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シナリオ詳細

ドラネコの小さな冒険

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜をかわいく生きる者達
 ドラネコ、と呼ばれる亜竜がデザストルにはいる。
 亜竜ではあるが、どの亜竜集落にも気が付くとドラネコの姿がある。
 その姿は外でいう「猫」に酷似している。
 大きさも子猫~成猫サイズ。どこまでも猫だ。
 ただし、食べてはいけないものなどはない。食べられないものもない。
 猫では有り得ない色も存在することと、その背中にドラゴンの翼が生えており、フワフワ飛んでいることがあるのは如何にも亜竜っぽいだろうか。
 亜竜種と共に生きている亜竜でも、大抵は大きくなれば危険になって処分されたりする。
 だが、ドラネコにはそれがない。
 何故か。危険じゃないからだ。
 あえていうなら可愛すぎて萌え殺されるかもしれないのが危険だろうか。
 そんな感じに可愛らしさに全振りして生きている亜竜なので、それそのものには危険性はないのだが……可愛さだけで生きていける程デザストルは甘くない。
 まあ、他の亜竜やモンスターに可愛がられて生きるドラネコもいるようだが……「かわいい」という概念を理解できないモンスターや亜竜も当然いる。
 ちなみにフリアノンで酒職人をしている老人、黒鉄・相賀はワイバーンと一緒に飛んでいたりアダマンアントの頭に乗っているドラネコを見たことがあるらしい。さておいて。
 そんな感じでフリアノンに来るイレギュラーズたちもドラネコを見ると思わず二度見、三度見してしまう程度にはドラネコは愛らしい。
 そして大抵の場合、そのドラネコを巡る騒動に巻き込まれたりもするのだ。

●ドラネコはかわいい
「ドラネコと冒険したいですね……」
「すればいいんじゃないかのう……」
『未来を願う』ユーフォニー(p3p010323)に黒鉄・相賀が身も蓋もないことを言うが、今日のフリアノンは比較的平和である。
 珱・琉珂の提案である『覇竜領域トライアル』。
 それは簡単に言ってしまえば覇竜領域での雑用仕事の始まりだ。
 前人未踏とされた危険領域だ。亜竜種達もその危険性を重々承知の上でイレギュラーズ達との友誼を図るための手立てとして提案したのだろう。
 仲良くなれようとも、この領域で生き残れなくては友誼を結ぶことは難しい。それは自身等の戦力強化でもある。
 そんなこんなで相賀は、かなりイレギュラーズに仕事を頼んでいる方ではあったが……何と今日はお酒ではなくお茶を飲んでいる。そんなだからのほほんとしてるんじゃないだろうか。さておいて。
「しかしまあ、そうじゃなあ……」
 相賀はその辺を飛んでいるドラネコをチラリと見て、「ふむ」と声をあげる。
「それなら、してみるかの? ドラネコと冒険」
「にゃ?」
 呼んだ? とばかりにドラネコが飛んできて相賀の頭の上に乗る。
「ドラネコが自由に生きてることは知ってると思うがの。ならドラネコは普段何を食っとるのかって話じゃ」
 何しろ可愛さに全振りしている生き物だ、モンスターを狩れるはずもない。
 しかし、それなら何を?
「ネズミキノコっていうキノコがあっての。自分であっちこっち移動して増えるキノコなんじゃが……まあ増える増える。凄い勢いで増えるんじゃが、ウザ過ぎて亜竜とかに蹴散らされて「増えすぎない」程度に収まってるキノコなんじゃよ」
 それはまた随分と覇竜らしいというか、害茸としか言いようがない。
「しかしこれがドラネコが結構好きでの。食べても悪影響なんぞないもんじゃから、パクパク食べるんじゃよ」
 ちなみに人が食べても悪影響は何もない。
 ウザいから栽培したりはしないが、たまに亜竜集落でも食べていたりはする。
「生えてるところに心当たりはあるでの、地図を描いてやろう。現地に行って、ドラネコと好きなだけ狩ってくるがええ」

GMコメント

黒鉄・相賀からの依頼です。
地図のルートに従い、ゴツゴツした荒れ地を抜けて岩山を登り、指定された平原に行く事になります。
見晴らしの良い平原ですが、ネズミキノコ達がワイワイと集結しています。
小さい足が生えているので、本当に「集結」です。
皆さんが敵意を見せるとワッと逃げ出します。しかし、あんまり遠くに逃げると乱暴なモンスターとか亜竜に潰されるので、平原の範囲内で逃げています。
平原の範囲はおおよそ半径100mほどの円状です。
そこから先は岩場になっており、踏み込むことは推奨されていません。
好きなだけネズミキノコを捕獲したら、持って帰って料理しましょう。
お鍋とか焼き茸がオススメです。

●ネズミキノコ(いっぱい)
ねずみ算で増えるキノコ。捕まえたらちゃんとトドメを刺しましょう。逃げるから。
大きさは成人男性の両手を広げたくらい。菌糸の足が生えており自走します。
ドラネコでも捕まえられる程度に弱いのですが、何故か人間相手には胞子ビームを撃ってきます。
撃たれると語尾が「キノコ」になって、仲間がネズミタケに見えるようになります。
ビンタされると治りますので誰かに叩いて貰いましょう。
運が良ければドラネコが猫パンチしてくれます。

●ドラネコ
亜竜集落をトコトコ歩いてるかわいい亜竜。
大人になってもサイズは猫程度。可愛さに全振りした結果戦闘能力を失った、可愛さで世の中を渡る亜竜。
猫にドラゴンの羽が生えたような姿で、色や模様は千差万別。
鳴き声は「ニャー」です。

今回、「ドラネコ」を所持している方は一緒に冒険できます。
所持していない方はフリーのドラネコがついてきてくれます。勝手に。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 決められたルートを通る限り、想定外の事態は絶対に起こりません。
 決められたルートを外れた場合、難易度が大幅に跳ね上がる可能性があります。

  • ドラネコの小さな冒険完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年03月19日 22時21分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

恋屍・愛無(p3p007296)
終焉の獣
コータ・ヤワン(p3p009732)
鍛えた体と技で
冬兎 スク(p3p010042)
跳び兎バニー
エア(p3p010085)
白虹の少女
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
月瑠(p3p010361)
未来を背負う者
熾煇(p3p010425)
紲家のペット枠
アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)
ライブキッチン

リプレイ

●ドラネコと一緒
 天気は快晴。散歩には良い日和だが……今日の目的は散歩ではなく、れっきとした依頼だ。
 だがドラネコを連れているイレギュラーズたちの雰囲気はなんともほんわかとしていて、その依頼がどういうものかを何となく物語っている。そう、今日は命がけの仕事ではないのだ。
 まあ、一歩間違えば死ぬのは同じだが……それは覇竜では日常そのものなので問題ない。
「ドラネコ。トラネコとは違うのだな。外観は羽の生えた猫といった風情なのだな。何でも喰うという話だったが僕の粘膜とか喰うかな? たくさん食べて立派な亜竜になると良い。生きるという事は喰うという事なのだからな」
「ニャー」
『獏馬の夜妖憑き』恋屍・愛無(p3p007296)が何やら隣を飛んでいるドラネコにちょっと怖い事を言っているが……まあ、それなりにドラネコのことを気に入っているように見えた。
 ドラネコの方も愛無を気に入っていると見えて、なんとも呑気に飛んでいる。
「よし。おまえの名前は「ビフテキ」にしよう。シモフリと悩んだが。やはりビフテキのが響きが愛らしいからな。お腹すいたとか思っていない。ゆえにビフテキも安心するが良い。今日は「ぱーとなー」だからな」
「ニャッ」
 意思疎通は出来ていないはずだが、なんとなく会話できているように思える。それもドラネコの可愛いポイントだ。
「今回はドラネコというなんとも可愛い生き物と一緒にご飯の調達、もとい冒険の依頼です!」
「世間は色々と騒がしいけど、こういうのんびりとした依頼もあるんだな」
『ゆめうさぎ』冬兎 スク(p3p010042)と『それいけ柔道オクトパス』コータ・ヤワン(p3p009732)も、そう頷きあう。
「せっかくこないだの依頼でモフ太(ドラネコ)と仲良くなれたし、ネズミキノコ狩り、頑張ってみよう」
「ボクにはドラネコがいないので、野良ドラネコとですけど……ご自身のドラネコと一緒に参加する人も結構いるんですね」
 そう、たとえば『未来を願う』ユーフォニー(p3p010323)はドラネコを3匹連れている。
 それぞれ縁のあったドラネコだが……ミーフィア、クローディア、ハーミアと名前をつけて可愛がっているのが分かる。
「ふふふふふ……楽しみにしてました……ドラネコさんと冒険! 皆さん、今日は頑張りましょう〜!」
「ドラネコさん召喚ฅ^•ω•^ฅ」でファミリアーとして別にドラネコを1匹召喚したユーフォニーは、本当にドラネコが好きなようだ。
 そしてそういう者はドラネコも安心して近づいていく。
 勿論、名前の有無が絆の有無ではないが……ユーフォニーの様子を見て『宝食姫』ユウェル・ベルク(p3p010361)も自分のドラネコをチラリと見る。
「キノコ狩りだー! 行くぞードラネコ! そういえばこの子にまだ名前を付けてなかった……おかーさんに相談したら好きなのにしなって言われたけど、がんばってなんかいい感じの名前思いつくね!」
 そして『優しい気持ち』エア(p3p010085)は……なんと猫じゃらしやおもちゃをたくさん用意してきていた。
「ドラネコちゃんは猫じゃらし好きですかね? この日の為に選んできたおもちゃも気に入ってくれるでしょうか? とりあえずドラネコちゃんに美味しいご飯を一杯食べさせてあげるために!! わたし頑張ります!!」
「ニャー」
 とりあえずエアの頭にはドラネコが乗っているので、気に入られてはいるようだ。
「おー! ドラネコとみんなで遊びにいく! 変なキノコをとりにいって食べるんだな! 俺、キノコ好き! だけどお肉はもっと好きだぞ! 肉とキノコでもっと美味しい、楽しみだな!」
 楽しげな声をあげるのは『紲家のペット枠』熾煇(p3p010425)だ。
「みんなもドラネコ連れてきてるんだな。俺も連れてきたんだぞ。ほら、『シロ』っていうんだ。可愛いだろ? 俺の後輩ペットなんだ。……俺もペットだぞ?」
「この子はミケーネ。なんか、その……わたしの頭の上が気に入ってしまったらしくて。どけてもすぐ乗ってくるから、もう、あきらめて、一緒にいることにしたのよ」
「ニャッ」
 紲家のペット事情はさておいて、シロも熾煇によく懐いているようだった。
『竜の祭司』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)の頭に乗っているドラネコのミケーネもまた、アルフィオーネによく懐いているようで、互いの関係の良さが伺えた。
 そして同じくドラネコを頭の上に乗っけているエアと視線で分かり合い、楽しく話をし始める。
「そうねぇ、重いといえば重いけど、ほら、あれ、正しい姿勢で歩く訓練で、頭の上に石板乗せて歩いたりするでしょ? それにくらべればまぁ、幾分か楽」
「つまり幸せになりながら修練も出来る……!?」
 実に楽しそうだが、遊んでいるだけではない。
 コータが事前に仕入れてきたネズミキノコの情報を共有したり、誰かが「胞子ビーム」をくらったらネコパンチしてくれるように「動物疎通」でお願いしたりと準備もしていたが……まあ、ドラネコに関しては基本思考が自由なので聞いてくれるかはドラネコ次第の部分もあるだろうか。
(ネズミキノコに夢中で忘れなきゃいいけどな……)
 そんなことをコータ自身思うが、まあ妥当な考えだろう。
「わたしの郷里でも、キノコが自生してるけど、流石に同じキノコは食べ飽きてきたから、楽しみだわ」
 アルフィオーネがちょっとワクワクしながら、そんなことを呟いて。
「確かになにやら怪しいビームを出すとお聞きしているので、対処のしやすさを考慮して野良ドラネコとなるべく離れないようにしないといけませんね」
「そうですね、ささっとたくさん捕まえて、キノコパーティーしましょう♪ ネズミキノコ捕まえ隊、出動です! ミーちゃん、クーちゃん、ハーちゃん、誰かがビームを受けちゃったらドラネコパンチよろしくね」
 スクとユーフォニーも頷きあい、目的の場所へと全員で突入する。
 そこは……ネズミキノコがワサワサと集結して揺れている、ちょっとキモい場所であった。

●ネズミキノコ狩り放題
(周囲の状況を把握。あわせてビフテキの匂いは覚えておこう。ネコというのは気まぐれなモノだ。勝手に動いて、このキノコの中で迷子になるかも知らん。見失わないよう気にかけておこう)
 愛無は非常にドラネコの生態を理解した事を考えながら周囲を見回す。
「殺したモノは喰う事にしているのだが。どの程度、狩ったもんかな。折角ではあるし集落で共食というのも悪くはないだろうし。数人前程度狩っておけばいいか。これだけいるなら物珍しいのも混ざってるかも知らん」
 逃げ回るネズミキノコは早速ドラネコたちに狩られているが……愛無たち相手だと胞子ビームを撃ってくるので、その辺りを注意しながらH・ブランディッシュを放つと……もうずんばらりんといった感じである。弱い、物凄く弱い。どうしようもないくらいに弱い。たぶん幻想の子供の方が強い。あまりの弱さに思わずギョッとするが、まあドラネコに狩れる程度なら当たり前なのかもしれない。
「さあ、いっぱい狩るぞー!」
 いくら安全な平原でも深追いすると危険区域に迷い込むハメになるからと、ネズミキノコを狩る時はあくまで手と足の届く範囲で動くことをコータは心がける。
 事実、頑張り過ぎて領域外に出てしまえば別の凶悪なモンスターや亜竜が出てきてしまう。その辺りはコータも仲間達も、そしてドラネコも充分に理解していた。
 スクもネズミキノコを捕まえて回り、エアもなんか凄いことになっていた。
 にゃんぱんちに猫じゃらしを刺しまくった上で、服のリボンにドラネコの気を惹きそうなおもちゃをくくりつけてネズミキノコに殴りかかるという、その対ネズミキノコというよりは対ドラネコっぽいその形態。
「ほら、わたしが人間猫じゃらしになればきっとドラネコパンチ受けまくるでしょう? そうなれば胞子ビームの追加効果は実質無効です。どうでしょうこの隙のない作戦。さらににゃんぱんちとアクロバットを活かして猫っぽく振舞えばドラネコちゃん達とも仲良くなれるんじゃないでしょうか! わたし天才では!?」
 どうだろう。どうだろうか。いや、エアが何もしていないうちからドラネコが寄ってきた。
「あっ! まってドラネコちゃんっ! そ、そんなにパンチされたらわたし! はわぁ~~!!」
 ドラネコパンチを受けて倒れるエアの背中でネズミキノコが潰れていたが、これも戦果といえば戦果だろうか?
「そーっと近づいて……今だっ!」
 ユーフォニーもネズミキノコを地道に捕まえていたが……ユーフォニーのドラネコたちも、それぞれネズミキノコを捕まえていた。
「ミーちゃんのトドメ……かわいい……! クーちゃん今ひとくちかじったね? ハーちゃん上手! 私も頑張りますよ!」
 まあ、ドラネコに捕まえたものを食べるなというのも酷な話なのでユーフォニーもそれ以上は言わない。
「キノコ!」
 その一方ではユウェルが胞子ビームを受けてドラネコにビンタして貰っていた。
 正気に戻ると同時にネズミキノコを狩っていくが……まさに狩り放題だ。
「おー、ネズミ! ……あれ、キノコか? ネズミなのかキノコなのかわかんない! でも美味しそう! ネズミも料理したら美味しかったから、きっとあれも美味しいな! いっぱい捕まえないとな」
 ちなみに分類としてはキノコなのだが……熾煇の疑問も仕方ないと言えるだろう。ただ、見た目はちゃんとキノコだ。
「よくも、やってくれたキノコ! 赦さないキノコ!」
 胞子ビームの影響から元に戻ったアルフィオーネがロングスピアを振り回し、ネズミキノコを狩っていく。
 そうして、やがて持って帰れるギリギリまで狩ると、ようやくキノコ狩りは終わって。
 全員でフリアノンまで持って帰れば、キノコパーティーの始まりだ。
「大漁大漁。んー、どうやって食べるか迷うね! ドラネコの分もたくさんあるよー」
 しかしまあ、ユウェルとしてはお料理は得意じゃないからお任せで、気分としては鍋を食べたい感じであった。
 これについては愛無が作ってくれている。
「BBQセットは一応持ってきました! フリアノンならでのネズミキノコ料理ってありますか? エアさんがお料理上手って聞きました。私にも教えてください……!」
 ユーフォニーは言いながらエアに視線を向けるが、エアはまだ幸せな世界に飛んでいた。
「はぁ、幸せな時間でした……」
 ホクホク笑顔のエアは、ユーフォニーに気付いてハッとした顔になる。
「う、うーん。こんなに一杯材料があると色々出来そうですね、わたしはキノコスープでも作りましょうか♪」
 誤魔化すように言うエアにユーフォニーは素直に「なるほど!」と頷いて。
「それと折角ですし茹でたきのこを細かく刻んだものを、にゃんにゃんおやつセットに混ぜてドラネコちゃんにも食べさせてあげましょう♪ ……美味しい? お口に合うかな?」
「ニャー」
 嬉しそうなので、正解なのだろう。
「やはり鍋だな。何となく同じ釜の飯を食ったって感じがするし。折角ではあるし集落の者も誘ってみるか。うまい酒と飯は垣根を払うモノだ」
 そんな事を言いながら調理をする愛無だが……まあ、量的におすそ分けにはなるだろう。
「時にビフテキは矢張りネコ舌なのか? ふーふーしてやるか? 火傷なぞしたら大変だからな」
 ドラネコのビフテキとも仲が良くなったようで、とても良いコンビ感がある。
 そしてそれは、ユウェルも負けてはいない。
「出来上がるまでにキミ(ドラネコ)の名前を考えようかな」
 その間の暇を持て余したユウェルはドラネコを抱え上げ、考える。
「んーとんーと……思いついた!キミの名前はピエドラだ!」
「ニャー」
「わたしが宝石でキミが石、いいコンビじゃないかなかな? キミは動くの嫌いそうだしなんか石っぽいからぴったりでしょ!」
「ニャッ」
 何となく意思疎通が出来たような気分の中、ユウェルのドラネコの名前が決まって。
「そろそろ焼けた頃かしら?」
 槍……ではなく串に刺したネズミキノコに醤油と溶かしバターを回しかけ、アルフィオーネが覇竜放炎調理法で焼いていく。
 キノコの焼け具合の確認は中々に難しい。どこまで焼くのが最適かは、未だに意見が分かれるところだ。
「シロ、俺のもあるからちゃんと残しておくんだぞ! あ、その丸々太った大きいの俺がとったやつ! 持ってくなー!」
 熾煇とシロが追いかけっこをしているが、ドラネコが1度獲った獲物を離すはずもない。
「ええと、キノコはいくらかは持って帰っていいのかな。トドメをさしておいたから逃げたり増えたりはしないと思うんだけど……知人へのお土産にしたいからさ」
「うむ、好きに持って帰るとええ。かなりの量じゃしのう」
 コータと相賀がそんな会話をする中で、モフ太がコータの頭の上でニャーと鳴く。
 そうして出来た料理は、どれも素晴らしいものばかりだ。
「ほーらピエドラ~キノコだぞ~。わたしもお鍋をもらお! ドラネコも猫舌なのかわからないけど一応ちゃんと冷ましてあげよ」
 個体差があるが、基本的には猫舌ではないらしい……さておいて。
 ユウェルも鍋に舌鼓を打ち、幸せそうな顔になる。
「そろそろお鍋の時期も終わるけどまだまだおいしいね!」
「私もお土産に何個か持って帰りたいなあ……出汁とか取れるのかな? キノコ料理、勉強しないと。またみんなで冒険したいね♪」
 ユーフォニーに熾煇も「そうだな!」と頷く。
 今日のような平和な冒険もまた、楽しいものだ。アルフィオーネも地図を見ながら「次」をすでに考えている。
(わたしの村から、ここへ来るのは無理ね。危険すぎる。う〜ん。村の近くにネズミキノコの群生地なんかあるのかしら? キノコって言ったら、洞穴に生えてるものしか見たことも、聞いたこともないし。とは言え、わたしの村にも、ドラネコちゃんはいるし、近くにある可能性は……)
 勉強熱心なその姿は、きっと未来に繋がるだろう。
「うーん、それにしても今日は楽しかったですね……! でもまだまだ遊び足りないですよ~!! みんなおいでぇ~~♡」
 エアが猫じゃらしをフリフリしてドラネコに埋もれていたが……今日はそんな、平和で楽しい一日だったのである。

成否

成功

MVP

エア(p3p010085)
白虹の少女

状態異常

なし

あとがき

キノコをドラネコたちもたっぷり楽しみました!

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