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シナリオ詳細

<チェチェロの夢へ>島裂く影

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<チェチェロの夢へ>島裂く影
 鉄帝国南部上空、浮遊島『アーカーシュ』。
 眉唾物の伝承の地であったここは、イレギュラーズ達の調査の尽力のお陰もあり、色々な物、事……様々なるものが解明されてきている。
 美味しそうな食べ物や植物、地上では見覚えの無い動植物や遺跡、宝石……等々。
 イレギュラーズ達が持ち帰ってきてくれた新種の発見物は、レリッカ村にも共有され……段々とアーカーシュの全貌は解明されつつある。
 ただ、そんなアーカーシュの島の外には、まだまだ未探索の地が多い。
 陸続きのこのアーカーシュの中にも多くの未探索地域はあるが、それに加えて最近ホットになりつつあるのは、この島からまるで零れ落ちたかの様な大小様々な岩礁地帯。
 飛ぶ手段を持たないアーカーシュの村人達からすれば、移動する事が出来ない場所故に調査すること自体が難しいその地帯。
 ただ……イレギュラーズ達が狩る飛行亜種があれば、浮遊する島々に軽々と飛んでいく事が出来る。
 そんなレリッカ村に創設された拠点より、続々と飛び立つイレギュラーズ。
 イレギュラーズ達を見送りつつ……レリッカ村の村人達は『新たなる発見』を心待ちにしているのであった。


「いや、度々皆様には御世話になりっぱなしで申し訳ない。ですが……まだまだ未探索の地が多くてね……また、頼まれてくれるるかな?」
 唯一の村『レリッカ』の村長パフは、今日も柔和な笑みを浮かべてイレギュラーズ達に挨拶をする。
 そして彼が指を差したのは、西の方角……そちらの方角には、浮かぶ岩礁地帯が見える。
「あの方向には、多くの浮遊する岩が密集している岩礁地帯があるんですがね……ここに小規模な遺跡がある様なんですよ」
「元々は一つの遺跡だった様ですが、あの様に岩礁地帯に何故かなってしまい、遺跡も分断されているという様な状況の様でね。もしかしたら、この遺跡の中には、今迄発見される事無く潜んでいた何か、があるのかもしれないと思って。そこで、皆さんに調査を……という訳なのです」
「全く情報が無い岩礁地帯ですから、どのような危険があるかも分からない。とは言えそう言った所であるからこそ、素晴らしい発見があるかもしれないですし……飛竜を狩る皆様なら朝飯前でしょう? という訳で……まぁ、宜しく頼むよ!」
 快活な笑みと共に、パフは君達にニッ、と笑みを浮かべるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼も、浮遊島『アーカーシュ』から離れた外周に浮かぶ岩礁地帯の調査です。

 ●成功条件
  『アーカーシュ』外周の岩礁地帯の遺跡地帯を探索する依頼です。
  当然ながら立ちはだかる古代獣らの敵を倒さないことには探索出来ませんので、それらの退治も必要です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  『アーカーシュ』のレリッカ村から西に3時間程にある、ちょっと大きめの岩がふわふわと浮かんでいる岩礁地帯が今回の舞台です。
  元々遺跡だったのが分解してしまった様な状況で、岩礁の横から遺跡の気配が見えます。
  そんな遺跡の中には、巨大な身体の『ギガレックス』(巨蜥蜴鶏)が棲みついており、足を踏み入れた者を食い殺そうとしてきます。
  そんな古代獣を倒した上で、遺跡の中の探索を行う事になります。

 ●討伐目標
  古代獣『ギガレックス』(巨蜥蜴鶏)
    遺跡の中で息を潜め、獲物が来たら食い殺す凶暴な古代獣です。
    10メートルほどの巨大な鶏の様な姿の怪物で、攻撃力が極めて高く、その通常攻撃(爪・嘴)に猛毒が常に付与されています。
    又、体力も高く非常にタフな相手なので、コイツ等を倒すのも結構骨が折れる仕事になるでしょう

  セレストアームズ(天空騎兵)『機関銃』タイプ
    遺跡の中の壁に埋め込まれるように、機関銃を撃ち放つ古代兵器が存在します。
    壁に埋め込まれた施設の様な感じですが、古代獣と連動し、遺跡に入ってきた、敵と認めた相手を銃撃して攻撃為てきます。
    動く事は無いので攻撃回避は出来ませんが、耐久力は高い様です。
    特にその攻撃にバッドさウテータアスが付与される……という事も無い様です。

 ●特殊ルール『新発見命名権』
  浮遊島アーカーシュシナリオ<Celeste et>では、新たな動植物、森や湖に遺跡、魔物等を発見出来ることがあります。
  発見者には『命名権』があたえられます。
   ※命名は公序良俗等の観点からマスタリングされる場合があります。
  特に名前を決めない場合は、発見者にちなんだ名が冠されます。
   ※ユリーカ草、リーヌシュカの実など。
  命名権は放棄してもかまいません。
   ※放棄した場合には、何も起りません。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <チェチェロの夢へ>島裂く影完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年06月14日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
雨紅(p3p008287)
愛星
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
刻見 雲雀(p3p010272)
最果てに至る邪眼
ヴュルガー(p3p010434)
フラッチェ

リプレイ

●島と遺跡
 鉄帝国南部上空に拡がる浮遊島『アーカーシュ』。
 古来眉唾物の伝承だったものが、実際に発見されるやいなや、種々の新種生物やら動植物が眠りし島である、とイレギュラーズ達が解明していく。
 そして今日も又、多くのイレギュラーズ達がこの島へと飛び、散らばり、新たなる発見と共に帰り行く。
 ……そんな様々な新種情報が飛び交う『レリッカ村』で、新たなる島の探索依頼を受けたイレギュラーズ達。
「ふむ……浮かぶ岩礁ですか」
 と、村長パフより話を聞いた『刑天(シンティエン)』雨紅(p3p008287)が軽く頷く。
 このアーカーシュの島は大きな島ではあるが、その島から少し離れた所には、まるで岩がぶつかり弾け飛んだがの如く、粉々になった岩礁地帯が点在する。
 ここ、レリッカ村からもその影は眺めることが出来るし……その数も多い。
「この様な光景、見慣れない私にとっては、どこか魅力敵ではありますが……見て見たかったですね。バラバラになる前の遺跡も」
 ぽつりと零す雨紅に、『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)も大きく頷き。
「全くだよ。分断された遺跡か……残念だ。可能なら、元の姿を見てみたかったところ。でもまぁ、こうやって形あるものが失われるのもまた歴史だからね。今はこれ以上遺跡を破壊しないように、調査を行おうじゃないか」
 大きく手を広げるゼフィラに、『フラッチェ』ヴュルガー(p3p010434)も。
「ええ……そうですね。本当、未知の場所に飛び込むというのは、私のような戦士にとっては高揚する任務です。とは言え『あの辺り』とは具体的にどの辺りなのでしょうか? 村長、もう少し具体的に教えてくれませんか?」
 ヴュルガーはそう村長に問い掛けると、パフは勿論ですとも、と細かい場所の説明をヴュルガーに始める。
 そうヴュルガーに詳細な位置を聞いて貰いつつ、『狐です』長月・イナリ(p3p008096)は情報を纏めながら。
「……出てくるのは、巨大な鶏の様な古代獣と……まるで遺跡の防衛機構の様な古代ロボット、と……本当、ロマンの塊の様な依頼だわね」
 流石に苦笑を浮かべるイナリに、『悠遠の放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が。
「ああ。巨大な鶏に古代兵器にと、全く空島アーカーシュは訳わかんなくて、面白いのに溢れているぜ」
 肩を竦めるバクルド……そこに『最果てに至る邪眼』刻見 雲雀(p3p010272)が。
「飛竜と古代獣を果たして一緒にしていいのかな、というのは疑問に思わなくもないんだけど、ね……まぁ凶暴な何が眠って居るにしろ、早めに掘り出して保管なり何なりする方が良いよね。中々骨が折れそうだけど」
 と肩を竦める。
 そして、それに『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)も、今迄のこのアーカーシュの調査探索を思い返しながら。
「そうね。精霊と古代獣、精霊と機械兵器、機械兵器と古代獣……色んな組み合わせがあるのね。地上では、精霊は各々の性質に則った気性で好き勝手しているものだけど、アーカーシュでは何かしらの契約があって、役割を得ているみたい」
 彼女の思慮に、確かに……と考える仲間達。
 その中で『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が。
「確かに古代獣もセレストアームズも、ただ生きていたり、何か役目があってそこに在るだけなんだろうな」
「ええ……機械兵器は今回、遺跡の守護という役割があるのでしょうけど……古代獣には何の役割があるのでしょうね? 色々と探索した結果、遺跡を守っているものが多いのだけど、なんか普通の動物みたいに生きているものも、一杯いるっぽいのよね」
「そうだね。ただ単純にそこに居たから……というケースも多いみたいだ。とは言え調査の邪魔をされるなら、全て倒さないと。俺たちはこの地を知りたいんだ」
 とイズマが一際力強く言うと、それにゼフィラとバクルドが。
「ふふっ……そうだね。この島はいい、この手の冒険に満ちあふれている……くくくっ。今回の冒険はどんな発見があるのか、今から愉しみだよ」
「ああ。そんな奴らがいちゃぁおちおち探索も出来やしねえから、ちゃっちゃとぶっ倒さないとな」
 そんな仲間達の気合いに、雨紅、イナリも。
「ええ。何か一つ、この古代遺跡の『何か』が分かるかもしれません。その為の安全確保の為にも、古代獣には退いて頂きましょう」
「そうね。よーし、頑張って依頼を遂行するわよ!」
 そんな元気一杯気合い十分な仲間達。
 ……そしてヴュルガーも村長から詳しい情報のヒアリングを終えて。
「お待たせしました。それでは向かいましょう……私に付いてきて下さい」
 と仲間達を先導し、飛竜を駆るのであった。

●古代に眠る
 そして、イレギュラーズ達は村から数時間掛けて、島の周りにふわふわと浮かぶ岩礁地帯へと辿り着く。
 岩が浮かんでいる……という光景に不思議な気持ちを抱くものの、取りあえずめについた一つ目の島に降り立つと。
「さて、それでは、探索を開始すると致しましょうか」
 と雨紅はぐるりと周りを眺める。
 ……その視界に入るのは、分断されたと思しき遺跡の断面。
「……うん。ここで間違いは無さそうね」
「ええ……見渡す限り、かなり多い様です。元々は、相応に大きな遺跡であった様ですね」
 フルールの言葉に頷く雨紅、そしてヴュルガーは先程聞いておいた情報を元に。
「正直な所、村の方もこの遺跡の全容は良く分からない様です。分裂したのも、彼らは知らないとの事ですしね」
「そうか……まぁ、跳ぶ手段を持って居なかったのなら、未調査なのもしょうがないか」
「そうね。取りあえず、入口と思しきものがある島を探しましょう。分裂したとしても、最初の島から遺跡の全容を解き明かしていくのが常套手段だと思うわ」
 イズマにイナリが促し、そしてイレギュラーズ達は再度飛竜を駆り、島を転々と巡る。
 そして……遺跡の入口のような所がある島を探し出す。
「んー……どうだろう? ここ入口っぽいけど」
 とゼフィラが仲間達を手招きし、その入口の周囲を確認。
 地下へと続くように下り行く坂道と、この岩礁地帯においては中々に大きな島の一塊。
「うん……そうだね。この遺跡群を構成する中では結構大きな島の様だし、ここから探索を始めるとしよう」
「ああ、了解」
 雲雀にバクルドが頷き、そしてイレギュラーズ達はその遺跡の中へ潜り行く。
 灯りを付けつつ、左右の壁を確認したり、前方から何か物音がしないか……を常にチェック。
 勿論分断されている故か、遺跡の中と言えども風が通り抜けていくのだが……その風に乗って。
『……グルゥ……』
 ほんの僅かに聞こえる、何かの唸り声。
「ん……」
 その声に気付いたフルールが足を止めると、後ろのイズマが。
「大丈夫? 何か聞こえた?」
「ええ……恐らく古代獣でしょう」
 こくりと頷く。
 それにバクルドが。
「りょーかい。しかし……この遺跡は元々何の為に作られたんだろうな?」
 敢えて気楽な声を吐いて仲間達の緊張を解しつつも、率直な疑問を呈する。
 浮遊島にある遺跡……そしてそれが分解しているという状態は、何とも奇妙。
 それにフルールが。
「ええ……確かに不思議な所です。それに古代獣と機械兵器が棲みついている様ですし……幸い機械兵器は動かないから、古代獣と引き離す事は出来そうだけど……古代獣がそれを理解して離れない……とかになると面倒ね。そこは気をつけるしか無いですね」
「そうだな。っま、大船にのった気持ちでいればいいさ。探索の方はからっきしだが、的の気配察知の方なら任せておけ」
 笑みを浮かべるバクルド、そしてヴュルガーも。
「そうですね。彼らがいることが分かって居るのなら、如何様にも対処する事を考えておく事が出来ます。注意して進みましょう」
 と良い、仲間達を守るべく前に出て、更に前進していく。
 更に、小一時間程が経過した頃。
『ウウゥ……グゥゥゥ……』
 聞こえてくる獰猛なる唸り声は一際大きくなり、敵の影が近い事を明らかにする。
 勿論イレギュラーズ側も、そんな声の具合で警戒心を更に高め……注意深く進んで行く。
 ……そして。
『グガルゥウゥ!!』
 獰猛な獣の影が、闇の中から突如姿を表し、イレギュラーズに襲い掛かる。
 咄嗟にその攻撃を回避するバクルドとヴュルガーだが……更に二人の足元に向けて、機関銃の銃声が鳴り響き、足元を砂埃に包む。
「ギリギリ回避成功、っと……という訳で、登場の様だよ」
 そう雲雀が後方の仲間達に笑いながら告げる。
 一方の古代獣らは、遺跡へと足を踏み入れたイレギュラーズ達を排除せんと、古代獣はその場で大きく暴れ回り、爪と嘴をイレギュラーズ達に突き立ててくる。
 その一撃を食らうと……傷痕が強く痛み、身を蝕む毒であると言うのは、容易に気付く事だろう。
「中々痛い一撃の様ですね……ですが、こちらもそう易々とやられる訳には参りません」
 と雨紅は告げると共に、己の判断力を高めた上で、その敵の動きを見定めながら蒼き捨て石の一閃を古代獣に叩きつける。
 その一閃を喰らい古代獣はギャウゥ、と悲鳴を上げるが、すぐに体制を取り戻し、一層怒りの咆哮を上げてイレギュラーズ達を睨み据える。
「ほら、喰えるものなら喰ってみな? 俺は美味しくないと思うが」
 そんな獣の本能に向けてイズマが冷たい蒼き一撃で敵の怒りを引き出してターゲットを自分へと向けさせる。
 そして注意が向いた所でイズマがその場から離脱するような動きを行い、古代獣を引き連れて移動させる。
 ……だが、そんな古代獣を援護するかの如く、壁の機関銃、セレストアームズは砲門を開き、イズマの後方を集中砲火。
「ほう……この鶏と連携しているって言う事か。という事は、遺跡とこいつとで関係があるのか?」
「無い事は無いだろうね。まぁこっちはセレストアームズを先に倒すとしよう! さぁ、皆頼むよ」
 バクルドの言葉に笑いつつ、ゼフィラは己の回復効果を強化し、囮役となるイズマの回復支援。
 その一方でフルールとイナリの後衛二人は、セレストアームズに向けて遠距離から紅蓮の一閃と高速移動で砲門を弾き飛ばす一閃を続けて繰り出す。
 更に雲雀の重圧の檻と、ヴュルガーの鋭い遠距離の一閃が、更にセレストアームズ一体に集中砲火を仕掛ける事で、まずは一機を完全に破壊する。
「んじゃ、セレストアームズの破壊は早めに頼むぜ? イズマ、加勢するぜ」
 そしてバクルドは一人、イズマのサポートに回り古代獣ギガレックスに鋼の雨を降らせ、その体勢に不利を誘う。
 そうイレギュラーズ達が二手に別れた結果、古代獣はセレストアームズを攻撃するのを妨害する事が出来無い……むしろ、目の前のイズマとバクルドを殺すべくに全身全霊を注いでいる。
 勿論、二人が倒れれば大きく事態は変わりかねない……だから、ゼフィラが回復に傾注する事で、決して仲間達を倒れさせないように素早く立ち回る。
 そんなイレギュラーズ達の二面作戦で以て、先ず優先するはセレストアームズの破壊。
「機械自体は動きませんから、狙いやすくて良いですね」
「ははは……確かにな」
 雨紅に雲雀が笑う。
 ……そして回避行動が取れないセレストアームズの攻撃をかいくぐりながら、確実に砲門に攻撃を行い……弾を撃ち出せないようにした上で稼働停止まで確実に攻撃を重ねていく。
 通路に十台ほど配置されていたセレストアームズは、一機ずつ稼働を停止していき……十数分の程で、ここにあるものは全て稼働を停止する。
「うん……これで大丈夫。後は古代獣のみよ」
 とイナリの号令一下、一斉に攻撃のターゲットは古代獣へ。
 鶏と蜥蜴が混ざったような、珍妙な姿形にフルールが。
「これは鶏なのか、爬虫類なのか……わからないですね、この子」
 と零す。
 ……とは言えこの様な危険な獣を万が一にも生き残らせておく訳には行かない。
「さぁ……申し訳ありませんが、ここで確実に仕留めさせていただきます」
 と雨紅は告げると共に、強烈な音速の一閃を叩きつける。
 その一閃に半身に大きな傷がつき、轟く悲鳴の如き叫びを上げる古代獣。
「泣き喚いても、容赦は出来ません! さぁ……これも喰らって下さい!」
 更にヴュルガーの、空気の刃がズサリ、とその傷痕をなぞり、辛うじて残っていた敵の半身は一刀両断。
 ……半身失いし獣が、体勢を崩し地面に傾いたところへ、更に雲雀の熱砂の一閃。
『ギャゥゥ……!』
 苦悶の悲鳴を上げし獣……そして。
「ま、恨むなって。ほら……楽になれってな?」
 そうバクルドが放った殺人三撃を繰り出し……その一閃に古代獣は、己が島を轟かせながら、息絶えていくのであった。

●眠る獣ら
 そして……。
「ふぅ……どうやら片付いたようだな」
 息を吐き、汗を拭うバクルド。
 古代獣は地に臥し、セレストアームズは稼働を停止する。
 そして、壁に埋め込まれたセレストアームズに近づいて、実際に触れて状況を確認するイズマ。
「壁に兵器を埋めるとは……防衛のための仕掛けだったのだろうか?」
 と、イズマが首を傾げると、それにヴュルガーも。
「恐らくそうでしょうね。それに機関銃のトラップに化け物。奥にはきっといい物が転がっているのでしょう。敵から奪うのは毎度のことながら楽しいですねえ!」
 獰猛たる笑みを浮かべるヴュルガーに、イズマはああ、そ、そうだね……と頷きつつ。
「取りあえず俺は、このセレストアームズの方を調べるとするよ。皆は皆の調査を宜しく頼む」
「了解。それじゃ私は……この子達と一緒に調査するとしましょう」
 とイナリは言うと共に、自分の周りに子犬六匹のファミリアーを召喚。
「さぁ、みんな。何か怪しい物が無いか、細かく調査宜しくね?」
 と己の演算能力をフル回転させ始めて、ファミリアー六匹を遺跡に散りじりにさせて調査を開始。
 犬が見て、匂いを嗅いで、今迄の様々な知識を元に見知らぬものがあれば、それを持ち帰らせる。
 ただイナリは全身全霊で五感をフル活用させる貯め、そこからは動けない。
 そんなイナリの調査に対し、フルールはその場で眼を閉じ。
「……精霊さん。ちょっと、お話を聞かせて貰っても宜しいでしょうか……?」
 と、この地に棲まう小精霊達に耳を傾けヒアリングを行う。
 ……ただ、小精霊達からはざわざわとざわめくばかりで、何か定まった答えのような答えは返ってこない。
 そう、その場で調査する仲間達の一方で、実際に足を動かし、遺跡内部の調査を始めるのは、雨紅、ゼフィラとバクルドの四人。
「取りあえず……視界はかなり暗いから、俺の暗視で危険な場所は報せるよ。という訳で前を歩くから……マッピングは誰かに御願い出来るかな?」
「分かりました。では、マッピングの方は、私にお任せ下さい」
 雲雀の言葉に頷き、雨紅がマッピングを取りつつ、遺跡を深く深く潜っていく。
 ……そして、イレギュラーズの行く先の壁には、様々な所にセレストアームズの武器が埋め込まれている。
「ふむ……さっきの鶏と古代兵器が連携しているっつーことは遺跡とこいつで何かしら関係があるのかも知れねえな……となると、さっきの鶏、もしかしたら食えるかも知れねえよな? 見た目鶏だし……言ってて腹が減ってきたぜ」
 腹をさするバクルドに、ははは、とゼフィラは笑いながら。
「まぁ、確かにこの浮遊島では食料は重要だからね! まぁ古代獣を調べるのも一策さ。私は遺跡の位置関係をつなぎ合わせて、遺跡の奥に向かってみるさ」
 と、さらさらっと書き上げた遺跡の構成予想図を見せる。
 それに雨紅も。
「確かに……今迄のマッピングされた地図と合っていますね。大方間違いは無さそうです……では、それに従って進むとしましょう」
 と頷き……岩礁に点在する遺跡をくまなく探し回るのであった。

成否

成功

MVP

バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪

状態異常

なし

あとがき

浮遊島に点在する遺跡探索お疲れ様でした!
何故この遺跡は分断されたのかは分かりません。
ですが……セレストアームズという機械的守備装置がついているのは、何か古代の文明か何か……だったのでしょう。

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