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シナリオ詳細

<チェチェロの夢へ>未来の名産チキンを守れ

完了

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オープニング

 鉄帝国南部の町、ノイスハウゼン上空に発見された伝説の浮遊島、アーカーシュの調査が始まった。
 調査は鉄帝国軍と、依頼を受けたローレットのイレギュラーズの合同で行われている。
 百年前に消息不明となった探索隊の子孫──レリッカ村の住人の協力もあり、進捗は順調だ。
 新発見は既に百年前の探索隊によるものを大きく凌駕し、島に関する様々なことが明らかになってきた。
 何やらアーカーシュの未踏の遺跡を巡って、鉄帝では派閥抗争の動きがあるとか──そういう事情はひとまず置いておこう。

 島内唯一の小さな村『レリッカ』では、調査隊と協力して『アカキジ』の品種改良、繁殖を試みる計画が進んでいた。
 アーカーシュではおいしいチキンとして有名なアカキジだが、最近ではその数が減少している傾向にあるという。
 地上から持ち込んだ家禽(※かきん。家畜として飼育される鳥)と交配させることで、新たな品種、交配種を育てていた矢先のことだった。
「農場から交配種が逃げ出してしまったんです……! どうか捕まえるのを手伝ってもらえませんか?」
 協力を求める村人の1人が、調査隊のベースキャンプに駆けつけた。その場に居合わせたイレギュラーズは、交配種が逃げ出した経緯を説明される。
 飼育小屋がエルディアン(古代獣)に襲われ、食い殺される被害を受けたというのだ。その残骸は2羽確認されているが、農場の外でも複数の交配種が確認されているため、村人はまだ生き残っている交配種がいることを確信していた。
 「調査隊の皆さんのために、試食会を開こうとしていたのですが……」と村人は嘆いた。
 ──このままでは貴重なチキンが! せっかく育てた交配種が!
 交配種を狙う古代獣にも注意しつつ、農場の周辺に散らばった多くの交配種を確保することが求められる。
 交配種は白い羽毛だが、鶏とキジをかけ合わせたような姿をしている。警戒心はそれなりに強いが、交配種は全力で追いかければ捕らえられないほどの速さではなく、鶏とさほど変わらない。無傷で捕らえるためには、エサで誘き寄せるなど、罠などの仕掛けも必要だろう。
 農場周辺で確認されている古代獣は、骸骨の頭部に犬のような獣の体を持つ怪物――ホワイトヘッド(白骸犬)である。エサを求めて農場周辺にまで縄張りを広げているようで、獲物への諦めが悪い厄介な性質を持っている。再度農場が襲撃される事態を防ぐためにも、古代獣の掃討が急務である。

GMコメント

 こちらのラリーシナリオは2章構成、各章の採用人数は5〜8名程度を予定しています。
 1章目は交配種の捜索、捕獲&農場周辺の古代獣を追い払う→2章目は集団戦+αでチキンの試食会という流れになります。
 ちなみに、『アカキジ』はアーカーシュアーカイブスにも登録されています。

●特殊ルール『新発見命名権』
 浮遊島アーカーシュシナリオでは、新たな動植物、森や湖に遺跡、魔物等を発見出来ることがあります。
 発見者には『命名権』が与えられます。
 アカキジとの交配種の名前は、まだ明確に決められていません。交配種の捜索活動に最も貢献した方に命名権が与えられます。
 ※命名は公序良俗等の観点からマスタリングされる場合があります。
 特に名前を決めない場合は、発見者にちなんだ名が冠されます。
 ※ユリーカ草、リーヌシュカの実など。
 命名権は放棄してもかまいません。
 ※放棄した場合には、何も起りません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●1章目の成功条件
 交配種を6羽以上見つけ、捕獲すること。
●2章目の成功条件
 古代獣の群れの掃討。


●捜索場所について
 交配種が目撃されているのは、農場から半径100メートル以内の範囲である。捜索範囲内には、飼育小屋の裏方面にある川も含まれている。
 川の周辺では古代獣の目撃情報も上がっている。

●古代獣について
 骸骨の頭部に、犬のような獣の体を持つ怪物――ホワイトヘッド(白骸犬)。
 鋭い牙(物近単)で襲いかかり、単体では目立った芸はないが、タフで素早く獰猛。また、マークやブロックを駆使して防御の薄い者へ集中攻撃をするなど、群れでの連携を得意とする。獲物への諦めが悪い、厄介な性質。


 個性豊かなイレギュラーズの皆さんの参加をお待ちしています。

  • <チェチェロの夢へ>未来の名産チキンを守れ完了
  • GM名夏雨
  • 種別ラリー
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年06月29日 18時15分
  • 章数2章
  • 総採用数16人
  • 参加費50RC

第2章

第2章 第1節

 その血の跡は古代獣のものか、交配種のものか――。農場裏方面の川に向かって点々と続いていた。
 すでに多くの交配種を農場に連れ戻した今、残された仕事は貴重な家禽を食らう古代獣のせん滅のみ。農場付近を跋扈(ばっこ)する古代獣を追い出し、農場の安全を確保しなければならない。
 イレギュラーズは血の跡をたどり、川辺に集う古代獣の群れを認めた――。

●2章目の成功条件
 古代獣の群れ、20体の討伐。あるいは農場近辺から追い出すこと。


第2章 第2節

雨紅(p3p008287)
愛星

 ――農場などを襲う獣は『味を覚える』のだと聞いたことがあります。美味しいと思ってもらっては困ります。
 古代獣の群れの姿を前にして、『刑天(シンティエン)』雨紅(p3p008287)は超人的な視野の広さを駆使し、戦場全体の把握に努める。農場方面に追い立てるようなことはしないよう注意を払い、古代獣たちを追い詰め一掃しようと動き出す。
 ――『ここはまずい』と覚えてもらいましょう。
 接近する雨紅に気づいた古代獣らは、むき出しの頭蓋骨の眼窩の奥を光らせ、雨紅を仕留めようと襲いかかる。
 すべての動きを見切る雨紅は細剣を振り抜き、その体さばきから放つ太刀筋で古代獣らを圧倒する。
「申し訳ありません、今回はこちらが『喰らう側』です」
 そう言い放つ雨紅は、取り囲もうとする古代獣らの包囲に対しても、臆することなく向かっていく。飛びかかる1体の古代獣の動きを制し、雨紅は鋭い一突きで葬る。
 じりじりと取り囲もうとする古代獣らの動きを冷静に見定めつつ、雨紅は目の前の古代獣が非常食に適しているかどうかについても考えていた。

成否

成功


第2章 第3節

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

 迅速かつ慎重に距離を詰めた『心優しきオニロ』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は、包囲網を築こうとする古代獣の群れに突撃した。
 目の前に現れたヨゾラに古代獣が反応を示した直後、
「農場の子たちは君等の食べ物じゃないよ」
 ――それがわかるまで…諦めるか死ぬまで攻撃される覚悟はあるんだよね?
 そうつぶやいたヨゾラは、自らの魔力を発散させ、周囲の古代獣を紫の帳で包み込む。呪力にも似た恐ろしい力が古代獣を蝕み、けいれんし始める2体の古代獣が地面をのた打ち回る。
 古代獣は、よろめきながらもヨゾラに向かっていく。しかし、ヨゾラの周囲に現れる紫の帳──発散される魔力はオーロラのように輝き、接近する古代獣を包み込む。ヨゾラの攻撃に翻弄される古代獣は、1体2体と息の根を止められた。
 ヨゾラはすべての古代獣を全滅させようと、接近する対象を容赦なく葬る気迫を見せた。

成否

成功


第2章 第4節

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
岩倉・鈴音(p3p006119)
バアルぺオルの魔人
フーガ・リリオ(p3p010595)
君を護る黄金百合

 『特異運命座標』岩倉・鈴音(p3p006119)もタイミングを見計らい、狩りに加わった。
 古代獣の不意を突くために風下から近づき、弱っている対象から仕留めようと鈴音は動く。
 特殊な術式を展開する鈴音の手からは、連続で魔光が放たれる。鈴音は広い視野で古代獣らの動きを把握しつつ、必中の一撃で対象を追い詰めていく。
 ――まさに弱肉強食。狩猟本能を刺激されますな。
 普段からやる気にむらがある鈴音だが、野性むき出しの獣を相手にして、殺意に似たものが高ぶるのを感じていた。
 1体の古代獣が鈴音を狙い一気に飛びかかるが、その古代獣は寸前で鈴音に叩きのめされる。鈴音が脇に抱えていた百科事典並みに分厚い魔導書で殴打され、古代獣は地面にぐったりしたままとなった。
 古代獣が迫る度に、鈴音は魔導書を鈍器にして滅多打ちにした。しかし、まだ古代獣の数はイレギュラーズを上回っている。互いのフォローなしで切り抜けるのは難しい。
 わずかな差で鈴音の背後を捉えた1体が、その牙を突き立てようと飛びかかる。しかし、更にその間に飛び込む存在がいた。『炎の守護者』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)は古代獣を制し、掲げた盾でその体を激しく突き飛ばした。
「鶏肉……いや、鳥はお前たちのものじゃないぞ!」
 そう言い放ったチャロロは仲間のカバーに回ろうと、身を挺する覚悟で古代獣を引きつけ、敢然と立ち回る。
 『黄金の旋律』フーガ・リリオ(p3p010595)は古代獣と交戦するチャロロたちの姿を見つけ、「こりゃ面倒だ」と群れを成す古代獣に対しこぼした。
 ――……全く、おいらだって鶏肉食いてえって我慢してんのに……。
「欲張りさんにはキツイお仕置きしねえと、気が済まねえよな?」
 フーガは即座に自らの能力を発揮し、古代獣らを弱体化させていく。トランぺット奏者として鍛えられた肺活量も生かされ、呪いの力を込めたフーガの歌声は朗々と響き渡る。フーガの歌声は恐ろしいほどに相手を魅了する魔力を発揮し、古代獣に混乱を及ぼすほどの影響を与えた。
 仲間同士で襲いかかる古代獣が目立ち、混戦状態と化していく。チャロロや鈴音は混乱した古代獣を容赦なく狙い、イレギュラーズが守る農場に近づくことの恐ろしさを、古代獣の骨身に刻んでいく。

成否

成功


第2章 第5節

ナハトラーベ(p3p001615)
黒翼演舞

 すでに古代獣の狩りに成功した者たちを頼もしく思いつつ、『黒翼演舞』ナハトラーベ(p3p001615)も果敢に攻撃を仕掛ける。
 地上の古代獣目掛けて次々と黒い稲妻を走らせるナハトラーベの様子は、どこか怒りに似た激情を感じさせた。
「────」
 寡黙に自身の役目を果たすナハトラーベは、自らの衝動──空腹に突き動かされるままに古代獣を追い詰めていく。
 逃げ惑う古代獣を追うナハトラーベの目付きは、交配種と同様に獲物を見る目に変わっていた。
 鉄の胃袋を持つナハトラーベは、あらゆる生物に対して食指を動かす。それは古代獣も例外ではなかった。

成否

成功


第2章 第6節

アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞

 古代獣の群れを追い払うため、颯爽と駆けつけたイレギュラーズ。
 地上戦に臨む内の1人──『フロントライン・エレガンス』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は水晶の剣を構え、古代獣の群れをねじ伏せようと一気に切り込む。
 舞い踊るような軽快な動きで相手を翻弄し、アンナは瞬時に相手を斬りつける巧みな剣さばきを見せつけ、言い放つ。
「可愛くない獣には、あまり手加減しないようにしているの。悪く思わないで頂戴」
 全力で相手をするアンナと共に、およそ半数まで削られた古代獣を駆逐しようと、他の者も奮戦を続けた。

成否

成功


第2章 第7節

セララ(p3p000273)
魔法騎士
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
雑賀 千代(p3p010694)
立派な姫騎士

 ──何だろう? ここ、懐かしい感じがするなぁ。
 古代獣の姿を探す間も、『烏天狗』雑賀 千代(p3p010694)は考えを巡らせていた。
 ──……私、両親にどこからか突然降ってきた子って言われてたけど、まさかここから降ってきてたりして?
 飛行種の千代は、空から古代獣の群れと戦場全体を把握する。
 上空で『魔法騎士』セララ(p3p000273)も合流し、共に古代獣を見下ろす千代は、「どちらが多く倒せるか勝負しましょう!」と声をかけた。
 セララは一瞬表情を引き締めたが、どこか自信に満ちた笑顔で千代との勝負に応じた。
「負けないよ! でも、お互い無理は禁物だよ」

 連携を図りながら、イレギュラーズは激しい戦闘を繰り広げる。
「チキンは俺のものだ!!!!」
 ──ブランドになる前に喰って自慢するんだ!!!!!
 揺るぎない意志を表明した『太陽の翼』カイト・シャルラハ(p3p000684)は、一気に対象を仕留めようと、三叉の槍を鋭く突き出す。残像を見せるほどのスピードで槍をさばくカイトは、1体を滅多刺しにすることで古代獣の勢いをくじいた。
 カイトはチキンが脅かされることにも憤りを覚えていたが、鳥類である自身が恐怖を与えることで、交配種に及ぶ被害を押さえつける狙いもあった。
 徐々にイレギュラーズの猛攻に圧倒される古代獣に対し、二丁の狙撃銃を駆使する千代は、上空から射撃を行う。千代の銃弾は確実に古代獣らを撃ち抜き、引き下がる動きを見せていた数体の足止めに当たる。
 セララも古代獣らを逃がさないよう回り込み、その太刀筋から放たれる雷撃によって古代獣らを葬っていく。
 ――ちょっとかわいそうだけど、これも美味しいチキンの安全確保のためなの。
 セララは心を鬼にして古代獣と対峙し続け、その剣技の鋭さが揺らぐことはなかった。
 イレギュラーズは協力して、最後の1体を追い詰める。威勢よくその1体に向かって突撃したセララは、
「全力全開――ギガセララブレイク!!!!」
 剣を振り抜くと同時に強大な雷撃を放った。一瞬閃いた稲光の後には、煙を上げて倒れ込む古代獣の姿があった。
 イレギュラーズは、すべての古代獣の討伐を成し遂げた。

 農場を管理する村人たちはイレギュラーズに謝意を示し、早速無事だった鶏肉をさばくことにした。
 直火で焼き上げられたトリの丸焼きの香ばしい匂いが食欲をそそり、村人は骨付きの切り身をイレギュラーズに振る舞う。
 シンプルに塩味を加えた鶏肉は、脂の旨味、肉の甘味、ジューシーな歯応えを感じられる一品であった。
 肉の味に感嘆する声が聞かれる中、カイトも鶏肉を使ってあるものを調理しようと串を手に取る。
 焼き鳥屋のおっちゃんこと立花・五郎兵から学んだ焼き鳥の知識を生かし、カイトは1本1本を丁寧に焼き上げていく。
 「おっちゃんだったら、もっとうまく焼けるかもなぁ」とカイトが考えていた矢先、千代の絶叫に近い悲鳴が響き渡る。
「いやあああああ服になんか変な大きい虫がーーーーーー!!!! 取って取って取って取って取って!!!!」
 助けを求める千代は、無我夢中でそばにいたセララに抱きつく。セララは勢いあまって千代の豊満なバストに顔を埋める形となり、窒息しそうな状況に陥り必死にもがく。カイトもセララを助けようと、「と、取ってやるから……!」と慌てた様子で千代の服についていた虫を払い落とした。
 千代はほっとした表情でセララを開放する。千代と互いの奮戦を称えあっていたセララだったが、謎の敗北感を味わい、複雑な表情で千代の胸元を見つめた。

成否

成功

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