シナリオ詳細
覇竜酒クズ伝ヘルミーネ
オープニング
●酒が呑みたい
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム (p3p010212)は悩んでいた。
覇竜トライアル。
珱・琉珂の提案である雑用仕事であり、様々なものが出ていた。
酒を呑んだり、お昼寝スポットを探しに行ったり、猫っぽい亜竜を探しに行ったり、酒を呑んだり。
そう、何故か分からないがフリアノンで仕事してるはずなのに酒呑んで盛り上がってる連中が結構いるのだ。
何故なのか。
全部、黒鉄・相賀とかいう酒職人のクソジジイが悪いんだ。
さておいて。
しかし、その酒を呑む依頼にヘルミーネは参加出来ていなかった。
ところで知ってるかい。
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)とかいう奴もこの前相賀のジジイのところで仕事っていう名目で魚釣りしてそいつを肴に酒呑んできたらしいぜ。許せねえよなあ。
「別に俺は悪くねぇと思うんだが……」
酒クズ平等機会法に則れば一気の刑である。パリピかな?
とにかくヘルミーネは吞みたかった。
仕事という名目で覇竜で呑みたかった。
あのクソジジイ、度々仕事出すくせにアルコールの香りが他の酒呑みたい連中も惹き付けてしまうのだ。
ヘルミーネは毎回押し負けていた。
ならばもう、自分で依頼というていでどうにかするしかないじゃないか。
ヘルミーネは土下座した。
覇竜で縁があって呑んだことのある草薙 遠呂智に縋りつき頼み込んだのだ。
酒の勢いさえあれば土下座からの三点倒立も怖くはない。
そこから一人ブレーンバスターでもキメてみせれば、どんな奴だってちょっとくらいの頼み事は聞いてくれる。
というわけで、酒を呑む仕事である。
別に困ってないので酒を呑む以外の仕事はない。
酒を呑め。呑むんだ。
●酒を呑め
亜竜集落ウェスタ近郊に、高志(こし)と呼ばれる亜竜種(ラミア系)の集落がある。
高志(こし)では主に酒造業を主な生業としており、特産品はウェスタ周辺の水を使ったお酒「竜殺し」と「蛇殺し」。
どちらも後味が良いが度数が高くてすぐに酔いが回りやすいのだという。
つまるところ、ウェスタ近郊の酒呑みたちに愛される酒の産地であり、ある意味で酒呑みの聖地でもある。
酒呑みなら誰でも酒造とかに見学に行ったことがあるだろうが、そういう感じのアレだ。
さて、そんな中でヘルミーネに依頼を出したのは草薙 遠呂智……この高志の長だ。
集落のことを考えると蔵元とか呼ぶべきかもしれない。さておいて。
そんなわけで、選ばれし酒クズたちは依頼という形で酒を呑みに行くのだ。
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム 。
今回の発起人にして見た目はあんまし成人に見えないようなそうでもないような。
覇竜で仕事という名目酒が呑みたくてたまらない、第1の酒クズである。
バクルド・アルティア・ホルスウィング。
こいつこの前、相賀のジジイのところで旨い魚食って美味い酒呑んできたらしいぜ! 第2の酒クズである。
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ (p3p001837)。酒あるところにヴァレーリヤ。第3の酒クズである。
ナール・トバクスキー (p3p009590)。酒と賭博を愛する第4の酒クズである。
エーレン・キリエ (p3p009844)。此処に居るってことは第5の酒クズなんだろうと思われる。
そして残り3人の酒クズも合わせて合計8人。
仕事は単純。
「竜殺し」と「蛇殺し」を呑んで呑んで呑みまくって、酒ク……イレギュラーズもやるもんだと認めさせること。
徹底的に盛り上げて仲良くなること。ただそれだけである。
簡単でしょう?
だから呑め。話はそれだけだ。呑め。呑むんだヒック。
- 覇竜酒クズ伝ヘルミーネ完了
- GM名天野ハザマ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年02月21日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●ようこそ! ここにはさけくずしかいないよ!
「ッカーーーーーーーーーーーーーーーー旨い! もう一瓶用意しろぉ!」
亜竜集落ウェスタ近郊の小集落、高志。
酒造業を主な生業として行っているその村の広場で、竜殺しを一気した『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)のそんな声が響く。
バクルドたちが此処に何をしに来たか。
酒である。
呑み会である。
それ以外の一切の目的はない。
そしてこの集落では、呑めない奴に用はない。
呑める奴だけが正義だ。
だからこそ、竜殺しを……開発時にウェスタから本気で怒られた酒を一気しおたバクルドに歓声が上がる。
ちなみにこれは酒クズの所作なので一般人は真似してはいけない。
「大体何だって俺が名指しで一気の刑だぁ???? つまり俺が先に飲み干していいってことだな??????」
おっと、すでにバクルドはアルコールが回っているようだ。
周囲の全員が「ちょっと何言ってるか分かりませんね」という顔をしている。
たぶん今日集まった酒クズたちはバクルドがそんな事をする前に酒瓶で頭を割るだろう。超怖ぇ。
「さて、では挨拶代わりの一気が済みましたところで……杯を干すと書いて乾杯!」
『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)のそんな挨拶と共に始まる呑み会は、実に平和なロケットスタートだ。
大丈夫、このくらいは平和の内だ。
(まだ私が私でいられるうちにやるべき事をしなければ)
寛治がそんな意味の分からないことを考えながら竜殺しを一気する。
躊躇いもなく度数の高い方を選ぶ辺り、すでにかなりどうしようもない。
どうしようもないが……まだ持ちネタが出てないので正気なのだろう。
そして寛治がそっと近づいたのは草薙 遠呂智だ。
「草薙さん、タンク室はどちらですか? 閉鎖を急いで! 蔵人を集めてバリケードを作り、屈強な門番で固めるんです!」
竜殺しを瓶で一気しながら戯言を言う寛治の肩を、遠呂智がそっと叩く。
「そっか。竜殺しは強いから。まあ一気は頑張った方じゃない?」
「でないと……ごっ、ごぎゅっ……酒クズ共、タンクから直接酒を飲みだしますよ」
ちなみに寛治は再び竜殺しを瓶で一気している。多少飲みやすいはずの蛇殺しが目に入っていないかのようである。
「私はただ、悲劇を防ぎたいだけです。ここの酒が一滴残らず無くなってしまうような悲劇を食い止めなければ……私がまだ、人間で居られるうちに……」
再び竜殺しを瓶で一気する寛治。
酔っているのでなければ酒クズは人間じゃないらしい。
なんだろう、酒の呼び声(アルコール・オファー)で酒クズに反転する仕組みだったのだろうか。
頑なにコップを使わない寛治に、遠呂智は周囲を見回す。
「ヌーハッハッハッ、いやー悪いのうこんなタダ酒を飲むだけの依頼じゃなんて真面目に依頼をしているだろう奴らには悪いが選ばれたからには仕方ないのう、グビグビグビプハー美味い、おーい竜殺しお代わりじゃ」
『ろくでなし』ナール・トバクスキー(p3p009590)は……竜殺しを瓶で呑んでいる。
「わーはっはっはっ! ようやく! 念願の! 覇竜での飲み会に参加できたのだ! うう……どれだけこの時を待ったことか! 参加できず悔し涙を流した事幾星霜……ついに覇竜の酒を心行くまで飲めるのだ! あっ、バクルドちゃんは何回も飲みに行ってる事、知ってるから許せねぇ……ギルティ―なのだ」
『脱ぎ癖』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)は……すでに片手に竜殺しの瓶を持っている。
なんだろう、瓶以外で呑むと罰せられる法律とかがあるのだろうか。
そんなヘルミーネは色々な酒が入った箱……ヴォードリエ・ワインや極楽印の祝酒などが入ったそれを、遠呂智の近くに置く。
「遠呂智ちゃんには本当に感謝なのだ! ありがとう! 遠呂智ちゃん! これお土産!」
今のところヘルミーネは「まだ」大丈夫。では他の面々は?
「あら皆様、紳士淑女たるものそこまでがっつくものではないのです。血気盛んなのも悪くはないのですが。私、仮にもメイドですので。まずは貞淑にお酌に回るのです」
『めいど・あ・ふぁいあ』クーア・ミューゼル(p3p003529)は普通……いや、違う。目がぎらついている。
「……などと言うとでも思ったのです!? メイドの土産は二日酔いの景色!! こげねこのこげは酒焼けのやけ!! 即ち私こそがこげねこメイド!! 法やら名指しやら落選やらがなければ我らが一気に走らないと思ったら大間違いなのです!! Prositッッッ!!!」
竜殺しを瓶で一気するクーアは……もうダメだ。
「やれやれ、みんなダメな大人ですわね。少しお酒が飲めるくらいではしゃいじゃって。ここは私達のような良識ある面子がしっかりと行き過ぎを抑えてお酒でございますわーーーーー!!!」
「ふふふ! 皆ヴァリューシャを見習って大人の飲み方をするべきだね! 見たまえ! あの見事な酒樽ダイブを! 最早芸術じゃあないか! あぁ……酒樽に頭から突っ込んでるヴァリューシャも可愛いなぁ……」
酒樽に頭からダイブした『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)はいつも通りとして、素面で酔っている『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)は何なのか。
ヴァレーリヤ全肯定マシーンだろうか。幸せそうで何よりである。
「……待て、どうして俺が酒クズにカウントされている。経験上、ヘルミーネが酒を飲みだすとそのままではとんでもないことになる。俺はそれを放っておけなかっただけなのだが。まあいい、これもひとつ覇竜の民とのよい交流となろう。悪印象にならぬよう尽力するだけだ……俺一人で足りるかちょっと不安」
『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)も言いながら、不安を振り払いヴァレーリヤからそっと目を離しつつ「ともあれまずは楽しまねば始まらない。大いに飲み、笑おうじゃないか、乾杯!」と声をあげる。
その様子を見て……遠呂智はふう、と息を吐く。
「まあ、一応人を置いときなさい」
「ああ、安心した……」
そんなことを言いながら樽で呑み始めた寛治の意識は途切れた。意識というか正気というか。
別に気絶したわけではない。
●さけくずふぇすてぃばる
基本的にこの集落には酒クズしかいない。
それがどういうことかというと……こうだ。
「あん? 呑み対決ぅ?? 俺の酒を飲むってんなら先に飲み干すまでだが???????????????????? こんなウメェ酒がある場所なんだ勿論タスラクだの竜眼草なんかもあるよな? あるな、よしあるってことにする。竜殺しを飲んで肴を食って水代わりの蛇殺しを飲んでまた竜殺しを飲む。最高の無限ループだなぁあぁおいぃぃぃ??」
ちなみにバクルドがさっきから食べてるのはタスラクでも竜眼草でもなくナッツである。
あと蛇殺しは水ではない。チェイサーでもない。
「……美味いのですっ!! 期待通りの強さなのです! 強きことは善きことなのです、特にお酒と火力の場合!! 蛇殺しとやらもとても良いお酒なのですが、やはりジャイアントキリングが戦場(さかば)の華! ありったけの竜殺しを持ってくるのです!!」
バクルドもクーアもすでにダメっぽいが……常識人ぽかったエーレンはどうだろう。
「竜殺しも蛇殺しもクセがなくてすっと入ってきてから強烈なアルコール感を主張するな。しかしその峠を越えれば爽やかな後味がある。まるでこの覇竜地域のようだ。ちなみに覇竜でこれに合うつまみってどんなものが好まれているんだろうか。魚を素揚げにして甘酢に漬けた南蛮漬けという豊穣料理などこの風味にぴったりだと思うが」
おっと、すでに竜殺しを呑んでいる。言ってる事はまともだがどうだろうか。
「あ、店員さんこっちに空いた瓶とグラスとつまみの皿を集めてあるので回収してほしい。皿も重ねておくな」
店員さんなどいない。やはりだめだった。
「いやーちょっと野暮用で外してました。出遅れた分は駆けつけ三杯イッキやります! あとヘルミーネさんは脱ぐまで酔わせます!」
「わーはっはっはっ!気分最高なのら~! ヒック! ……う~……体が熱いのら!」
「おっとすでに吞んでますね! うっ、謎の光!」
「ヒャッハー! 自由なのら~!」
その辺にいたドラネコの唇を奪っているヘルミーネはひとまずさておいて。
「それにしてもこいつは度数の高い良い酒じゃのう、竜殺しじゃったか後味が良くていくらでも飲めそうじゃがこれだけ飲むのも勿体ないからのそっちの蛇殺しを取っとくれ、あぁんコップなんてけち臭いこと言うんじゃないわい勿論瓶一本貰うにきまっとろうが! ほう、こっちも強いが竜殺しに比べれば水みたいなもんじゃな、はっ! つまり竜殺しを飲んだ後に蛇殺しを飲んで酔いを覚ます飲酒の永久機関が……儂は天才か!」
「おお、気が合うな!」
「かんぱーい!」
だから蛇殺しはチェイサーでも水でもないのだが、ナールとバクルドが気が合っている様子を見るに酒クズの基本理念か何かなのかもしれない。
「へぇ……これが覇竜のお酒かぁ! 良い香りがするね! ん? 強いお酒なのかい? 飲み対決? いい度胸だね! 日頃からヴァリューシャに鍛えられた私にかかればどんなお酒も楽勝さ!」
マリアがその辺の住人と呑み対決を始めているが、大丈夫だろうか。
「後味はいいね! ぐふぇぇぇぇ!!!! あっつい! っよい! 喉が痛い! でも美味しいね……え? もっと飲め? どうして……わ、私にはヴァリューシャの万が一の虹を掃除するという使命が……」
竜殺しをゴンゴン呑んでいるマリアもそろそろダメそうだ。
いや、どうだろう。
どうだろうか……?
(´∀`*)ウフフ
ダメそうだ!
「皆飲んでるか~い♪ あー駄目だね……ダメダメ! もっと飲まなきゃ!」
「ごぼぼぼぼぼぼ! ヘルちゃんがイッキされてるのだ! ごぼぼぼ!」
ヘルミーネが呑まされている。マリア相手では逃げ出せないようだ。物理的な意味で。
「ん? おぉ!? 飲み比べしてるヴァリューシャもかわいいなぁ……ヴァリューシャも対戦相手もがんばえー!!! 皆もガンガン飲んで楽しもうじゃあないか! あっはっは!」
ヘルミーネがお酒入れみたいなことになっているが、本人がたっぷりお酒を呑めて幸せそうになっているのでたぶん問題ない。
そしてヴァレーリヤの呑み比べ。全てを呑み尽くしそうなその言葉の正体は、すぐに理解できる。
「花のような芳しい匂い、思考を丸呑みにする強烈なアルコール、そしてその奥にやってくるほのかな甘味……嗚呼、これが覇竜のお酒ですのね。もう一杯! もう一杯お願い致しますわー!」
「……美味いのですっ!! 期待通りの強さなのです! 強きことは善きことなのです、特にお酒と火力の場合!!蛇殺しとやらもとても良いお酒なのですが、やはりジャイアントキリングが戦場(さかば)の華! ありったけの竜殺しを持ってくるのです!!」
「お?」
見た目は普通だが……いや、クーアににじり寄って絡んでいる。
「ところで貴方、美味しそうに飲んでいますわね。それ、私のとは別の種類ですの? ちょっと味見させてもらっても構わないかしら。ふうん、さっきのお酒の特徴をよりハッキリさせた感じのお酒ですのね。こっちも捨てがたいですわねー……えっ、そろそろ返せ? 嫌に決まっているではありませんの。ええい、放しなさい! もうこのお酒は私のって決まりましたのよ! 今、決まりましたの!」
「そ、それはかくし芸に使うのです! なんでもう7本飲んでるのです!?」
こげねこ秘蔵酒(熱燗)を発火するより早く飲み干す光の酒クズ、ヴァレーリヤ。呑めない酒など、きっとない。
マリアの拍手が響いている辺り、実に地獄である。
「私は何も悪くありませんわっ! 私が気持ちよく飲んでいたのを、横取りしようとするから! 良いですわ。私の言い分にケチをつけようというのであれば、飲み比べで決着を付けましょう!」
「ええい、物理じゃないけど私のお酒が火を吹くのです! 火吹き芸の前に顔から火を吹かせてやるのです!」
「ヴァリューシャ最高にかわいいよー!」
ヴァレーリヤとクーアの呑み勝負が始まった横では、バクルドとヘルミーネがエーレンにアルハラをしているのが見える。
「んん? エーレン、お前さん飲んでる量が少ないが物足りねえんじゃねえかぁ? ここにも酒がたくさんあるからほれ、俺の酒だじゃんじゃん飲んでいきやがれ!!!」
「エーレンちゃんも呑むのら!」
「――なんだとバクルド、俺の飲む量が足りない? 飲み比べ? いいだろう、その勝負乗った。ついでに一発芸も見せようじゃないか。酒瓶を10本くらい並べてもらって……今から手を触れずにこの瓶を開けて見せよう。鳴神抜刀流、太刀之事始――一閃ッ!」
抜刀術で固定されてない瓶を倒しもせずに全て蓋だけ斬り飛ばすエーレンに、バクルドとヘルミーネが歓声をあげる。
「やるじゃねえか! そら祝い酒だ呑め!」
「呑むのらー!」
「がぼぼぼ!? 待てがぼぼぼぼ!」
アルハラにセクハラのコンボである。エーレンを潰そうという勢いだ。
「さあ盛り上がってまいりました! では一発芸! ショットガンダッシュ眼鏡割りやります!」
盛り上がってきたというか地獄が熟成されてきたという感じだが、寛治が元気よく叫ぶ。
どうも今日は目立っていないと思ったら、喋るのももったいないとばかりに吞んでいたようだ。
寛治は酒を注いだジョッキを持って眼鏡を前方高くに放り投げてダッシュ。
落下点にスライディングして眼鏡をジョッキでキャッチ……という、いつもの持ちネタを派生させたネタを見せる。
だが、そこに今日は更にもう1つ。マリアとヴァレーリヤが揃っているからこそ出来る命知らずなネタを混ぜる。
ちなみにクーアは潰されて樽に入って「きゅー」とか言っている。
「一発芸! 百合の間に入る男! ヴァレーリヤさんマリアさん、間に失礼」
微笑むマリアとヴァレーリヤに、寛治は男前スマイルを返して。
「あ、ここ百合の間じゃないや死地だわ」
両方から酒を口に突っ込まれ、酒顔ダブルピースを決めている。まだまだ余裕がありそうだ。
「おっと、酒が足りないようですな! 皆さんタンク室行きましょうタンク室! あそこなら酒の貯蔵は十分ですよ!」
そうして、色々とやったあげく。
「えっ、全員出禁!? どういう事ですの! 酔っ払って、タンクを飲み干した!? え、虹!? ぬ、濡れ衣ですわ! 何かの陰謀でございますわ!! だって、私の記憶にはありませんもの!! ねっねっ、そうですわよね皆!? わ、私ではなくてよ! これは何かの陰謀でございますわーー!!」
「あ゛ーーー流石に飲みすぎた、記憶は残ってるが頭痛ぇ水くれ」
「まぁまぁ! ちょっとこっちにきたまえ。これくらいでどうだい? それなりの額だと思うのだけど……」
「二日酔い? なるに決まっとるじゃろうがいたた大声出して頭が痛い……」
「……本当にあの酒クズ馬鹿共にはよく反省するように言って聞かせますので……どうか出禁だけは勘弁してくださいなのだ……いや、本当にごめんなさいなのだ! 許して! 何でもしますから!!」
翌日。タンク室の酒を全部飲み干したヘルミーネたちは土下座してタンクの掃除をしたり酒造りを手伝ったりしたのだが……その最中、何故か軒下の野菜と一緒に干してあるエーレンと寛治が発見されたそうである。
何があったかは不明。全ては酒の席の過ちである。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
今回は某有名落ちものパズルゲームを書いてる気分で書きました。
ヘルミーネ「此処を通りたければ飲み比べで勝負なのだ!」
ヴァレーリヤ「その勝負受けましたわ!」
(画面下の真ん中らへんで踊るミニマリア)
GMコメント
リクエストありがとうございます。
覇竜のウェスタ近郊に存在する「高志」でお酒を呑んで盛り上がるだけのシナリオです。
呑み会が一定以上盛り上がれば成功です。挨拶代わりの呑み対決もありますが勝つ必要はありません。
呑むのを大前提として、一発芸でも用意するといいんじゃないかと思います。
存在が一発芸とか言ったらひどい目に合わすからな覚悟しろよ。
【※未成年の皆様、このシナリオはダメな大人の参加を強く推奨しております※】
●高志(こし)
亜竜種(ラミア系)の集落。
高志(こし)では主に酒造業を主な生業としており、特産品はウェスタ周辺の水を使ったお酒「竜殺し」と「蛇殺し」。
どちらも後味が良いが度数が高くてすぐに酔いが回りやすいのだという。
つまるところ、ウェスタ近郊の酒呑みたちに愛される酒の産地であり、ある意味で酒呑みの聖地でもある。
酒クズしか居ない。呑めるようになってから来なさい。
●草薙 遠呂智(くさなぎ おろち)
亜竜集落ウェスタ近郊の高志(こし)と呼ばれる亜竜種(ラミア系)集落の出身であり、集落の長。
水属性。
イレギュラーズとの交流が始まった事に対してはかなり肯定的で、この機会に外のお酒の情報なども仕入れて新しいお酒を開発したいと野望に燃えてる。
性格としてはポジティブで優しく社交的。人付き合いしやすいいい姉貴肌の女性。酒クズ。
●お酒
【竜殺し】
ドラゴンでも殺せそうなくらいに度数の高い酒。後味は良い。それで誤魔化せると思うなよ酒クズ。
【蛇殺し】
ウェスタの偉い人からちょっと泣くくらい怒られた結果出来た酒。
蛇なら酔い殺せそうなくらいに度数の高い酒。後味は良い。ほんとに反省してる? 大丈夫? お説教する?
●情報精度
このシナリオの情報精度はA(アルコール)です。
想定外の事態しか起こりません。だって全員酔っ払いだもん。
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