PandoraPartyProject

シナリオ詳細

極上の死香をおくれ

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●僕は堪えられなかったんだ
 ねえ、知ってるかい?
 思考には「におい」があるんだよ。
 僕の両親からは、いつも馬車に轢き潰された蛙の臭いがしていた。
 すごく不快で、恐ろしくて、嫌だった。
 僕に魔術を教えた爺さんは、古い書物のような、枯れ葉のような匂いがしていたなぁ。
 嫌な臭いじゃなかったけれど、つまらない匂いだった。
 でも、君からはいつも海辺に実る柑橘の匂いがした。
 爽やかで、清々しくて、少し甘酸っぱくて。
 僕が君を避けると、僕が君を邪険にすると、不思議とほろ苦さが加わって。
 その微かなビターフレーバーを含んだ君の匂いが、僕にはたまらなかった。
 ずっと、ずっと嗅いでいたかった。
 なのに……。

 ああ、僕は堪えられなかったんだ。
 爺さんは、君の前でだけはいつも匂いが変わった。
 君にだけは不思議な甘さを感じる匂いを発するんだ。
 僕の前では、一度もそんな匂いをさせないのに。
 君のビターフレーバーは僕だけのものなのに、爺さんの甘い匂いがそれを掻き消してしまう。
 爺さんも、君も、何もかも嫌になった。
 何度でも言うよ。
 僕は堪えられなかったんだ。

●ああ、君の匂いだ
「ヴェンデル、本当にここにルドヴィークが来るのか?」
 『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)は辺りを見回した。
 そこは既に無人となって久しい村で、目の前の石造りの神殿は遥か過去の遺物となり朽ちて瓦解している。崩れた壁や折れた柱は瓦礫と化してそこここに散乱し、合間から生える蔓草が逞しく瓦礫の上を這っていた。
「確証はない。だが、奴がもしも私を葬るつもりならば、この場所を選ぶと思う」
 そう答えたヴェンデル・ノイナー(p3n000228)を『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)が見上げる。
「ここは何か因縁のある場所なの? 二人の思い出の場所、とか……」
 ヴェンデルは小さな痛みを抱えたような寂しい微笑をココロに見せた。
「師の元を出奔したルドヴィークを追い、引き戻そうとして返り討ちにされ死にかけた場所だ。彼にどんな事情があったかは知らないが何か悩んでいるなら力になりたいと思い、連れ戻そうとしたのだが……。この場所でようやく追いついた私に、彼は何も語らず泣き叫びながら攻撃を加えた。疎まれていたことは自覚していたが、あんなにも激昂し怒りをぶつけられるとは想像だにしていなかったために、私は彼の一撃をまともに食らって三日三晩生死の境を彷徨った」
 ぽつり、ぽつりと灰色の空から雨粒が落ち始める。
「雨か……」
 頬に当たった雨粒の冷たさにジェイクが一瞬眉をしかめた時。
「よく覚えていたじゃないか」
 甘ったるく……ぞっとするほど妖艶で蠱惑的な声が雨に溶けて降ってきた。
「危ない!」
「ヴェンデルさん、こっち!」
 『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)がジェイクとココロを瓦礫の陰に押しやり、『進撃のラッパ』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)がヴェンデルの腕を掴み一緒に石段の下に転がる。直後、崩れかけの神殿跡のホールに電撃が刺さり、大きな穴が開いた。
「何だいヴェンデル、己の葬儀に参列者でも連れてきたのかい? それとも、弟子一人では共の道行きが足りなくて寂しくなったのかい?」
 しとしとと降る雨をその身に受けながら、こつ、こつ、とブーツを鳴らしてくすんだ灰色のローブを身に纏った男が近付いてくる。鳶色のマッシュルームカットにやや垂れた目尻、一見人好きのしそうな面差しでありながらしかしその瞳は思わず息が詰まるほどの闇を纏っていた。
「ベイルを魔種に反転させたのは本当だったようだな……ルドヴィーク」
 ヴェンデルは屈めていた体を起こして立ち上がると、ローブの男――ルドヴィークを睨む。

 魔術師のヴェンデルには四人の弟子がいた。
 寝食を共にし、用心棒稼業をしながら各地を転々とし、無残に殺された姉の仇を討つべくイレギュラーズと戦う時を待っていたヴェンデルに寄り添い、ヴィーグリーズの丘ではジェイクたちを相手にヴェンデルのために戦った。
 後に、ヴェンデルの姉を殺した真犯人が悪徳貴族のベイル男爵と判明しイレギュラーズへの疑いが晴れると、ヴェンデル魔術師団はバルツァーレク派に属するクライフ男爵の庇護を受けながらローレットでイレギュラーズの手伝いを請け負うようになる。
 師と弟子の絆は変わらず強く、彼らは家族のように互いを思いやった。
 しかし、そのささやかな幸福は突如終わりを告げる。弟子のひとり、マレインがクライフ男爵邸に帰る途中に襲撃を受け、命を落としたのだ。
 そのマレインを襲ったのが、今ヴェンデルの目の前にいるかつての兄弟子、ルドヴィークである。更に、ルドヴィークは死して尚も杖を放さぬマレインの腕を魔種になったベイルに預け、ヴェンデルに届けさせるという信じ難い所業を行っていた。

 イレギュラーズによって倒されたベイルは、死ぬ前にルドヴィークによって魔種となり力を得たことを暴露している。だが、それが出来るならばベイルに狂気を伝播させたルドヴィークもまた魔種であるということだ。
「一度この目で見るまでは心のどこかでそうであってほしくないと願った。マレインの命を奪った罪を一生を懸けて償ってもらおうとも思った。だが、貴様も堕ちるところまで堕ちたということか」
 憤怒の情を滾らせた面でヴェンデルはルドヴィークに全力の炎を叩きつけた……が。
「脆弱だねぇ。相変わらずヒヨッコだ」
 ルドヴィークが軽く食指を振っただけで炎は消えてしまった。
「でも、ああ……ああっ! 久し振りに嗅いだ君の匂いは堪らんねぇ! 爽快さの中に香るビターな香りと甘酸っぱさ! でも……どうしてだろう、昔よりもだいぶスパイシーだ。これは……ああ、そうか、怒りのせいかな。けどまぁ悪くない」
「何を気色の悪いことを!」
 ヴェンデルは長杖の先から強烈な雷をルドヴィークにぶつけるが、これもまた指先ひとつで消滅させられる。
「いい加減気付きたまえ。君の力は僕には通用しない。何てったって、僕は君の兄弟子なんだから。同じ師の元で同じ魔術を会得しているんだ、打ち消すことなんて赤子の手を捻るようなものだよ。でも、君には出来ないだろうね。何なら、試してみるかい?」
 ルドヴィークは瞬時に鋭い氷槍を形成すると、ヴェンデルの傍に立つフラーゴラに豪速で飛ばした。
「させるか!」
 ヴェンデルは強固な障壁を展開してフラーゴラの前に立つ。氷槍と障壁は相殺して消えた。
 ルドヴィークの一撃を凌いだものの、ヴェンデルの顔面は蒼白だ。
「ヴェンデルさん、大丈夫?」
 只事ではない様子にフラーゴラが不安げに尋ねると、ヴェンデルは息を殺して打ち明ける。
「……格が違いすぎる」
「これで分かっただろう? ヴェンデル、君は不器用なヒヨッコなんだよ。だから僕の術を打ち消すことは出来ない。まぁ、不器用なりに力技で弾いたみたいだけれど、同じことがあと何回出来るだろうか……うーん、今の君の力だと生きて僕の術を弾けるのはせいぜいあと二度、といったところかな」
 高説を垂れながら同情の眼差しを向けるルドヴィークに、ヴェンデルは一言も反論出来ずに唇を引き結んだ。それは、ルドヴィークの言葉が嘘ではない何よりの証だった。
「ごちゃごちゃうるせぇ。ヴェンデルはお前のせいで大事なモンを喪った。兄弟子だろうが何だろうが、魔種に堕ちたってんなら俺たちも遠慮はしねぇ」
 ジェイクの視線がルドヴィークを貫く。降りしきる雨の中、イレギュラーズたちは匂いに狂った魔種に死香を纏わせるべく立ち上がった。

GMコメント

マスターの北織です。
この度はオープニングをご覧になって頂き、ありがとうございます。
以下、シナリオの補足情報ですので、プレイング作成の参考になさって下さい。

●成功条件
 反転し魔種と化したルドヴィークの撃破
 
●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 現時点で判明している情報に嘘はありませんが、敵の攻撃パターンなどに不明点もあります。

●戦闘場所
 幻想国内の辺鄙な村に残った廃墟です。
 元々は村の守り神を祀る石造りの神殿か何かだったようですが、長年続いた人口減少で無人村となってからは荒れ果てる一方で、建物の大半は崩れて瓦礫の山と化しています。特に、屋根や天井部分は完全に崩落しております。
 廃墟の規模は、大体「サッカーの試合が可能なスタジアム」程度をイメージして頂ければと思います。辺鄙な村によくそんな神殿建ててたなってツッコミを入れたくなる大きさだと思って下さい。
 周辺には人家も田畑もありませんので、思う存分暴れるには格好の場所です。
 しかし、崩れた瓦礫や生い茂る蔓草などで足場の環境は著しく悪く、中途半端に残る壁や柱も視界を妨げますので注意が必要です。

●今回の敵について 
 魔種のルドヴィークです。
 ルドヴィークは『嫉妬』の属性を持つ魔種で、ヴェンデルの後見人であるクライフ男爵に身勝手且つ一方的な憎しみを抱いていたベイル男爵を狂気の伝播により魔種に反転させました。
 元々はヴェンデルの兄弟子で人間種だったルドヴィークですが、魔種に反転した今も外見は以前と殆ど変わっていません。
 しかし、能力は反転前とは比べ物にならないようです。
 魔種になったルドヴィークは過日ヴェンデルの弟子・マレインを一撃で瞬殺していますが、この時マレインはヴェンデル仕込みの防御術を完璧に展開したにもかかわらず何をされたか分からぬままに亡くなっています。
 反転前はヴェンデルも敵わなかったほどの魔術師だった辺りからも、今のルドヴィークは攻守ともに魔法系の技を得意としていると見て良さそうですが、恐ろしいほど瞬間的に一撃を確実にヒットさせ命まで奪っている点も考えると、バケモノじみた反応とクリティカル及び攻撃力を持ち、攻撃には【必殺】属性が付いているものと思われます。
 また、ヴェンデルと同門だったことが反転後も影響しているらしく、ヴェンデル同様に毒・火炎・氷(凍結)・電撃(痺れ)系列の最上位バッドステータスを扱うことが出来る上に、ヴェンデルからの攻撃については全て完璧に読み取り無効化してしまいます。防御に関しては対ヴェンデルに限れば掠り傷一つ負うことはないでしょう。

●魔種
 純種が反転、変化した存在です。
 大いなる狂気を抱いており、関わる相手にその狂気を伝播させる事が出来ます。
 強力な魔種ほどその能力が強く、魔種から及ぼされるその影響は『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』と定義されており、堕落への誘惑として忌避されています。
 通常の純種を大きく凌駕する能力を持っており、通常の純種が『呼び声』なる切っ掛けを肯定した時、変化するものとされています。
 また、イレギュラーズと似た能力を持ち、自身の行動によって『滅びのアーク』に可能性を蓄積してしまいます。 

●ルドヴィークについて(補足)
 ルドヴィークは、かつてヴェンデルと同じ魔術師に師事しており、ヴェンデルの兄弟子に当たります。
 同門で修行していた頃、真面目で純粋なヴェンデルにとってルドヴィークは才能の塊で尊敬に値する存在でした。
 ヴェンデルはルドヴィークのことを仲間であり目標だと思っていましたが、何故かルドヴィークの方はヴェンデルに非常に冷たく、常に敵視していました。
 ある時、ルドヴィークは何も前ぶれもなく師の元を出奔し、そのまま行方知れずとなりました。
 そのため、結局ヴェンデルは何故ルドヴィークに冷たくされていたのか、何故ルドヴィークが突然姿を消したのか、未だに理由が分かりません。
 何年もの間行方不明だったルドヴィークでしたが、過日ヴェンデルの弟子のマレインと遭遇、彼を一撃で殺害しました。
 殺害動機は不明ですが、この時ルドヴィークはマレインが発していたらしい「匂い」に酔いしれています。
 ルドヴィークの言う「匂い」は単純な匂いそのものではなく、思考であったり雰囲気であったり、はっきりとは分かっていませんがそうした内面的なものから発せられるもののようです。

●その他参考情報
 時間帯は夕方、天候は雨です。
 視界を妨げる程の雨ではなく風もほぼ無風状態ですが、足下は多少滑りやすくなります。
 また、衣類が重くなったり体温を奪われやすくなったりするので多少疲れやすくなるかもしれません。
 気温は「黙っていると震えてしまう寒さ」です。
 ちなみに、ヴェンデルはシナリオ内最大2回までルドヴィークの攻撃から皆様を守ることが出来ます。たった2回ですが使いどころをプレイングで指示して頂ければヴェンデルはそれに従います。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

それでは、皆様のご参加心よりお待ち申し上げております。

  • 極上の死香をおくれ完了
  • GM名北織 翼
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2022年03月16日 20時25分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
医術士
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
天才になれなかった女
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ジルーシャ・グレイ(p3p002246)
ベルディグリの傍ら
シラス(p3p004421)
竜剣
チェレンチィ(p3p008318)
暗殺流儀
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)
砂漠の蛇

リプレイ


 降りしきる雨の中、ルドヴィークはくつくつと笑い声を噛み殺し、瓦礫の一段上からヴェンデルを見下ろした。
「ふふ、僕の好きなビターフレーバーだ。今、君は僕に……ううん、君自身の非力さに失望している、そうだろう?」
 長杖を握りしめたまま口を噤んでいるヴェンデルに、ルドヴィークは愉悦の笑みを深める。
(……もう救いようがないな)
 『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)は物悲しく息を吐いた。
 切磋琢磨する関係が、必ずしも純粋ではなかった……悲しいほどよくあることだ。
 だが、何故ルドヴィークはここまでヴェンデルを目の敵にして狙うのか。いくらでも考察は立てられるが、相手は魔種だ。ここで確実に討伐することはイレギュラーズとして「絶対」だ。
「ヴェンデルさん」
 イズマはヴェンデルにそっと声を掛ける。
「格が違いすぎるからって何も出来ないわけじゃないことを、彼に教えてやる気はないか?」
 ヴェンデルはイズマに視線を動かし、その言葉の先を促した。
「攻撃を打ち消されるとしても無力じゃないんだ、足元を凍らせて滑らせたり、雷で目眩ましをしたり……姑息と言えば姑息だが、打てる手はあるんじゃないか?」
「無論、やれる限りのことを全力でやる。私は皆と共に戦う」
 即答したヴェンデルにイズマは軽く微笑む。
「ああ、一緒に戦おう」

 暴力をまるで高尚な芸術か何かとでも思っているのか、もはや常軌を逸していると言っても過言ではないルドヴィークを『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)はやるせない面持ちで見つめる。
(兄弟子との再会がこんな形になるとは、ヴェンデルの気持ちを考えるとどうにもな……)
 だからこそ目の前のこの魔種を、深淵に堕落した「敵」を、ジェイクは心底許せない。
 ジェイクは銃を構えながら、ここまでの道中でヴェンデルから聞いた過去の話を思い出した。

 ヴェンデルの記憶では、同じ師の下で修行していた頃のルドヴィークはヴェンデルなど足下にも及ばないほど才能に恵まれた魔術師で、そのため師はあまりルドヴィークには口出しせず、当時弟子たちの中でも出来の悪い方だったヴェンデルに熱心に指導していたという。「手の掛かる子ほど可愛い」という言葉もあるように、師は不器用ながらも愚直に努力するヴェンデルをルドヴィークより可愛がっていたのかもしれない。
 善意や愛情に不自由せず幼少期を過ごしてきたヴェンデルは、ルドヴィークもまた人としての慈善慈愛に溢れた師のような兄弟子だろうと思って教えを請うたが、その度に何故かいつも追い払われ、時には罵詈雑言を浴びせられ暴力まで振るわれることもあった。それでも彼は兄弟子の中に善と愛はあると信じていた……いや、信じたかっただけなのかもしれないが。

(ヴェンデルの話からすると、ある種の「嫉妬」がコイツを狂わせたのかもしれねえな……)
 それは師と弟弟子の関係への嫉妬だったのか、弟弟子に秘めたる才能を見出してしまったが故の嫉妬だったのか、或いはその両方か……その根本にはあらゆる可能性が考えられるが、少なくともヴェンデルを絡めた「何か」に嫉妬していたと見て良さそうだとジェイクは結論付ける……とはいえ、そこに酌量の余地はない。
「覚悟しろよ……お前はアイツの心を踏みにじったんだ」
 唸るようにそう吐き出したジェイクの横に立つ『闇に融ける』チェレンチィ(p3p008318)は、ルドヴィークの言動からヴェンデルへの異常なまでの執着を感じずにはいられない。
(このルドヴィークさんという人、ヴェンデルさんの兄弟子で魔術の腕はヴェンデルさんより優れているということは道中で知りましたが……)
 無意識のうちにチェレンチィは首を横に小さく降っていた。
(ボクには理解し難いですねぇ)
 チェレンチィもまた、ルドヴィークの執着ぶりを鑑みて彼が反転した原因はヴェンデル絡みなのだろうと推測する。彼のヴェンデルに対する姿勢や、やけにヴェンデルよりも優位に立ちたがるところを目の当たりにすればそう推測するのは容易いことだ。
 だが、そこに至る事情も、嫉妬の念も、感情を匂いに例える様も、チェレンチィにはどうにも解し難い。
 はっきりと分かっていることは、「魔種なら倒すべし」――この一点のみ。なのだが……。
 チェレンチィは気遣わしげにヴェンデルを窺う。
(いくら自身の弟子を手に掛けた相手とはいえ、兄弟子ですからねぇ……少し心配です)

 一方、ルドヴィークを睨視する『竜剣』シラス(p3p004421)には、ルドヴィークの執着が他人事には思えず、ある種の共感すら覚えるほどだった。
(魔種が抱く執着と嫉妬に共感なんて認めたくはないけれど……)
 記憶の中で嘗て抱いていた感情とルドヴィークのそれが重なり、シラスの眼光はどこか憐憫の情を漂わせる。


「潔く僕の手の中で永久の眠りに就きたまえ、ヴェンデル。寂しいならばそこの連中も道連れにしてあげようか」
 ルトヴィークがそう言いながら右手を挙げる直前、ヴェンデルはジェイクの視線に気付いた。
 他の方向からは、『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)や『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)の視線も感じる。
「ヴェンデルさん、今一度彼を止めてくれる?」
 隣に立つ『紅霞の雪』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)がルドヴィークから目を離さぬまま囁くと、彼女たちの思惑を察したヴェンデルはさりげなく一歩出てルドヴィークに言い放った。
「道連れなどいらん。まして、私一人で貴様に挑むつもりも毛頭ない。だが、私にとってかけがえのない友たちに牙を剥くというのなら、私は全力で貴様を阻む!」
 鋭利で細かい大量の氷刃を含む風が一帯に吹き荒れる中、ヴェンデルは鬼の形相で防壁を展開し殺意の風をシャットアウトする。

 やがて氷風は止み、防壁は何かが破裂するような音を立てて消えたが、その後に開けた空間では「ある変化」が生じていた。
 相応の術を繰り出したにもかかわらず周囲の瓦礫や廃墟は何事もなかったかのように形を変えずに佇み、先程までヴェンデルの近くにいた筈のジェイクはルドヴィークから大きく距離を取り、代わりにイーリンとフラーゴラがルドヴィークの視界に真っ先に飛び込んでくる。
「ふぅん……君たち二人、仲間の盾にでもなるつもりかい? ああ、何と殊勝で麗しき愛だろう! うん、うん、悪くない。殺意の匂いはただただ度の強い酒の臭いがしてね、はっきり言って僕はそれが大嫌いだ。けれど、柑橘を搾った酒はそこまで嫌いではない。仄かにヴェンデルの匂いを感じるからねぇ」
 そう言って酔いしれるルドヴィークだったが、頭の片隅では周囲の光景が引っ掛かっていた。特段気に留めずとも、人が動けば、術を出せば破壊を受けた痕跡があって然りの空間でそれがない。何かがおかしい……ルドヴィークは素早く視線を巡らせ、イレギュラーズたちに手短に何かを伝えている『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)に気付く。
 彼女がこの場に何らかの細工をしているのではないか……ルドヴィークはそう推測を立てたが、その時には彼女の腕が限界突破の唸りを上げていた。
(師弟の感情の縺れなぞ珍しいものでもないが……)
 ルドヴィークはかつて如何な感情をその胸に秘めていたのだろうか。魔種となった今、この男はそれをどこまで記憶に留めているのだろうか。
(厭じゃな。やはり、魔種というのは)
 己が心に抱いていた思いが本当は何だったのか……その本質が分からなくなってしまうのだとしたら、これほど無情で哀しく救いようのないことはなかろう。
 だが、呼び声に応じ深淵にはまったルドヴィークが己を哀れむことはない。
「君からは僕を嫌悪する臭いがする。僕の両親と同じ臭いだ」
 ルドヴィークはあからさまに嫌な顔をしてクレマァダの拳を受け流したが、今度はぞわりと背筋を這い上がるような感覚を覚え、それがクレマァダの歌声によるものであると知ると、余計に嫌悪感を前面に出す。
 そして、クレマァダの歌を嫌がり離れようとした矢先。ルドヴィークに『砂漠の蛇』サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)が近付いた。途端にルドヴィークは短い悲鳴を上げて一歩飛び退き、その面を苦悶に歪ませる。
「……君、僕に何をした?」
 魔力を奪われたような脱力感に見舞われ一瞬ふらついたルドヴィークはサルヴェナーズをぎろりと睨んだ。瞼の裏には、湧き出た大蛇の群れがシューシューと威嚇する様がいまだ鮮明に残っている。
「ルドヴィーク、なぜ貴方はヴェンデルの弟子を殺したのですか? なぜ、ヴェンデルの死を望むのですか?」
 サルヴェナーズが静かにしかしはっきりと問いかけながら構えると、身に纏う檻や冠から溢れ出す泥が更なる恐怖を携えてルドヴィークに迫った。
 ルドヴィークは泥から湧き出た蠍に刺されながらも大蛇の幻影を払うように首を振り、泥が生む恐怖を獄炎で焼き払うと、
「『なぜ』? 君こそなぜ理解出来ない? 僕の欲求は至極真っ当だと思うがね」
 と苛立ちを隠さず答える。そして、サルヴェナーズに逃げる暇すら与えずに氷槍を突き刺した。
「本当に……他に道は無かった、と?」
 途切れ途切れに尋ねるサルヴェナーズの声が次第に細くなる中、ルドヴィークは底冷えするような微笑を湛える。
「ないよ、あるわけがない」


 サルヴェナーズを氷槍ごと弾き飛ばしたルドヴィークは、改めてイレギュラーズたちを見回した。よくよく見ると、殆どのイレギュラーズたちは鳥でも亡霊でもないのに瓦礫の上に浮いている。
 辺りに響くハーモニーは歌うようにのびやかで、それを発しているのがイズマであると分かると、ルドヴィークは眉を顰め手の甲で鼻先を塞いだ。
「ああ、これだよ、この臭い。ただただ度の強い酒の臭い、僕を殺そうとしている奴が醸す臭いだ。すごく不愉快な臭いだ」
 ルドヴィークがそう言い終える頃には、辺りの瓦礫は灼熱の岩と化していた。
「嫌な臭いは焼き消してしまえばいい。僕は清々しい君の匂いだけを嗅いでいたいんだ」
 真っ赤に染まった眼前の光景にうっとりと目を細めたルドヴィークだったが、細めた視界に見覚えのない小さな炎の花弁がちりちりと舞うと思いきり瞼をこじ開ける。
「避けられるものなら避けてみて? 難しいだろうけど」
 炎乱の花吹雪とは対照的な凍刺の一声。フラーゴラの視線とルドヴィークのそれがかち合った。
「前言撤回。ヴェンデルの匂いをちらつかせながら酒をぶちまけるのはやはり無粋だよ」
 ルドヴィークは細炎の合間をひらりひらりと縫うように舞って躱すが、その心は穏やかではない。灼熱の大地にイレギュラーズたちを沈めたつもりが、しぶとく立っているのだから。
 大盾を構えるイーリンが魔眼を煌めかせルドヴィークを真っ直ぐに見つめる。
「私の後ろには通さない」
 この戦場を見極め仲間の動きに常に気を配っているイーリンは、後ろに控えるココロや『月香るウィスタリア』ジルーシャ・グレイ(p3p002246)たちには火の粉一片さえ触れさせまいと立ち回った。
 ジルーシャはイーリンの状態に注意を払いながら竪琴で旋律を奏で、その音色と自身の纏う香りでこの場にいるであろう精霊たちに語りかける。
「アンタたちの力を貸して頂戴ね」
 この戦い、香術師としても負けるわけにはいかない。
(香りは人の悩みに寄り添い、心を癒すものよ。それを、人の秘めたる感情に当てはめて暴き散らすなんて、悪趣味以外の何ものでもないわ。それに……)
 高みから見下ろしたかのような広い視野の中にヴェンデルとルドヴィークを同時に映すジルーシャの胸の奥が、ちくりと痛みを覚えた。尊敬していたのに、憧れだったのに……ジルーシャもまた、「彼」とは同じ道を歩むことが出来なかった。
 才覚ある兄弟子とその居場所を脅かす弟弟子の存在という構図は、ジルーシャの抱える過去と悲しいくらいに重なる。
「……嫌なこと思い出しちゃった」
 彼の面影を掻き消すようにかぶりを振り、ジルーシャは香りを正しく使う香術師として竪琴を鳴らした。
「通さないなら押し潰すまでだよ。いつまでもつか楽しみだ」
 そう言いながらもルドヴィークはイーリンの動きに苛立ちを覚える。
 しかし、どうやって始末しようかと彼女に意識を向けていたその隙に死角からイズマの一撃が打ち込まれた。
「なに!?」
 ルドヴィークは横腹を掠めた強打に舌打ちし、慌ててイズマから距離を取る。
 周囲の瓦礫は、ルドヴィークが悪意と殺意であえて壊すことは可能のようだが、攻撃の余波でどうにかなったりはしない。その配置も状況もルドヴィークは見通し、己の位置も常に頭に入れていたつもりでいたが、イズマは障害物をものともせず最短最速でルドヴィークに迫った。
 それもそうだ、イズマは少々の瓦礫くらいならば「なかったもの」の如く見通しすり抜けられるのだから。 
 更に、戦場に響く癒しの福音。
「……ベイル男爵は本当の悪人ではありませんでした」 
 ココロが悔恨と怒りを織り交ぜた言葉をルドヴィークに投げかける。
「それを、やり直せないところまで堕としたのはあなた。救える者を救えなくしたあなたに……救いは必要ない」
「ああ、残念だ……せっかくの芳しい匂いが酒に掻き消されそうじゃないか」
 ルドヴィークはイズマを牽制しながらココロに一撃を入れようとするが、彼もここで熱き連撃の嵐に見舞われるとは思わなかっただろう。
「テメーも灰にしてやるぜ」
 『竜剣』シラス(p3p004421)には躊躇も何もない。激しい憤りと嫉妬を抑えることなく固く握りしめた拳を叩きつけ、蹴り上げた足は大太刀の如くルドヴィークに横薙ぎに入る。
 綯交ぜになる憤りと嫉妬に差し込む後悔は、彼の感情を更に掻き乱し燃え上がらせた。
 ルドヴィークはシラスの蹴撃を咄嗟に受け止め押し返すが、怒濤の連打に耐えきれずその体はひゅんと後方に飛ぶ。
「僕が押し負けるなんて何年振りだろう? だが……」
 ルドヴィークは瞠目し唇を震わせながらも、瞳は爛爛としてシラスの姿を映し、鼻先はくんくんと上下した。
「……まぁ悪くない。君からは、不思議と僕に近い匂いがするしねぇ」
「俺とテメーの匂いなんか知ったことか。でもね、これだけは明白だ――ルドヴィーク、魔種に成り下がって嘗ての弟分を圧倒したってテメーとヴェンデルとの蟠りは消せやしない」
「蟠りを消す? なぜ消す必要がある?」
 鼻をひくつかせるのを止めたルドヴィークは、無数の鋭い細氷片をシラスに浴びせ、傷付いたシラスに巨大な魔力弾をぶつけて押し潰そうとする。
 すると、ジルーシャが召喚した獣のようなものがルドヴィークに牙を剥いた。
「人の感情を香りに例えるなんてデリカシーなさ過ぎよ! 香術師としてすっっっごくムカつくわ! さあっ、やっておしまい!」
 ジルーシャの血が溶け込んだ魅惑的な香りを纏いながら、召喚獣は彼に命じられるままルドヴィークの喉元目がけて食らいつこうとする。
「酒の臭いは嫌いだよ!」
 ルドヴィークはジルーシャの召喚獣を凄まじい力で払いのけて消滅させたが、召喚獣はその命が尽きるまで決して怯まず、その爪でルドヴィークの手の甲に深い裂創を刻んでみせた。
 つうー……と流れ落ちる血は僅かな量ではあるものの、それがすぐに止まる気配はない。そして、ルドヴィークがそれを気にするよりも早く殺意の弾丸がローブに風穴を開け、太腿を掠める。
「『外側』の匂いが前に出てるけど……ヴェンデルの匂いが強い。なのに、何故僕の血の臭いを混ぜ込もうとする?」
 ルドヴィークが睨んだ彼方先では、二つの銃口が全てを見通しているとばかりに黙って彼を見つめていた。
 そこに感情らしい感情はなく、ただただ「お前を逃がさぬ」という圧力だけが発せられている。
 『外側』と表現された匂いは、恐らくジルーシャが念のためにと調香してジェイクに持たせた香水によるものだろう。
 香水が醸す物理的な匂いと人の内面から滲み出る思考が持つ匂いは別物だが、両方とも鼻で嗅いで感じ取っているらしいルドヴィークには匂いのブレンドは正直なところ鬱陶しくて腹立たしいようだ。ルドヴィークはジェイクの銃口に舌打ちを返した。
 舌打ちするルドヴィークの表情も放った弾丸の着弾具合も、望遠鏡並の視力を持つジェイクには全て見えている。
(お前がどこまで躱せるか知らねえが、俺の腕も伊達じゃねえんだぜ……)
 ジェイクは「獲物」を睨んだまま次弾を装填した。


「不器用な師匠同様大した才能もなかったあの弟子は綺麗に始末出来たのに、君たちは全然綺麗に殺されてくれない。ああ、何だかイライラするねぇ……」
 ルドヴィークの右手がひゅっと横に風を切る。
 直後、無数の落雷がイレギュラーズたちを襲い、倒れた彼らにルドヴィークは瞬く間に肉薄して魔毒を放った。
 ルドヴィークの猛攻は止まらない。魔毒の次は炎の獅子をけしかけてイレギュラーズたちを一方的に蹂躙するかの如く立ち回る。
 だが、傷を負いながらも毒に耐え獅子を弾き踏ん張ったイーリンがルドヴィークの前にしつこく立ちはだかった。
「弟子の手前、格好つけさせてもらうわよ!」
「お師匠様!」
 踏ん張る師匠に弟子の福音が捧げられる。弟子はルドヴィークに毅然と言い放つ。
「どう、あなたにとっては不快な匂いでしょう!」
 ルドヴィークはまるで汚いものでも見るような目でココロを一瞥するや否や、
「ならば師弟仲良く冥府に送り出してやろう」
 と氷霧の渦を繰り出した。
 しかし、ここまでルドヴィークの攻撃を受け続け彼の攻撃パターンをある程度学習出来ていたイーリンは、これが戦場の布陣を瓦解させかねない一撃になるだろうことを推測し、徹底してルドヴィークに大盾を突き出しランスを突きつけその進路と攻撃を阻む。
 すると、フラーゴラが彼目がけて細炎を飛ばし、更に悪意に満ちた魔弾を投げつける。
(人の心はすぐには変わらない……ルドヴィークさんの気持ちも……)
 フラーゴラの視線はルドヴィークに刺さったままだ。
(ヴェンデルさんの物語――抱える業――は複雑だ。だからこそ、ワタシはその行く末を見たい。そのためにも、どんな長丁場になったとしてもこの戦いに決着を着けたい)
 ルドヴィークは歯を食いしばり必死の形相でフラーゴラの連撃から辛うじて逃げおおせるが、逃げるルドヴィークにイズマが容赦なく魔性の一撃を繰り出した。
「一撃たりとも逃さない。必ず仕留める……!」
 魔種に食らいつかんとする禍々しい牙にローブごと二の腕を噛み千切られたルドヴィークは、呻き声を上げながら毒に塗れた魔弾を次々と飛ばして反撃する。
 二の腕の痛みが生み出した強い怨嗟を乗せて、魔弾はイズマを狙い撃ちにした。
「ああ大変! でも大丈夫よ、アタシたちがしっかり支えてみせるわ!」
 香術で招かれし存在がジルーシャの紫香を糧に仲間たちのために美しい音色を奏で、ジルーシャは更に賦活の力をイズマに差し出し彼を支える。

 イズマに反撃し心が鎮まるかと思ったルドヴィークだったが、すかさず踏み込んできたチェレンチィを相手にすると鎮まるどころか余計に焦りを感じ始めた。
 足下の瓦礫などものともせず軽く浮いた状態で滑るように移動し、全方位をカバー出来る視界と戦場を俯瞰する第二の視点でルドヴィークの動きを捉えるチェレンチィは、イズマの一撃に続いて一気にルドヴィークに迫り、ナイフによる斬撃を繰り出す。
 迸る電撃は、さながら雷鳴の神が下す鉄槌。ルドヴィークは懸命に体をよじるも、バランスを崩してローブの胸元をぱっくりと割られた。
 ピクリと頬を引きつらせた彼に、殺意と不幸はまだまだ続いて襲いかかる。
(まだ行けますねぇ)
 間合いを見極めたチェレンチィはまたもナイフを素早く振るった。無駄のない動きで空間を走る切っ先は殺気を纏って三筋の剣閃をルドヴィークに刻む。 
 ルドヴィークのローブに暗赤色の染みが浮かび、雨に滲んだ。


 イレギュラーズによって次々ともたらされる傷に加えて、序盤でサルヴェナーズやクレマァダが食らわせた一撃で消耗したことが、ここにきてじわじわとルドヴィークを追い詰めている。
「僕はヴェンデルを殺せればそれでいいんだ。君たちには関係ないことだろう。だというのに……」
 「怒髪天を衝く」の如くルドヴィークの髪の毛が殺意に舞い上がった。稲妻は氷雨の矢を呼び、桁違いの威力でイレギュラーズたちを襲う。
 まさに「矢面」に立つイーリンとフラーゴラの息は上がり、二人をやや後方から注視していたクレマァダは彼女たちが立ち続けるために自力で消耗を補い前に出た。
「お主らのようにずっと攻撃を受け続けることは出来んでも、そう易々と斃れられぬからこそ祭司長なのじゃ!」
 なかなか止まぬ雷氷の矢を一身に受けながら、クレマァダは己の誇りと威信に懸けて時を稼ぐ。
 その間にココロの福音が仲間に響き、ジルーシャの香術によって生み出されしものの奏でる旋律が傷を癒した。
 皆持久戦は覚悟の上だが、ルドヴィークの疲弊ぶりと比べるとまだ勝機が見えたと言うには尚早な状況だ。
「ワタシが止める……ここでルドヴィークさんの攻撃、止めるよ……!」
 フラーゴラがここまで見て記憶してきた彼は、人の感情や性格を匂いとして捉えてもそれだけで動きを決めてはいない。視覚聴覚といった五感を駆使して戦っているのはイレギュラーズたちと同じだ。
 決意のオーロラが降り注いだ。さあ救いを求めよ、「ワタシ」を捉えよ。
「真正面から挑んでくる辺り、君がヴェンデルと仲のいい理由が分かるよ。だからこそ――腹が立つねぇ」
 ルドヴィークが距離を詰め、凍てつかせた拳でフラーゴラを殴りつける。殴り潰そうと更に拳を振り上げるが、
「なあルドヴィーク、お前、要はヴェンデルに嫉妬したんだろ?」
「そして……アンタは今もなおヴェンデルに『嫉妬』しているんでしょう? ルドヴィーク」
 と、ジェイクとジルーシャがルドヴィークに揺さぶりを掛け、その間にココロが瓦礫の陰からフラーゴラの傷を癒す。
(弟子同士は競い合うのが正しい形。殺し合うなんて間違ってます)
 姉弟子が妹弟子を支える、この姿勢がルドヴィークに響けばいいのに。彼が「人間」だったら、彼を変えるきっかけくらいにはなったかもしれない。なのに、彼は……。
 そう、ルドヴィークに救いはいらない、それは揺るがない。でも――
(――こんな酷いことをしようとするのは……それはあなたが魔種になってしまっから、だと思いたいです)
 救えなくても、人間であった時の彼の心までは否定しないであげたい……ココロは壮絶な決意と覚悟でルドヴィークを見据えた。
「アイツはお前にないものを沢山持っているしな、羨ましくなる気持ちも分かる。だがな、そいつは子供の我儘そのものってやつだぜ」
 ジェイクの挑発めいた言葉にルドヴィークが振り上げた拳の下ろす先を一瞬迷ったその時、彼の前にふっと闇が差す。
 イーリンが放ったそれは、ルドヴィークを昏い昏い運命の底に誘った。
 更に、またも自身に癒しを与えて立ち上がったクレマァダが矢傷を負った体に鞭打ってルドヴィークに波を叩き込むと、振り上げられた彼の拳から離れた氷塊が彼の額を穿つ。クレマァダの一撃はルドヴィークから更に冷静さを奪っていった。
 それでもルドヴィークは荒くなった息を整え、すうーっと鼻で深く空気を吸うと、
「……もう柑橘酒の匂いは飽きた」
 と右手を天高く掲げる。
(今の一言、まさか――)
 何かを感じ取ったチェレンチィは、気付けばルドヴィークの懐に飛び込んでいた。
 雨を飲み込み雷を含んだ渦がジェイクのいる辺りで濁流を形成しようとしていたが、チェレンチィがナイフを抜き電撃剣を見舞うと、ルドヴィークの術式が途切れ渦も消える。
 しかし、安心してはいられない。
「君の臭いも嫌だねぇ、本当に」
 ルドヴィークは怜悧な眼光をチェレンチィにぶつけ、彼女を一気に火だるまにした。ココロは瓦礫の陰からチェレンチィのために祈りを捧げるが、その間にもルドヴィークの炎は瓦礫ごと焼き尽くそうと威力を増しながらココロに迫り、その脅威はジルーシャにも及ぼうとする。
「ココロ、私の後ろへ! ジルーシャも急げ!」
「ヴェンデルさん、お願い!」
「アンタたちも逃げるわよ! さあ!」
 ココロが飛び退きジルーシャが精霊たちを引き連れ駆け込むと同時に、ヴェンデルは前に出て全ての力を結集し堅牢な魔障壁を展開した。
 これまでで最も分厚い障壁をルドヴィークの猛炎が容赦なく覆い焼き尽くすと、まるで爆発でも起きたかのような轟音とともに炎と障壁が消える。


 ルドヴィークとヴェンデルは互いに睨み合い、ゼェゼェと肩で息をしている。
 そこに、慈悲か嫌悪か救済か、それとも「無」か……静かに精神を研ぎ澄ませながらルドヴィークが消耗するこの機を狙っていたクレマァダの超音速の絶対的一打が彼を襲うと、ルドヴィークは一瞬体を蹌踉めかせた。
「どんなに強くても、どんなに優れた才能があっても、アンタはその使い方を間違えた――」
 使い方を間違えた……アンタも、「彼」も。
「――最低の魔術師よ」
 血を差し出し、さあ契約を。ジルーシャの香術はまたも獣の如き存在を呼び出し、それが猛然とルドヴィークに襲いかかると彼の血の臭いも一層濃くなる。
 こんな筈ではなかった。今頃「僕」は永遠の悦楽に酔いしれている筈だった……愛しき「匂い」を己の記憶だけに留めて。
 だが、思えば序盤で「蛇」に遭遇した時、「僕」の命運は尽きていたのかもしれない。
 そして、その「蛇」が――とうに倒した筈のサルヴェナーズが獲物を食らうが如くひゅっと瓦礫の陰から飛び出せば、ルドヴィークの顔色は途端に嫌悪と焦燥の色に染まった。
 眼帯を外したサルヴェナーズの魔眼がルドヴィークを苦悩の深淵にずぶりずぶりと引きずり込んでいく。
 互いに消耗している今、ここでルドヴィークに冷静さを取り戻されると厄介だ。畳み掛けるまたとない好機だからこそ、サルヴェナーズはルドヴィークの心を乱したかった。
(魔種に反転するほどの強い感情です、相応に激しい苦悩を抱えていたのではないでしょうか)
「さあ、垣間見てご覧なさい……貴方の記憶に眠る苦悩を。そして私はもう一度貴方に問いましょう――本当に、他に道は無かったのですか?」
 ルドヴィークの呼吸が暫く止まる。
 傍に置き、触れ合い、微笑みを交わし、君の匂いに包まれたい……君が欲しい君が欲しい君が欲しい君が欲しい――
「――ないないないないないないないない!!」
 狂ったように否定の言葉を繰り返し絶叫するルドヴィークに、鎧を槍と化しながらサルヴェナーズは流れるように技を繰り出した。槍先に刻まれし紅は、蛇の舌のようにルドヴィークの肌を這いずり彼を呪う。
「僕の邪魔をするなぁぁぁっ!」
 噴出する怒りそのままに、ルドヴィークは己にその咎の欠片が返ることも忘れ殺意に満ちた雷をサルヴェナーズに直撃させた。
 だが、イレギュラーズの勢いは衰えを知らない。
 いつからそこにいたのか、いつ来たというのか……イズマの細剣が閃く。苛烈なる切れ味、無双の如し。肉を斬る音と感触が細剣からイズマの手に伝わった。
 戦場にはイズマに斬られたルドヴィークの鮮血の花が咲き、競うようにフラーゴラの朝顔が蕾を開く。夕日が次の朝陽に繋がるように、朝顔は天へと蔓を伸ばし朝露を煌めかせて仲間の勝利を呼び込む。
 すると、今度は妹弟子の力を借りて姉弟子が仕掛ける――妹弟子と同じ技で。度の強い柑橘酒に、甘いバニラフレーバーがほんのりと重なった。
「何だいその匂いは……ああ、そうだ、ヴェンデルとあの爺さんの間に漂っていた匂いだ。何故君たちが……」
 三度舞うココロの細炎を懸命に避けて回るルドヴィークは、愛憎掻き乱れた形相を露呈する。
(弟子を三人持つ身としては、やっぱり見たくないものね……)
 立ちはだかるイーリンは、ここまで何度胸に痛みを覚えただろうか。
 共に高め合う存在であるべき弟子同士が殺し合うことの残酷さ、悲しさ、無意味さ……。だが、もはやこの男の中ではヴェンデルは「弟弟子」ではなく「嫉妬の元凶」でしかないのだろう。
(もう終わってしまった、そういうことよね……なら、仕方ない。幕を引きましょう)
 彼女は知っている。精神的に追い詰められた彼はこの後間違いなく全力を以て彼女たちを潰しに来ると。
 ならば先んじて抗い、総力を以て迎え撃つのみ。
 魔眼に紫苑の光を宿しながらイーリンが口にする。
「神がそれを望まれる」
 ルドヴィークは目を剥いた。
「何も終わってなどいない! 僕はまだ手に入れていない!」
 バチバチと電撃を迸らせるルドヴィークの拳がイーリンの肩を潰し、前腕を砕き、脇腹を抉る。
 だが、イーリンの瞳は闘気を失わない。
(元より受けきれるとは思っていない。これくらい覚悟の上よ)
「肉なんて好きなだけ削ぎ落としていくがいいわ。その代わり――」
 イーリンの魔眼がルドヴィークを捕らえた。誘い出される獣性のままイーリンに禍々しい一撃を入れる彼は、自身が「囚われて」いることにさえ気付かない。
「――貴方の首、私たちが貰い受ける……!」
 満身創痍のイーリンが気勢を上げると、シラスが続く。
「憐れんでやるよルドヴィーク、お前はヴェンデルを二度と超えられない」
 苛烈な闘争心はとどまることを知らず、されどそこに漂うのは憐憫の情。
 激しく羨み、嫉妬したことだろう。その感情が胸を焼く痛みは癒えることなくその者を苦しめる。誰しもが現実に背を向け深淵を覗く。「そこ」に取り込まれるかどうかは……まさに紙一重。
「せめて受け取れ――俺の魂の打撃を」
 身を焼く激情は闘志となり、身体の芯は煌々と熱炎を発する。
 シラスは熱き魂そのままにルドヴィークに突撃し右の拳を突き出した。
 右の拳に始まり左からの打撃、側面からの蹴撃……冷静な戦局展開が出来なくなっているルドヴィークは血走った眼でただただシラスの攻撃に耐えるしかない。
「つくづく憐れだな、ルドヴィーク」
 腕が軋み肋が鈍い音を立てているのははたしてどちらか、それすら分からないほどにシラスの「魂燃ゆる連打」は続き、ルドヴィークは受け止め続ける。
 そして、シラスが息を切らしその場に膝を着くのと同時に、ルドヴィークはローブの下から滝のように血を滴らせながら数歩後退り、そこに――
「もうこれ以上弟弟子を苦しめるな!」
 ――医術の女神の祝福を受けた「死神の鎌」が、ジェイクの弾丸が、慈悲なく刺さる。
「あ……ああ……」
 終末を予感したルドヴィークは無意識のうちに縋るように手を伸ばす。その指先がヴェンデルに向いている様を見て、クレマァダは切なさを覚えほんの僅か目を細めた。
(此奴は反転した……無論、嫉妬に狂った上なのじゃろう。それでも何処を、何を反転させたのかと我なりに考えておったが……ひょっとして、お主はその男のことを……)
「そうか、嫉妬だけではなかったのじゃのう……」
 クレマァダがその一言を呟いたその時、信じ難いことにルドヴィークの目尻から一筋の涙が零れた。


 瓦礫の上に無情に広がる鮮血を雨が洗い流していく。
 倒れたルドヴィークは己が雨に打たれている感覚さえなくし灰色の空を眺めていた。
「ルドヴィーク……」
 イズマはヴェンデルを伴ってルドヴィークの傍に立つ。
「何故ヴェンデルさんを敵視してたかくらい、いい加減自分の口から説明しろ。思い残すことがないように、腹を割って話そうじゃないか」
 ルドヴィークの血塗れの手が小刻みに震えながらヴェンデルに伸ばされた。
「初めて……だったんだよ……己の命以外の何かを、心から欲しいと思ったのは……永遠に、永遠に……なのに、君は……」
 ヴェンデルは心底分からないといった顔でただただ呆然とルドヴィークを見つめるばかりだが、イズマはやりきれないとばかりに眉根を寄せる。
(彼は、ヴェンデルさんの匂い……思考か、それとも性格と言うべきか、生まれ持ったそれに魅了されたのだろう。そして、それに嫉妬し、それを独占したかった)
「つまり、今までの卑劣な所業は……ヴェンデルさんが手に入らないことへの腹いせということか。好きな子を振り向かせたくて意地悪する少年のような」
 ルドヴィークはイズマをちらりと見やるとフンと鼻を鳴らした。彼なりの肯定なのだろう。
「ルドヴィーク、私は――」
 そこまで口にしたものの、ヴェンデルは続く言葉を見つけられない。
 何がいけなかったのか。どこでボタンを掛け違えたのか。互いに向け合っていた感情のベクトルは色も形も完全に違っていたのに、なぜ気付けなかったのだろうか。
「くくっ、ははっ……」
 血に溺れたようなくぐもった笑い声を短く上げてルドヴィークはヴェンデルに告げる。
「君は、僕のものにならなかった……だが、僕は君の中で生き続けるんだ……君は、生涯僕を忘れることは出来ない……君はそういう奴だ」
「そうだな」
 ヴェンデルはようやくルドヴィークの手を取った。
「道を踏み外そうとしていた兄弟子を引き戻せなかった非力さを、私は生涯己の罪として背負っていくだろう」
 初めて触れた愛しき者の手の温もりさえ、次第に感じられなくなっていく。やっと、やっとこの距離まで近付けたのに。
 そして、彼の匂いは……。
「……ああ……ビターじゃない……バニラフレーバーだ……」
 今まで決して己に向けられることのなかった匂い。忘れたくなくて、止まりゆく呼吸に抗い懸命に吸い込む。
「何て……いい、匂い……だ……」
 それが、ルドヴィークの最期の一言となった。


「なあヴェンデル、弔うなら手伝うぜ」
 ジェイクはヴェンデルの肩にそっと手を乗せながら手伝いを申し出る。
 魔種であるルドヴィークを倒すことに迷いはなかったし、倒したことにも悔いはない。だが、彼の抱えていた思いには同情するところがあった。このまま野ざらしにして打ち捨てていくのはどうにも忍びない。
 ヴェンデルは長い瞬き一つの後に口を開いた。
「ありがとう。こんなでも一度は尊敬しその背を追った兄弟子だ。私の命が続く限り弔い、冥府でマレインに悪さをせぬよう目を光らせておこうと思う」
「それなら……こいつ、どこに弔ってやる?」
 イーリンがヴェンデルに問うと、彼は少し考えた後答える。
「そうだな……まずはクライフ様に相談してみるとしよう。マレインもクライフ様の厚意で男爵家の墓地に眠らせてもらっているから」
「そう……当てがあるなら良かったわ」
 イーリンは安堵の息を吐いた。人であることを捨てた奴でも、堕ちるところまで堕ちた奴でも、一握りの慈悲をかけてやるくらいいいだろう。たとえ愛弟子を殺した復讐の相手であっても。
 それが「人」なのだから。
「いつまでもここにいても仕方がないな。そろそろ行こうか」
 ヴェンデルは気丈を装うが、一歩踏み出した彼の体が一瞬くらりと揺れたのをジェイクは見逃さなかった。
「おっと、大丈夫か?」
 ジェイクは咄嗟にヴェンデルの腕を掴む。
 愛弟子の憎き仇とはいえ、どこかで息災であってほしいと願っていた相手を葬った者の心が無事である筈がない。
(心配でしょうがねえな……)
 思い返せば、ヴェンデルは姉に続き弟子を殺され、此度とうとう兄弟子まで喪った。家族を喪う辛さならジェイクにも痛いほど分かる。故に、ヴェンデルが今抱え、そしてこの先負い続けていくであろう悲しみが如何に計り知れないものであるかも想像に難くない。
(だからかもしれねえな……俺が、この優しき魔術師から目が離せねえのは)
 ジェイクはそっと自身の手を握りしめた。ヴェンデルが己の足でしっかりと前に進めるように、悲しみを抱いてなお笑顔を浮かべて生きていけるように、この手が必要ならばいつだって差し出してやろう、と。
「助けが必要ならいつでも俺を呼べ。すっ飛ばして行くからよ」
「それは頼もしいな」
 ヴェンデルはふらついた体を真っ直ぐにすると、ジェイクに軽く微笑んで見せた。
「……私は、独りではないのだな」
 
 後日、クライフ男爵家の墓地の隅に、小さな墓石がひとつ増えた。
 戦いの傷の癒えたフラーゴラとサルヴェナーズが可憐な野花を手に男爵家墓地に立ち寄ると、そこには祈りを捧げるヴェンデルの姿があった。
「あの時は世話になった」
 二人に気付いたヴェンデルが頭を下げる。
「お互い様です。貴方にも助けられました。魔種に成り果て貴方に刃を向けたのも、彼の人としての願いの形……分かってはいますが、そう簡単には割り切れないものですね」
 他に道は無かったのか――ルドヴィークに浴びせた問いは、今もサルヴェナーズの中に残り、繰り返される。
「ああ……そうだな。だが……」
 ヴェンデルは寂しげながらも仄かに笑みを浮かべた。
「簡単に割り切れてしまう心は、些か危険ではないかと思う。心に弱さや傷や葛藤を抱え、苦悩しながらも前に進もうとするからこそ、人は人たり得るのだと私は信じたい」
「……花を摘んできました。彼のために、亡くなったお弟子さんのために」
 ヴェンデルの言葉に頷きを返す代わりに、サルヴェナーズは口元に小さな微笑みを作る。そして、手にしていた野花をヴェンデルに差し出した。
「ワタシも。良かったらこれを」
 フラーゴラも持参した花をヴェンデルに渡す。
「ルドヴィークさんがどんなに許し難いことをしたとしても、手向けくらいは」
 ヴェンデルは二人から花を受け取ると、再び頭を下げた。
「ありがとう。お前たちの優しさは、きっと彼にも届くことだろう」

成否

成功

MVP

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
天才になれなかった女

状態異常

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)[重傷]
天才になれなかった女
シラス(p3p004421)[重傷]
竜剣
チェレンチィ(p3p008318)[重傷]
暗殺流儀
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)[重傷]
海淵の祭司
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)[重傷]
星月を掬うひと
イズマ・トーティス(p3p009471)[重傷]
青き鋼の音色

あとがき

マスターの北織です。
この度はシナリオ「極上の死香をおくれ」にご参加頂き、ありがとうございました。少しでもお楽しみ頂けていれば幸いです。
魔種ルドヴィークは見事撃破、これでようやくヴェンデルにとっての戦いがひとつの区切りを迎えることが出来ました。
これも皆様の頑張りのおかげです。
ヴェンデルは特異運命座標ではありませんが、今後もローレットのお手伝いとして様々な国家に足を運ぶと思います。弟子たちの証言によると、ヴェンデルはああ見えて甘党らしいので、美味いスイーツがあるという噂を聞きつけたら意気揚々と出かけていくかもしれません。
もしまたどこかで一緒になりましたら、「元気にしてたかい?」と声を掛けてやって下さい。

今回は、終始分厚い壁となって頑張ったあなたをMVPに選ばせて頂きました。そして、ルドヴィークのボディをタコ殴りにしたあなたとメンタルをタコ殴りにしたあなた、何かすごくキラキラしていたあなたに称号をプレゼントさせて頂きます。
改めまして皆様に感謝しますとともに、またのご縁に恵まれますことを心よりお祈りしております。

PAGETOPPAGEBOTTOM