シナリオ詳細
<太陽と月の祝福>Scandinavian Defense
オープニング
●夜の始まりに、星は瞬いた
眩い一等星を目指した。
――憧れた誰かの背中のような。
――大好きなひとのような。
――此方にいらっしゃいと誘うような。
何よりも眩い、一等星を目指したんだ。
「……あれ?」
星に飲まれたように世界が光に染まったと思えば、覗き込んでいる仲間たちの姿が見えた。さっきまで一緒に歩いていたはずの妹の姿はそこにはなく、「大丈夫か?」「起き上がれる?」と問う仲間たちの声をどこかぼんやりとしながら聞き、ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)は身を起こした。
すぐ近くではマルク・シリング(p3p001309)も同じように身を起こし、掌を見ている。完璧な異形と呼べるようなかたちになっていたウィリアムは、つい先程までのあれは『夢だけれど夢じゃない』と感じた。
「皆、聞いて欲しい」
ぐっと拳を握りしめたマルクが薄い唇を開く。
彼は語る。
『灰色の猫』が居たこと。
気付けば荒廃した大地に立っていたこと。
そこでは絶えず『無数の原罪の呼び声』が響いていたこと。
そうして自分たちの姿は――。
「僕も、同じ体験をした」
マルクと視線を合わせたウィリアムと頷き合う。
原因はきっと――。
「灰色の、猫を追おう」
●
救出した幻想種の人々は、一旦ノームの里で預かることになった。大樹ファルカウ付近は魔種や邪妖精、その他勢力と言った敵が多かったため、途中まで護衛を兼ねた見送りにつくイレギュラーズと先へ進むイレギュラーズたちとで別れ、そうしてまた大樹ファルカウへと戻ってきたウィリアムたちは先を急いだ。
「今頃、おとーさんとおかーさんと会えている頃かな」
フラン・ヴィラネル(p3p006816)のおかーさんの友人、アザレラおばさんは「此処まで来たらもう大丈夫だよ」と救出した幻想種の人々を連れてノームの里へ向かってくれた。
下層の茨は焼け焦げていたが、上層へと向かうに連れ茨が多くなる。それをかいくぐりながら小さく零したフランに「きっとね」をウィリアムが小さく笑った。ノームの里の女性陣は、本当に強いのだ。ウィリアムの祖母や母、妹たちは勿論のこと。眼前のフランも健やかに育ち、着実に強く――芯のある女性に育っているように思えた。背を追ってきていると思っていたのにいつの間にか並んで――ともすれば追い抜かれてしまうかもしれない。そうはならないように、とウィリアムは杖を握る手に力を籠めた。ウィリアムは『お兄ちゃん』だから。
上層へと向かうに連れ、感じるのは何とも言えない気配。
視界を占める茨は増え、陰鬱で――先に進むのが躊躇われる。
けれど、進まねばならない。何度目かの「行こう」を口にしたマルクが見逃しがないようにと目を光らせながら先を進み、フランとウィリアム、イレギュラーズたちはその後へと続く。マルクとウィリアムが見たという灰色の猫の痕跡はない。けれども居るとすれば――。
「にゃ?」
「……え?」
「これ、は――」
「猫か!」
浮遊感といったものすら無く、唐突に景色が変わった。
絡み合った茨が視界の大部分を占めるような空間は無くなり、かわりにキラキラと煌めくシャンデリアが視界に飛び込んできた。足元を這っていたはずの茨も消え去り、見えるのは大理石と美しく幾何学模様を描くタイルの艷やかな床。唐突にラッパの音が響いたかと思えば、その先にはタキシードを纏って楽器を構えた黒猫たちと燕尾服やドレスの裾をひらりと靡かせ優雅に舞う白猫たちの姿があった。
「ねぇ、あにゃた。ミィを追ってきたの?」
軽やかに鈴を転がしたような、甘い声。
白猫たちが躍り、黒猫たちが楽器を鳴らすボールルームのその先。
階段で続く幾重にも垂れ布の掛かった貴賓席には、美しい灰色の毛並みの猫がゆったりと寛いでいた。
「良い夢は見られたにゃ?」
跪く仮面をつけた猫が持つ皿から葡萄をひとつつまみ上げて美味しそうに食べ、イレギュラーズたちへと視線を向け、灰猫は「起きるなんて信じられないにゃ」と口にした。
「ずっと眠っていれば、カロン様と眠っていられたのに。もったいにゃぁい。
ミィもカロン様と一緒に寝てたいのににゃぁ」
寛ぎきった姿勢のまま、灰猫ははふっと欠伸を零し――面倒くさそうに手を振った。
「もう。燃やさないで。まったく、せっかちにゃんだから……」
「――招いたのだろう。ならば良いではないか」
「よくにゃいにゃ。ミィのくつろぎ部屋にゃ!」
ぼう、と垂れ布をひとつ燃やし、『唐突に』炎の獣が現れる。
ミィと自分のことを称した灰猫はそれが気に入らないらしいが――。
「解っているとは思うが――力を示せ」
「にゃ!? ちょっと! ミィはもっと寝てたいのにゃ!」
豹の形を取った炎の獣は、灰猫のことは気にせず階段を降りてくる。
「――其方等の力は見ておった。
我が名はプロクス。我と手合わせ願おう、イレギュラーズたちよ」
これは『試練』だ、とボールルームに降り立った炎の豹がいくつもの炎を浮かばせた。
- <太陽と月の祝福>Scandinavian Defense完了
- GM名壱花
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2022年06月28日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●三色猫と炎豹のカルテット
――手合わせ願おう。
しかし、その願いは形だけだ。
いつの世も、試練は火の粉のように降り掛かるものであるから――『炎豹』プロクスがボールルームに降り立つとともに、ぼうと浮かばせた炎がイレギュラーズへと降り注がれる。炎の礫雨は、ぎりぎり躱せる位置を計算してのものだ。危ないといち早く反応した『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)に、プロクスは「反応は良いな」と満足気に自身の身体に燃え上がる炎を揺らした。
「きらびやかで楽しい舞踏会――これが眠りの世界で、倒さねばならない魔種の手の内である事が残念でならないよ」
これまでの経験から、イレギュラーズたちにはそこが眠りの世界であることはすぐに解った。輝きを重視してカットされた大ぶりのダイヤがキラキラと美しい輝きを放つシャンデリア。そのシャンデリアが輝きを落とすボールルームもまた美しく、躍り手を気持ちよく舞わせるための美しい音楽を奏でるオーケストラ席は室内へ最もその音色を響かせるのに適した場所。あの場で音楽を奏でられたなら、さぞ気持ちが良いことであろう――。
音楽に関わるものとして、心底そう思っているのだろう。楽器を手にする猫たちを見てイズマがはあと溜息を零した。
「試練だというのなら、乗り越えてみせたのなら何を貰えるのかしら?」
「そうだな……」
褒美があるとないとではやる気が段違いよ、と『煉獄の剣』朱華(p3p010458)が啖呵を切る。プロクスはその勝ち気の強さに楽しげに口の端を持ち上げ、後方――『灰猫の円舞曲』ミィへと視線のみを送る。
「――其方等についても良い」
「ふにゃ~、まったく暑苦しいやり取りはやめてほしい、にゃ……って、はぁ?」
気だるげに尾を揺らしたミィが頭を持ち上げる。どうやらプロクスからは何も聞かされていなかったらしい。
プロクスが戦闘狂ゆえに戦いに興じたくてせっかちで、ただ眼前のイレギュラーズたちを倒すのならそれでいい。しかし、相手側に着くとあれば話は別だ。
「プロクス! あにゃた、何を言ってるのにゃ!?」
ぎょっとした様子でミィが椅子から身を乗り出す……も、面倒臭さが勝ったのだろう。ミィはすぐにぽふんと身体を預け直した。
――もう。男って何でこうも戦うのが好きなのかしら。
その点に置いて、カロンは大きく異なる。のびのびとして邑楽かで、焦る姿も見せない。ゴロゴロしている姿だって魅力的。
大げさに溜息を吐いたミィは、もう好きにして頂戴とぞんざいに段上から手を振る。プロクスがイレギュラーズ側に着くかどうかはまだ解らないし、着いたとしてもミィ自身的にはそれ程困らない。だってここは、この空間は、ミィの領域だ。ミィの一等居心地の良い空間が破られるなど、そんなことはない『はず』なのだ。そんな解りきったことのためにミィが腹を立てたり阻止しようと動いたりするのは無駄と言ってもいい。ミィはそれなりに強い怠惰の魔種で――けれど怠惰だからこそ、イレギュラーズたちにも付け入る隙を与えていることに気付きもしない。……気付いていたとしても、めんどうくささが勝っているのかもしれないが。
「お招きありがとう。と、ゆっくりと挨拶はしていられないのだけれどね」
「そうだね。僕等はノームの里に、深緑に、『おはよう』を伝えないといけないんだ」
椅子に寝そべりふあと欠伸を零したミィに『奈落の虹』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)とマルク・シリング(p3p001309)が告げた。
ノームの里の人々は朝には目を覚まし、ちゃんと一日一日をしっかり生きている人たちだ。その営みは茨の呪縛から放たれた後でも変わらない。日々の細やかな幸せを分かち合い、他の村のために何か出来ることはないかと他の幻想種が目覚めた後に出来ることを考え、長い時を生きる彼らだからこそ辛抱強く耐え、より良い未来とすべく日々を生きている。
だからイレギュラーズたちは、こんなところで足止めされている訳にはいかない。少しでも早くカロンの元へと向かい、深緑を正常の状態に戻さねばならない。
「どうでもいいにゃぁ。そんにゃことよりミィはあにゃたたちのみすぼらしさの方が気になるのにゃ」
――ぱちん☆
ミィが指を鳴らす仕草(爪をかちっと合わせただけで、実際にはパチンと音は立てれていない)をした途端、イレギュラーズたちの見た目が変わる。
「ここに合う、華やかな姿にしてあげたにゃ。感謝してくれていいのにゃ」
「あら猫さん、素敵なドレスを有難うなのだわよ。楽しい一夜にしましょうね」
「あら、素敵なドレス。良い趣味をしていますわね」
美しい白い翼をはたりと動かした『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)は夜闇のような深い紺色のドレスを摘み微笑み、暁色を持つ『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)にはいつもの司祭服にも似た白のドレス。どちらも大きくスカートが膨らんでいるが、流石は夢の世界というところか。動きに支障のない幻術のようなものだ。
イレギュラーズたちは互いの姿へと視線を向けてみる。男性は全員燕尾服――チーフやカフスといった小物にそれぞれの瞳に合わさった色が用いられている――、女性はまるでそこに花開いたかのような色とりどりなドレス姿となっていた。
(――灰猫は意地悪だ)
あの『夢の時間』を思い出してぎゅうと胸を締め付けられた『ノームの愛娘』フラン・ヴィラネル(p3p006816)は、真っ赤な薔薇のような赤いドレスの裾をぎゅうと握る。癒えきっていない胸は締め付けられるけれど、でも、大丈夫。女の子は、強いんだ。あの人が居なくたって、フランは踊れる。
「朱華の一張羅をみすぼらしいって!」
「にゃ? 赤い子は気に入らないのにゃ?」
とっても素敵なのに?
不思議そうに首を傾げたミィはぱちりぱちりと指を鳴らし(毛のせいで鳴っていない)その度に朱華のドレスは色や形を変化させた。元気で明るいオレンジ色の膝丈Aライン、湖の上澄みのような淡い水色のマーメイドライン、クリームレモン色のエンパイア。
「一張羅だにゃんてもったいないにゃ。人生、楽しまにゃくちゃにゃん」
「ちょ、ちょっと!!」
ミィが満足したのか、朱華のファッションショーはエメラルド色のフィッシュテールタイプで終わった。
「格好も決まったところだ。頓挫しちまってる試練とやらを始めねぇか?」
「うむ。そこな猫が姦しくしなければ進められたのだがな」
「……ミィのせいだけじゃないにゃ」
こちらは時間を無駄にしたくない。早くやろうと些かぴっちりとした燕尾服を纏った『波濤の盾』エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)が拳を打ち鳴らせば、ここぞとばかりにプロクスが同意を示し、これにはミィも半眼となる。大体……大体が、である。プロクスさえしゃしゃり出てこなければ黒猫と白猫で舞踏会を始めていたはずなのに、ミィの世界にプロクスが介入したことからミィの予定は崩れたのだ。
「ミィ様、わたくしとも踊って頂けるでしょうか?」
「ミィと躍りたければ、せいぜいミィをその気にさせるにゃね。ミィ、ダンスが下手な子の相手をする気はにゃいから。――音楽、始めるにゃ」
芍薬のように豪奢でありながらも愛らしい淡桃色のドレスに身を包んだ『とべないうさぎ』ネーヴェ(p3p007199)をチラと見て、ミィはツンと浅い顎を上向かせる。ミィはお姫様なのだから後にゃの、と。
ミィの合図に黒猫たちは優雅に奏でていた音楽の曲調を変え、それを合図に白猫たちはイレギュラーズたちへと向き直る。
「リズムと演奏なら俺にお任せあれ!」
指先でワン・ツー・スリーとリズムを拾ったイズマが行こうと声を掛け、『破竜剣士』蓮杖 綾姫(p3p008658)たちとともに前に出る。
「先に進む道、斬り拓かせていただきます」
「ノームの里の子は強いんだぞって魅せてくれるんでしょ? ――その言葉を信じてるわ。だから、任せたわよ」
「うん、任せて! そっちもよろしくね!」
試練に当たる仲間たちへ信を。
猫たちへ挑む仲間たちへ信を。
互いの戦いに干渉せぬよう――白猫たちとプロクスの距離を離せるよう、イレギュラーズたちは僅かに移動した。
シェームの眷属プロクスの『試し』とは、何なのか。
杖を握りしめたウィリアムは思案する。
炎の嘆きシェームに会ったことがある者たちならば、彼が『試し』と口にしてきていたことを覚えていることだろう。頭を捻る必要はない。そこに必要なのは、ただひたすらに純粋な『力』のみ――。
「そう、つまり殴り合いだー!!」
「ウィリアム先輩!?」
魔術に秀でたヴィネラル家と違い、ウィリアムの家系は半々――いや、心の流儀で言えばゴリラの家系である。拳で語り合えば友になれるってお祖父ちゃんが言ってた。
「ハハ! 元気があって好い! 其れでこそ我等が愛すべき種よ!」
炎の嘆きシェームは大樹ファルカウから生まれ、幻想種をこよなく愛している。眷属であるプロクスもまた、シェームと同じく幻想種を愛していた。だからこそシェームが『試し』続け、悪役(ヒール)に徹することで幻想種やイレギュラーズたちが強く――深緑を守りきることが叶う勇者となってくれることを望んでいる。
「さあ、全力でかかって来るのだ。その力を――勇者たらんか否かを、我に魅せてみよ!」
応じるように前へと出たのは、赤と黒。
ゆらりと揺れる炎にも似た真紅のドレスを揺らすフランと、エイヴァンが纏う燕尾の黒。
「こんにちは、プロクスさん。あたしと一曲踊ってくれる?」
「炎の豹対氷の熊ってのもまぁ、組み合わせとしちゃ悪くねぇんじゃねぇか?」
「良いだろう」
プロクスの側には、常に火の玉めいた炎の礫が浮かんでいる。
炎は幻想種たちにとっては忌避するものだ。
生活には欠かせないものだけれど、炎は森を焼く。大樹ファルカウと深き森たちと共にある幻想種たちにとって、生活に必要最低限の火以外は避けられるべきものだった。
(でも今は、赤も炎も、嫌いじゃないの)
赤色だって苦手だった。赤は炎と、血の、色だから。
「エイヴァン先輩!」
「かすり傷だ」
炎がじゅうと焼く、厭な臭い。回復はまだ、不要。怪我の度合いを瞬時に見極められるだけ、フランは皆の怪我を看てきている。
フランの赤いドレスが、炎のように揺れた。
「僕たちは必ず『試し』を乗り越えてみせるよ」
フランとエイヴァンの傍らを駆け抜けたウィリアムが肉薄し、拳に力を溜めて《フルルーンブラスター》を放つ。心のゴリラの赴くままに拳を奮った彼に、プロクスが感嘆するように目を細めた。
「怠惰の魔種により夢檻に閉ざされた深緑を、貴方は本当に在るべき姿だと思うのかい?」
ぐる、と唸るような響きがプロクスの喉に留まる。
――無論、そうだとは思っていない。
けれど炎の嘆きシェームが幻想種やイレギュラーズたちのために悪役に徹して彼等を強くしようとするのならば、それに準じるのが己の役目だとプロクスは理解している。
暗躍する魔種たちを見てきた。
眠る幻想種たちを見てきた。
命を削ることを厭わず仲間たちを救おうとする幻想種たちを見てきた。
縁もゆかりもなくとも、深緑を救わんと戦うイレギュラーズたちを見てきた。
――ノームの里の人々も、見てきた。
幾つも生み出される強大な炎の礫のひとつを、氷の拳が打ち砕く。
「ここで俺達とやり合っていていいのか?」
「其方等が案じることではない」
「それもそうだな」
「そう、時間は取らせぬ」
試練としての時間、は。
期待以上でなければ見切りをつけ、プロクスは本気を出すのだろう。
本気を出して、シェームの元へも行かせない。
プロクスに認められない程度では、シェームび『試し』を越えられる訳もない。
ここでお終いとならぬようマルクとウィリアムは力を示すべく攻撃に専念し、エイヴァンとフランはふたりが動きやすいように立ち回る。
互いの役割を果たすその動きを好いと感じてしまうからこそ、プロクスは笑った。
――ワン、ツー、スリー。
指先で音頭を取ったイズマが踊る白猫たちの前――ボールルームの中央へと飛び込み、親燕の優美な尾を追うように五人の美しき華たちもそれに続いた。
「まるで大縄跳びのようですわね」
淑やかさを剥いだ好戦的な笑みを浮かべるヴァレーリヤの言葉に、小さな笑みがいくつか。タイミングを合わせてぴょんと飛び込むだなんて幼心に戻るようだけれど、実際は優雅に舞うダンスへの乱入。それも、かなり剣呑な。
(大丈夫か、少し不安でしたけれど……)
義足になってから初めてのドレスは、本物じゃないからか羽根のように軽い。この義足(あし)が思いの外馴染んで跳ねてくれるのは先日も実証済み。これならば以前に劣らぬくらいに優雅に踊れそうと、ネーヴェは白猫の躍り手の中へと飛び込んだ。
「わたくしと踊って、いただけるでしょう?」
ぴょんと跳ねて、くるり。
ふわりと柔からにスカートを膨らませて、魅せつける。
――ねぇ、わたくしの方が上手に踊れているでしょう?
白猫たちのアーモンド型の瞳がいくつか、ネーヴェに向かう。
「こんにちは猫さん、お手を取ってもらう訳にはいかないけれど。素敵なダンスにしましょうね」
視線を集めるように白い翼を大きく広げて、優雅にふわりと微笑んで。
うさぎさんだけじゃないのよ、鳥さんだっているの。
お好きでしょうと問わずとも、ネーヴェと同様に白猫たちのいくつかの視線は華蓮へと引き寄せられている。
華蓮に視線を向けた黒猫の瞳に、鮮やかな緑が映り込む。宝石のような美しい彩にひととき動きを止めれば――細い指先から放たれる、深緑を覆った茨よりも細くて愛らしい茨がくるり、白猫の一体へと纏わりついた。稀久理媛神の加護を受けている華蓮の攻撃は『必ず中る』のだ。
「前座は邪魔なのよ!」
朱華が手にした『灼炎の剱』を大きく振るえば、炎を纏った斬撃が飛ぶ。その傍らで、綾姫は霊力纏った機剣を練り上げる。起動に時間の要するこの技は、仲間たちが接敵した白猫たちの奥、優雅期に楽器を構えて華やかに音を響かせる黒猫たちへと向けるもの。彼女を中心とした浮かび上がったその剣たちは、ミィの場所からは蓮花めいて見えたのだろうか。「あら」と美しいものに喜ぶ声が遠方の上座で上がった。
「貴女はまだ踊らなくてもいいのかしら、お姫様? シンデレラを気取るのも良いけれど、早く来ないと日付が変わって魔法が解けてしまいましてよ」
上がったその声に挑発をするように笑むのは、『主の御手は我が前にあり。煙は吹き払われ、蝋は炎の前に溶け落ちる』と聖句を唱えて炎の壁を出現させたヴァレーリヤだ。
「気が早いのにゃ。それに、ミィが望み続ける限り魔法はとけにゃいの」
「あら、迎えにきてくれない王子様を待っていらっしゃいますのね」
聖句を唱え、メイスを突き出す度に衝撃波が景気よく放たれる。祈りに準じ非暴力を掲げる司祭の姿は教会で示せばいい。――宣教師として各地で活動する以上、時に神の教えはメイスから放たれるものなのだ。
ボールルームに響き渡る音色が曲調を変えた。傷ついた白猫たちを癒す曲は踊り手の足さばきを滑らかにし、滑り込むように隠された耳障り弦を弾くような音色はイレギュラーズたちの精神に爪を立てていく。
「舞踏会の音楽もダンスも、俺の演奏と俺達の連携で塗り替えてあげるよ!」
イズマが動く度、彼から放たれる音は打楽器の音となる。発された音と同程度の大きさではないためボールルームに響き渡る訳ではないが、彼の近くにいる仲間たちには勇気と合図を送るものとなったはずだ。
「うさぎだからと侮らないでくださいね?」
か弱く見えても、存外兎は、強いものですよ。
微笑み告げるネーヴェは、ニセモノの足でステップを踏んで。
華麗に避ける度、ボールルームにふわり、花が咲く。
「皆さんのダンスもとっても素敵なのだわ。さあ、どんどん攻めていきましょう!」
次はあなたと白い指先を向けて、華蓮が慈しみ深く微笑んだ。
一体ずつ、確実に。
ボールルームの主役は猫じゃない。
イレギュラーズたちなのだと、猫たちに知らしめるように。
――――
――
「深緑の日常を取り戻すため、力を貸して欲しい。それこそが、ファルカウと森を護る力になるはずだ!」
籠めた思いを力で示しながら、マルクが言った。
炎を恐れず、フランが一歩前へ出る。彼女もまた、これがあたしの戦い方と杖を握りしめ、癒しの力を振るいながらも心を篭めて言葉を放つ。
「お願い、プロクスさん。力を貸してほしいの」
「其方等の力は十分に見させてもらった。……よかろう。この一時は、我は其方等に着こう」
「プロクスさん……!」
互いに疲弊しては、その後の『本番』が保たない。元より見限るのならば素早くと決めていたプロクスの判断は早い。燃え盛っていたプロクスの炎が少し和らぐ。それは試練の終わりを告げていた。
「皆、プロクスは僕たちに力を貸してくれるそうだ!」
「流石です、皆様!」
「此方もすぐに片をつけてしまいましょう」
黒猫たちの元へ花のようにドレスを広げて飛び込んでいたネーヴェが快哉を唱え、綾姫が黒を翻しながら白猫を雷撃で穿つ。
プロクスがイレギュラーズに味方すると決めれば、面倒くさいとゴロゴロしているミィも怠けていられなくなる。残りの黒猫と白猫も早急に片をつけねば――と猫たちを相手取るイレギュラーズたちの前に、ごうと炎が渦巻き猫たちを焼いていく。炎に呑まれた猫たちはイレギュラーズたちが攻撃を与えた猫のみで、意図的に残している猫は何か意図があってのことだろうと炎は及ばなかった。
「手下に気を取られすぎるな、或れが来るぞ」
マルクとフランがプロクスの試練で負った傷を回復して整えてはいるが、魔種・ミィは四名で凌げる相手ではない。
「助太刀、感謝いたしますわ」
「ようやくあの猫が引き摺り下ろせるってわけね!」
「行こう、皆。息を合わせられる俺たちならば、負けはしないよ」
プロクスが大きく削った猫たちへヴァレーリヤと朱華が最後の一撃を与えると、イレギュラーズたちは段上へと視線を向ける。ミィは椅子の上で寝起きのように、うーんっと大きく伸びをするところだった。
「そういう訳である、ミィ。我はこの者等を勇者と認めた」
「……もう。どうしてあにゃたってばそんにゃに暑苦しいのかしら」
傍に控えていた猫に手を預けたミィが椅子から降り、階下を一瞥。
ペリドットの瞳に一瞬だけ、イレギュラーズたちが息を飲むほどの殺意を篭めた。
ふあ、と欠伸を零せば、それもすぐに消え失せる。
「あ~あ、しかたにゃいわねぇ」
気怠げな声はどこまでも甘く。
ダンスパートナーに手を預けたミィが、ゆっくりと階段を降りてくる。
ダンスの本番は、これからだ――。
●夜明けを告げるコンチェルト
ミィがボールルームに降り立つと、ミィよりもイズマよりも素早く、プロクスがミィのダンスパートナーの雄猫の首を咥えて放り投げた。「あっ、ちょっと!」とミィが怒ったような声を上げるも、その時には既にプロクスは放り投げて転がした雄猫の元へと向かい「そちらは任せたぞ、勇者たちよ」と声を投げてよこすだけだった。
呆れたような顔は一瞬、すぐにミィは微笑んで。
――そうして舞踏会の本番は始まった。
淑やかな礼も、ダンスへ誘う合図も、正しいマナーもない。
気まぐれに音楽が始まって、白猫とともにミィが気まぐれに躍り始める。
「……ぐっ、」
綻ぶ花のように優雅に、羽根のように軽やかに動くのに、その爪はエイヴァンの熱い装甲を容易に切り裂いた。否、エイヴァンだからこそ、それだけで済んだのだろう。膝を着くには至らず、けれどしっかりとミィへと『お返し』もするものだから、ミィは「あら」と楽しげに笑った。
「カロン様ほどではにゃいけれど、あにゃたも素敵ね」
「そりゃどうも」
種は違っても、美女からの素直な称賛は悪い気はしない。
「よそ見している暇があるのかな」
「あら、余裕よ」
雲の掛かった月が如き攻撃を放ったイズマは彼女に触れると同時に走った痛みに眉を寄せ、その表情に「美しいバラにはトゲがあるでしょう?」とミィが微笑む。
「トゲがあるなら、ハサミで切り落としてやるわっ」
決戦に向けてファルカウの上層へと上がってきたイレギュラーズたちは、如何なる敵に遭遇してもいいように装備も持ち物も整えてきている。こんなこともあろうかとと笑った朱華が、灼熱が如き真紅の瞳を掲げた。
それは、魔物『神獣種エディスティア』のモノとされる一品。向けられた『赫焉瞳』に、自身の異変を感じたのだろう。ミィが小さく息を呑む。
「漸くね。――朱華は今からアンタを殴るわ」
好戦的な笑みで宣言し、灼炎の剱を振るう。赤い炎は黒く染まり、竜の顎(あぎと)が如くミィへと食らいつく。間髪開けずにネーヴェが放った雷撃を躱したところへ綾姫も雷撃を放った。
白猫と黒猫はミィを守るように動く。イレギュラーズたちは数で勝っているため白猫はミィをかばうことを主軸として動き、黒猫はミィの回復とイレギュラーズたちへの攻撃を担った。
ミィも数を減らそうと思ったのだろう。ボールルーム内に居るイレギュラーズたちの間をするりと縫うように移動する舞は、美しくもイレギュラーズたちの肉と精神を削るもの。鋭い攻撃は、一度に幾重にも。ほんの少し前までは怠惰に転がっていたミィだったが、狩りをする猫としての本性を垣間見た気にさせられる。
回復の扱えるフランとマルク、ウィリアム、イズマが仲間を鼓舞して背中を押す。怪我をしても大丈夫、サポートするねと温かな力が力強く伝えてくれていた。
特に、フランの支えは大きい。それに気づかぬミィではなく、ふたつ目の赫焉瞳をエイヴァンが使う頃、ミィが動いた。
「ねぇ、あにゃた。ここは素敵でしょう? ずっと夢を見ていたいと思わにゃい?」
間近で落とされる囁きは、甘い誘い。
眼を見張るほどに早く、ミィはフランの眼前にあった。
甘い香りに目がくらみ、それもいいかも、なんて心が蕩けそうになる。
美しいシャンデリアの煌めきに照らされるボールルームは美しくて、現実にあるような醜さも苦しさも、此処にはない。皆が綺麗に着飾って、美しくドレスや燕尾を翻す。それはきっと誰かにとっては幸せで――けれどそれは、フランにとっての幸せではない。
「あたしはこの夢に堕ちない」
『好きな人の好きな人』になれなくたって『好きな人の敵』にはなりたくないの!
いつだって輝かしい一等星は胸の奥で輝いている。
暗ければ暗いほど強く明かりを放って、フランを導いてくれている。
「そ。ざぁんねん」
時間が止まったかのように思えるけれど、本当に瞬きするほどの一瞬。
視界の端で、振り返ったイズマと華蓮が動くのが見えた。
されど、間に合わない。
「っ!?」
「――フラン!」
和毛に覆われた手が柔らかに頬を撫で、素早く伸びた爪が仲間たちへの福音を紡ぐフランの喉を切り裂いた。溢れ出す鮮血を咄嗟に両手で押さえたフランの手からカランと杖が落ち、苦しげに眉を顰めて膝を付く。すぐさまマルクが福音を紡ぎ、杖を握り直したフランも福音を紡いだ。
(大丈夫、いけるよ)
案じる視線には、意思の籠もった視線で応えて。
回復手は、最後まで立っていなくてはならない。
仲間を支えるため常に最善の優先順位を選び、心を強く持って、皆の背中を守るのだ。
ぐっと足に力を入れて立ち上がったフランを気にする視線はない。攻撃に専念する仲間たちは皆、フランを信頼してとうに背を向け、一瞬で元の位置に戻ったミィの元へと力と得物とを向けている。
――――
――
みっつ目の赫焉瞳をネーヴェが掲げた。ミィをかばっていた白猫は巻き込んで倒した頃には、ミィにもイレギュラーズたちにも隠しきれない疲れの色があった。
誰もが悟る。どちらが倒れるにしても、『もうすぐ』だ。
勿論、イレギュラーズもミィも、自分が倒れるなど露ほどにも思ってはいない。
「ミィさん、そろそろ楽しい一夜を終わりの時間なのだわ」
「私もラストダンスのお相手に私も混ぜてくださいな?」
華蓮を指先を向け、ヴァレーリヤが危険を承知で、どっせえーーい!!! と飛び込む。「んもうっ」と上がる声は本当に苛立たしげで、増えた猫たちを《励起・黒蓮》で分断していた綾姫も今が好機とウィリアムとともに続いた。
「もう夜明けを迎える時間だよ。舞踏会は、お終いにしよう」
マルクが清められた水を口にして、夜明けのような眩さを纏う。
もう、舞踏会はおしまい。ガラスの靴を脱いで、ガラスのような夢から抜け出さないといけない時間がやってくる。
「最初はイラっと来たけどアンタのドレスのセンスは……まぁ、悪くなかったわよ」
眩い光の中に消えていかんとするミィの影に朱華が最後の言葉を投げかけて、マルクが放った夜闇を切り裂くような閃光の熱波はミィを焼き尽くした。
「お前さんはこれからどうするんだ?」
ちゃっかりとミィのパートナーを倒し、倒した後はそれ以上は手を貸さない構えで観戦していたプロクスにエイヴァンが尋ねた。
ミィの眠りの世界がキラキラと夢の残滓をきらめかせながらホロホロとほどけるように解け、イレギュラーズたちの周りの景色や服装は元の状態へと戻っていく。其れを見てイレギュラーズたちは、眠り自体に落ちていたわけではなく『起きた状態で夢を見ていた』のだ、と知った。ファルカウ上層はカロンの権能を強く反映しているため、眠りの世界が現実に反映されていたのだ。
「せっかく友になれたんだから、またどこかで会えると嬉しいね」
エイヴァンに「さぁて」とのらりと応えたプロクスだったが、ウィリアムの言葉に「友?」と目を寸の間瞬かせる。
「え、何? 確かに夕暮れの河川敷ではなかったけど、殴り(かたり)合ったから友達でしょ僕達」
アーモンドからマカデミアナッツのようになった瞳へウィリアムもきょとんと返すと、フハッとプロクスが吹き出した。
「ハハ、違いない。ならば――我が消えていなければ、また会おう」
シェームの眷属であるプロクスが、シェームが居なくなってもこの地に残れるか否かは、彼自身にも解らぬことだ。若しくは好きに動いたことを咎められてシェーム自身の手で屠られる可能性とてある。
それでもプロクスは良いと思い、手を貸した。彼等の道行きを密かに見守っていた炎豹はこの者たちならばと思ったからこそ、彼等が此処で潰えぬようにしたかったのだ。
「ではな、我が認めた勇者たちよ。其方等が深緑に朝を呼ぶことを祈っている」
とんと軽く地を蹴ったプロクスは、彼方へと消えた。
「案外あっさり行っちゃったわね」
「もう見えなくなってしまいましたわ」
「うさぎよりも高く跳ねてましたね」
「大きな猫さんだからでしょうか?」
顔を見合わせた少女たちが、緊張が程よく解けた顔でくすりと笑い合う。
「あたしたちも、いこう」
皆大きく疲弊してしまったから、ひとまずの回復は大きな傷のみを。
イレギュラーズたちはこの先もまだ、戦わねばならない。
必ずや冠位魔種カロンを倒し、深緑全てに朝を呼び込もう。
ほら、目覚めの時間はすぐそこに。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
皆さん、対策バッチリでしたね。
特殊抵抗を下げる動きもとても良かったです。
プロクスはどうなるのかは、きっとシェーム次第です。
お疲れさまでした、イレギュラーズ。
GMコメント
ごきげんよう、壱花です。
大詰めまで参りました。深き恵みの森を取り戻しましょう。
●成功条件
『灰猫の円舞曲』ミィの撃破
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●フィールド
大樹ファルカウ(上層)での戦闘となります。
本来ならば茨だらけの広々とした空間に祭壇がある場所なるのですが、カロンの権能により『眠りの世界』を強く反映するため、時間経過でころころと姿を変えています。
PCたちはミィが作り出した眠りの世界に招待されています。
そこは、猫たちの舞踏会。黒猫のオーケストラたちが音楽を奏で、仮面をつけた白猫たちが踊るボールルームが戦いの舞台となります。
そこで魔種ミィと大樹の嘆きプロクスとの戦闘になります。彼らは一応協力関係にあります。
最初はミィは高みの見物をしているので、黒猫・白猫・プロクスとの戦闘になります。黒猫・白猫が1/3以下になるorプロクスが裏切ると「仕方にゃいにゃ。これもカロン様のためにゃぁ」と『パートナー』とともにボールルーム(戦場)へ降りてきます。
特に関係はありませんが……「みすぼらしいにゃぁ~華やかさが足りないのにゃ~」と、ミィが眠りの世界の力でPCたちの服装をドレスコードに見合うものに変えています。これは見た目だけなので、装備等は普段どおりです。見た目だけとは言えドレスなんて! 燕尾服なんて! と強く念じればいつもどおりの服装になります。
●『灰猫の円舞曲』ミィ
カロン配下、怠惰の魔種。グローツラング(前回の敵)の上司。
美しい花のドレスを纏うアッシュグレーの毛並みの美猫(二足歩行)です。彼女が作り出した世界で寛いでいます。滅多に怒りません。怒るのって疲れるし、猫は気まぐれなので怒りも長続きしません。BS耐性も高いです。のんびりと寛げなくなるので。
プロクスの協力を仰げたとしても強いです。複数のドレスアップした猫たちからなる、空間全域へのBS攻撃やミィのサポートをする『黒猫のオーケストラ』・近接戦闘向きの躍り手『白猫のマスカレード』たちを従えており、それらは消してもミィが任意で再生できますが、一度消えてしまうと暫くの間は各1体ずつまでになります。ミィ以外の猫たちは生き物ではありません。
ミィ自身は怠惰なので、最初は自らボールルームに降り立ちません。黒猫と白猫たちがかたを付けてくれるのを高みの見物していたいにゃん。
ミィがボールルームに降り立つ際は『ダンスパートナー』がともに戦います。ミィの理想を模しているのでカロンに似た顔をしていますが、カロンではありません。プロクスの協力を仰げていた場合、ダンスパートナーはプロクスが対処してくれます。
ミィの半径10m以内には【魅了】の香気が常に漂っており、近づけば抵抗判定が都度入ります。その他の攻撃は、無力化することや跳ね返すことに長けているようです。
最初から場に居る猫たち
・『黒猫のオーケストラ』×4体
楽器を手にした黒猫たち。ミィよりのボールルーム際、後衛。
【無策】【Mアタック】【停滞】等の空間全域への攻撃、回復等や【棘】等のサポート
・『白猫のマスカレード』×4体
仮面を装着した白猫たち。黒猫たちへ近寄らせない、前衛。
【復讐200】【呪い】【Mアタック】等の攻撃、連撃が得意
●『炎豹』プロクス
大樹の嘆きオルド種『炎の嘆き』シェームの眷属の炎の豹(四足歩行)。
今までの戦闘を密かにずっと見ていました。此度は自ら『試し』に姿を現します。
イレギュラーズたちが彼の望む水準の強さを示せるのならば、彼はイレギュラーズたちの味方をするかもしれません。けれど彼の眼鏡に適わないor機嫌を損ねれば、全力で倒しに来ます。(求められなければ、眼鏡に適ったとしても協力状態にはなりません。)戦いの中では、強さと戦う楽しさを重視しているようです。
攻撃は、一例ですが【窒息】【炎獄】【呪縛】等のBS攻撃を所持しているようです。
プロクスが協力状態となった場合は、ミィのダンスパートナーの相手をしてくれます。ミィと引き離しさえすればプロクスひとりで互角にやりあえます。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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