シナリオ詳細
「我が人生に悔いなし」みたいなのをリスクほぼゼロでやるって話
オープニング
●ニンポーって言っておけばどうにかなる風潮
鉄帝には色んな変人が集まる。
フェチを大切にする秘密結社とか。
空を飛ぶ巨大合体ロボとか。
大回転しながら竜巻を発生させるダブルラリアットタイフーンおじさんとか。
まあ、とにかく色々いる。
そんな中、昼から赤と黒のニンジャが屋根の上を駆け回りながら暴れていたところで、気にする者は居ない。
「ああ、今日はニンジャの日かあ……」くらいのものである。
まあ、そんなわけで昼間からやりあっているニンジャたちだが……どうやら赤いニンジャのほうが正義のようである。
「おのれ抜け忍どもめ! なーにが暗黒山蛇忍軍でござるか!」
「くっくっく……そんな真っ赤なシノビ装束でニンジャでござると言ってる連中に言われたくないでござるなあ!」
シュリケンがぶつかり合い、ニンポーが飛び交う。
一般のご家庭にダメージを与えていないのはニンジャの嗜みだろうか?
「大体良き子にプレゼントなど時代遅れ! 悪い子の絶対数を減らすことこそ大事でござる!」
「良き子を的確に褒めてこそ悪い子もそうあらんとするもの! 今更なんでござるか!」
2つの水遁ニンポーがぶつかった後。赤と黒のニンジャは別の屋根の上に着地する。
「分かっておらんでござるなあ。いずれ悪い子は悪い大人になるでござるよ。そうなる前に矯正せねば」
「それでブリキングの設計図まで持ち出したでござるか!」
「いずれ抑止力は必要でござる。それに……そこまで言うなら見せてやるでござるよ」
「ぬうっ!?」
「選ばれし『悪い子のまま大人になったクズ8人衆』に少々力を与えてやったでござる!」
「なにい!?」
その場を包む煙幕。
それが晴れた時には……もう黒いニンジャの姿はそこにはなかったのだ。
●ニンポーでやりたい放題しようぜ
「というわけでローレットの皆さんに依頼でござる」
集まった面々の前に立つのは真っ赤な装束のニンジャ。
R.O.Oとかでソックリな奴を何度か見た人もいるようだが、関係性は不明である。
「実は某、趣味のサークルを運営している者でござるが……近頃抜け忍……もとい脱退者が新規サークルを立ち上げたのでござる」
暗黒山蛇忍軍。そう呼ばれるなんかこう、趣味の分身したり火とか雷とか出したりする個性的なサークルである。
その暗黒山蛇忍軍の連中が、どうも悪い子供から悪い大人に順調にクラスチェンジした8人に尋常ではない力を与えてしまったらしい。
子供の頃からイジメを行い、成長してからはカツアゲに強盗、大人になってからは順調に犯罪組織を立ち上げた、仲良しクズ8人衆であるらしいのだが。
暗黒ニンジャのニンポーによって、尋常ではない力を得てしまっているらしい。
どうやら彼等の尋常ではないクズっぷりが凄まじい力を引き出したようなのだが……。
「これに対抗するには、ニンポーしかござらん」
連中がクズな欲望で力を得るというのであれば、子供に夢を与えるようなカッコいい想像で力を得て立ち向かうしかない。
「某が責任をもって皆さんに暗黒ニンポーに対抗する力を皆様に付与するでござる」
それによって、かつて憧れたような「何か」になることが出来るだろう。
勿論、代償もあるが……これは、ちょっとやってみる価値があるのではないだろうか?
- 「我が人生に悔いなし」みたいなのをリスクほぼゼロでやるって話完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年01月30日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●ニンジャが出たぞ
「ニンポ! ニンポを使うぞ! ですよ!」
『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)のテンションが爆上がりしているが、全部ニンジャのせいである。
「趣味で忍術を使うサークル……興味あるですよ。どうやったら会員になれるですよ? ブランシュもニンポを使いたいですよ! そうすれば、戦力向上待ったなしですよ! 頑張ってニンポを使う忍者になるですよ!」
「ニンポーとかニンジャとか何のことか分からんでござるなー」
「シュリケンが見えてるですよニンジャ!」
ニンジャを揺さぶるブランシュだが、ニンジャはあくまで自分はニンジャではないスタンスである。
全身からニンジャオーラを出しといて何を言っているのか。
「出やがったな! 山蛇忍軍! 煩悩暴露された時の恨みは忘れてねーのだ! ぶっ飛ばしてやるから覚悟するのだ!」
と、そこに『呑まれない才能』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)が飛び蹴りを仕掛けるが、分身をきめたニンジャが難なく回避する。
「えっ、今回は自分の思い描いたスペシャルな姿になれる? それでクズをぶっ飛ばしてほしい? ……ま、まあ……前回、よく考えたらうめー酒貰ったし、今回のでチャラにしてもいいのだ。スペシャルなヘルちゃん……とってもカッコいいに違いないのだ!」
分身に何事かを囁かれたヘルミーネが説得されて納得しているが……まさに目の前でニンポーを使われたブランシュと『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)のテンションが上がっていく。
「忍者! 実在していたのか!?」
「ニンジャ違うでござるよー」
「いいから会員になる方法教えるですよ!」
「まあそれについては前向きに検討するということで……」
ブランシュを煙に巻いているニンジャを見ながら、『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)は溜息をつく。
「なんだってこんな……身内の争いでこんな面倒な騒動になるのやら……まあ、報酬が出るならどんな理由でも構いやしねぇがな。そんで、そのニンポーとやらで対処すりゃいいんだな?」
「大体そうでござるよ」
頷くニンジャをブランシュが「ニンポ!」と揺さぶってニンジャが「言ってないでござる」ととぼけるが、さておいて。
「ところで、倒したクズ共の処遇についてですが」
『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)は、気になっていたことを問いかけてみる。
クズを倒すのはいい。ラストスキルはどうやら不殺の技のようだし、何の憂いもない。
しかし、倒した後のことが問題だ。
(ニンジャの方々が何とかしてくれるのであればそれで良いですけど、そうでないなら然るべき所へ叩き込まなければなりません。これまでの悪事を償って真っ当に生きてくれるでしょうか。どうなろうと自分には関係無いかもしれませんけど)
そんなことをオリーブは考えるが、ニンジャはその考えを読んだように「問題ないでござるよ」と答える。
「連中はちゃんと回収して記憶をどうにかした上で性格を矯正するでござる」
「思ったよりエグいことをしますね……?」
「そういうことであれば問題なさそうだな。何の憂いもなく挑めるというものだ」
『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)が頷けば、『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)も太い笑みを浮かべる。
「うむ! 後顧の憂いがないというのは素晴らしきことであるな! 吾の拳の迷いも消えるというものだ!」
ちなみに百合子の参戦理由は「馬鹿みたいな固定ダメージをぶん回せると聞いて勇んで参った!」とのことである。
あと、変身にもちょっと興味があったりなかったりするらしいが、物理ではない美少女心のなせるものかもしれない。
ちなみにニンジャは「たぶんなんかムッキムキのヒーローになるんでござろうな」という顔をしていた。
百合子に知られたら物理的に怒られそうである。
そう、今回はニンジャのニンポーにより好きな姿になれるのだ。
相手もどうやらニンジャの支援を受けているということで『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)はなんとも複雑な気分になってしまう。
(理想の姿に変身して悪党を倒すことができる? 過程の胡乱さはともかく、怪人の強さも本物みたいだし頑張っていこう。そして私の相手は獅子怪人。相手にとって不足はないね)
「よし、頑張ろうね皆!」
「ああ、敵は強大。ニンポーとやらで対抗するしかないようだね……私の猛虎カラテを見せてあげよう! ノーカラテノーニンポー!」
まあニンポーは使うけども。
そうして選ばれし8人の戦士たちは、選ばれし8人のクズを迎え撃つべく立ち上がったのである。
●此処が私のラストバトル
荒野では8人の戦士たちによる、それぞれのバトルが繰り広げられていた。
たとえば、戦車をモチーフとしたロボット怪人の砲弾を至近距離で躱しながら戦っているのはバクルドだ。
黒顎魔王を放ちながら戦ってはいるが、謎のニンジャパワーが向こうにもあるせいか、中々決定打が出ない。
「は、はははっ! どうやらこれ以上やっても無駄みてえだなあ! 俺は行かせてもらうぜ!」
そんな台詞を吐く戦車ロボット怪人だが……バクルドが、それを許さない。
此処が使い時だと、そう感じたのだ。
「おい、お前さん何処へ行こうってんだ?そんなでけえ筒担いで逃げれるとでも?」
「はあ? 何を……」
「かかってきな、俺が相手してやる……フォームチェンジ!」
右腕を高らかに掲げ青く光るクリスタルが更に輝きを放ち、義烏での装甲が開きビットと化した装甲がバクルドの体に張り付く。
ニンジャから受け取ったスキルの影響か、あるいはバクルドの潜在意識のニンジャ愛故か……その姿は黒鉄の忍び装束。
面頬のように覆われた顔は、如何にもヒーロー然としている。
そう、スーパーニンジャ・アイアンブラック(命名:ニンジャ)の爆誕である。
「なるほどその大砲をモロに食らったら危なかったかもな、だが俺はもう懐に入った」
そう、中距離戦闘が主の戦車ロボット怪人は、その力を過信しすぎたのだ。
「ガウス・ブロー!」
「ごっはああああああ……!?」
それは掌底から繰り出す磁力的衝撃波が鎧通しのように肉体にダメージを与えるという、実にいぶし銀な技だ。
「く、くそ! まさか敵もニンジャだなんて聞いてねえぞ!」
戦車ロボット怪人の放つ砲撃を……バクルドは、わざと受ける。
強力な一撃だ。マトモに受けたくはない。ないが……ラストスキルを発動させるには、どうしても「それ」が必要だった。
「ああ今のは効いた、土手っ腹にどでかいのを食らったさ。だが一手惜しかったなぁ」
言いながらバクルドは戦車ロボット怪人の頭部を掴み……その口からは演出上の血が流れる。
「まだ動ける、なら十二分だろう? これで終いだ」
そう、これでお終いだ。
バクルドのラストスキルがその場を真っ白な光で包み……「ただの人間」に戻った戦車ロボット怪人がガクリと倒れ、バクルドがゆっくりと地面に膝をつく。
そうして第1の戦いは終わって。第2の戦いは……百合子と、格闘怪人である。
「散り際、見事である! ではこちらもそろそろ本気でいくとしようぞ!」
そう、百合子はとある野望を抱いていた。
美少女(種族)にとってセーラー服は絶対!
……であるが、練達でやってたプリティでキュアキュアなやつちょっと着てみたい。
こういう機会でもなければ他の服を着る事もないしよかろうか。
とまあ、そんな感じであるわけだが。
「戦場に咲く一輪の花! キュアリリー!」
「魔法少女キュア☆ヘル、ただいま惨状! 悪い子はぶち殺しちゃうぞ♪」
本人の言った通り、プリティでキュアキュアなキュアリリーが誕生する。
変身シーンでたっぷりエフェクトも使った、超豪華変身である。
ちなみに隣で合わせポーズをとったヘルミーネは、ポーズ合わせだけの友情参戦なのですぐに自分の戦いに戻っていく。
「キュアリリ腕ひしぎ!」
「ぐう!」
「キュアリリバックブリーカー!」
「ぐえ!」
「キュアリリギロチンチョーク!」
「ぐお!」
なんと空白スキルを1発ごとに設定し直し技を放つという、美少女な力技でキュアリリーは格闘怪人を追い詰めていく。
「なぜそのように悪に染まったのだ!」
「うるせー! 時代が悪いんだよ!」
「うむ、期待してなかった! ご迷惑をおかけした方々には吾も一緒に謝るから一回気絶して反省するがいい!」
ダメダメすぎる返答に百合子は、もはやこれ以上の問答は無用とラストスキルを発動させる。
「これが吾の慈悲の心! くらえぃ!」
最後はパワーボムで決めるって最初から決めてた、とは百合子の談だが……マットではなく地面に叩きつけるパワーボム改めキュアリリボムは見事に極まり……2人を中心に、白い光が広がっていく。
「鋼鉄降臨!」
超硬怪人と相対していたオリーブは、『大剣を携えた機械仕掛けの巨兵』に変身していた。
当然、超硬怪人も同じサイズになりエクスギア大決戦みたいな様相を呈している。
そして……本来顔があるべき巨兵オリーブの顔面には、巨大な発射口が存在していた。
それは滅却弾……撃ちすぎると混沌が大変なことになる超高温の魔弾なのだが、オリーブは惜しみなく発射している。
どこまでも無慈悲に、徹底的に。相手が悪党なら尚更だ。
抵抗を叩き潰して心を折ってこそ、更生の可能性が出てくる……らしい。
悪党の心より先に混沌の心が折れそうだ。
「ぐ、くそっ……! なんだその火力! 有り得ねえ……!」
すでに超硬怪人はボロボロで。だからこそ、オリーブはラストスキルを装填する。
「滅却実行。後退無し、鉄帝に栄光あれ」
「超滅却弾」。滅却弾を極限まで凝縮した一撃で、その威力は混沌を穿ち幻想を滅するという凄まじい兵器だが……白い光が2人を包み、幻想滅亡はならなかった。安心である。
そんな危ないバトルが繰り広げられる中……モカはまた違う雰囲気を醸し出していた。
それはさながら、オリーブの超滅却弾が世界を焼いた後でしぶとく人類が生きていた世界みたいな雰囲気である。
いつものバーテンダースーツ……だがすでに変身済のモカがゆらりと身体を動かしながら相対するのは全身武器怪人だ。
「ほう……それは三節棍か」
「知っているのか、モカ!」
「うむ。まさかこんな所で見ようとは……」
モカの背後に「忍面書房」とか書かれた解説用のパネルを持ったニンジャが現れたりしたのだが、さておいて。
ちなみに濃い顔でモカに問いかけたのもニンジャである。
何故か存在する壊れた馬車の車輪などで防御したり服を盛り上がった筋肉で破いて上半身サラシ姿になったりと全体的に顔の濃い戦闘を繰り広げるモカだが……放つ技はえげつない。
全身武器怪人に向かって走り、衝突する寸前でジャンプして頭(に生えている武器の隙間)に手を付き、そこを支点に空中で反転して敵の後頭部を膝でココナッツクラッシュするという、非常に見た目も派手でアグレッシブな技である。
「ぐ、おおお……」
「諦めたらそこで戦闘終了だぞ! 壊れた武器を捨てて、かかってこい!」
それはまさにモカのラストスキル。モカに引き寄せられるように全身武器怪人は拳を握って襲い掛かり……クロスカウンターのその瞬間、2人を輝く白い光が包んでいく。
そして丁度その頃、フォルトゥナリアと獅子怪人の戦いも佳境となっていた。
「あり得た未来よ。どうか私に夢を。勇者の剣よ。今一時だけ力をお貸しください。......変身」
そうして変わったその姿は、知っている者が見ればR.O.Oの「フォルティア」を連想しただろう。
頭部に巻き角、瞳孔は爬虫類めいた姿に、背中には鳥類めいた羽を、尾は爬虫類、いや竜めいた付け根に近づくほど太く、端に行くに連れ細くなるような形、左前腕は鉤爪を備えた異形の腕。髪は一房が黒、もう一房が銀に染まっている。
だが「フォルティア」と違うのは燃え盛るようなオーラを宿した神聖なオーラを纏った剣を持っていることだろう。
背は元よりも少し高くなり、服装も豪華になっている。
総じて見れば白を基調とした神聖さを備えた人を素体としたキメラのような姿。
強くてかっこよくて頼りになりそうなイメージを詰め込んだ、フォルトゥナリア・ヴェルーリアの夢の姿なのだ。
「待ってくれてありがとう! さあ、獅子怪人さん! 私が相手だよ!」
そんなフォルトゥナリアの空白スキルは、剣のオーラが射程を伸ばすことにより実現する、万能の超射程。
本来選ばれた者にしか使えない勇者の剣故に反動は甚大というその技は、決められたとおりにフォルトゥナリアに反動を与える。
「こふっ。本当は使えないものだからね。限界も反動もあるよ」
だが、威力は絶大。獅子怪人はあっという間に追い詰められ、荒い息を吐く。
「ほんの一時だけど、理想の姿になって戦うのは楽しかった。でも、夢から覚めないと行けない時はもうすぐ。まあ獅子怪人さんと相打ちなら、悪くはないかな......勇者を目指して生きてたんだもの。いずれこんな終わりになるなんてわかってたけど、この生き方に後悔はないよ。生きてて楽しかった。みんな後は頼んだよ! そして、また会おうね!」
その言葉と同時にラストスキルが発動し……フォルトゥナリアと獅子怪人が光に包まれていく。
さて、その頃のキュア☆ヘルだが……戦いながらも葛藤に苛まれていた。
「……ちょっと待てー! これがヘルちゃんが望んだ姿? どう見ても解釈違いなのだー!? えっ、深層心理で愛されキャラを模索したらこういう姿に……? ……し、知らねーし!やっぱり後で絶対ぶっ飛ばしてやるのだ、山蛇忍軍!」
叫びながらも超速怪人と高速戦闘を展開していくが……プリティでキュアである。フリルも多めだ。
「超速か何か知らねーけど速さ比べでヘルちゃんに勝負仕掛けようなんざ、いい度胸なのだ! この怒りも併せてぶちのめしてやるのだ!」
「ちっ! この……!」
「てめーには情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、善良さ! そして何よりも ―― 速さが足りないのだ!!」
なんか髪型の凄い兄貴みたいなことを言いながら超スピードからのマジカルなヒーローキック、すなわちマジ狩ル☆キックを放ったヘルミーネは、そこからラストスキルへと繋げていく。
「てめーの様なクズでも一人ぼっちは寂しいもんな…だから一緒に逝ってやるのだ……速さの果ての光景にな! さあ、止まるんじゃねぇぞ?」
さあ、そしてニンジャ言ってたブランシュはどうか。
「ドーモ、飛翔鳥怪人=サン。安全楽しいエルフレーム社7番機です。お主の息の根があるのですがエラーです。消去しに来ました」
「ドーモ、安全楽しいエルフレーム社7番機=サン。飛翔鳥怪人です。てめーをぶっ殺して進撃させてもらうぜ」
ニンジャのあいさつはこうして行われる。罵倒戦で負ける時点でその程度のニンジャに明日を生きる資格はない! 非常な世界だ!
なんかニンジャが高速で首を横に振っているが気にしてはいけない。
「そういう訳でいざ、蒸着!」
蒸着シーンを細かく見て見よう。これはコンマ0.1秒のスピードで白黒の特徴的なニンジャ装束とメンポが装着され、より素早い機動戦を行えるようになった姿なのだ!
さらにブースターにニンジャパワーが追加され、なんかもう凄いことになる!
先手必勝! 飛行しながら覇竜穿撃で重圧を与えた後、ブランシュは神鳴神威で突っ切る!
「どうだ体に雷陣の影響が出てきただろう。お主を惨めに墜落させるための下準備が出来た」
(ここから更にエルフレーム:アクセルで怒りを付与して更にニンジャ外道戦術、ヒキ=ウチをするですよ!)
これは怒りを付与された相手が常にこちら側に来るも、全く追いつけなくなる技であるらしい。おお何たる卑劣!
そしてブランシュが繰り出すは必殺、【安心と実績のエルフレーム社のマシンガン】。
こちらは安心と実績による信頼があるエルフレーム社のマシンガン。実際安い。
そして、ラストスキル……繰り出すは貫手だ。
「飛翔鳥怪人=サン。飛ぶ鳥はすでに翼をもがれた。ハイクを詠め、カイシャクしてやる」
そうして2人を包むのは、例の白い光。
「へへ……やっぱブランシュってば、不可能を可能に……」
そうして……最後に残ったのは万能魔法怪人だ。
「……残るは俺だけか。だがもう打ち止めだろう。俺を止める者はもう……」
「待てぇい!」
「ぬ、何者!」
見上げた先。そこには太陽を背負うマリアの姿。
「町を襲う非道! たとえお天道様が許しても! このマリア・レイシスは許さない! 覚悟したまえ! 成敗してくれる!」
なんか最強っぽいことを言いながら、マリアはニンジャパワー発動の方法を思い出す。
「えーっと、ワード? を言うと変身できるんだっけ??? ふ! かっこいい獰猛な虎になって無双するよ! ヨシ! 私は虎ぁ!!!」
そうしてマリアは獰猛な虎に変身する。『VDMランドの謎の生物兼マスコット』とらぁ君にそっくりだ。
「あれ?このもふもふは……とらぁ君!? まぁいい! このまま戦うよ!」
流石にこれだけやっていれば目立つようで、いつの間にか観客たちが集まってお弁当を広げている。これだから鉄帝の住人は。
(子供達に夢と希望を与えるんだ!見た目だけならマスコットっぽいしきっと子供達も受け入れてくれるはず! くれるのかな……???)
そうしてカッコよく戦うマリアは……ついに敵の隙を見つけ出す。
そして悟る。此処だ、此処しかないと。
「魔法に頼った君は私には勝てない! カラテこそ最強! これが私のカラテだ!!! とらぁ君! カモン!!! そしてこれが! ツインファイナルとらぁバスターだぁ!!!!」
絶妙のタイミングで現れたとらぁ君との前後からのラリアットが炸裂し、そこから互いに万能魔法怪人をパスしながらとらぁバスターの態勢を整えていく。
2人で万能魔法怪人を抱え込み、絶対に逃げられない態勢で放つスペシャルホールドは……響くゴングの音と共に白い光でマリアと万能魔法怪人を包み込み……その場からとらぁ君が飛ぶようにして離脱していく。
そして、響くのは観客の皆さんの万雷の拍手。
回収したクズ8人衆とマリア達を運びながら、ニンジャがアナウンスをしている。
「えー、それでは皆様。楽しいアクションショーはこれにて終了でござる。お忘れ物などなきようにー」
そう、此処で本当に何があったかなど、知る必要はない。
なんか楽しいアクションショーがあった。
それでいいのだ。
投獄されたクズ8人衆と、病院送りになったイレギュラーズ8人衆。
そんな結末も……人々の笑顔に比べれば、なんと些細なことでござろうか。
だから恨まないでほしいでござる。
忍ッ!
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
とらぁ君とニンジャだけは無傷だったそうです。
GMコメント
平和な町襲うモンスター(級のクズ)を蹴散らすのは皆さんの憧れの力!
このシナリオではニンポーによって「理屈とかをすっ飛ばしたスペシャルな姿」になれます。
能力などは一切変わらないのですが、スペシャルな力を特別に使えるようになります。
「カッコいい自分」と「カッコいい最後」を全力で楽しんでくださいませ。
なお、舞台は乾いた風の吹きすさぶ荒野になります。
●スペシャルフォーム
ニンポーにより、事前に決めたワードで「変身」できます。
巨大化もTSも思いのままです。ただし能力が変わるわけではありません。
以下の能力を追加で使用可能です。
・空白スキル(設定可能)【威力7000固定】好きな設定で放てます。子供の夢が詰まってます。
・我が人生に悔いなし(ラストスキル)「いい人生だったぜ……」みたいなラストシーンっぽい台詞を放つことで発動。相手のHPが20%以下になった時にこれを使う事で敵からニンポーの力を抜き取って撃破できます。
なお、使用時は真っ白な光が場を包み対象となった敵1体と使用者を戦闘不能にします。
最期は必ずこれを使用する必要があるでしょう。
●クズ8人衆
子ども時代から今まで凄いクズ。悪い奴は大体友達だったり商売敵だったり。
暗黒ニンポーにより「戦車ロボット怪人」「超硬怪人」「全身武器怪人」「格闘怪人」「獅子怪人」「飛翔鳥怪人」「万能魔法怪人」「超速怪人」になっているようです。
サイズは自由自在。皆さんの姿形に合わせて叩き潰してやろうとか考えています。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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