シナリオ詳細
覇竜のウニはちょっと怖い
オープニング
●汝、ウニを愛せよ
ウニ。うに、雲丹。
時期を外すと味が格段に落ちる、不思議な海の食材だ。
しかしながら時期を選び食べると、これ以上ない程に美味なものでもある。
何故なのか、分からない。
そしてウニは何故人の心をこれほどまでに引き付けるのか。
その可食部の少なさ故に、その貴重さ故に高くなりがちなウニ。
しかし、しかしだ。海洋でウニが高級食材であったとして。
覇竜ならばどうだろう?
まだ見ぬウニ。食べ応えのあるウニ……あるいはそれっぽい何かが存在するかもしれない。
もしそういうモンスターがいれば、倒して食べることだって出来るだろう。
ウニ丼。ウニ寿司。ウニ刺し。大体そのまま食べたほうが美味しいが、それも前提として「美味しいウニ」であるという点が不可欠だ。
そして更に大前提として、ウニが覇竜にいれば……の話だ。
普通に考えれば海の生き物であるウニが覇竜にいるはずもない。
ないが……もしかすると、いたりするのだろうか?
分からない。分からないが……いたとするなら、それはチャンスだ。
その謎を解く為、イレギュラーズたちは覇竜へと飛んだ。
●覇竜の土地にウニを見た
「ウニ? よく知っとるのう、そんなもの」
かくして、『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)の反応は大体のイレギュラーズの期待通りのものだった。
やはり覇竜にウニはいる。問題は、覇竜における「ウニ」がどんな生物かだが……。
「茶色の、短いトゲをもっとるモンスターでのう。外でいう……あれじゃな。たわしに似とるよ」
その特徴はバフンウニとも呼ばれるソレに似ているだろうか。
濃厚な味わいが特徴の、高級なウニだ。食べれば口の中に幸せが広がるソレに似ているが……。
「割って食べると非常に美味いんじゃがな。中々に危険な生物じゃよ」
やはりウニだ。外のウニとほぼ同じで間違いない。
「大きさはまあ……2mくらいかのう。動きはかなり素早いし、油断するとザックリいかれるのう」
そう、フリアノンバウンウニと呼ばれるソレは名前の通りにフリアノンの近くに生息している陸上モンスターだ。
僅かに浮遊して移動する不思議生物ではあるが、見た目は大きさを除けばバフンウニそのもの。
聞く限りでは、味も高級なバフンウニそのものだ。
しかし問題として……フリアノンバフンウニは結構凶暴で、他の生物を見つけると襲ってくる習性があるのだ。
勿論狩りにいくのであれば問題ないが、決して油断できる相手ではない。
体当たりは勿論トゲだらけなので痛いし、電撃を放つ「ウニボルト」もかなりの威力だ。
ウニに出会って凄まじい被害にあったという話も少なくはない。
ないが……イレギュラーズであれば、フリアノンバフンウニだって問題なく狩れるだろう。
草原地帯で草を食んでいるフリアノンバフンウニを欲しいだけ狩ってしまえば、フリアノンに戻りウニパーティを楽しめる。
この機会を逃す手は……ない、はずだ。
- 覇竜のウニはちょっと怖い完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年06月22日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●覇竜でウニをとろう
「ウニ! おっきいけど!! ウニ!! 美味しいって聞くけど、どうなのかなっ?」
『自在の名手』リリー・シャルラハ(p3p000955)がそう歩きながら仲間達に問いかける。
ウニ。それは海洋においても高級食材だが……此処は海ではなく大地であり覇竜だ。
そんな場所に存在していてもウニはウニ。
そんなウニ……フリアノンバフンウニを探して今歩いているのだ。
「海のウニはあんまり動き回らないけど……ここのはずいぶん元気だね……まぁだからこそ獲りがいがあるともいえるけど……陸地での漁は初めてだけどがんばるよ……」
それをしっかりと分かっているが故か、『九本足のイカ』エルラ(p3p002895)も何度も頷いていた。
「バフンウニかあ、砂漠暮らしなのであんまり詳しくないけれど、そういうモンスターが居ると風の噂で聞いた事がある。あれフリアノンにも居るんだね?」
『砂漠に燈る智恵』ロゼット=テイ(p3p004150)が視線を向けるのは『救済の視座』リスェン・マチダ(p3p010493)だ。
「フリアノン生まれフリアノン育ちです。フリアノンバフンウニは知っているのですが、食べたことはありません。いわゆる食わず嫌いというやつです」
しかしながらドラゴニアであるロゼットはフリアノンバフンウニを知っていたものの、食べた事は無いようだ。
「だって見た目が…… あれですよ。みんな美味しいとはいうものの、食べてみる気になれなくて。でもいつまでも食わず嫌いもよくないなって思って、勇気を出して来てみました」
「ウニかー、棘がじゃまくせーけどうめーんだよなーウニ。でっけーウニなら食いごたえもありそうだし、いっちょウニ狩りやっちゃうぜー! アザラシの狩りを見るがよいってな!」
『鮪導弾』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)も楽しそうにカラカラと笑うが、実際ウニはトゲだらけの殻を割って中身を食べるものだ。
……ちなみに自然界ではアザラシはウニをモリモリ食べたりするが……特にワモンとは関係ないのでさておいて。
「ウニ……それは鮮度に極端に左右されてしまう当たり外れの激しい食べ物。美味しいものと美味しくないものがあまりに極端で
美味しくないものにあたってしまえば二度とウニを食べようとは思わなくなってしまうのだとか。だが、美味しいウニは本当に美味しいのだ。狩った直後のウニならば美味しい事は間違いない、必要な分だけ狩って狩って狩りまくりウニパーティーと洒落込むのだ」
「ウニって滅多に食べれないけど濃厚で美味しいんだよね。そんな高級食材がいっぱい取れるなんて恐るべし、覇竜領域! 大きさも全然違うみたいだし、頑張って狩らないとー! そしてウニパーティーだ!」
『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)と『純白の聖乙女』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)のそんな解説通り、ウニはとれたてが美味しい。
たとえどれだけ人類の英知が発展しようとそれだけは変わらない。
漁港近くのウニが一番美味しいように、今回とったウニを食べるのが最高に美味しいのだ……!
「ついでに食事事情も改善してあげたいな。虫より美味しい物はいっぱいあるんだよ!って教えなきゃ、その為にも胃袋を掴んでいくよー!」
「そうですね! 今日はミーちゃんたち(ドラネコ)はお留守番ですけど、みんなお土産を楽しみにしていたので頑張ります!」
『ためらいには勇気を』ユーフォニー(p3p010323)はタッパー、保冷剤、小さなクーラーボックスを持参していたが、それも鮮度を保つための手段だ。
「お、どうやらアレだな」
「この形でこの大きさはちょっと苦手かもしれません…早く終わらせましょう……!」
ゲオルグとユーフォニーがそんなことを言い合うが、全員やる気満々だ。
「まずはファミリアーで偵察偵察……したいけど、他の生き物見かけると襲い掛かるんだよねっ。これはリリーが直接隠れるようにして見に行った方がいいかも」
闇の帳を発動させたリリーだが、幸いにもウニ側はリリー達を気にしていないようで、簡単に観察することが出来た。
(ふと思ったけど、連携はとってくるのかなっ? 一匹だけに姿見せたらそいつだけおびき寄せたりできないかなっ? 色々考えることはあるけどやる事はシンプル、全部の技を順番に使っての各個撃破、だよねっ。火炎だとなんか焼けて味が落ちそうだし……)
エルラもまたリリーの調査結果を待ちながら「漁」の方法を考えていく。
(どういうふうに漁をするかだけど……ギフトのおかげで地上でも泳げるから……いつもやってる素潜りでの漁と同じように出来そうだね……ウニボルトでビリビリされるのは怖いけど……備えはしてきたから感電したりはしないはず……向こうは素早いみたいだけどぼくも速さには自信があるよ……!)
「君らはご飯なので、諦めてご飯になってくれるとこの者はうれしい。諦めなくてもご飯の定めなので諦めなくても良いのだけど、結果はこれといって変わりはしないのだけれど!」
やがて準備が出来れば狩りの始まりだ。ロゼットの宣言が響き、全員がウニへと襲い掛かっていく……!
「でたな巨大ウニ! 陸地を浮かぶとはこしゃくなウニだぜ! だけどオイラもただのアザラシじゃねーってことをこのガトリングの弾でおしえてやるぜー!」
いざ戦闘となれば誰よりも速く飛び出したワモンのリコシェット・フルバーストが炸裂する。
「アザラシ式ウニ漁! ウニを狩る時に大事なポイント、それは棘の処理だぜ! ちいせえウニならともかく、大きいウニが相手の時は棘をへし折ってやらねーと危なくてしょうがないからな! そんなわけでガトリングを乱射しまくって棘を全部へし折ってやるんだぜ!」
凄まじい勢いの攻撃がウニへと襲い掛かるが、ワモンとしては下準備のつもりだ。
「あらかた棘をへし折ったら、身を包んでいる固い殻を真っ二つにしてやるんだぜ! 半端な勢いだと殻がわれねーからな、ここは思いっきり勢いをつけてドーンってな! 殻をぶち抜く勢いでぶつかって割ってやれば、美味いウニの身ゲットだぜ! これでうめーウニ丼食べ放題だぜ!」
「よし、それでいこう。なるべく一撃で決めるのだ!」
ゲオルグもそう叫んで……そうして結果としては、美味しいウニを大量にゲットしたのである。
●ウニを食べよう
「ところでどうやって殻を割ったら良いんだろう? 相賀さんに割り方を教えて貰おうかな? ちっちゃいウニならハサミでいけるんだけどね……」
「なーに、楽なもんじゃよ」
「ぼくもウニの食べれる部分を取り出すとか、そういう下準備を手伝おうかな……ほら、足が九本あるから……単純な作業なら効率よくできるよ……」
山盛りのウニ……割れていないものを前に、スティアは相賀、エルラと共にウニを割って身を取り出していく。
もうこの時点で美味しそうだが……そこから更に手を加えるのも良いものだ。
「これだけで十分そうな気もするけど何種類か用意するよ! 普段は勿体なくてできない焼きウニ! 水気をきってフライパンがわりの貝殻の上に盛り付けたら炭火でじっくりと焼くね。表面が乾いてきたら取り出して完成!」
とりたてのウニをあえて焼きウニにするという、この贅沢。まさに大漁だからこそ出来る技だろう。
「後は定番のウニ丼! 大葉を下に敷いてその上にウニを盛り付けて風味も楽しめるように。特製の出汁醤油で更に美味しさアップって感じで足りない人はスティアスペシャルバージョン(量がとっても多い)もあるよ!」
なんか凄い盛りのうに丼があるがまあ、男性陣が頑張るだろう。ワモンとか。
「あとは……隠しメニューってことでもう一品作っておくね。その名もウニの天ぷら! ウニをのりと大葉で巻いて、てんぷらの衣を軽くつけたら油であげるね。ウニがとろっとなって、衣がカリッとあがるくらいを目安に!」
これもまた贅沢なものだろう、見ただけで美味しそうだ。
「これだけで色々な種類があれば飽きることもなさそうかな? ウニ丼も好きだけど……やっぱり一番天ぷらが好きかな? 自分で言うのもなんだけど大葉と海苔がいい感じ!」
スティアのそんな調理風景を見ながら、ゲオルグも頷く。
「ウニ丼はあれで充分そうだし……私は何か違うのを作るとしようか。濃厚なウニに合いそうな料理……クリームパスタにポテトグラタン、それに厚焼き卵とかどうだろう。濃厚なウニの甘みが良いアクセントになってくれるのではなかろうか? 後はやはり、シンプルに塩焼きで食べてみるのも良さそうだ」
ウニ入りの厚焼き玉子は……これがまた、意外に濃厚で美味しいのだ。勿論、良いウニを使うのが前提だが。
ウニの濃厚さを活かす料理は、どれも素晴らしく美味しいのだが……ロゼットもスープを作るべく準備をしていた。
「さつまいも、玉ねぎとかの野菜と一緒にミルク仕立てのウニスープを作りしもの。玉ねぎは薄切り、じゃがいもは皮を剥いて切って、フライパンで炒め。火が通ったら水と調味料で味付けして、水気が飛ぶまで煮ます。具を潰してからミルクを加えます、しばらくほっといて冷やします。器に盛ります。これにウニをどーーーん。残ったサツマイモを角切りにしてどーーん。完成!!!!!」
ウニをミルクのよう、と表現する者もいるようにウニとミルクの相性も抜群だ。
ミルク仕立てのウニスープもこれもまた絶品なのは間違いないだろう。
そしてユーフォニーもとあるドラネコさんのグルメ魂に急かされるようにして調理を開始していた。
「トゲトゲに気をつけて捌いて……この大きさ、ノコギリが必要でしょうか……?「資料検索」で捌き方も調べましたがこのウニに通用するのか……」
しかしまあ、そんなユーフォニーにエルラから処理済みのウニがそっと差し出される。
「覇竜ならではのウニ料理があれば作ってみたいです……!」
「生じゃな」
「ワイルド……!」
身も蓋もない答えを受けながらも、ユーフォニーは色々と挑戦していく。
「ウニ丼、ウニ寿司、ウニ刺し、海苔を巻いて天ぷら、生クリームと合わせてパスタも……! 作れるだけ作りましょう♪ お米はブタウシ鳥の時とても美味しかったのでゴリョウさんの混沌米を。調味料も忘れずに。鮮度が第一、作るメニューが被っていればお手伝いに回りましょう!」
リスェンも負けてはいない。
「どんどんお料理していきますよ。一番相性がいいのはお米かなと思って、いいお米を持ってきました」
そう、混沌米である。
「まずは丼ものから。炊き立てほかほかのご飯に、新鮮なウニをどーんと盛ります。大葉を軽く添えれば、ウニ丼の完成です。お次にお寿司も作りますよ。練達のお寿司屋さんは確かこんな感じで作ってました。酢飯をこうやって一口大に握って海苔を巻いて、ウニをのせて、えいえいっと…… 意外とそれっぽくできた気がします。あとはおしゃれなのも欲しいですよね。というわけで、こんなのも作ってみました。ウニとアボガドのサラダ、ウニのクリームパスタです。たくさん食べてくださいね」
ウニ丼もそうなのだが、。同じ材料で作っても個性が出る。
大葉の有無もそうだし、盛り付けでも個性が出るのだ。故に、1つとして同じものは無く。
「命をいただく重みが身に染みますね……いただきます。」
「うっひょー!これだけいっぱいのウニが並ぶとよだれが出てくるな! いっただっきまーす! うめーうめー! これにイカをくわえてウニイカ丼だったらもっとさいっこーだったんだけどなー」
エルラの方をちらちら見ているワモンだが、エルラはサッと視線を逸らす。
(今日はエルラを見ながら脳内でウニイカ丼に変換して我慢するぜー!)
ウニとイカの相性も確かにいいが……まあ、ワモンの食欲は中々に旺盛だ。
あと、ウニイクラ丼も結構メジャーらしい。濃厚に濃厚をかけるので、結構好みは分かれるらしいのだが。
「初めてのウニ、いただきまーすっ。……ん、おいひい。これは確かに、ハマる人が多いのも分かるかもっ……うん、今回誰も連れてこなかったの、ちょっと後悔してるよっ……これは、いろんな人に食べてもらいたい! って思うよっ」
リリーも美味しそうに食べる中、ゲオルグも何度も頷く。
「う〜む、こうして料理が揃ってくると少し酒が飲みたくなってくるな。暑い日々が続きそうだし、こうキンキンに冷えた酒を飲むというのもなかなかに乙なのではなかろうか」
「ほれ、冷酒じゃ」
「おお、これはこれは」
相賀からキンキンに冷えた酒を受け取ったゲオルグがキュッと飲むが、口の中も酒で洗い流されウニがまた新鮮な風味となる。
「わたしも…… 食べます。んん…… んんん! 美味しいです! 濃厚で芳醇で、いつまでも余韻を感じていたくなるような。なんだか大人の味わいですね」
ちょっと食べすぎちゃいました。お腹いっぱいです……と。
そんな事をリスェンが言う頃には、用意したウニ料理はほぼ売り切れて。
旬のウニを思う存分堪能した、そんな時間を過ごせたのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
つい最近バフンウニを食べてきまして、書いてる間ウニの濃厚なお味が蘇ってきました。
ウニいいですよね、ウニ。
GMコメント
ウニを狩って食べるのがお仕事です。
ウニ狩り、ウニパーティ。重視する方にプレイングを振り分けてくださいませ。
●フリアノンバフンウニ×10
全長2mの覇竜のバフンウニ。陸上生物。
浮遊移動しており、意外に動きが素早い。
体当たり攻撃と遠距離攻撃のウニボルトを使用。
正直実力はそんなでも……。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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