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シナリオ詳細

瑠璃色くじらが空を呑む

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 瑠璃色くじらが飛んでいる。
 ゆうらり、ゆらり、空を飛ぶ。
 あらゆる悪を良しと為す、そんな街に向かってく。
 善悪なんてどうでもいい。そんな事を言うように。

 瑠璃色くじらが飛んでいる。
 周囲を舞うのはこがねのさかな。
 砂を舞わせてゆうらり飛んでる。

 あれは何だと、らくだと旅人。
 くじらはちらり、彼を見詰めて。
 ぱくりと彼らを食べちゃった。
 瑠璃色の口に飲み込んで、
 男もらくだもお腹の中へ。

 瑠璃色くじらが飛んでいる。
 こがねのさかなを引き連れて。
 目指しているのは砂の都?
 いいえ、どこでもありません。

 何処から来たのか判らない。
 何処へ行くのかも判らない。

 瑠璃色くじらは飛んでいる。
 瑠璃色くじらは飛んでいる。



 巨大な影が砂地に落ちる。
 此処は砂嵐。傭兵とも盗賊ともよばわれる者たちの都。
 首都ネフェルストに向かって、巨大な瑠璃色の空飛ぶくじらが観測されたのは数日前の事。
 くじらは海を泳ぐような速さで首都へと向かって来ている。
 既にネフェルストでは迎撃態勢が取られているが、何分相手は巨大な上に空を舞う魚だ。ログイン中のイレギュラーズたちに緊急クエストとして討伐依頼が出されるのも、時間の問題だった。
 砂嵐に向かえば見えるだろう。
 真っ直ぐにネフェルストへと泳いでいく魚の群れが。
 其の中心で悠々と泳ぐ、美しい瑠璃色をしたくじらの姿が。
 美しくも恐ろしい襲撃者は、砂嵐を食い荒らそうと泳いでいく。
 砂嵐に襲い掛かる前に阻止しなければ、甚大な被害は免れないだろう。

GMコメント

 こんにちは、奇古譚です。
 R.O.O「久し振り!」

●目標
 1章)「こがねのさかな」を殲滅せよ
 2章)「瑠璃色くじら」を撃破せよ
 3章)???(戦闘章ではありません)

●立地
 砂嵐の片隅です。瑠璃色くじらはゆっくりと街に近付いてきています。
 街に入れば甚大な被害が予想されます。
 入ってしまう前にさかなの群れを撃破して下さい。

●エネミー
 こがねのさかなxたくさん
 瑠璃色くじらx1

 どうして現れたのか。
 何が目的なのか。
 何をしに何処へ行くのか。
 全てが不明の生命体です。多分バグです。
 瑠璃色の体躯をした巨大なくじらを筆頭に、様々な黄金色のさかなが追随しています。
 目の前にあるものは、瑠璃色くじらは取り敢えず呑み込もうとしてきます。
 呑み込まれた場合デスカウントが増えますのでご注意下さい。

 こがねのさかなは其の体躯自体がとても鋭く、泳ぐナイフのような感じです。
 瑠璃色くじらは呑み込み攻撃のほか、ふわりと泳いで暴風を起こしたりしてきます。
 砂地での暴風は普通に暴力です。

●ご注意下さい
 使用スキルの活性化をしているかご確認下さい。
 活性化しておらず参照もできない場合、やむを得ずプレイングを流してしまう場合があります。


 此処まで読んで下さりありがとうございました。
 アドリブが多くなる傾向にあります。
 NGの方は明記して頂ければ、プレイング通りに描写致します。
 では、いってらっしゃい。

  • 瑠璃色くじらが空を呑む完了
  • GM名奇古譚
  • 種別ラリー
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年04月16日 19時45分
  • 章数2章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

エクシル(p3x000649)
ツナ缶海賊団見習い

 瑠璃色くじらが空を悠々泳ぐ姿を、エクシルは目をまんまるにして見上げていました。
 現実側で、銀色の鯨が空を舞う姿を見た事はあるけれど――R.O.Oにも、似たような現象があるとは。
「だけどこのくじらは何をするか判らないし」
 そう、この瑠璃色のくじらは、決して友好的な存在ではありませんから。
 だから、被害が大きくなる前に止めないといけません。

 ――ぴゅい。
 ――ぴゅーい。

 くじらに添うように泳ぐこがねのさかなが、大地に降りて刃のように泳ぎます。
 ゆっくりと泳ぐくじらに追い付くのは簡単。エクシルは側面からそっと接近して、ぴょんと跳びました。
 すとん。
 着地するのはこがねのさかなの上。ぴょいぴょいと身軽にさかなの間を飛び移るエクシル。やがて側面のさかなたちの中央に当たる部分に立つと、エクシルは力を解き放ちました。目指す場所は大地。さかなを切り裂きながら、あちら、こちら。まるで獲物を狩る山猫のように貪欲に、けれど迅速に、さかなを切り裂いて稲妻の軌跡を画き、砂と岩ばかりに大地に降り立ちました。
 ぼとぼとぼと、と落ちるさかなたち。瑠璃色くじらは意に介さずおよいでいますが、確実に周囲から削って行こう、とエクシルは再び跳ぶのでした。

成否

成功


第1章 第2節

すあま(p3x000271)
きうりキラー

 お魚は、香草で焼いた奴がいっとう好き!
 すあまは思わず思います。美味しそうなお魚が、群れを組んで泳いでいます。
 こがねのさかな。どんな味がするのかしら。
 瑠璃色くじら。果たして食べられるのかしら?

 ちょっと味見してみよう!

 少女を抱える騎士が跳びます。騎士が構えた紅の剣。血を啜る妖刀をぶんと振るえば、すぱり、とこがねのさかなは三つに割れました。
 一つ、二つ。騎士が薙ぎ払う魚を、少女が手に取って行きます。これは香草で焼きたい。こっちはソースつけようかな? あ、こっちは塩をまぶしてみよう。
 すあまの頭の中は、如何に美味しくさかなを食べるか、其れだけ。
 だから、ある程度少女の腕の中にさかなが集まったら、一旦騎士は着地します。そう、今こそお料理タイムなのです!

「んん……! 白身っぽくて、あっさりしてて、おいしい!」

 すあまは頬が落ちそうな、幸せそうな表情を浮かべました。
 ソースも美味しい。素材を活かした塩も美味しい。そしてやっぱり、香草で焼くと一番おいしい!
 そうして食べていたら、あっという間にさかなはなくなってしまって。
「こうしちゃいられない、次、次!」
 すあまは騎士に再び抱かれて、さかなを捕まえるために飛ぶのでした。

「瑠璃色くじらも、そんな気分なのかな」

 どんどん食べようって気持ちなのかな。
 ねえ、ご飯は美味しい? お腹いっぱい食べてる?

成否

成功


第1章 第3節

シュネー(p3x007199)
雪の花

「こちらは落ち着いたかと思っていましたが」
 これではおちおち安心もしていられませんね。シュネーはそう呟きました。白い髪がくじらの遊泳で翻り、新雪のように輝きます。
 この砂嵐は、現実とは似て非なる意味で治安の悪い地域です。これが伝承や翡翠でなくて良かった――などとは思ってはいけないのでしょうが、シュネーは心の何処かで安堵を覚えていました。遠慮なく戦えるからかも知れません。
「とはいえ……思ったより小魚が多いですね」
 まるで金銀をちりばめるかのように、瑠璃色くじらに添って泳ぐこがねのさかなは数がありました。一匹一匹は脅威ではありませんが、少し手間取るかもしれません。
 シュネーは弓矢を構え、一矢を放ちました。空気は切り裂かれ、衝撃となってさかなを巻き込み斬り散らします。黄金が砕け散るように、こがねのさかなたちが切り裂かれて細かなデータとなって消えていきます。
「この調子で、風穴を開けて差し上げます!」
 こがねが散ろうとも――瑠璃色くじらは、悠々と泳いでいるばかりでした。

成否

成功


第1章 第4節

梨尾(p3x000561)
不転の境界

 瑠璃色と、黄金色。さんざ煌めく美しい魚の群れを、梨尾は見上げていました。
「ぷかぷか浮いてるだけなら綺麗だなーと眺めていられるんですけどね」
 恨みはないけれども、人命の為には倒さなければ。――あ、そういえば鯨肉って竜田揚げがいいんですっけ。
 僅かに食欲を覗かせながら、梨尾は瑠璃色くじらに並走します。
 誰かの為に戦う勇気を胸に灯し、そうしてから灰銀色の狼と共に跳び上がり、こがねのさかなにざんと斬りかかります。二振りの刀がすらりと斬れば、こがねが散って大地へと落ちて行きました。灰銀の狼が牙で噛みちぎり、刀がこがねを捌いて舞います。
「まだまだ……! これでは、鯨にとどきませんからね!」
 さかなたちが意気込む梨尾を囲むように泳ぎ始めます。其の背びれは、尾びれは刃のようで、梨尾を容赦なく切り裂きました。
 其の傷から溢れ出るのは、死ねないという意思の炎。こがねいろを緋色が呑み込んで、灰が宙に舞いました。

 そうして暫しのち、こがねのさかなは随分と数を減らしていました。
 ――あとは。
 梨尾が見上げる先には、瑠璃色くじらが其の大きな尾びれで空を蹴る姿がありました。

成否

成功

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