シナリオ詳細
瑠璃色くじらが空を呑む
完了
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オープニング
●
瑠璃色くじらが飛んでいる。
ゆうらり、ゆらり、空を飛ぶ。
あらゆる悪を良しと為す、そんな街に向かってく。
善悪なんてどうでもいい。そんな事を言うように。
瑠璃色くじらが飛んでいる。
周囲を舞うのはこがねのさかな。
砂を舞わせてゆうらり飛んでる。
あれは何だと、らくだと旅人。
くじらはちらり、彼を見詰めて。
ぱくりと彼らを食べちゃった。
瑠璃色の口に飲み込んで、
男もらくだもお腹の中へ。
瑠璃色くじらが飛んでいる。
こがねのさかなを引き連れて。
目指しているのは砂の都?
いいえ、どこでもありません。
何処から来たのか判らない。
何処へ行くのかも判らない。
瑠璃色くじらは飛んでいる。
瑠璃色くじらは飛んでいる。
●
巨大な影が砂地に落ちる。
此処は砂嵐。傭兵とも盗賊ともよばわれる者たちの都。
首都ネフェルストに向かって、巨大な瑠璃色の空飛ぶくじらが観測されたのは数日前の事。
くじらは海を泳ぐような速さで首都へと向かって来ている。
既にネフェルストでは迎撃態勢が取られているが、何分相手は巨大な上に空を舞う魚だ。ログイン中のイレギュラーズたちに緊急クエストとして討伐依頼が出されるのも、時間の問題だった。
砂嵐に向かえば見えるだろう。
真っ直ぐにネフェルストへと泳いでいく魚の群れが。
其の中心で悠々と泳ぐ、美しい瑠璃色をしたくじらの姿が。
美しくも恐ろしい襲撃者は、砂嵐を食い荒らそうと泳いでいく。
砂嵐に襲い掛かる前に阻止しなければ、甚大な被害は免れないだろう。
- 瑠璃色くじらが空を呑む完了
- GM名奇古譚
- 種別ラリー
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年04月16日 19時45分
- 章数2章
- 総採用数4人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
瑠璃色くじらが空を悠々泳ぐ姿を、エクシルは目をまんまるにして見上げていました。
現実側で、銀色の鯨が空を舞う姿を見た事はあるけれど――R.O.Oにも、似たような現象があるとは。
「だけどこのくじらは何をするか判らないし」
そう、この瑠璃色のくじらは、決して友好的な存在ではありませんから。
だから、被害が大きくなる前に止めないといけません。
――ぴゅい。
――ぴゅーい。
くじらに添うように泳ぐこがねのさかなが、大地に降りて刃のように泳ぎます。
ゆっくりと泳ぐくじらに追い付くのは簡単。エクシルは側面からそっと接近して、ぴょんと跳びました。
すとん。
着地するのはこがねのさかなの上。ぴょいぴょいと身軽にさかなの間を飛び移るエクシル。やがて側面のさかなたちの中央に当たる部分に立つと、エクシルは力を解き放ちました。目指す場所は大地。さかなを切り裂きながら、あちら、こちら。まるで獲物を狩る山猫のように貪欲に、けれど迅速に、さかなを切り裂いて稲妻の軌跡を画き、砂と岩ばかりに大地に降り立ちました。
ぼとぼとぼと、と落ちるさかなたち。瑠璃色くじらは意に介さずおよいでいますが、確実に周囲から削って行こう、とエクシルは再び跳ぶのでした。
成否
成功
第1章 第2節
お魚は、香草で焼いた奴がいっとう好き!
すあまは思わず思います。美味しそうなお魚が、群れを組んで泳いでいます。
こがねのさかな。どんな味がするのかしら。
瑠璃色くじら。果たして食べられるのかしら?
ちょっと味見してみよう!
少女を抱える騎士が跳びます。騎士が構えた紅の剣。血を啜る妖刀をぶんと振るえば、すぱり、とこがねのさかなは三つに割れました。
一つ、二つ。騎士が薙ぎ払う魚を、少女が手に取って行きます。これは香草で焼きたい。こっちはソースつけようかな? あ、こっちは塩をまぶしてみよう。
すあまの頭の中は、如何に美味しくさかなを食べるか、其れだけ。
だから、ある程度少女の腕の中にさかなが集まったら、一旦騎士は着地します。そう、今こそお料理タイムなのです!
「んん……! 白身っぽくて、あっさりしてて、おいしい!」
すあまは頬が落ちそうな、幸せそうな表情を浮かべました。
ソースも美味しい。素材を活かした塩も美味しい。そしてやっぱり、香草で焼くと一番おいしい!
そうして食べていたら、あっという間にさかなはなくなってしまって。
「こうしちゃいられない、次、次!」
すあまは騎士に再び抱かれて、さかなを捕まえるために飛ぶのでした。
「瑠璃色くじらも、そんな気分なのかな」
どんどん食べようって気持ちなのかな。
ねえ、ご飯は美味しい? お腹いっぱい食べてる?
成否
成功
第1章 第3節
「こちらは落ち着いたかと思っていましたが」
これではおちおち安心もしていられませんね。シュネーはそう呟きました。白い髪がくじらの遊泳で翻り、新雪のように輝きます。
この砂嵐は、現実とは似て非なる意味で治安の悪い地域です。これが伝承や翡翠でなくて良かった――などとは思ってはいけないのでしょうが、シュネーは心の何処かで安堵を覚えていました。遠慮なく戦えるからかも知れません。
「とはいえ……思ったより小魚が多いですね」
まるで金銀をちりばめるかのように、瑠璃色くじらに添って泳ぐこがねのさかなは数がありました。一匹一匹は脅威ではありませんが、少し手間取るかもしれません。
シュネーは弓矢を構え、一矢を放ちました。空気は切り裂かれ、衝撃となってさかなを巻き込み斬り散らします。黄金が砕け散るように、こがねのさかなたちが切り裂かれて細かなデータとなって消えていきます。
「この調子で、風穴を開けて差し上げます!」
こがねが散ろうとも――瑠璃色くじらは、悠々と泳いでいるばかりでした。
成否
成功
第1章 第4節
瑠璃色と、黄金色。さんざ煌めく美しい魚の群れを、梨尾は見上げていました。
「ぷかぷか浮いてるだけなら綺麗だなーと眺めていられるんですけどね」
恨みはないけれども、人命の為には倒さなければ。――あ、そういえば鯨肉って竜田揚げがいいんですっけ。
僅かに食欲を覗かせながら、梨尾は瑠璃色くじらに並走します。
誰かの為に戦う勇気を胸に灯し、そうしてから灰銀色の狼と共に跳び上がり、こがねのさかなにざんと斬りかかります。二振りの刀がすらりと斬れば、こがねが散って大地へと落ちて行きました。灰銀の狼が牙で噛みちぎり、刀がこがねを捌いて舞います。
「まだまだ……! これでは、鯨にとどきませんからね!」
さかなたちが意気込む梨尾を囲むように泳ぎ始めます。其の背びれは、尾びれは刃のようで、梨尾を容赦なく切り裂きました。
其の傷から溢れ出るのは、死ねないという意思の炎。こがねいろを緋色が呑み込んで、灰が宙に舞いました。
そうして暫しのち、こがねのさかなは随分と数を減らしていました。
――あとは。
梨尾が見上げる先には、瑠璃色くじらが其の大きな尾びれで空を蹴る姿がありました。
成否
成功
GMコメント
こんにちは、奇古譚です。
R.O.O「久し振り!」
●目標
1章)「こがねのさかな」を殲滅せよ
2章)「瑠璃色くじら」を撃破せよ
3章)???(戦闘章ではありません)
●立地
砂嵐の片隅です。瑠璃色くじらはゆっくりと街に近付いてきています。
街に入れば甚大な被害が予想されます。
入ってしまう前にさかなの群れを撃破して下さい。
●エネミー
こがねのさかなxたくさん
瑠璃色くじらx1
どうして現れたのか。
何が目的なのか。
何をしに何処へ行くのか。
全てが不明の生命体です。多分バグです。
瑠璃色の体躯をした巨大なくじらを筆頭に、様々な黄金色のさかなが追随しています。
目の前にあるものは、瑠璃色くじらは取り敢えず呑み込もうとしてきます。
呑み込まれた場合デスカウントが増えますのでご注意下さい。
こがねのさかなは其の体躯自体がとても鋭く、泳ぐナイフのような感じです。
瑠璃色くじらは呑み込み攻撃のほか、ふわりと泳いで暴風を起こしたりしてきます。
砂地での暴風は普通に暴力です。
●ご注意下さい
使用スキルの活性化をしているかご確認下さい。
活性化しておらず参照もできない場合、やむを得ずプレイングを流してしまう場合があります。
●
此処まで読んで下さりありがとうございました。
アドリブが多くなる傾向にあります。
NGの方は明記して頂ければ、プレイング通りに描写致します。
では、いってらっしゃい。
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