねた。
「ええ、まぁ、正直。申し訳ありませんが、合体せずに100体でかかって来られた方がしんどかったのです><。」
 ヘイゼルがそう言った。
「でも、わかるよ。合体とか、ロマンだから。やりたいよね」
 セララがうんうんと頷く。
『あ、そこは分かってくれる?』
「うん。まぁ、その。でも、効率的じゃないけど、ロマンだからね?」
 セララがにっこりと笑うのへ、トンチキは『そんなー』って言った。
「まぁ、わたしたちは、そなた一人で四天王百体分、それだけの戦力が削れれば大金星なの」
 コャー、と胡桃が鳴いた。
「……ここに、かつて魔王を倒した勇者はおらずとも、
 それでも、いつでも、そなた達に立ち向かう者は現れるはずなの。
 そう、わたしは信じているの」
『くくく……そうなのかもしれんな……勇者、か。思えば我らは、表裏一体なのかもしれんな……』
 とけていく。トンチキが。四天王が。百の魂が。ゼロへと還る。
 気づけば、辺りは静けさを取り戻してた。合体四天王は、魔王たちにとっても一つの最終兵器であっただろう。もしあれが解き放たれていれば――一般人への被害は、計り知れなかったに違いない。
 それを、この場で倒すことができたのは――間違いなく、大きな戦果であったのだ。
「よし。これで魔王城制圧まで、あと少し、だよね?」
 雄斗の言葉に、仲間達は頷いた。
「そして、アーカーシュの踏破の完了まで、あと少し、でもあるのね」
 朱華の言う通りだ。もうすぐアーカーシュでの冒険も、ひとまずのケリがつく。
 ……だが、その影に、不穏の影はちらついていた。特務派の異常な行動は、イレギュラーズ達の耳に入っている。
 ひとまずの成果をあげつつ……だが、もう少し、戦いは続くのかもしれない。
 そんな予感を覚えながら、しかし一つの結末に、イレギュラーズ達は達成感と喜びを、確かに胸にするのであった。

成否

成功

MVP

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。
 ククク……しかし究極100身合体グレート四天王・ル=ヴェルギーズァハは四天王でも最強……。
 イレギュラーズ相手にがんばるとは、四天王の鑑よ……。

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