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シナリオ詳細

一足先の春の声

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●一足先の春の声
 肌寒い風が吹く、冬の一時。
 しかしここ、深緑(アルティオ=エルム)から繋がった妖精郷『アルヴィオン』は、冬の寒さとは無縁の暖かさを誇る。
 そんな避暑地ならぬ、避寒地なこの地……住まう妖精さん達も、イレギュラーズさん達が来てくれる事を心待ちにしている様で。
『ふふ♪ 今日はイレギュラーズさん、来てくれるかなー、なの♪』
『さいきん、あんまり姿を見ないのー……でも、きっと来てくれる筈なのー! それじゃー、みんなでイレギュラーズさんが出てくる所にお迎えに行きましょー、なのー♪』
 ふわふわ温和な妖精さん達は、暖かい陽射しをその背中に浴びながら移動。
 ……だが、そんな妖精さん達の動向を、密かに見張っていたのは……。
『チクショウ……アイツラ、ゼッタイユルサネェ……!!』
『アア……今ナラ、油断シテイル。イレギュラーズ、トカイウノモイナイ様ダ。イマガチャンスダ……イマノウチニ、アイツラヲ食ッテヤル……!!』
『ソウダナ!! アイツラ、マモルヤツガイナケレバ、トルニタラナイヤツラダ! サッサトクラッテ、クイチギッテヤロウゼ……!!』
 カタコトの言葉で言い合うのは、赤い帽子が目立つ小人達。
 妖精さん達よりは二回りほど体が大きく、その目は真紅……更に、その爪は鋭い鉤爪。
 所謂『レッドキャップ』と呼ばれし彼等は、同じ妖精郷に住まう妖精達を目の敵にしている様で……今迄幾度となく現れては、イレギュラーズの皆に退治されてしまっている。
 だからか……イレギュラーズ達が最近訪れていない頃合いを見計らい、最近来ていない事を見計らう。
 ……そして、イレギュラーズ達を迎えに行こう、と油断しきっている妖精さん達を追いかけ、飛びかかる。
『き、キャー-……!!』
『ハハハ! サァ、キョウハゼッタイニ、タベテヤルカラナ!!』
 悲鳴を上げて、散りじりになる妖精さん達を追い立て、捕まえようとするレッドキャップ。
 彼等は欲望のままに……妖精さん達を喰らおうと轟くのであった。


「あの……皆さん。ちょっと、お時間宜しいでしょうか……!?」
 ギルド・ローレットに居るキミ達に、『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)が声を掛ける。
 ……いつもに比べて、元気が無いというか……何か思い詰めているような表情。
 それに気付いた『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)が。
「ん……どうしたの? 何か元気が無さそうだけど」
「ええと……何て言い表して良いのかが、ちょっと判らないのですが……何だか、胸騒ぎがするんです。大事なものが、なくなってしまうような……」
 大事な物が無くなると言われ、きょとんとしている周りの人達。
 だが、ルリアの言う言葉にサイズも……ちょっとだけ心当たりがある様で。
「……そういえば、最近妖精郷に行ってないな……もしかして……?」
 と口にしたサイズに、はっとした表情で頷くルリア。
「……ええ、もしかしたら……。あの、すいません……力を貸して頂いても、宜しいでしょうか……?」
「ああ、勿論……!」
 何事も無ければいい……だが、こういう時の胸騒ぎというのは、まま良く当たるもの。
 そうサイズは仲間達に声を掛け、久しぶりの妖精郷へと急ぐのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 最近、寒いですか?
 何だか数日、日に日に冷え込みが激しくなっていると感じる今日この頃……そんな寒さから逃げたい気持ちを込めて、妖精郷の依頼です。

 ●成功条件
  妖精さん達を襲おうとしている『レッドキャップ』の軍勢を全て倒す事になります。
  勿論、妖精さん達を護りきるのも必要です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  舞台となるのは、妖精郷の門にほど近い平原です。
  イレギュラーズさん達が来る事を心待ちにしている妖精さん達が、お出迎えに……と来ています。
  しかしレッドキャップは、そんなお出迎えだー、と嬉しそうで無防備な妖精さん達に襲い掛かり、喰らおうとしています。
  なので、皆様は妖精郷に到着するとすぐに戦闘が始まる事になります。
  無事にレッドキャップを倒した後は、妖精さん達が感謝を込めてささやかなお料理を振る舞ってくれる事でしょうから……是非とも妖精さん達を護りきって、愉しんで戴ければと思います。

 ●討伐目標
  赤眼赤帽子のレッドキャップ達
   身長は50cm程度の小人達ですが、とても凶暴です。
   例え身長が4倍程度のイレギュラーズの皆さんが来ても、数の暴力で反撃すればきっと勝てる筈……という理論で臆すること無く反撃してきます。
   攻撃手段としてはそのテの鋭い鉤爪での引っ掻き攻撃がメインです。
   ですが、どうやら魔法の様なものが使える、この軍勢の中ではリーダー格のレッドキャップも居る様で、回復や攻撃にそれら能力を使ってくる事もある模様です。
   
   ちなみに、かなりの大軍勢です。
   少なくとも50匹位は居るので、数の暴力で押せ押せで攻め込んでくると思いますので、押しきられない様にご注意下さい。

 尚、このシナリオは〆切りまで短めとなっていますので、ご注意下さい。
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 一足先の春の声完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月31日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
優しき水竜を想う
サイズ(p3p000319)
妖精■■として
海音寺 潮(p3p001498)
揺蕩う老魚
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
プラハ・ユズハ・ハッセルバッハ(p3p010206)
想い、花ひらく

リプレイ

●一足先の春の声
 肌寒い風が吹きすさぶ、冬の一時。
 深緑(アルティオ=エルム)においても肌寒さが抜けないこの時期ではあるが……そんな肌寒さから程遠いのは、妖精達が舞踊る妖精郷『アルヴィオン』。
 この寒い時期故に、妖精郷にふらりと旅をしたいと思う事も有るが……昨今立て続けに起きている事件の為か、中々訪れる機会は少なくなってしまっていた。
 ……そんな妖精郷から、何か嫌な気配がしたという『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)と、『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)の求めに応じ、イレギュラーズ達は深緑から妖精郷に向かう門へと急いでいた。
「くそっ……ギリギリな状態か……」
「ええ、妖精さんたちが大変なのです! なんとかしなくっちゃなのです!」
 焦りの表情を浮かべるサイズと『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)。
 二人に対し、不安、焦燥の心の内をどうにか胸の奥に押し込めながら、走るルリア。
 ただ……妖精さん達が危機に瀕しているのに、それに気付かなかったのはどうしてなのか……と、自責の念に駆られつつあった。
 そんなルリアに。
「大丈夫……妖精さん達はボク達が助ける……ルリアもその為に、一緒についてきてくれたんだろう?」
 軽く頭を撫でる『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)。
 ルリアはこくり、と頷くと、更に『いにしえと今の紡ぎ手』アリア・テリア(p3p007129)と『揺蕩う老魚』海音寺 潮(p3p001498)も。
「うん、きっと妖精さん達は大丈夫だよ。ね、そう信じよう?」
「うむうむ。大事な友達が……と。心配じゃろうな。わしも一緒に付き合わぞ? もし何もなければ、遊びに来てくれた、と妖精さん達も喜ぶじゃろうしな?」
「……はい、そうですね……うん。本当、ありがとうございます」
 三人の言葉に、元気は無いけれど頷くルリア。
 言い知れない不安は、段々と大きくなりつつあるが……その真実は、妖精郷に着けば自ずと分かる事だろう。
「絶対に、必ず間に合わせる……!! みんな、急ぐぞ!」
 焦る気持ちに、自然と言葉が粗くなるサイズ。
「ああ……サイズ、無茶するなよ?」
「そうよ! 大怪我したら怒るからね!!」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)と『スピリトへの言葉』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)から釘を刺されるが、サイズは殆ど聞く耳を持てていない。
「もう……ごめん、サイズが怪我したら、回復頼むわね?」
 オデットが、『春を取り戻し者』プラハ・ユズハ・ハッセルバッハ(p3p010206)に御願いすると、プラハは。
「ええ……勿論です」
 と、優しく頷くのであった。

●待ち人、来たる
 そしてイレギュラーズ達は、妖精郷の門へと到着。
『……ん……?』
『あ……いれぎゅらーずのみなさん、きてくれたのー!!』
 待望の人達の訪れに、とても嬉しそうにふわふわ浮かび、イレギュラーズ達の下へと飛んでくる妖精さん。
 ……だが、そんな妖精さん達に向けて、放たれるは氷の刃。
『きゃぁっ!!』
『な、何なの何なのー!!』
 突然攻撃を受けて混乱している妖精達……対し、その攻撃元を見て見ると、赤い眼、赤い帽子、そして鋭い爪の毒々しい小人達。
『チッ、アイツラ、来ヤガッタ!!』
『クソッ、モウチョットハヤケレバ、アイツラネダヤシニデキタノニ!! デモヨ、アイツラヲコウゲキスリャ、サキニコロセルゼ! シシ!!』
『アア、ソウダゼ!! ンジャヨ、ヨウシャナクシカケロ!!』
 小人達はそう言い合うと共に、妖精達を追いかけるよう、怒濤の集団で駆けてくる。
「……ルリアの予感、当たった様だね。全く懲りない赤帽子共だ」
「そうね、久しぶりの妖精郷に来た途端から大ピンチ!? なんでここはこんなに襲撃されるの?」
 ウィリアムにアリアが声を上げる、その間もなく。
「本当……久しぶりの妖精郷なのに、まーた懲りないやつらだこと。っていうか、相変わらず数の圧がすごいわね。弱いヤツほど群れるのがお好きっていうけど」
「そうですね……たしか、レッドキャップも妖精の筈。遠縁の仲間なのだから、仲良くすべきだとわたしは思うのです。それなのに、空き巣紛いの襲撃を企図するなどと……お説教しないといけませんよね」
「そうね……あんまり多くてもね。サイズが無茶しそうだから、サクサクッと退治させてもらっちゃうわよ!」
 オデットとプラハの言葉……の間に。
「絶対に守りきる! 軍隊でくるなら、全部地に縫い止めてやる!!」
 言葉よりも早く、レッドキャップ集団のド真ん中に突っ込んで行くサイズ。
『ジャマスルナァ!』
 と先陣のレッドキャップが怒りと共に、今度は火球をぶっぱなし、その弾道は……妖精さんに向かう。
「っ、なんということだ。民の命を危険には晒させん!」
 エーレンは妖精を護る様に身を呈し、その火球を喰らう。
 小さい体から繰り出された一撃は、想定以上に痛い。
 だが、エーレンは決して下がらない、むしろ周りの妖精さん達に。
「妖精さんたち、下がれ! 彼の服の中なら安全だ!」
 と潮を指さす。
 そして潮は袂を開き。
「ほら、こっちじゃ!」
 と手招きする。
 妖精さん達は悲鳴を上げながら潮の近くまで飛んできて、その懐に開かれた妖精さん達位なら隠れられる隠れ家へ。
 服の中で、わーわーきゃーきゃーと恐怖を口にし続けている。
 そんな妖精さん達が服の中で動いているのに、ふと。
「まるでタツノオトシゴみたいじゃのう」
 と微かに笑いつつ。
「わしらが来たからにはもう安心じゃよ? という訳で、暫く大人しくしておいてくれの」
 と、袂を閉じる。
 そして、妖精さん達を保護した所でオデットとニルが続き、周囲に結界を張ることで、妖精さんの故郷に被害が出ないように保護の一手を取る。
「……リーダー格はあのレッドキャップは間違いなさそうだけど、他にもいるかもしれないわね。精霊さん……もし手伝ってくれるのなら、強そうなレッドキャップを探して貰っていいかしら?」
『……♪』
 そんなオデットの言葉に頷き、ふわふわと舞う精霊さん。
 ……彼等との会話を繋げつつ、エーレンとウィリアムの二人はレッドキャップ達に対峙。
『アァ? オレタチニハムカオウッテノカァ!』
『フザケタヤツラダゼ、コロスシカネェ!!』
 数の暴力で多少気が大きくなっている様で騒ぎながら、次々と襲い掛かってくる。
 そんなレッドキャップの初撃を受け止めるのはエーレン。
「民のために命を張る、これが霧江王族の本懐なり……!」
 決して倒れない様、踏ん張る。
 対しウィリアムは、様々な方角から来る攻撃をある程度躱しつつ、避けられない状態の時は、掌握魔術で縛り上げる。
『クッ……!?』
 一瞬の焦りの表情を浮かべるレッドキャップに、ウィリアムは。
「ボク達を出迎えに来てくれた妖精達を、あんな奴らに食べさせる訳にはいかないね。かなり数が多いようだけど、攻撃し甲斐があるってものさ。さあ、一匹残らず刻んであげるよ」
 その笑みは、怜悧な刃の如く、足元を縛り上げられたレッドキャップが悲鳴を上げる。
 次の刻もやはり先陣を切るのはサイズ。
 敵が一番密集している所で、周囲をまとめて呪術を放ち、敵を足止め。
「いいか、妖精サイズ、妖精を襲うなら……まずは俺を破壊してみな!」
 強い口調で言い放ち、周囲の怒りを完全に買う。
 周りのレッドキャップは、体の大きさ的にほぼ同様のサイズの方が狙いやすいと考えたようで……優先的に攻撃の手を向ける。
 無論、かなりのハイペースで体力が削れていく事になってしまうのだが……その傷を潮が天使の音色で積極的に回復。
「全く、あの嬢ちゃんに無理をするなと言われたのにのぅ……」
 苦笑するサイズに、オデットも。
「本当よ……全く。何にせよ、早くレッドキャップ達を倒さないと……! うん、あの子も魔法が使えるみたいだから、そこから優先しましょう!」
 オデットはそういいながら、精霊さんに聞いたリダー格っぽいレッドキャップを指さす。
「うん、判りました……です!」
 と、ニルはその所まで移動すると共に、指摘されたレッドキャップを巻き込む形でカチコチに凍らす氷瀑を展開。
『サムイ! クルナッテイッテンダロー!』
 甲高い声で怒り狂うレッドキャップ。
 だが、ニルの攻撃に続いてアリアとウィリアムの二人も。
「敵の数が多いけど、安定した戦場を創るためには知恵を絞らないとね!」
「そうだね。まぁ数をどんどん減らして行くのが先決……容赦無く行くとしよう」
「うん。さぁ……行くわよ!」
 と頷き合って、敢えてフルパワーではなく、確りダメージを与える事を優先して、狂乱の音楽の渦と、糸の掌握魔術で確実に削る。
 そして、瀕死の状態に陥ったレッドキャップに、最後にエーレンがめっちゃめっちゃのずったずたにする一閃を叩き込み、魔法を使う一匹を一刀両断に斬りつける。
『グアアア……!!』
『ナンダト!! クソッ、ヤッパリアイツラ、ツヨイヤツラジャネエカ!!』
『チクショウ……コロセ、コロセコロセコロセエエ!!』
 幾度となく倒されてきた歴史……それはレッドキャップ達にも伝わっているのかもしれないし……少し、怯み始めている。
 そんな怯えるレッドキャップ達の会話を耳にしたプラハは。
「……なんだか、邪悪な子たちに思えないのです。凶暴だとしても、凶悪では無いかもしれませんし」
 勿論、レッドキャップ達全てが全て悪事に手を染めているなんて事は無いだろう。
 だが、こうしてイレギュラーズ達がいない隙をついて、妖精さん達を倒して仕舞おうというのは……許す訳にはいかない。
「それじゃぁ、精霊たち、お仕置きしちゃいましょ! 大嵐いっくわよー!!」
 次の刻になると共に、オデットが熱砂の精で次々とレッドキャップを攻撃。
 反撃攻勢に出るべくレッドキャップは鉤爪で切り裂き、魔法を四方八方に放ち、暴れ回る。
 しかし、その動きを察知したサイズが。
「させない! 鎖よ、敵を地に縛り付けろ!」
 ウィリアムに加えて足元に縛り付けて、彼等が決して妖精さん達の所に行かない様にする。
 勿論動けなければ、魔法で攻撃するしか無いが……それは潮の前にエーレンが立ち塞がり、その身で受ける事で完全にカバーリング。
『ウゴケネェ……コウゲキモトオラネェ……』
『オカシイ……オレタチノカズニ、アンナカズデカテルッテイウノカ!?』
 恨み節を口にするレッドキャップ……例え数の上で有利に立っていたとしても、歴戦のイレギュラー達が相手となり、人質にする予定だった妖精さん達も先に護られてしまえば……起死回生の策を全て封じられたに等しい。
 そして……イレギュラーズ達が妖精郷に突撃して、数十分。
 50匹程居たレッドキャップの残数は、最早数匹。
「はぁ、はぁ……」
 かなりギリギリではあるが、どうにか耐えきったサイズが、最後の力を振り絞り……呪いを残ったレッドキャップに放つ。
『グ、ゥゥ……!』
 周りの者達は崩れ墜ち、呻き声を上げ……一体を残し、崩れ墜ちる。
「よーっし! これで最後にするよー!」
 アリアが神秘的な力を込めた極拳を放ち……その一撃に抵抗も出来ずレッドキャップは、全て崩れ去るのであった。

●また助けて……もらった、の!
「ふぅ……っ、ててて……流石に、今回の数は厳しいぜ……」
 どうにか、レッドキャップ達を全て倒したイレギュラーズ。
 サイズは……かなりの大怪我を負っており、動くのもままならない状態。
「もう……本当に無茶ばっかりして!! 死んじゃったら、元も子も無いんだから……!!」
 厳しい表情のオデットに、サイズははは……と力無く笑う。
 ……ともあれ、そんなサイズにぶつぶつ言いながら包帯とかで応急処置をするオデット。
 その一方で潮は。
「ほら、もう大丈夫じゃよ。狭い所ですまなかったの?」
 と匿っていた妖精さん達を解放する。
『……ほんとう、今回も助けて貰ったの……ありがとうなの……!!』
『いつもいつも、たすけてもらってばっかり……ごめんなさい、なのー……』
 鱗粉を輝かせながら、イレギュラーズ達の周りを飛び回る妖精さん達。
「ううん、大丈夫大丈夫……まぁ、流石に今回はちょっと危なかったけど。でも、これで暫くは平和になるかな?」
「そうだな。妖精さん、俺達は守るのが仕事だから、気に病まないでくれ」
『でもー……』
 ウィリアムとエーレンの言葉に、嬉しいけれど、複雑……といった具合を見せる妖精さん達。
 そして妖精さん達は、ひそひそと会話し合い。
『あの、私達からのかんしゃのきもち、しめしたい、の!』
『みなさんに、おいしいおいしいおりょうり、つくってあげたいの!! わたしたちの郷、来て貰っていい、なの?』
 と提案。
 それにニルとエーレンが。
「ええ、妖精さんたちのお料理、ニルはとってもとっても楽しみです。お手伝いできることがあったら、何でも言って下さいね?」
「そうだな。俺も手伝わせてくれ」
 二人の提案に、妖精さんは。
『え、それはわるいの! かんしゃのきもちつたえるのに、お手伝いされたらかんしゃじゃないの!!』
 と言ってくる。
 でも、そんな妖精さんにははは、と笑いながら。
「大丈夫大丈夫。こういう時に座っているだけというのは落ち着かなくてな? という訳で気にしないでくれ。勝手にやってる、と思ってくれればいいさ」
『うーん……それでいいなら、わかったの! それじゃ、こっち、こっちなの!!』
 とふわりふわりと皆を誘導……妖精さんの郷へ。
 一緒になってお料理を準備したり。
「妖精さん達、お料理にお酒も大好きだよね? ……すいません私も大好きです。という訳でお酒も準備しましょ!」
『勿論、なのー!』
 アリアに頷き、お酒も準備。
 小さな体から精一杯の準備を行い、並べられる料理。
『それじゃあ、ほんとういつもありがとうございます、なの!! おもいっきりたべて、のんでください、なのー!!』
「うんうん。よーし、宴会のはっじまりだよー!!」
 爛々としたアリア、料理を口に運ぶニル。
『……どうかな、なの?』
 と、小首を傾げる妖精さんに。
「みなさまと食べるごはん……妖精さんたちが、ニルたちのために作ってくれたごはん。ニルはそれだけで、とってもとっても『おいしい』です! ね、ルリアさん?」
「はい……とっても、美味しいですね……!」
 ニルに促され、笑みを浮かべるルリア。
 そんな料理に舌鼓を打ちつつ、盛り上がったアリアは。
「いつも奢って貰ってるから、今回はお礼にこちらか音楽もプレゼントしちゃうよ!」
 と、陽気な音楽をプレゼント。
『わぁい、たのしいおんがく、だいすきなのー!』
 その音楽に合わせて、輪になって踊る妖精達。
 そんな妖精さん達との楽しい一時に、プラハは。
「妖精さんも、皆さんも楽しんで居る様ですね……この様に、穏やかに過ごせたら良かったのですが……」
 と、救う事は出来なかったレッドキャップに、一抹の願いを捧げるのであった。

成否

成功

MVP

サイズ(p3p000319)
妖精■■として

状態異常

なし

あとがき

妖精郷の危機に駆けつけて頂き、ありがとうございました……!
これからも、妖精さんの事を守って頂ければ……と思っております!

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