シナリオ詳細
RENEWAL OPEN! ハイペリオンランド
オープニング
●ハイペリオンランド
「おはようございました\(╹V╹*)/」
透き通るように澄んだ透明なドーム状内には庭園があり、その中央に備え付けられた巨大なハンモックから白くてふわふわとした雛鳥が起き上がった。
雛鳥といえど全長は3mと大きく、顔は目ぇつぶって描いたのかなってくらいシンプルである。絵文字にできるくらいシンプルで、(╹V╹*)な顔をしていた。
知る人は知っているだろう。というかこのドームの入り口にある立て看板に書いてあるであろう。
この巨大な雛鳥こそが、古代幻想王国建国の際、役目を終えこのウィツィロの地に自ら封印された『神翼獣ハイペリオン』なのである。
かつて勇者王アイオンの旅を支え、大空を舞い大陸を飛び回った神翼獣。絵本にすら語られる存在だが、永き封印の眠りの中で力や記憶の多くを欠落させ、今はこのようなシンプルな姿をとるのがやっとなのだという。
だが、それゆえに不自由しているという様子はないようで……。
「今日は、記念すべき日になりそうですね」
にっこりと笑い、空を見上げる。
大空には気球が浮かび、巨大な垂れ幕には『新装開店! ハイペリオンランド!』とでかでかと書かれていた。
幻想王国にある神翼庭園ウィツィロに、新たなるテーマパークが誕生した。
その名も『ハイペリオンランド』。
この地に封印されていたという伝説の神翼獣ハイペリオンの復活と、それにまつわるヴィーグリーズ丘決戦の栄光をうけ、幻想貴族サニーサイド・ウィツィロ卿によって旧ハンマーランドから大幅に改装して作られたのがこのテーマパークである。
ハイペリオン様を前面に押し出したこのテーマパークは夢いっぱいファンシーいっぱい。
まずは巨大なハイペリオン様の像がくーるくーる回っている正面ゲート前庭園では観光客がシャメりにシャメりまくり、ゲートを潜れば伝説の時代をなんとなーく彷彿とさせる古風なストリートが出迎えてくれる。
一言でいえばお土産屋さんとカフェが連なる商店街的エリアだが、扱う品はずらりとハイペリオンだらけ。ハイペリオンTシャツにハイペリオンマグカップ。ハイペリオン饅頭からハイペリオンマリトッツォまでもう(╹V╹*)の顔がついていればなんでもアリかってくらい大量のお土産がカテゴリーごとに店舗別れしており、マニアはここで最新デザインのハイペリオン帽子を被って今日一日のエンジョイに気合いを入れるという。
パーク内の飲食店は三種類に分かれ、オシャレなレストラン、手軽なカフェ、そして食べ歩きに適したフードワゴン。
レストランも種類は様々で、しっとりとしたオトナな雰囲気でコーディネイトされた洋食レストランや、明るく開放的な雰囲気のファミリーレストランまで幅広い。
レストラン系の店舗で人気があるのはやはりハイペリオン様カレーだろうか。中央にやや丸いハイペリオン様を象ったご飯が置かれ、四つ葉のクローバーを象った野菜が可愛らしく添えられた様子はやはりシャメりにシャメられていた。
カフェでも一番人気となるのはハイペリオンクレープだったりハイペリオンラテアートだったりで、フードワゴンは案外普通のチュロスやポップコーンなのだがその袋にしっかりハイペリオン様が描かれているのはニクイ演出と言えるだろう。たまに限定マグカップとセットで売られるプリンなどのデザートが販売されることもありマニアは最低年12回は必ず行くとすら言われていた。
勿論遊園地として作られているだけあってアトラクションも豊富である。
ハイペリオン様を摸したメリーゴーランドや、量産型ハイペリオン様に乗って実際に草原や海辺を飛び回るアトラクション。ゆったり回る観覧車や円の外周を観光案つきで回る蒸気機関車など盛りだくさんだ。
中でもやはり目玉と言われているのが『ハイペリオンハウス』だろう。円の中央にてシンボリックに建設されたドーム状のそれは、ハイペリオン様が実際に暮らしているおうちなのだ。
透明なドームに覆われた庭園であり、訪れた人々と一緒にお喋りをしたり甘いお菓子を食べたり、ケルト音楽でずんちゃか踊ったりする施設でありマニアは日常的に通うとすら言われている。
そもそもハイペリオン様は温厚で誰にでも優しく接してくれる人類の母的存在である。たまにお悩み相談を受けたりお勉強に付き合ったりと、実際実家の母みたいな接し方をすることもあるほどだ。
そんな一台テーマパーク『ハイペリオンランド』がこの度大幅リニューアルオープンした!
さあ、早速君もハイペリオン様を体感しよう!
「私はハイペリオン。太陽の翼! お待ちしております。大地の子らよ」
- RENEWAL OPEN! ハイペリオンランド完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2022年03月24日 22時15分
- 参加人数30/30人
- 相談5日
- 参加費50RC
参加者 : 30 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(30人)
リプレイ
●神様に会えるテーマパーク
「『会える神様』ハイペリオン様……はー、まさか生きてる間に神様に会えるとは。
元の世界に天使や悪魔はいても神はいなかったからなぁ」
ウェルカムゲートを潜った『特異運命座標』空鏡 弦月(p3p010343)は入り口で貰ったパンフレットを広げ、横を歩く『特異運命座標』九十九里 孝臥(p3p010342)をチラリと見た。
「これは、所謂『遊園地』というものだろうか……。
俺たちの世界にもあったな。あの世界にいた頃、俺たちにこういう所で遊ぶ暇などなかったが」
なんだか難しい顔でぶつぶつと言っていた。
「見ろ弦、周りの人たちを。皆楽しそうにしている。
戦いは日々続いているが、こういう平和な風景を見るのはやはり心が穏やかになるな」
「まあ、な」
『アンタもな』と言いそうになって弦月は苦笑した。
「よし、俺たちもハイペリオンランドを楽しんでやろうじゃねぇか!」
「え、いい大人2人が遊園地ではしゃぐのはこう……」
「いいじゃねぇか、むしろこんな時ぐらいしかはしゃぐ機会ないからな!」
手を引いて量産型ハイペリオンライドの乗り場へ向かう弦月。
そんな様子を、ペリーゴーランドにのったトリヤデさんが見送った。
「ヤデ……」
「ねえミスティ、遊園地だとみんなこういうのに乗るの?」
ぶんわかいいながら回る乗り物がなんか楽しいのかうきうきしている『ゴッドバード』ミスト(p3p007442)。
隣の『深き森の冒険者』ミスティ(p3p007447)はなんだか昔を懐かしむような目をしていた。
(遊園地……だいぶ前に行ったことはあるけど、あの時は確かに家族だったかな。
ま、今は僕とミストが”家族”だもんね? なら一緒に来てても普通だよね、ふふ)
「ミスティ?」
「ん、ああ……そうじゃないかな。似合ってるよ、ミスト」
「これ似合うとかあるの?」
「あとで観覧車に言ってみようか。自分で空を飛ぶのとはまた違って、良いものだよ」
二人は穏やかに笑い合う。
「ハイペリオンミルクチョコポップコーンおいしい!」
口いっぱいにポップコーンを頬張った『クソ犬』ロク(p3p005176)が後光を発していた。
「これ無限に食べてられる! あ、こっちも!」
ハイペリオンアップルキャラメルチュロスをスッと手に取ってサクサク囓りまくり頬袋をハムスターにするロク。頭上に『delicious!』という文字が走った。
更にはハイペリオン帽子を被りハイペリオンTシャツを身体にひっかけたロクはもう完全に夢の住人だった。今日一日は非日常を満喫するぞと心に決め、頭のネジを外しまくるのだ!
「ここが混沌エンタメ最前線……ッ!」
町のそのへんを歩いてたら通報されかねないくらいキマってるロクを見ながら『野生の歌姫』キサナ・ドゥ(p3p009473)は拳を握りしめる。
(今日はハイペリオンの胸を借りるつもりで、アイドルとしてではなく一個人として、心ゆくまで遊園地を楽しむつもりだぜ☆
おっと、星型のサングラスとかハイペリオンハットとかで、パンピーにバレないように変装しなきゃな……)
キサナはペリオンサングラスやペリオン帽子(野球帽式)、ペリオンシャツ(サイズ大きめ)にペリオン布マスクを装着して変装すると、キマってる人達のなかに完全に混ざった。
(まさか『アイドルが遊園地デート!?』とかってスッパ抜かれたら面倒だからな後処理が。よっしゃーまずはハイペリオンコースターだ)
全身をペリオングッズに包んだ人達を横目に、『やべーやつらだ』と呟く『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は歩いて行く。
目指す先はペリオンライド。量産型ハイペリオン様にのって空を飛ぶアトラクションである。すごい余談だが古い遊園地にはポニー乗り場なんていうアトラクションが結構普通にあったらしい。
アクセルも早速量ペリ様に乗ってみるが、思わぬふかっとした感覚と不思議な浮遊感に目をキラキラさせる。
「自分で飛ぶのとは全然違う感覚! なんだか楽しいなー!」
その一方でアトラクションを一通り楽しみ終えた『魔法騎士』セララ(p3p000273)はといえば、入り口すぐのストリートでお土産を物色していた。
「ハイペリオンサブレでしょー、ハイペリオンまんじゅうも美味しそう。
ハイペリオンぬいぐるみはサイズが選べるのね。
……こ、これは!?」
ぬいぐるみ専門店に入ってみたセララは、店中央にズドンと置かれたグッズに目を丸くした。
「等身大ハイペリオンぬいぐるみ!」
ついてる値札のヤバさたるや最新ゲーム機が買えるレベル。
「でもでも、このハイペリオンぬいぐるみが『セララさん、私を買って下さい。そして一緒にお昼寝しましょう』って言ってるの……だから仕方無いよね? 買います!」
お財布を両手で握りしめて振りかざすと、セララは叫んだ。
「麿レベルのハイペリオンランド年パスユーザーともなれば!
ここでゆっくりと食事を摂るのが、最上の過ごし方と言えよう」
ストリート脇の、専用のICカードを読み取らせることで入場できる会員制クラブ風レストランCLUB81へ、『殿』一条 夢心地(p3p008344)は堂々と入っていく。
「ただ食事をするためだけにハイペリオンランドを利用する。
たまにはそんな優雅な一日があっても良いじゃろう、とな」
「マジでござるか……」
『刀身不屈』咲々宮 幻介(p3p001387)がきょろきょろとしながら、『お連れ様』として入っていく。
「ハイペリオンランドも賑やかになったで御座るな、ヒーローショーの悪役のバイトをしていた時が懐かしいで御座る……もうそうして客引きをせずとも、十分な収益を見込めそうだしお役御免で御座るかね?」
マニュアルを導入し属人化状態からできるだけ抜け出そうとするリニューアル姿勢は幻介から見ても安心できるものだ。とはいえ、未だにお誘いの声はかかるようだが。
「すまぬが、例のアレ……『ハイペリ丼』を頂けるかな、前はバイトの賄いで食べていたが……中々に良い出来だった故にメニューに加えられたので御座るよな」
このレストランではメニューは渡されない。望んだ食事が可能な限り提供されるという不思議な仕組みになっているのだ。というのも、全てのレストランは地下通路で繋がっていてセントラルキッチン制がとられているのでパーク内すべてのレストランのメニューやその応用が可能なのだ。
ややすると、幻介懐かしの味が運ばれてくる。
「そう、これこれ……」
お椀は丁寧にペリオン柄。シェフからの「おかえり」というメッセージがそこに込められているように見えた。
●おいでよハイペリオンハウス
ハイペリオンランドの中央には透明なドームがたっている。これぞ神翼獣ハイペリオンのすまう家、ハイペリオンハウスである。
「久しぶりに会えて嬉しいよハイペリオンさん。決戦のあとはなかなか会いにも行けなかったしね」
鞄におやつを入れた『赤い頭巾の断罪狼』Я・E・D(p3p009532)が、花咲く庭園の真ん中に座る。ハイペリオンは綺麗な絨毯の上にもふっと座っており、こぶりなテーブルのまわりに座布団が並べられているというだいぶ簡素な作りだが、ハイペリオンひとりがいるせいで急に非日常感が強まるようだ。
ハイペリオンは『歓迎しますЯ・E・Dさん』といってにっこり笑った。
「そういえばハイペリオンさんって食べ物だと何が好きなの?」
「そうですね……甘いお菓子が好きです。そればかり食べていてはいけないのですけど」
苦笑するハイペリオン。優雨(p3p010426)はそんな姿をぽーっとした顔で見ていた。
「えと……こ、こんにちは。レインは、レインです……。
……えっと、触ってみても、良いですか?」
「こんにちはレインさん。どうぞ」
優しく笑いかけ、なんなら両腕(翼)を開いてみせるハイペリオンのおなかに、レインはそっと手をうめてみた。
ふと横を見ると、人生に疲れたOLが埋まっていた。
まちがえた。『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)が顔からハイペリオンに埋まっていた。
「はぁあああああああいぺりおんさま!! んああああもっふふふふふぁっすーーーーはーーーーすーーーーあっおひさまの匂いとちょっと鳥というか動物っぽい匂いとではーーー」
ある意味ハイペリオンの正しい楽しみ方である。
『ファイヤーブレス』スフィア(p3p010417)も横から手を入れてもふもふとやっていた。
「量産型ハイペリオン様よりおっきい……」
分離元なので定義としてはママにあたるのかもしれない、などとなんとなく思いつつ。
レインも一緒にハイペリオン様の羽毛に顔を近づけてみる。
おひさまのいいにおい。心を穏やかにしてくれるような、ほんのりとした温かさがそこにはあった。ハマるのも無理からぬ。
『お昼寝ひなたぼっこ』もこねこ みーお(p3p009481)もどうやらハマったようで、天井をのカバーを開いて日向ぼっこ状態になった部屋でもふもふしたりごろごろしたりしていた。
みーお的にも絶好のお昼寝スポットのようで、絨毯の上でかるくハイペリオン様にくっついた状態でうとうとしている。
「のんびりお昼寝したいですにゃ。すぅ…むにゃむにゃ…にゃー…」
「ハイペリオン様にゃ! 実はハイペリオン様、よく知らなかったけどお土産コーナーで絵本買って勉強したからバッチリにゃ! 勇者王の人と旅をしたとかすごいのにゃ!」
はじめましてにゃ! と言いながら背中をなでなでする『少年猫又』杜里 ちぐさ(p3p010035)。
「ニルはハイペリオン様とお話するの、楽しみだったです! ニルは、ハイペリオン様の好きな食べ物知りたいのです。ハイペリオン様と一緒に食べてみたいのです」
『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)もそこに加わりもふもふとやると、ニルはお土産コーナーに売っていたハイペリオンクッキーを取り出した。
「はい。はじめまして、ちぐささん。ニルさん。そうですね、私もそのクッキーは大好きです」
ニルもこれは好きです! とにこにこするニル。実際ハイペリオンランドにはお菓子を売っているフードトラックが沢山あって、その殆どがハイペリオン様のすきなもので構成されていた。大人の手のひらくらい大きいハイペリオンクッキーもそのひとつである。
そこへここぞとばかりにドラネコのミーフィアやらクローディアやらハーミアやらぴょんぴょこ飛びつき、『未来を願う』ユーフォニー(p3p010323)が楽しげにその様子を眺めている。
「すごく大きい……! 初めまして、ハイペリオン様、ユーフォニーです。こっちはドラネコの――ってハイペリオン様の頭に乗っちゃだめだよ……!」
「いえいえ。いいんですよ」
ハイペリオン様はよじのぼるドラネコたちを翼でよしよしとやっていた。
そんな様子を、『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)がほっこりした顔で眺めている。羊のジークやにゃんたまたちがおなかの辺りに寄り添ってもふもふとやっている様子が、ひたすらに心癒やされるらしい。
「あの白くてフワッフワな羽毛に包み込まれたいと思ってしまうのはもはや致し方ないこと……ここは私も」
といってゲオルグがふかぁっとハイペリオン様に埋まっていく。
なんかもうみんなハイペリオン様に吸着する磁石みたいになっているが、ハイペリオン様は終始にこにことしていた。
帰りでもないのにお土産やらグッズやらを大量に買い込んでしまった『諦めぬ心』イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)が、その様子をほわーっという顔で眺めている。
荷物が多すぎるせいでオフィーリアとメアリにも多少持って貰っているくらいだが……。
「うう、メアリの視線も心なしか冷たい……でも、ハイペリオンさまとお写真を撮る今の俺は無敵だよ!」
イーハトーヴはスマホを取り出し、写真いいですか! と叫んでみた。
快く頷くハイペリオン様。
折角なのでと吸着してるみんなで一緒に、写真に入ってみた。
●夜は楽器を奏でて踊ろう
ハイペリオンランドに夜がやってきて、ハウスのドームの天球が閉ざされる。星空が見えるドームの下、球状の間接照明があちこちに灯るちょっと幻想的な空間がうまれた。
「ご、ごきげんよう、ハイペリオンさま」
全身ハイペリオングッズにした『白ひつじ』メイメイ・ルー(p3p004460)が、ハイペリオンリュックのハーネスを掴んで目をキラキラしていた。胸には三種の缶バッチ。
「ごきげんよう、メイメイさん。これからイズマさんが演奏をして下さるんです。一緒にいかがですか?」
見ると、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)がかわった楽器を手にしていた。頷き、奏で始めた音楽は豊かなケルト音楽である。楽器一本しかないのにハープとかバグパイプの音が出るのはイズマならではだろう。
陽気な音楽に合わせて楽しげに踊り始めるハイペリオン様。手招きされたメイメイもぴょんと飛び込んで一緒に踊り始める。
中でも陽気にはしゃいでいたのは『空の王』カイト・シャルラハ(p3p000684)である。
ドームのちょっと上のところを器用に飛びながらずんちゃか踊ると、ハイペリオン様と手を繋いだ。するとどうだろう、イズマやメイメイも一緒にふわりと空に浮かび上がるではないか。
「おお、この力は……!」
「皆さんとすごすうち、少しずつですが力が戻ってきたようです。神翼獣の権能も、この程度ですが日常的に使えるようになりましたよ」
「やったぜ!」
カイトは飛ぶことも忘れてハイペリオン様にもふっと抱きついた。まるで大きな存在に守られているかのように彼の身体はすこしも地面に引っ張られることはない。
三人は暫くの間、そうして空のゆりかごで遊んだ。
「Uh…Uhhh……!!!! ステラ…すごいよ…こんなにハイペリオンいっぱいなのにほ、ほんものまでもふ…もふ…ふぁ、あーーっ…」
語彙が壊れた『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)が、肉体的にはヘロヘロなのに気持ちはマックスという状態でハイペリオンハウスへたどり着いた。
「テンションがすごいことに……帽子かぶります?」
「かぶる!」
『斬城剣』橋場・ステラ(p3p008617)の差し出したハイペリオン帽子(ニット帽タイプ)を装着したリュコスを眺めつつ……。
ドームの入り口を潜ると、ハイペリオン様が『ようこそリュコスさん、ステラさん』といって手招きをしてくれた。
ステラはそっとバウムクーヘンの入った籠をかかげてみせる。
「ごきげんよう、お茶会はいかがですか?」
「バウムクーヘンだー! お茶会! やろうやろう!」
夜更けて。ハイペリオンはゆっくりと目をあけた。
「あげあげ、うぇいうぇい、ふぁんふぁんふぃーんふぃーん、です。すぅーーーー」
『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)がハイペリオン様に顔から埋まっていた。
「ハイペリオン様!お久しぶりでスゥーーー!!
あ゛ァ〜これですこれ…か弱き肺活量で日頃から遠方より吸い込んではいたものの、やはり羽毛に顔を埋め吸気の許す限りハイペリオニウムを体内へイッキするのがうるとら――Excellent」
『太陽の翼』澄恋(p3p009412)もやっぱり埋まっていた。
「ペリランで!アゲて!!チェキって!!バエるインパ!!キメてやるぜ!!なぁEverybody! そしてッスゥ――……Hapiness smell」
『怪人暗黒騎士』耀 英司(p3p009524)も一緒に埋まっていた。
日常的に身体に顔を埋められているというのに、ハイペリオン様のほうは普通におっとりとした顔(?)をしている。表情や仕草から感じるのは母性であり、そしてやわらかさだ。
「すぅ~~~太陽の香りがします~~!! ゴフッ!?」
同じく埋まっていた『月華美人』香 月華(p3p010546)が突然吐血した。
「あっ、あっ、あまりにも幸せ過ぎて、少々はしゃぎ過ぎました……」
「いいのですよ」
ハイペリオン様はそっと月華の頭を撫でてやった。羽毛を血で汚したのではと顔をはなしてみると、不思議なことに洗い立てのおふとんみたいに綺麗になっていた。
「これは一体……」
「皆さんがこうしていつも訪ねてきて下さるので、私の力も増したようです。身体をいつでも綺麗にできるのですよ」
それは便利ーとか思いながらもっかい顔をうめる月華。
『白砂糖の指先』ジェック・アーロン(p3p004755)はそんな風景をしばし眺めてから、そっと『タント様こんぺいとう!』を差し出した。
「アタシの好きな人の好きなものを、キミにもお裾分け。こうして会うのは久しぶりだね」
「そうですね、ジェックさん。約束は忘れていませんよ」
ハイペリオン様はそういって夜の空を見上げた。
「あっ! わたしからも! わたしからもホワイトデーのお返しを!」
「あれっ、勇者じゃね? チェキいいすか! うぇーい!」
「うぇーい! ぴーすぴーす!」
「ハイペリオン様! いぇーい! です」
「あげあげ、うぇいうぇい」
四人が埋めた顔をあげてテンションをアゲアゲにしている。
「ちぇき? いいけど……」
ジェックはお世話係のスタッフさんにカメラを預けると、ハイペリオンに寄り添った。
ぱしゃりと、シャッターがきられる。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
またのおこしをお待ちしております(╹v╹*)
GMコメント
『会える神様』ことハイペリオン様に会いに行こう。
勿論ただただテーマパークのアトラクションを楽しんだり、ご飯食べるだけ食べたり、おみやげ選んだり、カップルでオトナなディナーを楽しんだりして頂いてもオールOK。これからも続くテーマパークをぜひお楽しみください。
■■■プレイング書式■■■
迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容
書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。
■■■グループタグ■■■
一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【仲良しコンビ】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
この際他のタグと被らないように、相談掲示板で「【○○】というグループで行動します」とコールしておくとよいでしょう。
うっかり被った場合は……恐らく判定時に気づくとは思うのですが、できるだけ被らないようにしてください。
また、グループタグを複数またぐ行動はできません。どこか一つだけにしましょう。
膨大なプレイングを【】タグで一旦自動整理していますので、今回同行者の名前とIDだけを指定していた場合、かえってはぐれやすくなってしまうかもしれませんのでご注意ください。
■■■パートタグ■■■
シナリオ内には様々なお楽しみがあります。
ですが描写されるシーンはそのなかの一つに限られますので、どのシーンを描写してほしいかをこのパートタグを使って示してください。
(なので、パートタグから外れた部分のプレイングは描写されないことがあります。ご注意ください)
【レストラン】
様々なレストランで美味しいご飯を食べましょう。
パーク内には和洋様々なテーマで作られたレストランが併設されており、きっとお客様の好みに合ったメニューを見つけられることでしょう。
困ったら「うどんがたべたい!」みたいにプレイングに書いてサービスカウンターの人に案内してもらうとよいでしょう。
食べ物の好みをめっちゃ書いたり、日常の思い出にひたったりしてもよいかもしれません。
【アトラクション】
メリーゴーランド、観覧車、ジェットコースター、コーヒーカップ――遊園地って聞いてうかぶ大抵のアトラクションがあり、それに加えて量産型ハイペリオン様にのって空を飛ぶアトラクションがあります。
※量産型ハイペリオン様:ローレットでも割と普及している騎乗動物。たぶん精霊か何か。
【ハイペリオン】
中央のドームへいってハイペリオン様に会いに行きます。
ハイペリオン様はいいひとなので大体のひとは優しく迎えてくれるでしょう。
■■■補足■■■
プレイングとかには関係しない背景の補足です。
ここハイペリオンランドは元もハンマーランドといって、サニーサイド・ウィツィロ卿に運営されていました。当初はハイペリオン様の存在自体がまゆつばだったせいで、『かつて勇者パーティーのハイペリオン世話係だったウィツィロ家の末裔』というなんかやけに遠回りな栄光一本で貴族の端っこに居続けていました。パーク運営もあまり良好ではなかったようです。
ですがハイペリオン様がマジで復活してから周辺貴族どころか王までもが『マジじゃん』となったため多くの出資が行われ、当時の新世代勇者を称える社会情勢も相まってものすごいジャンプアップが起こったのでした。
といっても、ハイペリオン様自体は健康的な毎日を送るだけのとりさんなので特別なことはしていません。今日もテーマパークの代表マスコットとしてお客様をむかえるのです。
そしてウィツィロ家もそういう観光活動しかしていないので各貴族派閥からも別に放っておいていいかな枠に入っているようでした。
Tweet