PandoraPartyProject

シナリオ詳細

猛獰の手繰り手

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●猛獰の手繰り手
 鉄帝国北東部に広がり渡る『ヴィーザル地方』。
 永久氷樹が広がるシルヴァンス地域は、真冬の寒風が吹きすさべば雪が視界を覆い尽くし、人の生きる希望を無くさせるのに十分程度な厳しい環境が広がる。
 しかし、そんな地方であっても命の灯火は根強く燃えていて。
『……うぅ……』
 そんな永久氷樹の広がる地域の一角に、数軒程度の家々が身を寄せ合うように建つ小さな集落がある。
 この冬の期間は、蓄えた食料や燃料を少しずつ消費しながら、数ヶ月先の春の訪れを待つのに必死。
 しかし……そんな冬の耐え忍ぶ村落をターゲットにしてしまったのは……。
『ヒヒヒー……冬デスねぇ-……』
『ソウデスねぇ-……マァー、力の無い可哀想な人達がねェー、負け犬の如く澄んでいる様ですネェー』
『ウンウン。マァー……そんな処には、色々と溜め込んでるデショーから、それを無惨にも奪い去ってやりましょーかねー』
『イイネいいねー! ほーら、いい感じにこいつらも戦意十分みたいですしネー』
『……グガルゥゥゥ……!!』
 ウサミミに小柄な身体の『エイドール』一族と、彼らの手の鎖に繋がれた『魔物』達。
 魔物達は、エイドール一族に飼い慣らされ、使役されている模様。
 そして彼らは、身を寄せて耐え忍ぶ村落を見つけては……使役せし魔物を嗾ける。
『う、うわぁあああ……!!』
 響きわたる悲鳴……しかし魔物達は、決してそれに慈愛を寄せることも無く、見つけた一般人達を次々と喰らい尽くしていった。


「あ、イレギュラーズの皆さん、集まってくれたようですね? それじゃ今日も、皆さんに依頼をお届けするのですよ!!』
 そう、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はローレットの君達に、肩を叩きながら声を掛ける。
 そんな彼女に呼ばれて集まった部屋には、神妙な顔つきのイズマ・トーティスの姿。
「今日はですね、イズマさんの予測が当たっちゃった様で、それの解決に向かって欲しい訳なのです! えっとですね……この冬の厳しい寒さが長引く『ヴィーザル地方』に、どうも『魔物』を使役するノーザンキングスの一派が現れた様なのですよ! 詳しい話は、イズマさんから聞いて下さいなのです!」
 促されたイズマは、こくりと頷きながら。
「どうもこのノーザンキングスの一派なんだけど、『デーモン』の様に背中に羽を生やし、鋭い爪で人々を次々に切り裂く獰猛な性格をした魔物の様なんだ。こいつらは『エイドール』というノーザン・キングスに与する一族の様なんだ」
「まぁ彼らは属してるとは言えども、している事は私利私欲を満たす為……厳しい冬の貯蓄を食い潰しながら生活している、苦しい村落にその魔物を嗾けることで、村人達を全部食い殺し、残った食料と燃料を奪い去って行く……という非道な行いをしている様なんだ」
「ノーザンキングスの『シルヴァンス地域』は、永久氷樹に包まれ元々厳しい生活を強いられている様な場所……そこで頑張って生活している彼らを食い物にする奴らを許してはおけない。とは言え一人の力では限界があるから、皆の力を貸して欲しいんだ」
 そこまでイズマが言うと、うんうんと頷きながらユリーカが。
「全く以てそうですよね! という訳でイレギュラーズの皆さん、張り切っていってらっしゃい、なのですよ!!」
 と、拳を振り上げ皆を送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今年もどうぞ、宜しくお願いします。
 
 今回の敵は兎獣人と魔物、という奇妙な取り合わせの様です。

 ●成功条件
  ノーザンキングスで好き勝手に暴れているノーザン・キングスの一派『エイドール』一族を完全に壊滅させる事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  周囲を永久氷樹に包まれた『シルヴァンス地方』です。
  木々は背が高く、視界はかなり悪い状態を強いられる形となります。
  とは言え魔物を嗾けるので、獰猛な獣の唸り声が響きわたりますので、襲来を事前に予測するのはそこまで難しくはありません。
  ただ、木々の間から突如として仕掛けてきますので、不意打ちの可能性は十分にあり得ます。

 ●討伐目標
  兎獣人の『エイドール』一族
   ウサミミ、白い体と雪の中ではかなり姿を見つけるのが難しいであろう獣人達です。
   彼らはとても狡賢く、魔物を嗾けることで村を壊滅状態に陥らせた後に、少し遅れて街にやってくるという行動を取ります。
   その為、彼らを倒すにはある程度魔物と苦戦している様に見せかけて誘き寄せる必要が有ります。
   ちなみに彼らの戦闘能力はそんなに高くありません。彼ら3人がかりで、何とか皆様一人と対峙出来る……と言った具合です。

  操られし『魔獣』 5体
   獰猛、かつ凶暴な魔獣です。
   背中に羽を生やし、鋭い爪で切り裂き、首元に噛みつく事で攻撃と体力吸収を行ってきます。
   彼らは理性はないので、村落を襲撃したら目に付くものを見つけ次第、殺すべく動き回ります。
   体力、攻撃力どちらも高く、かなりの強敵なのでご注意下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 猛獰の手繰り手完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月24日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
アレックス=E=フォルカス(p3p002810)
天罰
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
アクア・フィーリス(p3p006784)
妖怪奈落落とし
夜式・十七号(p3p008363)
蒼き燕
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●獣たる手数
 鉄帝国北部、ヴィーザル地方。
 真冬ともなれば吹雪が吹きすさび、人々は生きる希望を失いかねない位に厳しくも辛い環境。
 永久氷樹が広がる地域では、数軒程度の家々が助け合うが如く寄り集まり、助け合うようにこの冬を過ごしている。
 ……しかし、そんな厳しい冬をどうにか過ごそうとしている人々を、略奪という力でもって破壊しようとするのは、鉄帝に仇成す集団『ノーザンキングス』。
「……またか。厳しい環境は、こうも人の心を荒ませるのだね……」
 唇を噛みしめながら、『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)が息を吐くと、それに頷く『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)。
「ああ……それも魔獣を操るという一族だと言うからな……そういうのが居る可能性があるとは思って居たが、本当にそういう一族が居たとは……ノーザンキングスの生き方は様々だな」
 二人の言う通り、今回のノーザンキングスに属せし『エイドール』一族。
 ウサミミに小柄な体という、おおよそ戦闘には向いていない一族である様に思う。
 だが、その非力さを補うかの如く、デーモンの様な強力な魔獣を率い、そいつらを先んじて嗾けること街の混乱を起こし、その混乱に乗じて町の人や資材、燃料……つまりは人が生きる為に必要な物全てを奪い去って行くのだ。
 そんな狡猾な『エイドール』一族の動きに、いつもと違い、かなりの憤りを口にするのは『呑まれない才能』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)。
「ハッ……!? シルヴァンスの面汚しめ……こーいう輩が居るから、ノーザンキングスの評判が下がるんだろうが? てか、兎獣種だって? ……私の大好きな婆ちゃんと同じ種族な癖に、外道な行為をしやがって……楽に死ねると思うんじゃねーぞ? エイドールよ、キッチリ落とし前つけてやる。覚悟しておけや……!」
 並々ならぬ怒りを吐露するヘルミーネ。
 それに『横紙破り』サンディ・カルタ(p3p000438)が。
「ま、ノーザンキングスの奴らにも良い奴はいるかもしれない。だが、俺が良く聞くのはこういう、人のモンを私利私欲で戦う力の無い人々から奪い去って行くのが多いんだよな……」
 と首を傾げる。
 それに鉄帝に長く住まいし『蒼き燕』夜式・十七号(p3p008363)は。
「確かにサンディの言う通りだ。まぁ奴らは鉄帝に対し徹底的に抵抗しよう、と考えて居るのが多い様だからな。鉄帝を困らせるには、弱者から奪う事が手っ取り早い……とでも思ってるのだろうさ」
 と断じると、イズマも。
「ああ……そんな私利私欲を満たす略奪は見過ごせないな」
 唇を噛むと、それに『憎悪の澱』アクア・フィーリス(p3p006784)も。
「うん……悪さを、してるひとも……そのままに、できないの。好き勝手、傷付けて、何も悪くない、ひとから、奪って……絶対、許さない……魔獣も、その一族も、全部殺してやる……!」
 並々ならぬ殺意を纏うアクア。
 そんな仲間達の様々に蠢く思いを聞きつつも、マリアは。
「確かに弱者から奪う……というのは彼等にとって都合が良い事なのだろう。しかしその根本の原因は『餓え』なのだろう。治安維持の為に賊の討伐は必須だけど、基本的な餓えをどうにかしなければ……」
 それに『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)も。
「そうですわね、マリア。餓えと寒さは、人の生死に直結する問題……そんな苦しむ方々を一人でも無くし、豊かに暮らせる世界を実現したい所ですわね」
「うん。その為にも今回は手分けしての作戦になるね。ヴァリューシャ、敵の数は多いみたいだから、気をつけてね!」
「ええ……マリィも、皆も気をつけて」
 ヴァレーリアとマリアが頷き合う。
 今回の作戦は、最初から二班へと別れての行動……魔獣達の魔の手から町の人を守る為には、苦戦を強いられている様にエイドール達に思わせねばならないのである。
 そんなエイドール達に『天罰』アレックス=E=フォルカス(p3p002810)は。
「……弱い者しか牙に掛けることが出来ない、という事か……きっと逃げる時も、仲間を差し置いて逃げるのだろうな……」
 と失意の溜息を吐き捨てるのであった。

●命の灯火
 そして、イレギュラーズ達は、襲われると予測された村の近くに到着。
「さて……と、取りあえず魔獣達が何処から来るかだな……」
 とサンディが周囲をぐるりと見渡すが……現状、まだ魔獣達の姿は見受けられない。
「取りあえず、魔獣達は村を襲撃するという話だから、一足先には到着出来たみたいだね。それじゃ、軽く村に話を付けてくるよ」
 と急ぎマリアは一旦村へと向かう。
 これから魔獣が襲い掛かってくる事、私達が必ず護る故に、村から出ないで欲しい……と、話を付けていく。
 当然村の人達からすれば、願ってもない申し出であるし……護ってくれるのであれば従うのも当然。
 そうしている間にも、ヴァレーリヤ、アクア、イズマ、ヘルミーネの四人は村の近くの氷樹の中に姿を隠し、エイドール一族及び魔獣達の影を探す。
 ……でも、流石にかなりの寒さを感じざるを得ず。
「さむい、さむい……早く、暖かいココア、飲みたい……」
 体を震わせながら、待ち続けるアクア……だが、雪原上にも、まだその姿は現れない。
「雪ばっかりで、見つからないな……どこ、だろう……?」
「……ん」
 とアクアの言葉に瞑目しつつ、周りの霊魂に向けて。
「……みんな、ちょっと協力して欲しい。自分達の手で、自身の仇を取りたくないか?」
 と、呼びかける。
 最初の内は、その呼びかけに反応する霊魂は無かったのだが……暫く呼びかけ続けていると、その言葉に呼応する霊魂が、段々と近寄ってくる。
『……』
「うん、大丈夫……そうか、あっちの方に居ると」
 霊魂の声に頷きながら、ある方向を指さすヘルミーネ。
「ん……あっちの方向……か?」
 とイズマがしっかりと目を凝らすと……雪の上に兎の白い体という保護色もあってかなり見辛いものの、耳の肌色の部分だけが、うっすらと地平線上に確認出来る。
 そして。
『ヘヘ……さぁてと、あそこに村がある様ダナァ!』
『オウ! んー……人は住んでる様じゃねーかぁ。そんなに大っきな村じゃなさソウだし、手頃ジャネ?』
『酷ェーなァ! マ、そういう村を今迄も襲ってキタけどヨ!』
『アア! んじゃアよ! アイツらを放つとしようゼ!』
 周りに人が居ない事をいい事に、仲間達と大きな声で会話している。
 そして、彼等の少し前方には、ガルゥゥ、と唸り声を上げて闊歩している魔獣の姿。
「あれが……魔獣ですわね。準備を整えている様ですわ……注意して下さいまし。私達が先に見つかっては、作戦が台無しになってしまいますもの」
 とヴァレーリヤは仲間達に身を低くするように指示し、雪の上に隠れる。
 そして、エイドール達が自分達の少し手前位までやって来ると……。
『さぁて……ンジャあ、始めるとするカァ!!』
 と、その手の魔獣を、一気に村へ向けて嗾ける。
『ガルゥゥ……!!』
 咆哮を上げて駆けてくる魔獣……その咆哮にすぐに気付いたアレックスが。
「……こっちだ」
 そう仲間達に告げると共に、賭けてくる魔獣に迎撃の一閃を放つ。
 一撃を喰らうも、決して怯まぬ魔獣達。
 そしてイレギュラーズ達はすぐに村を護るべく対峙する陣容を整える。
 しかし4人に対し、魔獣は五体……数の上では不利な状況……とは言え背に背負う村には絶対に足を踏み入れさせる訳には行かない。
「さあ! 始めようか!」
 と、大きな声で戦線布告。
 更にサンディ、アレックス、十七号の三人も威風堂々たる名乗り口上を上げて、魔獣達の注意を完全に惹きつける。
 ……とは言え下手に魔獣を倒して仕舞えば、エイドール達は尻尾を巻いて逃げ帰ってしまう。
 そうなれば、ここの被害は出ないかも知れないが、別の所での被害が出るのは止められなくなってしまう。
「悪いが行かせない! 君達は私と遊んで貰う!」
 注意を惹きつけた後に、マリアは己に雷装深紅を纏う。
 そして流れる様にその手から白雷の雷鳴で魔獣達を後方から撃ち抜くと、続けて十七号とサンディ、アレックスの三人が連携し、魔獣を攻撃。
 一方で魔獣は、目の前のイレギュラーズ達を喰らい、更に先へと進もうとする。
 かなり勢い付いて攻め込んでくるので、それを抑えるのは意外に骨が折れる。
 しかし、苦戦している様に見せかけなければエイドール達は追撃してこない……なので、ジリジリと前線を引き下げながら。
「くっ……このままいくとジリ貧だ! 気張って行くぞ!」
「ああ……!」
 と、苦戦している様に見せかけながら、対峙を継続。
 ……そんな苦戦を続けつつも、隠れているエイドールチームの者達は、エイドール達の会話を確認。
『んー……敵ガ居た様だなァ?』
『ミタイだなぁ! だがよォ! 魔獣に勝てる訳ネェ! もうちょっと待ってみようゼ!』
 と魔獣の動きを双眼鏡で観察しながら、状況を観察し続ける。
 そして魔獣達を嗾けてから十分ほどが経過した頃には。
『フフン。中々疲弊してキテル! そろそろ、俺達の出番ダナ!』
『オッケー、んじゃ行くゼ!!』
 魔獣達を倒せずに居る位の実力だ、と認識した様で、我先にと魔獣に続くエイドール一族。
「っ……! 追撃、だと」
「みたいだな……このままだと、不味いぞ……!」
 驚きの表情を浮かべる四人。
 だが決して村にまでは行き着かない様に立ち塞がり続ける。
『ケケケ! 本気で戦ってみろよ! ま、無理だろうけどヨ!』
 人を小馬鹿にする様に笑うエイドール達……魔獣5体に加え、彼等が加われば圧倒的な戦力差。
 そんな戦力差があるからこそ、自意識過剰気味なエイドール一族。
 ……だが、彼らが意気揚々とイレギュラーズに攻撃している所へ、更にその背後から怒濤の如く攻め込む仲間達。
「覚悟しろ。誰一人逃すものか! 好き勝手な略奪が過ぎればどうなるか、思い知れ!」
 とイズマの宣告と共に放たれた奇襲の一撃。
 完全に背後を取られたエイドール一族、喰らった一撃に雪の上に突っ伏す。
『何ィ!?』
 驚愕の表情で振り返る数匹。
 そいつらに対し、アクアとヴァレーリヤが。
「動かないで……これ以上、命の、保障は、できないの……!」
「ええ。もう十分でしょう。消し炭になりたくなければ、降伏なさい!」
 二人から下されるは降伏勧告。
 しかしエイドール達は、やはりというか……聞く耳を持たず。
『う、煩ェ!! 不意打ちだなんて卑怯ジャネエカ!!』
『卑怯者メ、恥を知レ!!』
 と、非難囂々。
 だが勿論彼等が今迄村を襲った方法は、村に対する不意打ち……そんな学習しないエイドール達に向けて、辛辣にヘルミーネが。
「まずは……てめー等の被害者の怒りを知れ!」
 と亡霊の悲鳴がエイドール達の耳を次々と蝕む。
 苦悶するエイドール達に、更にヴァレーリヤのメイスの一撃と、アクアの極寒の津波で押し流す攻撃。
 そう背後から攻めた四人に任せるとして、魔獣達を対峙していた残る四人は。
「よし……もはや耐える必要も無い。ならば……一気に押し返していくぞ」
「ああ。情けは要らんな。獣を狩るように、ただ効率的に、無慈悲に私はこの槍を振るおう……」
「じゃあ、一気に仕掛けるぞ!」
 そして十七号は瞬時に気合いを燃やすと共に、防御力を犠牲にした力技で攻撃する一方で、サンディも呪王たる渾身のスマッシュを喰らわせる。
 二人に続くアレックスは、真紅の鎖で魔獣を捕らえ攻撃、マリアの神速の拳で一体を確実に仕留める。
 ……個々の魔獣に対する集中攻撃は、確実に一匹ずつの息の根を止めていき、その間にエイドールに向けては断罪の攻撃が、総じての体力を削り去って行く。
 そしてエイドールの攻め入りからの数刻の内に、五体居た魔獣達は全てが死。
「後は……貴方達だけ」
 とアクアが悲しげに視線を配す。
『クソ……がァア!!』
 蔑まされたかのように感じたエイドール達は、逆上と共に徹底反攻。
 しかし魔獣に攻撃を任せるような彼等は、個々の力はそこまで高く無い訳で……数刻の内に全てが、雪上に臥していくのであった。

●城を彩る
 そして……。
「ふぅ……どうにか終わった様だな」
 一息吐くイズマ……その足元に転がる兎獣達。
「全く……本当に巫山戯た奴らだ。てめぇらの魂は絶対に天国になんか行かせてやらねぇ。魔獣もろとも、とっとと地獄に墜ちろ」
 と、辛辣に吐き捨てたヘルミーネ。
 ……そんなヘルミーネの言葉に反応するかの様に、周りの永久氷樹はザザザ、とざわめく。
「ん……? ああ、大丈夫なのだ! みんなの仇はヘルちゃんがしっかりと取ってあげたのだ! だから……もう、ゆっくりと休んで欲しいのだ」
 と、氷樹の方向へ向くと共に、そんな言葉を口にして、目を閉じて手を合わせるヘルミーネ。
 更に暫くの間ざわめき続けてたものの、段々とその騒がしさも落ちついてくる。
「……これは……何が起きてる?」
 十七号が軽く驚いていると、再び目を開けたヘルミーネが。
「……あれは、こいつらに殺された被害者の方々の霊魂なのだ。大丈夫、ヘルちゃんがしっかりと弔ってあげたから、化けて出る事もないのだ。ちゃんと、みんな天国に召されたはずなのだ」
「そうか……なら、良かった」
 胸をなで下ろす十七号。
 そして被害者の魂が召された後には、永久氷樹地帯もまた静寂に包まれる訳で。
「さて、と……それじゃ村の方にもう安心して欲しい、とでも言いに行くとするか?」
「そうだな。私も手伝おう……魔物達に教われて、少なからずの恐怖は覚えているだろうからな」
「ああ、助かる。んじゃあ行こうか」
 と、サンディにアレックスが頷く一方で、マリアは。
「それじゃ、そっちの方は二人に任せてもいいかな? 私はちょっと……この地の飢餓を止める為に、出来る事をしたいなって思うから」
 と言いながら、雪の降り積もった足元を指さす。
 仲間達は何をしたいのか……と首を傾げるが、ヴァレーリヤはマリアの考えを理解した様で。
「……そうですわねマリィ、私も手伝いますわ。だって……飢える人を一人でも少なくしたいのは、私の願いでもあるもの……ね」
「うん、勿論だよヴァレーリヤ!」
 笑いながら、仲間達を送り出す。
 そして……皆が村へと向かうのを送り出すと、マリアは足元の雪をスコップで掻きだす。
 かなり深くまで掘り進めば、夏の短い時期しか顔を出さない地面が出てくるので……その土を数カ所採取。
「かなり厳しい環境だけど、こういう所でもきっと生育出来る作物はあるはずなんだ。それを見つける為にも……これがその切っ掛けになるといいね?」
「ええ……ありがとう、マリィ」
 そう、マリアに微笑むヴァレーリヤ。
 このヴィーザル地方は厳しい環境……そこに住まう人々が、少しでも幸福に生きられるように……この土が、その一助となる事に淡い期待を抱きながら、二人も厳しい豪雪の地を後にするのであった。

成否

成功

MVP

ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

状態異常

なし

あとがき

ノーザンキングス依頼へと参加戴き、ありがとうございました!
魔獣達を操る奴ら……厳しい世界故に、そういう事を考えるあくどいノーザンキングスの者達は、これからも出てくるかもしれませんね……。

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